水曜日, 11月 25, 2020
ホーム 土浦 故郷にお帰り ピエロたち 10日から土浦で「塙賢三展」

故郷にお帰り ピエロたち 10日から土浦で「塙賢三展」

【相澤冬樹】遺族から作品の寄贈を受け、10日から「塙賢三展」を開く土浦市民ギャラリー(同市大和町、アルカス土浦1階)で9日、内覧会が開かれた。同ギャラリーに関係者を集め、土浦生まれで「ピエロの画家」と呼ばれた塙賢三さん(1916-1986年)の画業をたどった。3男で、遺作の寄贈を申し出た塙義雄さん(74)=東京都練馬区=が駆けつけ、「ここなら大事にしてもらえると思った。喜んで送り出した」と語った。コミック「ちびまる子ちゃん」の作者で、ちょうど1年前に亡くなったさくらももこさんとの交流に関わる作品も展示されている。

あいさつする塙義雄さん=同

土浦に生まれた塙さんは戦後本格的に絵筆を握り、二科展を中心に活躍した。同市出身の福田義之助、鶴岡義雄らに師事したが、「美術学校を出たわけでもなく独学だったため、それまでの絵画の概念を打ち捨てられた」といい、広い背景の中に人物を小さく配置する構図に新境地を見出した。中でもピエロの描像は印象的で、「ピエロの画家」と呼ばれ、親しまれた。

今回の「塙賢三展」には、寄贈の10点に加え、義雄さん所蔵の18点が展示される。さらに賢三ファンだったさくらももこさんが20歳になった記念に買い求め、大事にしてきた作品「夢のサーカス」が、さくらさんが2007年に描き、義雄さんに贈った「ピエロとちびまる子ちゃん」の絵と合わせて特別出品された。これら画業の変遷をたどる全30作品で構成される。

17年11月にオープンした同ギャラリーの開館記念展「茨城ゆかりの洋画家たち」に賢三さんの作品2点が展示されたのがきっかけ。来場した義雄さんが「自宅での管理が難しくなっている。このまま作品を埋もれさすには忍びない」と申し出た。ふるさとの心地よさが決め手だった。土浦市の美術品収集検討委員会(小泉淳一委員長)が義雄さん宅を訪れるなどし、最終的に10点を選定、4月までに寄贈を受けた。1950年代の作品から1986年作の絶筆(I am Pirrot)までが含まれる。

内覧会で解説を務めた学芸員の萩谷良太さんによれば「ピエロは本来Pierrotでeが抜けたつづりだが、調べると賢三の作品名は二転三転して気まぐれなのもおもしろい。解説を聞く機会があればその辺も楽しんでほしい」という。

◆「塙賢三展~ピエロの画家、ふるさとへ」は8月10日~9月16日(毎週月曜日休館)午前10時~午後6時。入場無料。問い合わせは同ギャラリー(電話029-846-2950)。美術品収集検討委員長の小泉淳一さんによる記念講演会「塙賢三という画家」が25日午後1時30分から、同ギャラリーで行われる。先着50人。

スポンサー

LATEST

文化に触れたらお茶しない? 土浦で「@カフェ」始まる

【伊藤悦子】土浦市の文化施設と市内カフェのコラボ「@(あと)カフェ」が12月1日から始まる。市立博物館(同市中央)、上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同市上高津)、市民ギャラリー(同市大和町)を利用したあと、チケット半券など入館証明を持って協賛の喫茶店やカフェに行くと、各店のオリジナルサービスが受けられる。 NPO法人まちづくり活性化土浦(同市中央、大山直樹理事長)が企画した。好きなドリンク50円引きや、1000円以上の利用で10パーセントオフなどのサービスが用意されている。 各種サービス提供に17店参加 土浦市立博物館入館料は一般105円、小中高生50円 企画の原案を考えたのは、カフェ胡桃(くるみ、同市中央)の店主石島良修さん(40)。土浦で生まれ育った石島さんは、子供のころ博物館でよく遊んだという。「当時は50円で入館できたのでしょっちゅう行っていた。館内ではクイズなどがあって本当に楽しかった。年を重ね、何か恩返しがしたいと思っていた」

