月曜日, 3月 9, 2026
ホームつくば筑波大学サテライトオフィスで書籍を無料貸し出し つくば駅前

筑波大学サテライトオフィスで書籍を無料貸し出し つくば駅前

【田中めぐみ】つくば市吾妻のBiViつくば2階、筑波大学サテライトオフィスが、同大学の施設案内や各種資料の配布のほか、教員や卒業生が執筆した書籍の貸し出しを無料で行っている。貸出期間は3週間。

書棚には筑波大学出版会から刊行された本を中心に約30冊が並び、ジャンルは栄養学や生物学、社会学、宗教学、スポーツ理論などさまざま。出版年は問わず、古いものから新しいものまで、できるだけ分野が偏らないように並べ、時々新しいものと入れ替えているという。オフィスには筑波大学の学生スタッフが常駐しており、本や大学について聞くこともできる。

『蟲愛づる人の蟲がたり』を読む 

並べられた本の中から、今年3月6日に出版された『蟲愛(むしめ)づる人の蟲がたり』(筑波大学出版会)を手に取った。同大学山岳科学センター菅平高原実験所が発行している情報誌「菅平生き物通信」に掲載してきた10年分の記事の中から、昆虫にかかわる記事をピックアップしてまとめたもので、虫をこよなく愛する教職員と学生執筆者20人による、虫のエッセーや紹介、およそ60編が収録されている。

『蟲愛づる人の蟲がたり』筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所編、町田龍一郎監修(A5判並製156ページ、本体価格 1950円)

「昆虫は口で呼吸をしない!」「結婚するために目が飛び出ちゃった昆虫たち」など、興味ひかれる見出しが並び、それぞれのテーマが1ページから2ページに短くまとまっている。読みたいところどこから読み始めてもいい。

「なぜ蛾は光に集まるの?」「ノミの心臓はどこにある?」といった誰もが一度は感じたことのあるような素朴な疑問も学術的に解説し、イラストや写真も豊富。内容は中学生から大人向けだが、専門用語には読みがながふってあり、語り口はやさしく読みやすい。

記者が特に驚いたのは、昆虫は血管が無い代わりに「背脈管(はいみゃくかん)」という長いポンプで血液を循環させているということだ。翅(はね)にも血液を行きわたらせるために「翅脈(しみゃく)」を使い、筋肉の弛緩によって血液を送り出すのだという。また、昆虫の脱皮が「クチクラ」という分泌物を使って行われ、昆虫にとって命がけの作業であることも初めて知った。昆虫はまるで宇宙生命なのではないかと思うほど不思議に満ちている。

本書のタイトルに用いられている「蟲」の字は、今は常用されていないが、宋代に作られた字書『集韻(しゅういん)』に、裸蟲、毛蟲、羽蟲、鱗のある生き物、魚介など細々とした小さな生き物たちを指すとある。「蟲」の字は、小さな虫たちが表紙の絵のように一堂に集まる様子を表しているように思える。そして短い文章が集まった本書の構成自体も実に「蟲」的だ。

「蟲愛づる人」というタイトルは、平安末期から鎌倉初期にまとめられたとされる短編集『堤中納言物語』の「虫めづる姫君」によっている。虫めづる姫君は「風の谷のナウシカ」のモデルにもなったという虫好きのおてんば姫だ。

物語の中で姫君は、様々な虫を採集し「これが成長して変化する様子を見よう」と言って虫かごに入れる。中でも毛虫が大のお気に入り。「毛虫が思慮深い様子をしているのは奥ゆかしい」と、一日中、額髪を耳の後ろにはさみ、毛虫を手のひらの上にはわせてじっと見つめ続けている。

高畑勲監督のアニメ「かぐや姫の物語」に出てくるかぐや姫はおてんばで、虫めづる姫君のイメージに近い。毛虫が「心深し」(思慮深い)というのはなんとなく分からないでもないが、「心にくし」(奥ゆかしい、心ひかれる、上品で美しい)とは。本書の中にも『枕草子』に模して「かはげら草子」と題し、カワゲラという虫の魅力について「をかし」と語ったエッセーが収録されている。虫愛でる姫君と本書の虫好き研究者たちとはまさに同じ目線。『蟲愛づる人の蟲がたり』というタイトルがぴったりだ。

