【池田充雄】女子サッカーリーグ3部、プレナスチャレンジリーグEASTのつくばFCレディース(本拠地つくば市)は27日、同市山木のセキショウチャレンジスタジアムで常盤木学園高校(仙台市)と対戦し、平成を締めくくる試合で2-0の勝利を挙げた。昨季は入れ替え戦の末にリーグ残留を果たしたつくばだが、今季はこの戦果をきっかけに上位進出を狙う。
ここまでつくばはアウェー2試合を戦って2引き分け。今季初勝利を懸けてホーム開幕戦に臨んだ。対する常盤木学園は高校女子サッカー界きっての強豪校。昨季は総体優勝、選手権準優勝を果たし、チャレンジリーグではつくばから4勝を奪っている。
つくばにとってこれ以上負けられない相手だが、小山勇気監督は「フォーメーションや特徴を把握していたので、しっかりと対策を練って挑み、準備してきたことをそのまま出すことができた」と手応えを感じていた。
中盤に人数をかけてくる相手に対し、ボールを支配するいつものポゼッションサッカーではなく、縦に速いスタイルを採用。フォーバックが相手のプレスをいなし、前線には推進力のある選手を置いて、守備裏のスペースを積極的に突こうという考えだ。
その作戦が生きたのが前半25分。センターバック小田切美咲からのロングフィードに、右サイドハーフ豊嶋舞子が反応。圧倒的なスピードで抜け出すと、GKとの1対1を制した。「練習から狙っていた形。1対1も想定していたので冷静にコースを狙い、サイドにぶちこんだ」とコメント。

つくばは後半10分にも、コーナーキックから相手のオウンゴールで得点を挙げ、2-0とリードを広げる。この場面についてキッカーを務めた大木汐主将は「練習通り。ゴール前に密集を作ってインスイングで落とし込んだ」と解説。小山監督も「相手の開幕戦での失点と同じような形を再現できた」と、スカウティングの成果を明かした。
常盤木はその後、サイドを使った展開でゴール前に迫る場面を作り出す。それに対しつくばは、前線からの守備で相手に良いフィードを蹴らせず、対人に強い選手が中央を締めて粘り強く対応。途中、雷雨による71分間の中断もあったが集中を切らさず、クリーンシートのままタイムアップを迎えた。これで戦績は1勝2分0敗。勝ち点を5に伸ばし、6チーム中2位に浮上した。

今季のつくばの強みは新加入選手のレベルが高く、ベテラン勢とうまく融合し、全員が高い意識を保っていること。エースの豊嶋でさえ「選手層が厚いので練習から緊張感がある。ポジション争いで負けないよう頑張りたい」と、気を引き締めているという。
つくばの次のホーム戦は5月11日(土)、セキショウチャレンジスタジアムでFC十文字VENTUS(埼玉県新座市)と対戦する。
