水曜日, 11月 19, 2025
ホームつくば【つくば市20年度予算】過去最大規模を更新 学校建設ラッシュ続く

【つくば市20年度予算】過去最大規模を更新 学校建設ラッシュ続く

【鈴木宏子】つくば市は4日、2020年度当初予算案を市議会全員協議会に説明した。一般会計は約885億2500万円で前年度当初比0.6%増となり、過去最大規模だった前年度をさらに上回る。つくばエクスプレス(TX)沿線の児童・生徒数増加に対応するため、学校建設や校舎増築ラッシュが続く。

新設が予定されているのは、TX研究学園駅周辺の研究学園小中学校(仮称)、万博記念公園駅周辺の香取台地区小学校(同)、みどりの駅周辺のみどりの南小学校(同)の3校。研究学園小中と香取台小はいずれも23年4月開校に向け、それぞれ約1億2800万円と約9600万円で設計を行う。みどりの南小は24年4月開校に向け用地を約10億7800万円で購入し、さらに約2億1800万円で基本・実施設計をする。

ほかに小中学校3校で校舎を増築する。葛城小は21年4月からの利用開始を目指し約8億円で校舎を増築する。手代木南小と栗原小は22年4月の利用開始に向け校舎増築の設計を実施する(2校の設計費合計約5500万円)。

保育所もさらに増やす。民間保育所施設の整備補助を約14億1000万円を計上し、保育所7園、認定こども園1園、病児保育施設1園を20年度中に整備する予定だ。

旧総合運動公園 借入金返済に備え積み立て

課題となっている旧総合運動公園用地については、いったん市は売却を表明したが、市議会に特別委員会が設置され売却見直しの意見が多数となっていることから、2023年度末の土地購入費の借入金返済期限に備えて財政調整基金に6億円を積み立てる。21~23年度までは基金残高98億円を目標に3年間で毎年15億円ずつ積み立てる計画。今後、議会から示される方向性を見据えながら再検討していくという。

つくば駅前の商業施設クレオの再生に市が関与しない方針を決めた後の中心市街地のにぎわいづくりについては、市が約6000万円を出資し、官民連携の中心市街地エリアマネジメント団体を設立し活性化を図る。さらにつくばセンタービルの再整備に向け、約990万円で必要な機能や配置について検討する基本計画を策定する。

ほかに、圏央道つくば中央IC(インターチェンジ)- 常総IC間のスマートICの整備に向け、用地購入2億2600万円とNEXCO東日本への同IC建設負担金約7500万円を計上する。21年度中の利用開始が予定されている。

ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」については、新たにつくば駅からりんりんロードまで7.5キロの推奨ルートを設定し、案内表示の路面サインをつくる(約720万円)。

つくばウェルネスパーク内のサッカー場、セキショウ・チャレンジスタジアムは経年劣化により芝の破れやほつれが発生していることから、約1億7600万円で人工芝を張り替える予定だ。

不登校児童生徒の支援では、市南部に約1200万円で新たな支援拠点を設置する。市と民間の共同事業とする計画で、共同事業は県内初という。4月以降、民間事業者を公募し10月ごろ開設する予定だ。

一方歳入は、人口増などにより、個人市民税を前年度比5.1%増、固定資産税を3.2%増と見込む。法人市民税は昨年10月の税制改正の影響で13.2%減となり、市税全体は2.4%増を見込む。

特別会計などを含めた総額は1488億800億円となり、一般会計と同様、過去最大規模を更新する。

同予算案は14日開会の市議会3月議会に提案される。五十嵐立青市長は「市未来構想が目指す4つのまちの姿の実現に向けた予算で、まいてきた種が形になる」などと話している。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ウサギ捕り遊び仕事(3)《デザインを考える》26

