【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」の水球競技は2日目の14日、土浦市の県立土浦二高プールで女子の予選リーグが行われた。茨城県チームは第1試合で鳥取県に31-1、第2試合で鹿児島県に15-5で勝ち、通算成績2勝で予選Bリーグを勝ち抜けた。15日の準決勝でAリーグ首位の石川県と決勝進出を懸けて戦う。

茨城は第1試合、高校生主体の鳥取を相手に31-1と圧勝。GK以外の登録選手全員が得点を記録し、最高の立ち上がりとなった。「安易にファールせず、相手にとって攻めづらい状況を作り、パスミスを誘うディフェンスができた」と木村文明監督。攻撃に転じたときも、パスカットのタイミングで選手が一斉にゴール前へ迫るスピードと泳力、遠い距離でもボールを水に落とさず選手の手から手へスピーディーに渡るパス回しなど、優勝候補の実力を存分に発揮。「最初は緊張したが、水に入ったら全員がいつも通り生き生きとプレーできた。ノーマークを作り、きっちりと決めて高得点につながった」と主将の池田茉里(ジョイフルアスレティッククラブ)。


第2試合の相手の鹿児島は、日本代表のポイントゲッター有馬優美がいる難敵。個々の選手もパワーやテクニックに優れ、ここを乗り切ることが予選突破のカギになると見られた。茨城は立ち上がりからタイトなマンツーマンディフェンスを敷き、相手の前線の動きを封じて、失点を最小限に抑える。試合を通して失ったのはわずか5点だが、そのうち4点は有馬によるもの。今回のチームではセンターバックとして自陣ゴール前に構えていたが、機を見て切り込んできては得点を重ねられた。主に攻め込んだときに有馬と対面した齊藤葵(筑波大院)は「何でもできる印象。体が大きくパワーがあるので、つかまれないよう間合いを取り、先に動くことを意識した」と感想を話す。
齊藤は第1試合で6点、第2試合でも5点を奪い、この日の最多得点者。基本的に左サイドのトップ下を務める。「右利きの左サイドなので得点を狙いやすい。シュートは得意ではないがGKをしっかり見て、相手が飛ばない方のコースへ打つことを心掛けている」という。翌日の試合に向けては「優勝のために大事な一戦。チームとしてプレスのディフェンスで失点しないことを意識し、自分は1対1の仕掛けや得点で貢献したい。チームの勝利が第一なので勝つために最適なプレーを自分で選んでいきたい」と意気込んだ。
