月曜日, 7月 6, 2026
ホームつくば【シルバー団地の挑戦】14 防災士が地域独自の防災計画作りに着手

【シルバー団地の挑戦】14 防災士が地域独自の防災計画作りに着手

【橋立多美】つくば市南部の住宅団地、森の里に、平常時は防災の啓発に励み、災害時は避難の要となる人がいる。防災士の松村健一さん(68)。同団地に住んで39年になる。

森の里は首都圏のベッドタウンとして谷田川沿いの平地に造成された。約1300世帯が暮らす市内最大の団地だ。1970年代後半に若年層の入居が始まり、一斉に高齢化が進む。

2015年9月10日、常総市を流れる鬼怒川の堤防が決壊し3000軒以上の家屋が浸水した。松村さんの妻の友人の家がこの時浸水被害に遭い、妻とともに泥の掃除に駆け付けた。この体験が防災への考えを一変させた。「自分の身や家族を守るため」と翌年、同市で行われたNPO法人日本防災士機構の研修講座を受講して防災士になった。

阪神・淡路大震災を教訓として創設された防災士制度は、災害初期段階で、自助と近隣住民同士による共助の活動をけん引する人材の育成を目的としている。研修で専門知識を体系的に学んだ松村さんは、災害に強い地域づくりの推進役になれたらと、昨年度、防災・防犯部を担当する森の里自治会副会長に就いた。

就任1カ月後から毎月発行される自治会報「森の里だより」に防災コラムを書いてきた。「一般論ではなく、森の里ではどんな災害が予想され、どう対処したらいいかという身近な問題を取り上げてきた」と話す。防災活動の重要性を説くコラムの影響か、昨年11月、同自治会が実施した自治会運営に関するアンケートに防災対策を望む住民の声が多く寄せられた。

在宅避難者への配付方法模索

今年度も同じ役に就いた松村さんは「森の里独自の防災計画を作り、災害時体制を確立したい」という。計画の柱は①地震と液状化②避難生活③水害対策だ。

地震と液状化については、東日本大震災の時に液状化で住宅2棟が傾いた経験を生かした計画を盛る。避難生活は「在宅避難」を見込む。同団地と地続きの市立茎崎第三小が避難所に指定されているが、近隣の住宅団地からも避難してくると総勢5000人に上る。自宅が倒壊するなど帰れない人を除いて在宅での生活を想定し、飲料水と食料の配付方法を模索している。水害対策については土のう用の砂約3トンを団地内の広場に備蓄している。

高齢者を始めとする災害弱者が自然災害により被災する事例が多い。これまでは個人情報保護法が妨げになって対象者を把握できなかったが、13年の法改正で自治体に要支援者名簿の作成が義務付けられ、個人情報を地域の民生委員や自主防災組織が共有できるようになってきた。同団地には1人暮らしの高齢者200人が住む。支援が必要な人への仕組みづくりを避難計画でカバーしたいと松村さんは考えている。