【コラム・三橋俊雄】今回は、京都府北部・丹後半島で行われているウサギ捕りという「遊び仕事」について2つの事例を紹介します。「ククリワナ」(宮津市由良・南丹市大野)と「バイ投げ」(宮津市上世屋)です。 針金の「ククリワナ」 杉の新芽を求めて訪れるウサギのケモノミチに、針金で輪をつくり、近くの木へ仕掛ける―それが「ククリワナ」(図1)です。針金は藁(わら)で一度焼いて粘りを出し、柔らかくして用います。金属の匂いが消えるためか、よく捕れるといいます。罠(わな)の針金は使い捨てにし、山仕事の行きしなに仕掛けますが、同じ場所には続けて置きません。 ワナは7〜10カ所ほど設けておきます。ケモノミチはウサギがヒサカキの葉を食べたり、丸い糞を落としたりすることで見分けられます。猟の技術は大人から教わったものだといいます。 朝7時半に山仕事へ出発し、道中で仕掛けを確認します。ウサギが捕れていれば、仕事の間は木にぶら下げておきます。谷では仲間とともに山の作業をし、午後4時半頃には帰宅します。ある日には7羽もウサギが捕れて、近所に分けたこともありました。猟は10月から翌年4月まで続き、平均すると5日に1羽ほどの成果でした。 昔はウサギによる害が圧倒的に多かったようです。杉の苗木を春や秋に苦労して植えても、新芽を食べられてしまい、翌年には植え直しを余儀なくされることもありました。杉の木が一本でも助かればと思い、仇討ちのつもりでウサギを捕りましたが、それは同時に「楽しみ」でもありました。食料の乏しい時代でもあり、捕ったウサギは料理して食べました。 皮は喉から足まできれいに剥ぎ、なめすことはせず干して山の敷物にしました。内臓はうまく取り出せるので捨ててしまい、背や足の肉はすき焼きにして食べました。佃煮(つくだに)風の「コロ炊き」にすれば日持ちもしました。 二股枝の「バイ投げ」 「バイ投げ」は、まず雪山の陽の当たる斜面で、曲がった木の根元近くに眠っているウサギを探し出します。ウサギに気づかれないように近づき、バイ(二股の枝にアカマツの葉をくくりつけたもの)を用意します。そして、天敵のタカやトンビが襲いかかってきたかと思わせるように、続けざまにバイを空中へ投げ上げます(図2)。 バイはヒューヒューと風を切って唸(うな)り声を発し、その音に驚いたウサギは身をひるがえし、木の根元の隠れ穴へ一目散に逃げ込みます。間髪を入れず雪穴めがけて走り寄り、すばやく周囲の雪を踏み固めて逃げ道をふさぎます。テンズキ(木製の除雪具)で穴を慎重に掘り進め、ウサギの後ろ足を探り出して掴(つか)み、引きずり出します。 この「バイ投げ」は午前10時から午後3時頃まで行われ、猟期は節分(2月初め)までとされています。節分を過ぎるとウサギは発情期を迎え、行動が敏感になるため、追いかけるのが難しくなるといいます。(ソーシャルデザイナー)

中学校保護者の個人情報漏えいの恐れ つくば市 写真販売会社が不正アクセス受け

つくば市は17日、市内の中学校1校が写真販売を委託しているフォトクリエイト(東京都新宿区)が不正アクセスを受け、宿泊学習などの行事写真を購入した保護者の個人情報が漏えいした可能性があると発表した。市教育局学び推進課によると、写真を購入した保護者の人数は現時点で不明。実際に個人情報が漏えいしたなどの被害は現時点で確認されていないという。 同社のウェブサーバーが今年7月までに第三者から不正アクセスを受け、同社が調査した結果、同社が保有する個人情報が漏えいした恐れがあることが判明したと今月14日、同社から同校に連絡があった。 漏えいした可能性がある個人情報は、2022年から25年に、同社が運営するインターネット写真販売サービス「スナップスナップ」で写真を購入した保護者の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、購入時のニックネームなど。 市によると、22年から25年の4年間に、同校が同社に写真販売を委託した宿泊学習や修学旅行に参加した生徒数は計225人。そのうち何人の保護者が写真を購入したかは不明。写真は、宿泊学習や修学旅行に同行した地元の写真館のカメラマンなどが撮影したスナップ写真などという。 写真を購入した保護者に対し同社は、個人情報漏えいの恐れがある旨を個別メールで通知、さらに使用中のパスワードを変更するよう依頼し、二次被害を防ぐ対策を行ったとしている、 一方、市は同社に対し、個人情報の厳正かつ適正な管理について徹底するよう強く申し入れたとしている。