◆BiViつくば 筑波大学サテライトオフィス(電話029-855-2101)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ロボッツ、第4Qで崩れ名古屋Dに悔敗

来季に向けアリーナ改修終わる 男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の茨城ロボッツは7日と8日、改修したばかりのアダストリアみとアリーナ(水戸市緑町)に名古屋ダイヤモンドドルフィンズを迎え、2連戦を戦った。7日は69-97、8日は69-72でともに敗北。これで茨城の通算成績は12勝29敗で東地区11位。次節は11日、首位の宇都宮ブレックスとアウェーで対戦する。 2025-26 B1リーグ戦(3月8日、アダストリアみとアリーナ)茨城ロボッツ 69-72 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ茨  城|19|24|22| 4|=69名古屋D|18|12|11|30|=72 茨城は第3クオーター(Q)終了時点で65-42という23点もの大差をつけながら、第4Qに名古屋Dの猛迫を許し、最後はわずか3点シュート1本差で敗れた。 第1Q、茨城は立ち上がりでやや出遅れたが、メンバーを入れ替えながら対応し、残り2分ほどから赤間賢人の3点シュート2本とドライブシュート1本などで追い上げ、残り6秒からロバート・フランクスの3点シュートで逆転に成功した。赤間は今季のBリーグドラフトで茨城に指名され、2月から特別指定選手として加入したばかり。「タフな時間で自分が体を張ったプレーを見せたかった。特に得点は考えず、空いたところで打とうという意識だった。スリーをよく打った分、ドライブも行けると思った」との振り返り。 この日の茨城の好調の要因について「昨日から何かを変えたというよりは、やるべきことをやりきるマインドを持ってプレーしようと話していた」とクリス・ホルムヘッドコーチ(HC)。守備では一度止めてからしっかり守りきろう、攻撃ではオープンな状況を作ったら迷わず打とうという意識で、それが第3Qまではしっかり遂行できていた。 だが第4Qで状況ががらりと変わった。名古屋Dは守備をプレスディフェンスに切り替え、さらにテンポを上げて茨城の攻撃時間を削りに来た。「相手はオープンな攻撃ができているように見えても、あせりが出て集中力がなくなり、第4Qはうちのものになった。勝ちに慣れているチームが、慣れていないチームに最後の30秒で勝った試合だった」と名古屋Dのショーン・デニスHC。 「第4Qで一気に攻め込まれたときに、私たちが解決策を見つけられず、プレッシャーをそのまま受け失速してしまった。あのようなシチュエーションでの戦い方を学ばなければいけないと感じた試合だった」とロボッツのホルムHC。だがそんな中でも新規加入の赤間やティム・シュナイダーの活躍が見られたことは、今後に期待が持てる良い材料だった。 特別席を設置 茨城の本拠地であるアダストリアみとアリーナは、昨年5月から進められていた改修工事が終わり、今節から使用が再開された。主な改修内容はホスピタリティエリアの設置で、10室102席のスイートルームと180席のラウンジシートが用意され、高級感ある観戦体験を可能にしている。 「改修は来季からのBプレミア参入のための必須条件であり、そこにロボッツならではの魅力も加えた。スポーツを通じて夢や感動を共有し、人と人が深くつながることができる。ロボッツにとっても水戸の街にとっても誇りになるものにしたい」と、茨城ロボッツスポーツエンターテインメントの川﨑篤之社長。 スイートルームの窓にはあえてガラスを入れず、会場の熱気や一体感を取り込んでおり、フリードリンクやフリーフードを取りに行きながら、隣の人との対話や交流も生まれやすい構造。基本的には年間パスポートの形で、スポンサーや協力企業を中心に販売が始まっている。ラウンジシートは、従来の1.5席分のスペースを使ったゆったりサイズの席で、1試合ごとに7300円~13200円で発売される。(池田充雄)