平成の30年余は多くの災害に襲われた。「災害の教訓を令和の時代に生かして、地域ぐるみで災害時に対応できる体制を整えたい」と松村さんは熱意を込めて話してくれた。

谷田川沿いに一戸建て住宅が建つ森の里団地

➡【シルバー団地の挑戦】の過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

かやぶき文化継承へ 保存会をNPO法人化 今後は交流の場づくりにも力

石岡・八郷で記念イベント 石岡市八郷地区で、かやぶき屋根の保存活動に取り組んできた市民団体「やさと茅葺き屋根保存会」が法人化し、「NPO法人 筑波山麓かやぶき文化保存会」(新田穂高代表理事)として新たな一歩を踏み出した。4日、法人設立を記念するイベントが同地区の廃校を活用した朝日里山学校で開かれ、団体関係者や地元住民ら約45人が節目を祝った。今後は保存活動に加え、里山文化を学ぶ講座や散策会、かやぶき民家の見学会などを企画し、地域と都市部を結ぶ交流の場づくりにも力を入れる考えだ。 同法人には現在、石岡市内や近隣地域のかやぶき家屋の所有者をはじめ、活動を支えるボランティア、かやぶき職人、研究者など約70人が参加する。会員は、毎年のかや刈りや、かやぶき作業の補助をしてきた。近年は東京や神奈川など県外の会員も増えているなど、地域を超えた関心が広がっている。 高エネ研のかや場が活動のきっかけ 前身の「やさと茅葺き屋根保存会」の発足は2004年、地域住民らがかや葺き屋根の保存を目的に設立した。管理されたかや場が減り、以前はあった、住民が協力し作業する習慣がなくなるなどし、かや集めに苦労していた。そんな中、つくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)の敷地内にかや場があると知った関係者らが集まり、かや刈りをしようと設立したのが同保存会の始まりだった。 この日の記念講演では、団体設立のきっかけをつくり、長年にわたり八郷地区のかやぶき民家を調査・研究してきた筑波大学名誉教授で日本茅葺き文化協会代表理事の安藤邦廣さんが記念講演した。八郷地区の人々が、かやの確保に苦慮していた際、高エネ研敷地内にかや場があることを紹介したのが安藤さんだった。今後も研究機関と調整し作業するには団体組織が望ましいとの安藤さんからの助言が、設立につながったという。高エネ研でのかや刈りは、現在も毎年続く中心的な活動となっている。 安藤さんは1980年代初めに筑波大学に赴任して以来、八郷地区のかやぶき家屋を調査。「八郷は気候が穏やかで首都圏にも近く、豊かな農家が多かった。そのため福島県会津地方などから多くのかやぶき職人が移り住み、職人の集住地となった」と説明し、地域の歴史や暮らしの中で育まれてきた、かや葺き文化の特徴を紹介した。 里山と都市結ぶ拠点目指す 代表理事の新田穂高さんは「かやぶき屋根を残していくには、これまで以上にしっかりした組織基盤が必要だと感じていた。法人化によって多くの人や団体の協力を得やすくなり、若い世代にも活動を継承していける体制を整えたかった」と法人化の経緯を説明した。 その上で「かやぶき屋根は農村文化の象徴。私たちが大切にしてきたのは建物そのものだけでなく、家主や職人、ボランティアのつながり」だとし、「石岡市でもかやぶき屋根は半数以下に減り、(かやの調達の難しさや経済的な負担から)世代交代の中で『負の遺産』と受け止められるケースもある。一方で若手職人が育つなど希望も生まれている」と話した。 さらに新田代表理事は「昨年は高エネ研をはじめ10カ所のかや場でかや刈りを行った。筑波山麓のかやぶき文化や里山を地域資源として生かし、地域住民や都市住民、子どもたちをつなぐプラットフォームを目指したい」と展望を語った。 理事で石岡市在住のかやぶき職人、渡辺大さん(43)は「かつては、ふき替えもかやの調達も地域住民が担っていたが、現在は家主が作業に関わることが難しく、職人が材料調達まで担うため負担が大きくなっている」と現状を説明。「会ではかやの確保を支援し、空き家となったかやぶき民家の紹介なども行っている。今後もかやぶき家屋を残す取り組みに力を入れたい」と話した。 県内出身で、居住していた東京都から八郷地区に地域活動協力隊員として移住し、同保存会の事務局を務める山藤香織さん(45)は「地域の暮らしや自然との関わり方を学べることは何にも代え難い経験。こうした営みを次世代へつないでいけるよう活動を続けたい」と話していた。(柴田大輔)

