木曜日, 12月 11, 2025
ホームスポーツ【高校野球茨城'19】地元対決は霞ケ浦制す 一高対決は土浦一惜敗

【高校野球茨城’19】地元対決は霞ケ浦制す 一高対決は土浦一惜敗

【池田充雄】第101回全国高校野球選手権茨城大会6日目の12日、J:COMスタジアム土浦では2回戦2試合が行われた。第1試合では優勝候補の一角と目される霞ケ浦が登場、3対1で土浦三との地元対決を制した。第2試合では土浦一が2勝目に挑んだが、0対2で竜ケ崎一との一高対決に敗れた。

霞ケ浦 2年生左腕が完投

霞ケ浦は2年生左腕の山本雄大が、土浦三打線に6安打11三振で完投。「けっこう疲れたが、相手の3、4番には自然にギアが上がった」と山本。「まっすぐのキレが良く、ひと冬を越してボールに勢いが出てきた。今日は後半バテたら交代も考えていたが、キレが落ちず一人で投げきった」と、高橋祐二監督がいま最も信頼を置く投手の一人だ。

【霞ケ浦-土浦三】4回表土浦三、暴投に三走・濱崎が本塁突入するが、打者田口が振り逃げアウトで得点成立せず

打線は期待の1年生・宮崎莉汰を初めて4番に起用。中心選手の天野海斗を1番に回してチームの牽引役を任せた。この期待に天野は「第1打席では冷静さを失い力んでしまったが、2、3打席目では修正できた」と、好機では長打2本で応えた。3回裏は二塁打で走者を三塁に送り、3番・山本のスクイズによる先制点につなげ、自らも5番・仕黒大樹の内野安打でホームに返った。4回裏は2死一塁の場面で登場し、左越えの三塁打を放った。

天野にとって特にうれしかったのは4回の追加点。この回の表で土浦三に2死満塁のチャンスを作られ、暴投で1点を失うところだった。幸いにも振り逃げの打者走者を一塁でアウトにできたが、相手ベンチの盛り上がりは大きかった。「2点のリードでは危ないと感じ、この回が大事だと思っていた」

土浦三は6回に4番・松浦直哉の二塁打と、5番・宮田侑資の振り逃げで無死一、三塁とし、6番・宮城優斗のスクイズで1点を返した。しかしその後は好機を作れず、流れを引き寄せることができなかった。

投手戦 土浦一はヒット5本に抑える

【竜ケ崎一-土浦一】5回表の場面。土浦一の盗塁失敗はこれを含め3つに

土浦一と竜ケ崎一の試合は投手戦の様相を呈したが、大事な場面での経験値などで竜ケ崎一が一枚上手だった。初回表、竜ケ崎一は先頭打者が死球で出塁。内野ゴロで1死一、三塁の場面を作ると犠牲フライを放ち、ノーヒットのまま1点を奪う。8回には2安打1四球で1死満塁とし、ここも犠牲フライで1点を追加した。

土浦一の古宮学樹投手が相手に許したヒットは5本だけ。「古宮はよく投げ抜いてくれたし、試合全体を見ても劣勢という感じは全然なかった」と柴沼剛己監督。古宮自身は「いいピッチングはできたが、四死球でピンチを作ったのが敗因だった」と語る。

攻撃については「いい当たりは出ていたが、変化球とストレートの出し入れで相手にうまくやられた」と黒田堅仁主将。「バントや盗塁のミスでチャンスをつぶしたのが痛かった」と5番打者の佐野翔。たとえば5回裏の場面。先頭が死球で出るも次打者は3バント失敗で送れず、盗塁失敗で走者も失った後にヒットが出るというちぐはぐな攻撃。2つのミスが重ならなければ同点は確実だった。

【竜ケ崎一-土浦一】9回裏、土浦一・古宮のヒットは会心の当たりだったが後続を断たれる

最少失点で終盤につなぎ、怒濤の集中打で逆転という得意パターンも、この日は通用せず。9回2死から4番・古宮の左前打で希望をつなぐが、続く佐野の打球はショートゴロ。一塁に頭から滑り込むが間に合わず、塁上に突っ伏したまま試合終了のサイレンを聞いた。

