【鈴木宏子】つくば市は10日、同市水守の市清掃工場(つくばサステナスクエア=旧クリーンセンター)敷地内にあるし尿処理施設から、4日午前11時ごろ、一次処理されたし尿処理排水約300トンが流出し、地中や敷地内、道路などにあふれ出したと発表した。
市環境衛生課によると、古紙や古布などを分別保管する資源化施設を、し尿処理施設から10数メートル離れた敷地内の東側に建設工事中、地中80センチほどの深さに埋まっていたし尿処理施設の配管を、誤って、現在は使われていない配管に接続し、排水が地中に流れ出て、地表にわき出したという。
誤った配管工事は5月31日に行われ、6月4日に地上にあふれ出るまで、地中に漏れ続けたとみられるという。
排水は、水で希釈して生物処理した一次処理水で、糞(ふん)などの固形物は含まれておらず、悪臭はなかったという。本来なら、ますに貯めて公共下水道に流す排水だった。
流出事故を受けて市は4日、し尿処理水の排出を停止。5日、原因が誤接続と判明したことから配管をつなぎ直し、排出を再開した。排水が流出した敷地内と周辺道路の洗浄は6日に実施した。
流出し敷地内で水たまりになっていた処理水と、敷地内の観測井戸の水質を分析した結果、いずれも排水基準と地下水の環境基準を下回っており、周辺環境への影響はないという。
資源化施設は、昨年に解体撤去された旧焼却炉の跡地に建設され、鈴縫・ツクバメンテナンス特定建設工事共同企業体(JV)が昨年12月末から来年3月までの期間で建設工事を請け負っている。
誤接続した配管は、2002年以前の配管布設替え工事で使われなくなり、そのまま地中に残されたとみられるという。市によると、配管を接続する際は通常、正常に流れるかの試験を実施するが、業者は確認作業をしていなかったという。
市は現在、施工業者と施工監理業者に対し、さらなる原因究明と再発防止を指導している。
同清掃工場内のし尿処理施設は1980年に稼働を開始し、し尿や合併処理浄化槽などの汚泥を処理している。処理能力は1日約50トン。