土曜日, 10月 23, 2021
ホーム つくば 自治会運営㊦ アナログ業務をIT化し効率的な運営代行 つくばのNPO法人

自治会運営㊦ アナログ業務をIT化し効率的な運営代行 つくばのNPO法人

【橋立多美】退職後のシニア世代が担ってきた自治会(区会)が超高齢社会の到来で曲がり角にきた。催事や集金業務などへの負担や近所付き合いを煩わしく思う人も増えて加入率は低くなり、一部では「不要論」もささやかれている。

こうした自治会運営に一石を投じるのがTX沿線の若いまち、みどりのに誕生したNPO法人「みどりーむプロジェクト」だ。手間のかかる区会業務を代行することで、核家族で共働きの現役世代を中心とした住民の負担をなくしている。

同プロジェクトをけん引するのは理事長の渡邉周一さん(46)。外資系IT企業に勤務し、11年前にみどりのに新居を構えた。入居間もなく近隣の工業団地に産業廃棄物処理工場の建設計画が持ち上がった。渡邉さんは「みどりの第一区会」を立ち上げ、地域住民の署名を集めて建設計画を白紙に戻させた。

以後、同区会の会長として経験を積む中で、業務を整理して委託できるものは外部の代行業者に託し、区会本来の「住みよい地域づくり」を重点にした活動が望ましいと考えるようになった。

パトロールに臨む渡邉周一さん㊧と事業の一つ、みどりの駅前の緑化活動の様子

区会の仲間らと地域主体のまちづくりについて検討を重ね、継続して取り組むための「みどりーむ憲章」を掲げる一方で、NPO法人みどりーむプロジェクトを2013年3月に設立した。区会の創設と運営、みどりの駅前緑化、同駅前イルミネーション運営支援3本が事業の柱だ。

NPO設立当時、住宅街やマンションを建設する開発業者に区会運営を働きかけて同意を得た。業者の「自治会運営はNPOに委託します」に入居者たちから反対の声が上がることはなかった。渡邉さんは「自治会活動を経験した年配者に喜ばれ、委託の価値が分かっていると思った」と言う。

6つの区会(合計約300世帯)の運営を請け負い、主に行政情報などの提供とごみ集積所の管理、行政機関への要望書作成と提出を代行している。情報は電子化して送信。これによって仕分けしたり一戸ずつ配布する手間と時間を省き、受け取る側も必要な情報に目を通せば事足りる。

誤ったごみ出しが住民トラブルを招くことから、ごみ集積所の利用はルールを決めて順守を呼びかける。ごみ収集後の衛生管理は清掃会社に委託している。区会からの委託料と、各世帯が負担するごみ集積所の管理費と区会費はNPOが管理する区会の口座に入金される。集金担当者の重荷になる従来の集金スタイルが一掃され、時代に即した効率的な運営を実現している。渡邉さんが会長を務めるみどりの第一区会も同様のシステムで運営され、役員選出でもめたことはないそうだ。

渡邉さんは「まちには高齢者や認知症の人もいる。やがて足腰が弱くなってごみ出しも大変になるだろう。どう対処していくかがこれからの課題」と話した。

住んで良かったと思える安心、安全なまちづくりのために、みどりの第一区会の有志約20人が毎月1回街中を徒歩でパトロールしている。顔見知りの住民が増えてまちの安全を見守る輪が広がっているそうだ。

➡自治会運営㊤はこちら

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

女子大生アイドルコピーダンス決定戦で日本一 筑波大学Bombs!

筑波大学のアイドルコピーダンスグループ「Bombs!(ボムズ)」が、大学対抗の女子大生アイドル日本一決定戦「UNIDOL2021 Fresh~Berry~(ユニドル2021フレッシュ・ベリー)」で1位に輝いた。12チームが出場し、6日に東京・新宿で開催された。 UNIDOLは、「ユニバーシティー(大学)アイドル」の略。今回の大会は、新チームや1年生などを中心に大会出場の経験がない大学生を出場条件とした。 Bombs!は今年加入した1年生など新メンバーをはじめ、コロナ禍で出場することができなかった昨年加入のメンバー総勢17人で挑んだ。人数が他チームよりも多かった一方、振りやフォーメーションがそろっており、一体感があった点が高得点につながった。 出場したのは、青山学院大学、早稲田大学、明治大学など、ソロで参加したチームもあった。 大会に向け、Bombs!が練習を始めたのは夏休み前の7月。パフォーマンスする曲を決めることや、各メンバーの立ち位置決め、振り付けを覚える、統一感を出すなどやることは山積みだった。 この大会でリーダーを務めた2年生のさくらさんは、練習の中で「人数がそろわなかったこと、マスクを外しての練習ができなかったこと」が大変だったと語った。「夏休み期間で免許合宿に行くメンバーや授業で忙しいメンバーがいて、17人という大人数がそろうのは大変でした。全員で練習できたのは本番前2回だけ。ダンスの大会ではなく、アイドルダンスのコピーをする大会なのでアイドルらしい表情も大切になります。そこを感染症対策のマスクのせいであまり全体では練習できなかった」