「自分で終わって悔しいし、一緒に頑張ってきたみんなにも申し訳ない。下の代には堅実な守備と、自分たちやその上の代から吸収したことを生かして、しっかりとした県立らしい強いチームになってほしい」と、佐野は下級生へメッセージを残した。

12日土浦、つくば勢の他の試合結果

▷石岡一5―0土浦湖北

▷水戸啓明5―1土浦二

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武器を持たない勇気と知恵《ハチドリ暮らし》56

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【コラム・斉藤裕之】伸びた庭木の枝でも切ろうかと思うが、まだまだ蚊がいたり天気が悪かったりして。絵を描くのも日がな一日というわけでもないので、さて、何をしようかと…。そこで目に付いたのが分厚い本。表紙カバーは光沢のある青に小さな魚の群れが描かれている。 実は英語で書かれている小説で、かれこれ20年以上前に東京の洋書屋さんで買い求めたもの。「FISH of the SETO INLAND SEA」つまり「瀬戸内海の魚」。このタイトルに引かれて買った。何の話か全く分からず、作者は日本の女性? 何度も読み始めては挫折して、結局放ったらかし。 でも、なんか気になって目につくところには置いてあった。ちなみに、私の英語の能力は高卒程度かつ年齢と共に退化中。 それから、これもノートとしてはかなり厚手のわら半紙製の、多分この先も使う当てのないものを引き出しの中に見つけて、和訳したものを書き始めた。日本の話ではあるし、それも舞台は故郷の瀬戸内海。頭の中に映像が浮かびやすい。それほど難しい言い回しもない。 とにかく、ボールペンでひたすら和訳文を書いていく。そこで今どき大変重宝するのがネット検索。パソコンを開いてわからない単語はもちろん、今一つうまく訳せない時には文章を打ち込むと、なるほどね。おまけにネイティブの発音まで聞ける。 しかし、目的はこの物語を読み切りたいということだから、単語や熟語を覚える気はさらさらないし、英語のお勉強をするという向上心もない。その上、人に見せるためではないので、悪筆走り書きで私自身も読み返すことができないほど。しかし、面白いことにこの方法で和訳をしていくと、ストーリーはもちろん、リアルな映像として頭に残っていく。 そばぼうろ、かりんとう、ふがし さて、楽しみながらの和訳も、いかんせん目が遠くてそう長くはやっていられない。そんな時目に留まったのが「みすゞ飴(あめ)」。いわゆるゼリー菓子。長野の上田にお店があるのは知っていたが、先日、千曲のギャラリーに行った折に初めて買ってみた。 食べるというより、セロファン製の包み紙の色合いが良くて、私の身の回りにはない色合いだから、絵を描こうと思って買ってきた。それを一つ二つ、まずは描いてみた。それから口に入れてみた。「?!」 思っていたよりもいい感じのかみ応え、しかもそれほど甘くない。思っていたゼリーとはちょっと違った。そして、私はみすゞ飴にはまってしまった(茨城のスーパーでも売っているのを発見)。 「みすゞ」とは、「信濃」にかかる枕詞だそうで篠竹のことだそうだ。言葉の響きもいいし、「ゞ」という踊り字もかわいらしい。今度生まれてくる孫は女の子だそうだから、「みすゞ」ちゃんという名前はどうだろう。上田は向こうのお母さんの故郷でもあるし…。 新聞の記事によると、世間ではグミがはやりというが、私はみすゞ飴をひとつ口に入れて和訳再開。この小説の時代設定にも、寒天と水飴でできたみすゞ飴が似つかわしい。さて、果たしてこの本を読み切ることはできるのか…。というか、最近、そばぼうろとかかりんとう、ふがしなんか買ってしまうのは、年齢のせい? 来年につづく。(画家)