【池田充雄】土浦市の関郷(せき・ごう)さん、萌野(のの)さん親子が、土浦市中央のまちかど蔵大徳2階ギャラリーで写真展を開催している。これまで郷さんは「平成土浦百景」、萌野さんは「ツチウラカノジョ」と、それぞれ個別に活動してきた2人の初めてのコラボ展になる。
展覧会は、第5回つちうら亀の市の協賛企画。関さんらは毎年亀の市に出店を続けており、今回は若い世代にも足を運んでもらいやすいよう、親子展を開くことにした。「気怠(けだる)い午後のひと時」というタイトルは、二人で話しているうちに何となく決まったそうだ。「ピンキッシュ・スランバー」という副題は、ビートルズの曲名をヒントに郷さんが考えた。

萌野さんの作品はA3判などのプリント17点。一人のモデルのさまざまな動きや表情を追ったポートレートだ。全国でもほとんど残っていない、デパートの屋上遊園地で撮影したもの。フィルム独特の粒状感や色味が好きで、作品撮りではもっぱらアナログカメラを使っているそうだ。
郷さんはポストカード約40点を展示。土浦・つくば・牛久のほか、横浜や代官山などさまざまな街や公園で撮ったスナップが中心。桜は自身で追いかけているテーマの一つだそうだ。カメラは今はもっぱらデジタルだが、フィルム時代のオールドレンズを使うことで、ふわっとした柔らかい描写にし、萌野さんの作品との接点を持たせた。
「父の影響で写真を始めたので、一緒に展示する機会を与えてもらえてうれしい。主に風景を撮っている父と、人物を撮っている私との、撮り方やテイストの違いが感じられると思う」と萌野さん。「作品のサイズでも変化を付けてみた。世代の異なる二人の写真に、どんな反応が返ってくるか楽しみ」と郷さん。
会場を訪れていた土浦市の田村公さん(80)は、萌野さんが撮った空の写真に「今日はもう暮れようとしているが、明日また明るい光が射すことが予感され、希望を感じる」と語り、郷さんの街角の写真では「画面の中に人の姿はないけれど、街の生活音が聞こえてきそう」との感想を述べた。
同展は12日まで。時間は午前10時~午後6時(最終日は4時まで)。入場無料。11日の亀の市当日は家族で田村時計店前に出店し、展示作品のポストカードや、手作りアクセサリーなどを販売するという。