日米に見る軍隊のおかしな使い方《吾妻カガミ》212

【コラム・坂本栄】東北地方のクマ出没に対処するために県知事が自衛隊に出動を求め、話題づくりが上手な防衛相がこれに応じたとのニュースには驚いた。小銃や機関銃を使って掃討するのかと思っていたら、どうやら「前線」で駆除する猟銃の使い手やライフル警察隊の「後方支援」を担当するらしい。これなら災害出動の小規模団だが、最近、軍隊の使い方が内外でルーズになっているのが気になる。 麻薬船爆撃、デモ隊鎮圧 何かと思い付きが目立つトランプさんは、米国に麻薬を運んでいるという理由でベネズエラの小船を撃沈するよう米軍に命令し、すでに何隻か沈めた。爆撃によって麻薬組織の運び屋が数十人殺されたという。この命令に抗議してカリブ海域を管轄する米海軍の司令官が辞表を出したというから、ホワイトハウスのボスと米軍指揮者の間で軍隊活用の是非について意見の対立があったのだろう。 軍隊組織は外国軍の侵略や政戦略を踏まえた対外作戦を想定して整備されている。麻薬取引への対応は麻薬取締部門の担当であり、この部門に密輸船に対応できる備えがないのであれば、沿岸警備隊(日本では海上保安庁)に任せるのがスジだろう。密輸船対応に軍隊を出すということは、ベネズエラに戦争を仕掛けるようなものだ。 ベネズエラの大統領が「麻薬マフィアのボス」(トランプさんのコメント)なのかどうかは知らないが、民間小船を爆撃せよとの命令は常軌を逸している。世界最強の軍隊を擁する国の大統領のこのような雑な軍隊運用を見ると、米国の軍事機構は正常に機能していないのではないかと思う。 別の分野でもトランプさんはおかしなことをしている。彼の移民政策に反対するデモを州兵に鎮圧させるという使い方だ。連邦制の米国には中央政府の軍隊のほかに州政府の軍隊がある。州兵が一種の予備力とは言え、抗議デモ程度の取り締まりに動員するのは異常といえる。交通整理の警察官で対応が無理なら、せいぜい機動隊が担当する分野だろう。 軍隊運用の線引きが曖昧 クマ退治、小船爆撃、デモ鎮圧。日米で軍隊運用の線引きが曖昧になっている。相手がクマにせよ、麻薬船にせよ、デモ隊にせよ、強力な装備を持つ軍隊がこの種のケースに関わると、軍隊に与えられた本来の仕事から逸脱する。軍隊の自立性を生かす災害出動は別にして(もっともクマ退治程度の後方支援は自治体の仕事だが)、国内問題に関与させるのは抑えた方がよい。 外交経験が少ないトランプさんは、ワンマン不動産経営の延長なのか、中国の習さん、ロシアのプーチンさん、北朝鮮の金さんの強権政治に憧れているという。いずれの国も対外用軍隊と国内治安隊が独裁者によって事実上セットで運用されている。トランプさんが沿岸警備隊や警察機動隊の役割を正規軍に持たせるのは、実力組織の運用でも強権国のまねをしたいのだろう。(経済ジャーナリスト)

ホーム開幕戦で敗れ2勝1敗 つくばサンガイア

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は15日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で今季ホーム開幕戦を迎え、レーヴィス栃木(本拠地足利市)にセットカウント1-3で敗れた。これでサンガイアは2勝1敗で東地区4位。16日も午後2時から同会場でR栃木と再戦する。 2025-26 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(11月15日、霞ケ浦文化体育会館)サンガイア 1-3 R栃木22-2520-2525-1623-25 第1セットは互いにサイドアウトを取り合う流れでスタート。中盤にはサンガイアがレフト浅野楓のブロックやスパイク、ライト長谷川直哉の多彩な攻撃などでリードを広げるが、終盤にR栃木が曾根裕也のサービスエースなどで追い上げ逆転に成功、22-25でサンガイアは最初のセットを落とした。 第2セットも序盤は拮抗した展開だったが、中盤にR栃木が5連続得点などで引き離し、結果20-25でサンガイアはこのセットも落とした。 「自分たちのやりたいことの半分くらいしか出せなかった。細かいつなぎやコンビネーションが良くなく、相手にチャンスボールを渡し、点につなげられてしまった」と武藤茂主将。「選手の良さを出しきれなかった。相手のポジショニングに想定と違う部分があり、高さでミスマッチが出たところを特に第1セットは突かれた」と加藤俊介監督。 R栃木の先発メンバーにも目を見張らされた。6人のうち架谷也斗、十文字龍翔、奥村航の3人がサンガイア出身。在籍時期やポジションは違うといえ、それぞれに一時代を築いた選手たちだ。 「出身選手だからという意識はなかったが、特に架谷と奥村には相当ポイントを取られたので、この2人を抑えなくてはと選手に話した」と加藤監督。武藤主将は「架谷は去年のうちのエースで、難しいボールも上手に打ちこなすやっかいな選手」と評し、長谷川直哉も「チームメートだったから特徴もよく分かっている。絶対負けたくない」とライバル意識を燃やしていた。 試合は第3セット、サンガイアがメンバーチェンジなどで流れを引き寄せた。セッターを森居史和から浅野翼に変更、村松匠のバックアタックをお膳立てするなど攻撃の幅を広げた。「森居はサイドへの速い供給が得意で、浅野はインサイドをうまく使う。それぞれに良さを出してくれた」と加藤監督。 第3セットを25-16で奪ったサンガイアは、第4セットも終盤まで粘りを見せるが、一歩及ばず23-25でセットを落とし試合終了。 明日の再戦に向けて長谷川は「今日できなかった守備のやり方や、かみ合わなったポイントなどを動画やミーティングで確認し修正したい」、また加藤監督は「うちの良いところが出ればリベンジできる。みんなコンディションは良く、その試合のベストメンバーを出す」と前を向いた。(池田充雄)