【鈴木宏子】着なくなった子供服を回収して世界の難民の子供たちに届けるプロジェクトに、県立つくば工科高校(つくば市谷田部、中澤斉校長)1年生157人が今年度取り組む。カジュアル衣料品ブランド、ユニクロとジーユーが実施している「“届けよう服のチカラ”プロジェクト」に参加し、家族や親戚などに呼び掛けて、たんすに眠っている子供服を集める。
18日、ジーユー(東京都港区)社員の湊賢吾さんらが同校を訪れ、出前授業をして難民の現状やプロジェクトの意義などを話した。湊さんは今年秋にイオンモールつくば(つくば市稲岡)にオープンするGUの店長になる予定という。「世界には日本の人口の半分の6850万人の難民がいて、難民の半数は18歳以下の子供」だとしたうえで、「子供服を1枚届ければ1人の子供が笑顔になる。皆さんの力で子供たちが助かる」と呼び掛けた。
出前授業に参加した機械科の杉田丈さん(15)は「話を聞いて、いらない子供服があったらすぐに届けたいと思った」、ロボット工学科の坂巻翔太さん(15)は「遠い国の難民のために自分でできることや皆でできることを考えたい」と感想を語った。
同校で家庭科を教える塚本美幸教諭が、同プロジェクトに応募したのが取り組みのきっかけという。今後は6月中に各家庭に子供服回収プロジェクトの通知を出して協力を求める。7月の美術の授業で、校内に掲示するポスターや子供服の回収箱を飾り付ける絵などを制作する。実際の回収は9月に行い、11月には段ボールに詰めて指定の倉庫に発送するという。塚本教諭は「地域住民が子供服を持ってきてくれれば学校で受け入れたい。地域の保育所などにも協力を呼び掛けることができれば」と話す。
回収する子供服は赤ちゃん用から160センチまでのサイズで、洗濯してあるものが対象。ただし下着や靴下、帽子などは受け付けない。
同プロジェクトは2013年にユニクロとジーユーが全商品リサイクル活動の一環として始めた。これまで6年間で全国で延べ1445校、約16万人の小中高校生が参加し、223万着以上の子供服を回収した。昨年度は全国で388校が取り組み、県内から7校が参加した。今年度は全国で430校が参加する予定という。回収した子供服は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の要請に従って世界各国の難民キャンプなどに届けられるという。