つくばFCレディース、なでしこリーグ2部に加入の方針

【崎山勝功】女子サッカー、つくばFCレディース(事務局・つくば市稲岡)の石川慎之助代表は22日、なでしこチャレンジリーグEAST(イースト)の今季最終戦を終えての観客あいさつで、来年秋から発足する女子プロサッカーリーグ「WE(ウィー)リーグ」参戦をめざし、まずは全国リーグのなでしこ2部リーグに加入する方針を示した。 現在は3部相当のチャレンジリーグ所属のつくばだが、WEリーグのスタートに伴うリーグ再編で、「希望すれば、なでしこ2部には上がれる」(石川代表)状況という。取材に石川代表は、なでしこ2部入りには「改めて年会費と入会金が必要。リーグの年会費がトータルで1000万円ほど増える。それをどうねん出していくかがクラブの課題になる」と語った。 WEリーグは、2021年秋から参加11チームで発足する女子プロサッカーリーグ。日本の女子サッカー界ではこれまで、アマチュアリーグのなでしこ1部リーグが最高峰扱いだったが、WEリーグがなでしこリーグの上位に位置付けられる。 10月15日時点で、WEリーグにはなでしこ1部リーグ所属の日テレ・東京ヴェルディベレーザ(東京都)など計11チームの参入が承認された。これに伴いなでしこリーグは、これまでの「1部・2部・チャレンジリーグ」から、1部・2部に再編される案が出ており、加盟チームの大幅な入れ替えが起きると予想されている。 ホームゲーム最終戦は0-4で完敗 リーグ5位

夜空を埋めるスカイランタン つくばJC演出のクライマックス

【相澤冬樹】クライマックスは最後にやってくる―つくば青年会議所(JC、神田哲志理事長)の「つくばの夜空に輝きを」が22日、つくば市小田の小田城跡歴史ひろばで開かれた。市内全域から集まった100組以上の親子が、思い思いの祈りや願いを込めたスカイランタンを放って、深まる秋の夜空に浮かべた。 イベントは、つくばで初めての企画。参加者が願いや絵画を描き込んだランタンの中に、電飾と風船を仕込んで夜空に放出するスタイルで行われた。風船はヘリウムガス入りだが、手元の紐で結んで会場外へは飛んでいかないようにした。 1月-12月を事業年度とするJCにとって、春先からコロナ禍に見舞われた20年度はつらい展開となった。まつりつくばをはじめとするイベントの中止が相次ぐ一方、善後策を協議しようにも対面での会議や相談もままならない状況。やっと11月になってめぐってきたこのイベントは「最後のチャンス」となった。 感染対策から「密」になりやすい研究学園地区での開催を避け、参加者間の距離がとれる広い会場を探して、同歴史ひろばを選定。開催が決まっても、事前の広報は行えず小学校を通じ親子100組限定で募集をかけるなど慎重に進めた。しかし、応募は1日で所定数に達してしまう反響ぶりだったという。 神田理事長は「こういう機会だからこそ周辺地区での開催に目を向けられたし、親子して1日を楽しむイベントを待望していたことも分かった」と会場で陣頭指揮に当たった。 コロナの終息を願うランタンを作ったつくば市の姉妹=同

創作紙芝居「花火物語」を初披露 土浦の石原さん、締めは神龍寺で

【池田充雄】土浦市自慢の花火「全国花火競技大会」を紹介する創作紙芝居が、同市内外を巡回する形で開かれている。21日に土浦駅前うらら大屋根広場で開催のイベントを皮切りに、12月まで4カ所での上演が予定されている。 土浦市の壽(ことぶき)ちんどん宣伝社座長、石原之壽さん(61)による街頭紙芝居活動。21日の子ども広場イベント「つちうら駄菓子屋楽校」のステージでは、マジックや腹話術、ちんどんショーなどが繰り広げられるなか、「土浦花火物語」が初披露された。 土浦が誇る「土浦全国花火競技大会」を紹介する。大会の歴史や概容のほか、見どころになっているワイドスターマイン「土浦花火づくし」や日本3大花火と並び称される新潟・長岡や秋田・大曲の大会との関係など、幅広い内容を会場に集まった親子連れに熱く語りかけた。 作品の構想は以前からあったが、コロナ禍を契機にこの春から本格的に取り組んだ。「今年の花火大会は開催できそうにないなと感じ、だったら自分が紙芝居で打ち上げようと作り始めた。周りを見て自分にできることをするという姿勢をコロナに気付かせてもらった」という。作画の上渕翔さんはじめ、花火鑑賞士の小泉裕司さん、土浦ケーブルテレビの花火中継で解説を務めた湯原洋一さんなど、大勢の大会関係者の協力で完成させた。 つちうら駄菓子屋楽校で、子どもたちを引き連れて練り歩くちんどん隊=21日、土浦市大和町 「今日もコロナの影響で難しさがあったが、大勢の人が来てくれてよかった。今の時代、私たちのような活動が必要ではないかと思う。昭和から平成、令和になりアナログからデジタルへと環境も大きく変わってきた中で、人と人がリアルに出会い、学び楽しむことの重要性を感じている」と石原さん。「私自身も人が集まってくれる喜びが大きくて活動している。土浦の中で楽しさや元気を創造する大きな磁石になりたい」とも話す。