日曜日, 7月 3, 2022
ホーム コラム 《食とエトセトラ》1 温故知新 ご飯の炊き方

《食とエトセトラ》1 温故知新 ご飯の炊き方

吉田礼子さん

【コラム・吉田礼子】「食は母系で伝わる」と言ったら、今どき、古臭いと一蹴されてしまうでしょうか? あなたにとってお袋の味は何? と聞かれたら、何を思いうかべるでしょうか? 卵焼き、味噌汁、ご飯おにぎり、コロッケ、カレー、ポテトサラダ? 昭和30年代までに生まれた人だったら、思い当たるのではないでしょうか。

美味しい思い出とともに、若いころの母や兄弟姉妹の姿が蘇(よみがえ)る。今振りかえると、自分の味覚はこのころ形成されたと感じている。母が料理する姿を見ていると、こちらも楽しかった。そのうち自分でもしたくなり、母に頼んで手伝う。先ずはお米のとぎ方から。

見ているときと違って、1升の米をとぐのは大変なこと。水は冷たく、羽釜(はがま)は重たく、米粒をこぼさないよう神経を集中する。竹ザルに上げ、シャッシャッと水を切る。斜めにするとさらに水が出る。15~30分、布巾(ふきん)をかけて上げておく。この状態でも浸水時間は進んでいる。

初めチョロチョロ、中パッパッ

いよいよ炊飯。初めチョロチョロ、中パッパ、ブツブツ言うころ火を引いて、赤子(あかご)泣くとも蓋(ふた)とるな―。この歌、聞いたことがあると思いますが、蓋を開けないで、釜の中の状態を判断する先人の知恵に脱帽です。

初めチョロチョロは火加減のこと。強めの中火で釜の中の水が沸騰して、中の圧力が最高点まで高まり、隙間から蒸気が徐々に出てきます。蒸気が上に向かい勢いも強くなり、泡が出て噴きこぼれそうなら、圧力は最高点でブツブツ。

そこで一番弱い火加減にし、五合ぐらいで15分、赤子がせがんでも我慢。15分経ったら、一度強火にして、20ぐらい心の中で数える。耳を澄ますとチリチリ音が聞こえ、美味しいおこげができている。火を止め15分蒸らし、蓋を開ける。蓋は釜の上で立てず、水平に動かして外で立てる。

ご飯粒が立って、瑞々(みずみず)しくピカピカ光っている。周りをシャモジで回し、上下にかきまぜ、お櫃(ひつ)か飯台(はんだい)に空けて蓋をする。余分な水分を木が吸ってくれ、パリッと旨味と甘みが増す。

和食はユネスコの無形文化遺産

2013年、和食がユネスコの無形文化遺産に認定さました。和食が評価されたのは以下の点です。

▽多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重:国土が南北に長く、海、山、里に多種多様な食材を有する
▽栄養バランスに優れた健康的な食生活:一汁三菜を基本とした理想的な栄養バランス、旨味を上手に使いヘルシーな食生活が長寿の秘訣
▽自然の美しさや季節の移ろいの表現:四季折々の花や葉を飾って料理して、季節感を楽しんでいる
▽年中行事との密接な関わり:正月などの年中行事と食文化が密接に関わり、また食の時間が家族や地域の絆を深めた

お料理も欧米型、調理法も簡便な方が求められている昨今、先人の知恵を学び、和食を次世代につなげていきたい。和食を通じて、年中行事、家庭や地域の絆も大切にしていきたい。(料理教室主宰)

【よしだ・れいこ】東北学院大文学部史学科卒。子どものころから母が料理する姿に触れ、料理の先生に憧れる。「台所は実験室」をモットーに独学。50歳を前に、全国料理学校協会所属の児玉久美子先生に師事。2008年、土浦市に吉田料理教室を開校。1953年、宮城県生まれ。土浦市在住。

 

陽性確認者数(公表日ベース)の推移

つくば市

土浦市

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

臭いやアルコール対策示すも反発の声相次ぐ つくば洞峰公園事業で県の説明会

つくば市二の宮にある茨城県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)で進められるリニューアル計画で、県は2日、同市竹園のつくば国際会議場で説明会を開いた。県と事業者による初の説明会。つくば市から懸念の声が出ていたグランピング施設とバーベキュー(BBQ)施設の臭いやアルコール対策について、県と事業者から対策が示されたが、参加した市民からは「洞峰公園を変える必要はない」など反発の声が相次いだ。つくば市民を中心に約150人が詰めかけ、県の説明に対し、会場からは厳しい反応が相次いだ。 臭いやアルコール対策について、パークPFI事業者「洞峰わくわく創造グループ」代表の長大が計画の一部見直し案を示した。①BBQ施設を、当初計画していた冒険広場から、グランピング施設整備する野球場中央に移す②炭焼きBBQは取り止め、煙が出ないガスグリルに変更する③深夜は管理人がおらず無人になる計画だったが、グランピングエリアの管理棟に24時間、管理人を常駐させる④夜9時以降はサイレントタイムとし騒いでいる人がいたら管理人が対応する⑤グランピング施設の周囲に目隠しとなる木製の柵を設け、景観に配慮する⑥南側駐車場の拡張(127台分)は、駐車台数を減らすことも含め、樹木をなるべく伐採しないよう計画を再検討するーなど。 一方、県は、公園全体が変わってしまうわけではないこと、パークPFI事業によって県が支出している指定管理料を年間6000万円削減でき、年平均8000万円かかる体育館やプールの大規模修繕を計画的に行える見通しが立ことなどを強調した。 収支計画の開示要求に答えず これに対し参加した市民からは、グランピング施設を収益事業の柱と位置付ける計画について、収支計画の開示を要求する意見が複数出された。長大が「民間事業者として、ノウハウも含めて収支計画は出すことができない」と答えると、会場から「これでは市民は計画の妥当性を判断できないではないか」など非難の声が投げかけられた。今回の目的の一つである、老朽化する体育館やプールの改修計画についても、収支計画を公開するよう求める声が出た。これに対し、県が公開時期を明確にできなかったことから、怒声が飛び交った。 絶滅危惧種など希少動植物が生息していることが市民から指摘された問題について県は、市民の意見を踏まえつつ、今後の対応を検討したいと答えるにとどまった。

