診断書を偽造して不正に病気休暇を取得し、給与を不正に受給したとして筑波大学(つくば市天王台)は31日、同大学の40代男性事務職員を同日付けで懲戒解雇処分にしたと発表した。
大学によると、男性は2017年6月から19年7月までの間、へんとう炎や急性胃腸炎などを患っているという診断書計22通を偽造し、計107日と4時間30分の病気休暇と病気休職を不正に取得し、給与約190万円を不正に受給したとされる。
病気治療中のはずの男性職員を、別の職員がたまたま外出先で見掛け、診断書を出した病院に問い合わせたところ、偽造が発覚した。
男性は大学の調べに対し、偽造を認めて謝罪し、給与の不正受給分約190万円を返納したという。動機については「なぜこういうことをしたか分からない」などと話しているという。大学は、給与の不正受給分がすでに返納されているため刑事告訴は行わないとしている。
永田恭介学長は「本学職員がこのような事態を起こしたことは極めて遺憾。事態を真摯(しんし)に受け止め、国立大学法人職員としての社会的責任の重さを認識し、職員に対し意識の向上や再発防止に向けた啓発活動を行い、信頼の維持・向上に努めたい」などとするコメントを発表した。