つくばサイエンス、初勝利ならず【高校野球茨城‘26】

第108回全国高校野球選手権茨城大会は2日目の5日、1回戦が行われた。笠間市民球場ではつくばサイエンスが石岡一と対戦、5回コールド0-25で敗れ、つくばサイエンスとしての初勝利にはならなかった。 5日第2試合 笠間市民球場サイエンス 00000 0石 岡 一 9754× 25 サイエンスは5つの失策が全て相手の得点につながり、流れを引き寄せることができず17安打を許し、毎回失点した。打線は石岡一先発の左右田陽翔から3安打を放つが点に繋がらず、初戦で敗退した。  サイエンスは1回2死後、石ケ森勇璃がセンターにはじき返すヒットを放ち、続く前田泰輝も内野安打で出塁し1、2塁とした。「初球の真っすぐを狙っていた。自分のスイングが出来て良かった」と石ケ森。しかし、続く関龍大が三振に倒れ、チャンスを逃した。 その裏石岡一は、サイエンスの守備の乱れや四死球、連打で大量9得点を挙げる。サイエンスは先発石ケ森から2番手関がマウンドに上がるが、石岡一の勢いを止めることが出来ず、2回には7失点。石岡一は3回にもサイエンス3番手の栗原宙大から5点を追加した。 サイエンスの佐藤将光監督は「試合前に相手が強いのは分かっていたので、ミスをしても結果が出なくても下を向かずにやって行こうとアドバイスをした。選手は一生懸命、最後まで諦めずに頑張れるチームだった。よく戦った。石岡一は投手がいいので、3安打打てたのは良かったし、チャンスもつくれた。その少ないチャンスをものにすることがチームとしての次の課題」と話し「3年生は人数が少ない中で、昨年の秋以降は連合チームで、4月から単独チームに戻って苦労しているので、そういう状況でも諦めずによく頑張ってくれた」と選手達を讃えた。 先発した石ケ森投手は「立ち上がりからランナーを出してしまってバックには迷惑をかけてしまった。変化球も直球も思ったようにいかなくて、制球は出来ていたと思うが、甘い球になると簡単に打たれてしまい、石岡一の打線が上手だったしレベルが高かった。3年間やってきてサイエンスとして新しい学校になり校歌も代わった。人数が足りず練習も満足に出来ない状態だったけど、最後までやりきれたことは誇りに思う」と満足げに語った。 前田康輝主将は「このような結果になってしまったけど強豪石岡一相手にチーム全員で最後まで諦めずに戦えて良かった。自分の力は発揮出来た。今後は3年生が抜けるので、部員が入らない限り連合になるけど、連合でも最後まで貫いて頑張って欲しい」と後輩たちにエールを送った。(高橋浩一)

土浦三、8回コールド発進【高校野球茨城’26】

第108回全国高校野球選手権茨城県大会は2日目の5日、1回戦が行われ、J:COMスタジアム土浦の第1試合で土浦三が牛久栄進と対戦した。土浦三は8-0のスコアで8回コールド勝ちを収めた。 5日第1試合、J:COMスタジアム土浦土 浦 三 00001106 8牛久栄進 00000000 0 土浦三が落ち着いて初戦の難所を乗り切った。竹内達郎監督は「苦しい展開だったが野手陣がしぶとく我慢し、バッテリーが力を合わせて無失点に抑えることができた」と選手たちを称えた。 序盤は走者を出しながら、あと1本が出ない展開。初回は2死一・二塁から内野フライに倒れ、2回も2死一・二塁としたところで降雨により1時間21分の中断をはさみ、再開後にフライアウトになった。「相手の坂本くんは軟投派の投手。打ちあぐねることも考えられロースコアの展開を予想していた」と竹内監督。 土浦三の先発はエースの星加塁。「内野ゴロを打たせて取る自分のスタイルで最後まで押し切れた。今日は気合いが入って球威もあり、しっかり腕を振る意識で、過去最速の134キロを記録することができた」との振り返り。「昨年夏までは二遊間を守っていたが、肩の良さと器用さを買って秋から投手に抜擢。内野手ならではの体の横回転を使ったスローイングを生かし、サイドスローに挑戦させた」と竹内監督。 野手陣も好守備で盛り立てた。2回裏の牛久栄進の攻撃では、1ヒット1エラーで2死一・三塁とされた場面でダブルスチールを仕掛けられた。まず一走が二塁を狙い、塁間に挟まれたところで三走が本塁を狙うという作戦だ。だが三走がハーフウェーでタイミングをうかがっている間に、一塁手が突如三塁へ送球し、相手の裏をかいて三走の挟殺を成功させた。 流れが大きく変わったのは5回の攻撃から。「浮足立つと上半身から突っ込むような打ち方になる。下半身をしっかり溜めて打ち込みに行こう」と竹内監督の指示。これに応えて先頭の8番・蓮田暖人が中前打、9番・倉田琉生が送りバントを決め、1番・浅倉陽向の中前打で1死一・三塁。ここで2番・小林蓮司が左前打を放って1点を先制した。「打ったのはアウトハイのまっすぐ。前の2人がつないでくれ、いいところでいい仕事ができた」と小林。 続く6回は代打の武田蒼東が内野安打で出塁し、蓮田の左翼線への三塁打で1点を追加。「前の打席のヒットでいい感触をつかんだ。インコースの緩い球をしっかり引き付けて打てた」と蓮田。 8回、牛久栄進は先発の坂本をあきらめ救援投手3人を送り込むが、いずれもコントロールが定まらない。この回だけで満塁押し出しの4点と、倉田の適時2塁打による2点を加え、コールド勝ちが決まった。土浦三の2回戦は11日、ひたちなか市民球場の第2試合でBシードの鹿島学園と対戦する。(池田充雄)

