【鈴木宏子】土浦市中村西根、乙戸沼公園に飛来しているコハクチョウが、今シーズンはまだ10羽と、同市が2012年に統計を取り始めて以来、最も少なく、来園者らをやきもきさせている。
同市公園街路課によると、今シーズンは昨年12月16日に1羽が初飛来し、25日に5羽に増えた。年末年始はどこかに飛んで行ってしまって1羽も姿が見えず、年明けの今月6日に6羽が再び飛来、7日に今シーズン最多の10羽が確認された。
15日は家族連れとみられる6羽が、ユリカモメやオオバンなどと一緒に優雅に水面を泳ぐ姿が確認され、ウオーキングや犬の散歩の途中に足を止めて、コハクチョウを観察する市民の姿が見られた。
愛犬とほぼ毎日、同公園を散歩しているという近くに住む主婦、下平節子さん(65)は「毎年ハクチョウがくるを楽しみにしている。去年は20~30羽いて数えるのが大変だったのに今年は少ない。『暖冬のせいかね』と主人と話している」などと語っていた。
同公園はコハクチョウの越冬地の一つで、統計を取り始めた2013年2月には最多の102羽が飛来した。その後70~80羽が飛来する年もあったが、ここ数年は20~30羽の飛来数にとどまっている。
乙戸沼で優雅に泳ぐハクチョウの姿を市民に見てほしいと、同市はえさになるマコモを湖岸に植栽するなど環境整備をしてきた。市公園街路課は「(今シーズンの飛来数が少ないのは)気候の関係があるかもしれないが、多く飛来してきてくれればうれしい」と話す。
東北や新潟にとどまる
県内最大級のコハクチョウの越冬地として知られる菅生沼でも今シーズの飛来数は少なく、例年は300羽ほど飛来するが今年はまだ200羽前後にとどまっているという。
ミュージアムパーク県自然博物館(坂東市)動物研究室の椿本武さんは「今年は(越冬地の)新潟や東北で雪が少なく、えさを食べることができるので、こちらの飛来数が増えないのではないか」とし「積雪の影響を受けており、今後、新潟や東北でドカ雪が降れば飛来数が増える可能性もある」と話している。