日本人にとって米とは何か《邑から日本を見る》192

【コラム・先﨑千尋】米不足から米余りに。ひところはテレビも新聞も米の話題があふれていたが、最近はいつ店頭価格が下がるかに注目点が変わってきた。米価は国民の暮らしに直結するだけに、上がった下がったで一喜一憂するのはわからないでもないが、私は今回の「米騒動」を通して、日本人にとって米とは何かが問われたのではないかと主張してきた。 1月に、つくば市でそのことを話す機会があったので、今回はその要旨を伝えたい。 国の形をつくってきた稲作 日本人にとって米とは、食料ではなく、食糧、糧(かて)だった。「白い米を腹いっぱい食べたい」という願望は、米を作る農民も含めて長い間一般の人の切なる思いだった。さらに、稲を栽培するということは、我が国の国土を作り、制度を整備し、芸術や文化を高め、諸技術を発達させるという、この国を創る上で欠かせない役割を果たしてきた。 水田は、誰でもわかるように地面が平らだし、稲作には水も必要だ。畑とは違う。水田は個人では作れない。田づくりと水の管理は共同作業だし、リーダーと労働力が要る。全国に5000余ある前方後円墳は米の文化の所産だと言われ、国土開発、自然改造の歴史的事業の記念碑だった。 時代は下って江戸時代。「加賀百万石」という言葉に象徴されるように、江戸時代に米は貨幣となり、経済の中心に据えられた。幕府が置かれた江戸には百万人を超える人が住み、年貢米は北前船などで運び込まれた。それを扱う商人や大地主が生まれ、幕府や大名は新田開発に力を注ぎ、それまで86万町歩だった水田は300万町歩を超え、人口も1000万人から3000万人と3倍に増えた。 世が代わって明治時代。地租(税金)が物納から金納になり、百姓の暮らしが苦しくなり、地主が集積した土地が、農地の約半分を占めるまでになった。小作料率も約半分。長塚節の小説「土」にあるように、「稲が田んぼにあるうちはオレのものだけど、刈った瞬間からオレのものではなくなる」という小作百姓の嘆きが聞こえてくる。 米を作らないとどうなるのか 戦後の農地改革によって農村を支配してきた地主が消え、自分で作った米がやっとオレのものになった。米の品種改良や水田の基盤整備、機械化、化学肥料や農薬の普及などによって、生産力と生産量は大幅に上がり、1960年代後半には生産量が1400万トンに達した。「米を腹いっぱい食べたい」願望が実現したとたんに、国は財政負担が多すぎると減反に方針を切り替えた。そのために、農地、農家戸数、農業就業人口がどんどん減り、今度は「米を作っても米では食えない」ようになってしまった。 村から若者が消え、田んぼは荒れ放題。イノシシが跋扈(ばっこ)する。米を作っても1時間10円にしかならない。ボランティアで米作りはできない。「農じまい」だ。 米は工業製品ではない 私は講演の最後に「米は工業製品ではない。米の価格にカエルや赤トンボの価値は含まれていない。日本列島は米作りを基盤にして創り上げられてきた壮大なネットワーク。農業を放棄すれば、その土台に構築された日本文化は崩壊する。田んぼは巨大なダム。稲作は土砂崩れ、土の流出を防ぐ。森林の保全とともに美しい地下水を作る。自然の景観を保全する。文化を継承する」などと訴えた。(元瓜連町長)