高校野球茨城大会が開幕 92校84チームが入場行進

第108回全国高校野球選手権茨城大会の開会式が4日、水戸市のノーブルホームスタジアム水戸で行われ、三つの連合チームを含む92校84チームが入場行進した。大会が順調に進めば、決勝は25日にノーブルホーム水戸で行われる。 午前9時、大洗高校マーチングバンド部「ブルーホークス」71人の演奏が鳴り響くと、スタンドからは大きな拍手と歓声が沸き起こった。最初に昨年の覇者明秀日立が入場、続いて春の県大会を制し今大会の優勝候補筆頭。土浦日大が入場した。土浦日大の吉田惺南主将は「夏の大会が始まりワクワク感、高揚感が湧いてきた。(昨年は初戦となった2回戦で敗退し)夏は勝てていないので悔しい思いをした。初戦からチャレンジャーとして戦い、県大会を圧勝してリベンジし、甲子園で日本一になりたい。」と抱負を語った。昨年に引き続き、各校の選手、マネージャーがプラカードを掲げた。 開会式で県高校野球連盟の深谷靖会長は「3年生にとっては仲間と共に歩んできた高校野球の集大成となる最後の戦い。仲間を信じ、自分を信じ、最後まで諦めず挑戦する姿、互いを敬い全力を尽くす姿、その一つ一つが多くの人々に勇気と感動を与える。高校野球は勝敗を競うだけのものではない。人を育て地域を元気にし日本の教育文化を支える大切な存在。今日まで皆さんを支えて下さったご家族、先生方、仲間、地域の方々に感謝の気持ちを胸に一戦一戦を戦ってほしい。この夏に育まれる友情や絆は一生の宝になる」とあいさつを述べ、「夢の聖地甲子園への挑戦が今日から始まる。一球に込める思い、一歩踏み出す勇気、その一瞬一瞬が皆様の道しるべになるはず。胸を張って最後まで自分の高校野球を貫いて下さい」と話した。選手宣誓で勝田工の仁平晃祐主将は「私はこの2年半 慣れ親しんだグラウンドで白球を追い続けた。ユニホームを真っ黒にしながら己の限界に挑戦し、ひたむきに努力を重ね仲間と絆を深め合い切磋琢磨してきた。最近高校野球も変わりつつあるが、それでも一球入魂の精神は変わらず受け継がれ、全チームの全部員が全力でプレーし、自分たちの青春を背負って戦い抜く、それだけで高校野球の魅力を存分に伝えることが出来る。これまで支えて下さった全ての方々に感謝し、相手チームを敬い、正々堂々戦うことをここに誓います」と力強く宣言した。 司会進行を務めたのは、共に野球部マネージャーで3年の日立一の小松愛心さんと東海の石井さくらさん。2人とも「緊張していたけどミスなく最後までやりきれてよかった」と安堵した様子。小松さんは高校球児たちに「夏は一番大きな大会で3年生は引退がかかっている大会。最後まで諦めずに一生懸命頑張ってほしい」とし、石井さんは「これまで共に練習してきた仲間との最後の時間を一瞬一瞬、一球一球を大切にしてほしい。」とエールを送った。 昨年夏の大会後に3年生約30人が引退し部員数が大幅に減少、今夏、15人で今大会に挑むつくば秀英の安藤翔ノ介主将は「部員数が少ないがコミニケーションがとれている。夏に標準を合わせきた。自分たちに出来る事を精一杯やり目の前の試合を一つ一つ勝って、つくば秀英の名に恥じないよう甲子園出場を目指す」と力を込めた。 茨城連合として出場する茎崎は部員数2人。土日は茨城東、総和工のグランドで練習を重ねてきた。茎崎の梅山昊(ごう)選手は「センターラインの守備は良くなってきていてる。バッティングに力を入れているのでヒットを打ってこれまで支えて下さった先生方にプレーで恩返ししたい」と話した。(高橋浩一)