【鈴木宏子】11月に任期満了を迎えるのに伴って行われるつくば市長選について、現職の五十嵐立青氏(41)は27日開かれた市議会3月定例会で「2期目も引き続きつくば市長として市政運営を担っていくべく強い決意をもっている」と答弁し、再選に向け立候補を表明した。与党最大会派の小久保貴史氏(自民つくばクラブ・新しい風)の代表質問に答えた。
同市では今年、市長選・市議選の同日選挙が行われる。市長選の立候補表明は五十嵐氏が初めて。前回は五十嵐氏のほか、元市議の飯岡宏之氏、元衆院議員の大泉博子氏の新人3人が立候補し、激しい選挙戦が繰り広げられた。
五十嵐氏は「市長に就任する前、周辺地域からは中心部ばかり発展している、行政は何もしてくれないという声が多く、地域の活気が薄れていると感じていた」と前市政を改めて批判し、「周辺市街地振興に向けた取り組みを開始し、市民と行政が一緒に地域の将来に向けて動き始めたことで、地域の新たな未来がつくられ始めている」と実績を強調した。
さらに「処遇改善による保育士確保、公設民営児童クラブの公営化、特別支援教育支援員の大幅増員や、公共交通体系の大幅な改善など市民生活に直結する課題の解決に向けて様々な取り組みを進めてきた」と述べ「科学技術の活用などつくば市ならではの手法により世界が抱える課題への取り組みを進めてきた。官民協働によるRPAを活用した業務の自動化、ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを活用したインターネット投票、大規模戸建て住宅街でのドローン配送など全国初となる試みを実施し積極的に進めるスタートアップ政策は、つくばでの多くの新規創業につながっており、全国的にも注目を集めている」などと話した。
一方で「中心市街地の活性化や未利用公有地の活用などまだ道半ばの課題も山積している」と、商業施設クレオやつくばセンタービルなど中心市街地の空き店舗問題や、旧総合運動公園用地問題など未解決の課題も指摘した上で「就任以来の取り組みは着実に身を結び始めており、つくば市は『世界のあしたがみえるまち』に向け歩み始めている。この動きを止めることなく加速させ、持続可能なまちづくりを進めていく」などと強調した。