私学の授業料無償化の波紋《竹林亭日乗》38

【片岡英明】2026年度から、私立高校生に年間45万8200円の就学支援金が支給される。これに伴い、授業料は月約3万8000円軽減される。入学金や施設費などの支出もまだあり、無償には遠く、今後の課題もあるが、私学への入学者が増えると予想される。しかし実際のところ、私学では入学者確保に危機感が高まっている。そこで今回は、授業料軽減が入試に与える波紋について考えたい。 中学卒業者600人減、県立志願者1300人減 今年の県内中学卒業者が昨年比637人減の2万4555人になった中、全日制県立高の志願数は昨年より1344人減った。なぜ、卒業生減を超える受験者減が生まれたのか? 私学の推薦枠が24校で3300人と昨年より500人増えたので、県立減少分の多くが私学推薦に移ったともいえる。一方で、私学一般入試は1000人減となった。 このほか私学一般入試での単願入学や、併願合格から単願への切り替えも、私学入学者増に寄与しているようだ。ここまでは、就学支援初年度の動きとして想像できる。 では、今年の県立高入試はどうか。県立高84校1分校の志願状況を見て、多くの人が驚いた。定員を超えたのは進学校を中心に37校(昨年は50校)で、多くが定員割れだった。それに伴い、不合格者数は1016人(昨年比715人減)で、合格発表後の私学への入学手続数減が予想され、私学関係者の間に激震が走っている。 私学入試での推薦500人増と一般1000人減から、受験者や保護者が早めに安心できる高校の合格を確保したいとの希望も見える。就学支援金の初年度に、私学の推薦増と県立高の志願者減、それに伴う県立発表後の私学への手続き減という、3つの波が生まれた。 そのため、県にとって県立高の「魅力アップ」が重要課題になり、一方で私学は授業料が安くなった初年度の推薦増がこれからも続く学校にしなければならないと、公立も私立も魅力向上の必要性を感じる事態となった。 県立高の定員割れをどう見るか? 毎年、いくつかの県立高を訪問し、その高校の魅力と伸びる可能性を感じてきたので、今年の定員割れは残念である。私学への就学支援金初年度の定員割れは、受験生たちの「もっと学校の魅力を教えて」という叫びと考えたい。 公私の授業料格差が小さくなった今、進学実績やスポーツだけでない、生徒の日常の学び・青春・進路などの魅力を、地域と連携しながら伝える公私の学校づくりが必要になった。教職員一人ひとりが、我がこととして学校の魅力を語る時代になった。魅力ある学校づくりのために、学校改革に精を出していたころの読書ノートからの抜き書きを下に紹介し、現場教師を励ましたい。 「良い物はその良さが知られなければならない。知られてこそ良い物が良いものとして生きる」(「男たちの経営」城山三郎著、角川文庫)、「新しくできた競合店にお客を取られるということは、競合店ができる前からそういうところがあったからに他ならない」(「商売の原点」鈴木敏文著、講談社)。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

店頭など44カ所にミモザ飾る セキショウグループ 8日は国際女性デー

3月8日は国際女性デー。関彰商事(本社・筑西市・つくば市、関正樹社長)は6日から、同社オフィスのほか、グループ企業のガソリンスタンド、自動車販売店など県内外44カ所のオフィスや店舗に、黄色いミモザを使ったフラワーアレンジメントを飾っている。 国際女性デーは「ミモザの日」とも呼ばれることから、さらなるジェンダー平等の社会実現を願い、国際女性デーに合わせて実施する。2021年から毎年飾っており、今年で6年目になる。 同つくば本社総務部総務課の斉藤弘美主任は「ミモザはイタリアでは女性への感謝を表現する花とされている。国際女性デーに合わせてミモザを社員の目につくところに置くことで、感謝だけでなく、男性社員と女性社員双方が日頃支え合って業務が成り立っていると思うので、そういうものをミモザを通して感じていただけたら。関係性が良くなることで男性社員も女性社員も働きやすい関係が整えられて、事業がうまく回って進めていけるきっかけになれば」と語る。 同広報部広報課の石井雅也さんは「各拠点44カ所にミモザを飾ってあることが、社員同士だけでなく、社員とお客様の会話のきっかけとなり、『どうしてミモザなんですか』などの会話から、女性活躍に関する理解が深まるきっかけになったらすばらしいことだと思う」と話している。 国際女性デーの8日にはミモザを飾ってある店舗で女性の来店客を対象に、ガソリンスタンドでは花の種、自動車販売店ではミニハンドクリームを先着順でプレゼントするという。 同社は、採用、労働時間、多様なキャリアコース、管理職比率など女性活躍の取り組みが優良だとして、2016年に厚労省から「えるぼし」の三ツ星認定を受けている。同社の女性役員は現在3人(昨年は2人)、管理職は23人(同21人)。 国際女性デーは、国連が定めた女性の社会参加を願う日で、イタリアではミモザの日と呼ばれ、女性に感謝を込め、幸福の象徴であるミモザが贈られている。