【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会は20日、4回戦4試合が各球場で行われた。J:COMスタジアム土浦では第1試合で霞ケ浦が藤代と対戦、延長10回に4番・山本雄大の一振りで1-0のサヨナラ勝ちを収めた。第2試合では常総学院が東洋大牛久と対戦し2-0の完封勝ち。ノーブルホームスタジアム水戸では第1試合では土浦日大が水城に0-6で敗れた。準々決勝4試合は22日に行われる。
霞ケ浦、延長で中山をとらえる

土浦の第1試合は霞ケ浦が鈴木寛人、藤代が中山航と両エースがそろい踏み。緊迫した投手戦を繰り広げた。
鈴木は序盤、最速147キロの直球とスライダーで押すが、今大会初登板の緊張でボールが安定しない。3回までは毎回ピンチを迎えるが、要所を締めて無失点にしのぐ。4回以降は徐々に安定し、最終的に10回を完投して三振12を奪った。
一方の中山は、インコースのストレートとアウトコースのチェンジアップで目先を変え、霞ケ浦打線に連打を許さない。強い打球で内野を抜こうとしても、藤代の二遊間コンビの好守に幾度となく阻まれてしまう。
試合は無得点のまま延長戦に突入。10回表は鈴木が足をつらせた影響もあり、藤代が好機を得る。田嶋涼馬の左翼線二塁打を足がかりに死球とバントで1死二、三塁。しかし立ち直った鈴木に3、4番が三振と遊ゴロに打ち取られる。その裏の霞ケ浦は、代打・吉本光甫が中前打と盗塁で2死二塁とすると、打者は4番の山本。苦しめられていたチェンジアップにヤマを張り、打球はセンターを越えるサヨナラヒットとなった。
霞ケ浦は22日、ノーブルホームスタジアム水戸の準決勝第1試合で石岡一と対戦する。


常総学院、機動力で着実に得点
第2試合も投手戦になったが、こちらは両投手とも打たせて取るスタイル。その中で常総学院が試合運びで相手を上回り、勝負どころでしっかりとチャンスを得点に結びつけた。

先制点は3回裏、手塚悠の四球と鈴木琉晟の左前打などで1死二、三塁とすると、打席は2番・中妻翔。最初はスクイズやヒッティングを試みるが、確実性が今一つと見るや気持ちを切り替え、センターへの外野フライで確実に1点をものにする。
追加点は8回裏、代打・宮下真聡の死球から2死二塁とすると、二ゴロの手塚が必死に一塁に走り込んでセーフにすると、その隙に二走の代走・和久本澪が一気にホームへ生還。抜け目のない走塁で東洋大牛久の気持ちをくじいた。
投げては先発の菊地竜雅が、競った展開でも落ち着いたマウンドさばきを見せ、8回を4安打無失点。最速150キロのストレートやカットボールが冴えた。最終回はエースの塙雄裕がマウンドへ上がり、次戦に向けて調子を確かめた。常総学院は22日、ひたちなか市民球場の第1試合で常磐大と対戦する。
