日曜日, 1月 11, 2026
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2種類の演算加速装置で性能アップ 筑波大学10代目のスパコンCygnus登場

【相澤冬樹】性格の異なる演算加速装置を2種類組み合わせた、世界で初めてのスーパーコンピューターが26日、筑波大学計算科学研究センター(つくば市天王台、梅村雅之センター長)で報道陣にお披露目された。4月から運用を開始するCygnus(シグナス)は、同センターにとって10代目のスパコン。会見で梅村センター長は「世界最速でも純国産でもないけれど、限界の見え始めたスパコンの開発競争に新たな方向性を提案するものだ」と胸を張った。

スパコンは、多くのコンピューターをつなげて、並列処理により高速の演算を実行するシステムで、1台1台をノードという。Cygnusは各計算ノードに、CPU(中央処理装置)に加え、計算処理を行う半導体チップのGPUを搭載、さらに一部のノードにはプログラマーが現場で論理回路を再構成できる集積回路FPGAを組み込んだ。いずれも市販品だが、2種の演算加速装置を合体させた例は世界初という。

一般にスパコンは、GPUの集積度を上げることで処理性能の高速さを競ってきた。巨大データの処理は得意だが、計算を進める際に分岐条件が出現するケースなどで性能が十分に発揮できず、実効スピードが落ちる弱点があった。FPGAはプログラムを書くのが大変だが柔軟性があり、接続すると装置内の高速通信も可能になる。GPUとFPGA、それぞれの特徴を組み合わて、性能の最適化が図るのが開発の狙いだった。

医療や気象研究に4月から運用開始

同研究センターは2016年度から3カ年、本体に約8億4000万円を投じてCygnusを完成させた。合わせて160基のCPU、320基のGPU、64基のFPGAで構成される。運用期間は6年の予定。「処理スピードだけなら他に早いものはいくらでもあるが、柔軟性を生かして高い演算性能と効率的な並列処理を持たせた。今後に新たな方向性を提供するものだ」(梅村センター長)という。

Cygnusのネーミングは、星座のはくちょう座に由来する。本体2台のノードは、それぞれはくちょう座のアルファ星デネブとベータ星アルビレオになぞらえられ、2種の演算加速装置を合体したノードは二重星アルビレオにちなんでいる。

スパコンを使った計算科学は、数値シミュレーションによるイメージング(可視化・映像化)に用いられることが多い。宇宙進化の謎に迫るなど、基礎物理での利用が盛んだが、近年は睡眠診断や手術ナビなど医療分野での応用に期待が広がっている。4月から約1カ月の試験期間を経て、5月に全国共同利用プログラムとして本格稼働する。すでに公募による19年度分の利用受付は終わっており、70件が採択された。気象やAIなどの研究テーマが決まっている。

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産後ケア利用の男児が一時意識不明に つくば市 重大事故検証委設置へ

つくば市から委託を受けて、出産後の母子のケアなどを実施している「産後ケア施設」で昨年11月、施設を利用していた生後4カ月の男児が一時意識不明となり、救急車で病院に運ばれていたことが分かった。男児は現在、退院しているが、左手足にまひが残り、今後継続的に通院やリハビリが必要な状態という。 市は重大事故として、第三者による検証委員会を設置する方針を決め、7日開かれた市議会全員協議会に説明した。同市は2018年度から産後ケア事業を実施しているが、意識不明など重大事故が発生したのは初めて。 同市こども未来センターによると、男児は市内に住む。当時、母親と2人で施設を利用中、容体が急変し意識不明になった。施設が119番通報し、救急車で病院に運ばれ入院した。施設からは翌日、市に連絡があり、市は同日、県などに報告した。 男児が意識不明になった原因については不明という。当時、男児がどのような健康状態だったかや、意識不明になった経緯、施設で何をしていたかなど当時の状況について市は、公表できないとしている。 検証委の設置は、意識不明になった原因が不明であることから、昨年3月にこども家庭庁などから出された通知に基づいて設置する。検証委では、関係者へのヒヤリング、現地調査などを実施して事実関係を明らかにした上で、発生原因を分析し、必要な再発防止策を検討する。さらに事故発生の背景、対応方法、問題点、改善策などについて提言をまとめる。 市によると、検証委の委員として医師、弁護士、学識経験者、産後ケア事業者など5人以内を検討している。16日に開く市議会本会議で検証委の設置が可決されれば、すみやかに委員を選定し、年度内に第1回会合を開催したい意向だ。提言報告書をまとめるまでには1年ほどかかる見通しだという。 産後ケア事業は、出産後、育児に強い不安があったり、周囲に手伝ってくれる人がいないなど育児の支援が必要な、ゼロ歳児の母親などを対象に、相談に乗ったり、母子の健康状態をチェックしたり、食事や宿泊などを提供する事業。つくば市は現在、市内外の医療機関や助産院など19施設に委託して実施し、2024年度は261人の母親が子供と一緒に利用した。昨年11月に意識不明事故があったのは19施設のうちの一つという。(鈴木宏子)