【相澤冬樹】約150の研究機関が集積する地の利を生かし、産学官プラス金融の連携で、つくば発の起業をより積極的に支援しようという枠組が26日、つくば市に誕生した。「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」で、県と市、筑波大学、産総研、物・材機構、農研機構など研究機関、民間の投資家や金融機関など合わせて18団体が参画して設立理事会を開いた。
社会実証の推進へ
コンソーシアムは共同事業体。つくばに集積した研究・事業資源を生かして、創業機会の創出や地域経済の持続的発展につなげるのが狙い。新しいアイデアや技術に基づく創業・起業を有機的に支える環境(エコシステム)の形成を促すため、産学官金の連携により事業の創出支援、スタートアップ企業への実証フィールドの提供など社会実証の推進に取り組むとしている。
会員にはTXアントレプレナーパートナーズ(千葉県柏市)、ベンチャーカフェ東京(東京)などベンチャー企業の支援組織が顔を連ねている。常陽銀行、筑波銀行の地元地銀両行も参画した。
設立理事会では、会長に大井川和彦知事と五十嵐立青市長を選び、筑波大、産総研、物・材機構、農研機構の担当者を理事に選任した。今後、理事会は年1回程度の開催となるが、連携事業等は全体運営会議で決定、複数の部会を置いて個別活動に取り組む。具体的な活動の展開は新年度からになる見込みだ。
冒頭、あいさつに立った五十嵐市長は「いわゆる潜在的起業希望期にある事業者に手を差し伸べる施策が従来なかった。その支援のため、これだけの顔ぶれが1カ所にそろう場所はつくばしかない。手厚い戦略で取り組みたい。そろそろ実証実験は卒業し、社会実装にもっていきたい」と意欲をみせた。
