【相澤冬樹】再生整備に取り組む古くからの町によく似合う――と、大八車の再活用を提案する4人の若者が2日、「秋の北条市」開催中のつくば市北条商店街に3台の大八車を持ち込み、移動式屋台への転用を目論むプランなどを披露した。
4人は県立並木高校出身の横山大貴さん(25)らでつくる「スタジオウイークエンド」。竹中工務店大阪本店の設計部門に勤務する同僚グループで、つくば市の「つくばR8地域活性化コンペティション」に、活性化プラン「旅する大八車と小さなパレード」を応募して採択された=7月27日付け。かつて荷物運搬道として栄えた「つくば道」などで用いられた大八車を再活用し、つくば市周辺の旧市街地を移動しながら、地域で開催される祭などに参加、新たな繋がりをつくるプロジェクトという。
大八車は江戸時代から昭和初期まで、家財や商材などを荷台に載せて人力で運んだ木製の貨物運搬車。採択以降、周辺市街地で眠っている大八車がないか探したところ、北条、小田、谷田部の3地区で1台ずつ見つかり、譲り受けた。呉服店やタバコの運搬に使われたもので、大正年間の記録も出てきた。
それぞれ分解し、車輪や荷台を採寸して図面に書き起こす一方、どのような屋台を載せたらいいか、花車などのミニチュアを製作して、修復に向けた作業を進めた。来年2月に予定される成果報告会までに完成させる予定。活性化に向けたリノベーションなどに取り組む周辺市街地で、イベントやお祭りに貸し出すなど、地域振興のツールとして活用を図りたい考えでいる。

今回の「大八展」は、さらにどんな展開ができるか、完成後の適当な保管場所がないか、など情報収集も兼ねての展示となった。折から「まちなか運動会」を開催中の北条商店街では、「うちの蔵にもあったから」と大八車の車輪を持ち込んで展示に加える商店主もいて、関心を引いた。
同グループは3日、谷田部地区で開催の「オータムフェア」にも出展する。