挫折経験を強みに活躍するチームリーダー 土浦市 池田あゆみさん【ウーマン】3

土浦市田村町在住、池田あゆみさん(42)は、明治安田生命保険(本社・東京)つくば支社土浦南営業部に勤務して8年目の支部マネジャー。チームリーダーとしての仕事に「楽しくてやりがいがある」と笑顔で話す。余裕を感じさせる姿勢は、食いぶちを稼ぐための水商売を振り出しに、幾多の失敗や困難で得た経験によって培われた。 16歳で家出して水商売に 陸上自衛隊の自衛官だった父親の霞ケ浦駐屯地への異動で、小学6年のときに阿見町中央に引っ越してきた。4人きょうだいの末っ子。しつけが厳しく過干渉な母親から逃げたくて、中学3年になるとプチ家出を繰り返すようになった。 「夕方家に帰りたくなくて公園にいることが多かった。お腹が空いて、公園に隣接したコンビニが食べ残しの弁当を裏手の物置に入れるのを見ていたので、こっそり持ち出して食べました。(人の食べ残しに)抵抗はなかった。冬は学校のジャージだけで寒くて辛かった。行く当てはなくて翌朝には家に帰りました」 高校生になっても家は息が詰まり、週末は友だちと土浦の中心街に出かけるのが常だった。当時は駅前通りに大型店の小網屋や西友、丸井があって賑わい、路上でワゴン車に積んだ倒産品などを売る30代の男性、ノリさんと顔なじみになった。 何度もノリさんに「自分で稼いで食べていきたい」と訴え、夏休みが終わる頃、家出してノリさんの住む東京・小岩の高級クラブで働き始めた。クラブを経営していたママはノリさんの知人で、ママが衣装を貸してくれた。年齢は4歳サバを読んで20歳で通した。

「キーパーソン」 《続・気軽にSOS》112

【コラム・浅井和幸】「キーパーソン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。病院への入院や介護施設に入所するときの手続きや連絡先などの協力をする人を指すことがあります。家族などが担うことが多いですが、身寄りがない方の場合は弁護士や施設の職員などが担うこともあるようです。 それ以外に、地域福祉でも支援時に課題解決のカギを握っている人という意味で使われることがあります。例えば、コミュニケーションの取れないひきこもりの方への支援としてのキーパーソンとして、接する機会が多い家族や友人、すでに支援をしているワーカーなどが挙げられるでしょう。 「悪いのは自分ではない、社会の方だ」という信念から、支援者とは会いたくない、何をされるのか分からずに怖いと感じている方は多いものです。支援を受けるなんて迷惑をおかけして申し訳ないと考えて、かたくなに支援を拒む方もいます。 良い悪いではなく人は支え合い、その多様性の中で生きていくものです。生活上で何か支障があれば、頼れるところを頼ることは大切なことです。 しかし、頼ることに慣れていない人が、そうそう簡単に支援者を利用することを選択できないことは当たり前のことです。心身にある程度の余裕がなければ、新しいことを始めることがさらなるストレスになり、避けたくなるのは不思議なことではありません。 そのようなときに、新しいことを取り入れることができる、周りの少しでも余裕のある方に関わってもらうことは、事態を変化させることにポジティブな影響を与えます。いろいろな関わり方のできる人が周りにいることは、複数の選択肢を得ることになります。

あまり話さない息子と、あまり話さない私《ことばのおはなし》47

【コラム・山口絹記】あなたは、生まれてはじめて自分が発したことばを覚えているだろうか。 まぁ、覚えていないだろう。でも、親であれば自分のこどもが初めて発した意味のある(と思われる)ことばは覚えているのではないだろうか。我が家の上の娘も、最初は「まんまんま」とか「わんわん」とか、おそらく統計的にもよくあることばから話し始めていた。 しかし、下の1歳になる息子があまり話さない。 今年から保育園に通い始めたのだが、ついに保育園の先生に「あまり話さない」ということで心配されてしまっていた。普通はそろそろ「ママ」とか「わんわん」とかいうんですけど、ということらしい。かわいそうに、2人目のこどもということで、だいぶ適当に育てられている彼。母子手帳に書かれているような発育具合のチェックも適当になっていて気が付かなかった。 とはいえ、特に心配していなかったのには一応理由があった。保育園の先生にはなんとなく言えなかったのだが、すでにいろいろボキャブラリーがあったのだ。 一つは「でてって?(出ていけの意)」。何か気に食わないことが起きたり、私の帰宅時に飛び出すひとこと。これは姉のマネである。