ボーイフレンドと一緒にどんぐり人形 《くずかごの唄》96

【コラム・奥井登美子】暑さと寒さの気温の差が激しい。血圧が上がったり、下がったり、気をもんでいる患者さんがやたら多い。植物の世界も、昆虫の世界も、人間の血圧と同じように、寒暖の差と雨の降り方の急激な変化についていけなくなってしまっている。 我が家の庭の木の実も、今年はチトおかしい。ギンナンはいつもの年の大きさの半分以下。アズキを少し大きくしたぐらいの大きさなので、煎って殻を割って、中の緑色の玉を指で引っ張り出せない。秋の味覚、緑色に輝く初物のギンナンを諦めざるを得なくなってしまった。ここ50年以上、ギンナンの実がこんなに小さかったのは初めての体験である。 さて、この食べられない小さなギンナンをどうすればいいか、困ってしまった。「登美子さん、いる? ドングリで人形を作ろうよ」。私の年下のボーイフレンド、晃太郎が週に1回やってくる。今年も、コロナ禍で昆虫観察会は中止になってしまったが、5歳の彼は「どんぐり山」で拾ってきたクヌギのドングリが丸くて大きいので、おもちゃ代わりにいじっていた。 雛人形やバレリーナ人形 そのうち、虫が中に入ってしまって穴の開いたドングリが気にいったらしい。その穴を口に見立て、目玉を張り付けて、ドングリ人形を作ったり、穴にひもを通して、パパとママにネックレスを作ってプレゼントしたりしているうちに、ドングリ細工にのめり込んでしまった。

救援用トロッコが車いす運ぶ TX異常時総合訓練を実施

つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新鉄道(東京都千代田区)は21日、つくばみらい市筒戸の同社総合基地でTX異常時総合訓練を行った。同社社員やつくば市消防本部、常総広域消防本部など、関係機関の職員たち約180人が参加した。総合訓練の実施は今年を含め計13回目。 訓練は、同日午後1時21分ごろ、TX秋葉原駅発つくば駅行きの下り区間快速列車がATO(自動列車運転装置)で運転中、軌道に隣接する道路で交通事故が起き、トラックから鉄骨が軌道内に落下して架線と線路を損傷した。快速列車は非常ブレーキをかけたものの、線路内に落ちた鉄骨に衝突し列車は脱線、車いす利用者を含め複数の乗客に負傷者が出たーとの想定で行われた。 乗客役の参加者たちは指示に従い、先頭車両の非常用ドアから軌道敷に下りて避難する=同 訓練では、乗務員や列車に乗り合わせた同社の社員たちが、乗客や自力で歩ける軽傷者を非常用ドアから軌道敷に下ろして、避難を誘導した。列車内にいる外国人乗客に対しては、避難を呼び掛ける日本語を英語などの外国語に翻訳する「多言語メガホン」を使って誘導した。事故現場に駆け付けた消防隊員たちが負傷者や重傷者を救出し、車いす利用客は車輪をレールに合わせた専用トロッコ「救援用搬送トロ」に乗せて運んだ。 救助活動が終了した後も、社員たちが鉄骨の撤去や切れた架線の修理、脱線した車両を線路に元通りに戻す復旧作業に取り組んだ。事故発生から約2時間で、列車は運転を再開した。

みんなが協力しての文明生活 《遊民通信》27

【コラム・田口哲郎】前略 以前から、今の生活水準を維持するのに必要な文明の利器は何だろうか?と考えていました。それは電力、水道、気密性の高い住居、空調、温水洗浄便座だと思います。電力と水道水さえあれば、たとえこの地上にたったひとり取り残されても、家にこもればなんとかなりそうです。空調と温水洗浄便座はぜいたく品でしょうが、一度使ったら空調・温水洗浄便座以前には戻れません。科学技術が人間生活を快適にしましたが、その基盤は電力と水道水が築いたものです。でも、人はたったひとりでは、どうにもなりません。 ヒストリーチャンネル制作の「人類滅亡 Life after people」という番組があります。コンセプトは人類が突然消滅した想定で、その後の都市の様子をシミュレーションするというものです。なんとも不気味な設定ですが、いろいろ考えさせられる内容でもあります。 人類消滅の翌日からさまざまな変化が起こり、自然が都市を侵食し始めます。植物がはびこり、ペットが野生化し、かつての都会は動植物王国になる。そして消滅後50年後あたりからランドマークが次々と崩壊します。たとえば、ロンドンだとビッグベンやロンドン橋が、ワシントンだとホワイトハウスが、フランスだとエッフェル塔が無残にも崩れ落ちるのです。 現実にはあり得ないことが次々に映し出され、目が離せません。最後はだいたい人類消滅後300年後の街がただの森林になってしまうという結末です。CGがリアルでまるでそこにいるような感覚になります。