【戸田さつき】免許返納をテーマに、特集を組んできたNEWSつくばは、ツイッターでアンケートを実施した。
2回目のアンケートのタイトルは、免許返納後の交通手段。返納後はバス、電車など公共交通機関を使用するが39%、タクシーが23%、家族のサポートが23%、その他15%となった。3回目のアンケートでは、2回目を踏まえ、公共交通機関への満足度を取り上げた。
アンケートの回答を「満足」「不満足」「廃線している」「わからない」の4択としたうち、「満足」と答えたのは12%にとどまる。
つまり、前回のまとめにあった「免許返納しやすい街づくり」として、このエリアは不十分であるということが浮き彫りになった。
これまでの記事で紹介した、バスや電車を利用しているNEWSつくばの橋立記者やM Nathalie / えむなたさんは、バスがあるエリアに転居している。
ツイッターで寄せられた意見をここに紹介する。免許返納率の向上のために、公共交通網を使用したくなる施策が必要なのではという意見だ。本人の希望により、ツイッターアカウントを匿名とする。
・「バスを使う方が得だ」と思わせるようなインセンティブの効いた施策を考えた方がいいのではないかと思う。 例えば、駐車場が無料でバスが有料だったら、どっちを使うと思いますか?とか。 「バスの本数が少ないからバスを使わない」というのは体のいい言い訳な気がする。※意見には個人差があります。(本文まま)
・イーアスで聞いてごらんよ。「交通手段は何で来ましたか?」って。圧倒的に車でしょう。
・そもそも、バスセンターの目の前にある百貨店が潰れ、ショッピングモール内の店舗が次々と撤退している。 百貨店だった部分を市が買収しようとしたら「立体駐車場の区画が狭いから使わない」という声があがり、市は「立体駐車場は改良工事をします!」とアピール。 なんだろう、このコレジャナイ感。 買い物にしても、公共施設にしても、公共交通機関を使う視点が欠けている。ないわけではないが、亜流扱い。 事実、警察署はまもなく車でしか行けないような場所に移転される。 免許返納するために車で行くなんてシュールだ。(※警察署はバス路線がある場所にあると、のちに訂正)
ショッピングモールとの連携により免許返納率の向上も見込めそうという意見もある。 また、なぜこのエリアがマイカー依存になってしまったのか、その背景に迫ったほうがいいので は? と言及するのはNAKAJIさん。
マイカーのような「便利」を基準としての「不便」だと、行動の自由度の低い公共交通はどうやったって「不便」です。「便利」「不便」という軸では無く、「生活のために必要な最低限の水準はどこか」という観点からでないと、要求要望は際限なくなってしまうように思います。
— NAKAJI (@NKJ_K) August 30, 2019
まぁそうなのですが、そこに至った過程の違いにも目を向ける必要があると思います。
集落のように元々居住されていた地域から施設やバスが無くなりマイカー依存になった場合と、マイカー利用を前提に自分で郊外に住まうことを選択したという場合を同じ者として捉えてよいのかな?とは思います。— NAKAJI (@NKJ_K) August 30, 2019
背景が異なれば、ニーズも異なってくる。とはいえ、いずれにも施策は必要だ。市民が自ら公共交通機関を利用したくなる環境作りは必須と考えられる。前回紹介したTakashi IRINATSUさんが提言した「市民の明日が見えるまち」にするには、市民自らが声を高らかに挙げ、街を変えていく意識が必要になのだろう。
次回からは、免許返納を取り巻く現状の課題をテーマに第2部へ突入する。
➡【どう考える?免許返納】の過去記事はこちら