【崎山勝功】2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを前に、スイス・トライアスロンチームが11日、筑波大陸上競技場(つくば市天王台)で公開練習を実施した。チームは7月29日から8月13日まで、同大学をはじめ市内の施設で合宿中。報道関係者や一般市民らに向けて公開した練習では、選手たちは競技場内で走り込みや身体をほぐすストレッチなどの軽めの練習を行った。
同チームのアリッサ・クニック選手(23)は「全部つくば市の人たちが準備をしてくれて、整った環境で練習できる」と日本側の関係者らに感謝の意を示した。その上で「個人の目標は2024年(パリ五輪)だけど、2020年の東京ではミックスリレーでベストを尽くせるようにしたい」と意欲を語った。
ラース・ホーレンウェガー選手(21)は、日本の猛暑を1年前に体験できたのが事前合宿の大きな意義だったよう。「最初は暑さに慣れるのが大変だったけど、慣れるに従いから体調が整った」という。公開練習には市民ら約40人が見学に訪れており、ホーレンウェガー選手は「いつもはこんなにたくさんの人が練習を見に来ることが無いので面白いと思った。今の時点では全力を尽くすことが2020年の目標」と述べた。
同チームの選手たちは、15日から18日まで東京・お台場海浜公園で行われる「ITUワールドトライアスロン・オリンピック・クオリフィリーケーションイベント」に出場する。
◆こども記者も選手たちを取材
この日の公開練習には、報道各社の記者たちに交じって「こども記者」たちが取材に励んだ。つくば市の「こども記者クラブ」事業の一環で募集した約15人が参加した。
こども記者たちは、市内在住の小学4年生から中学3年生の児童生徒らが、3人1組のチームを組んで、記者・カメラマン・インタビュアーとなって1本の記事を作成。この日の取材では、同事業の運営協力を担う筑波大学新聞編集部の大学生記者たちが、こども記者たちの引率に当たり、デジタル一眼レフカメラでの撮影の仕方や、選手たちへの取材をサポートした。
同新聞編集部の木村誠編集長(20)は、「子どもたちが『こういうところを聞きたい』というのが新鮮で、積極的に取材に動いてくれたのが良かった」と評価した。写真撮影でも「練習後、自分からどんどん撮っていった。いい写真で『これは使える』というのが多かった」と、こども記者たちの活躍に感心していた。
選手への質問を担当した、こども記者の小澤真結さん(15)=並木中等教育3年=は「日本の文化で好きなものは」「トライアスロンの3つの競技の中でどれが好きか」「精神面で辛かったときどうする」「東京五輪の目標」など矢継ぎ早に質問。その中で「身体の面で辛いときはどうする」という質問に、「コーチがいるから大丈夫」という答えが返ってきて、「コーチとの信頼関係」が印象に残ったという。