日曜日, 1月 11, 2026
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「みんなの夢」後押し25年、100件超す カスミの地域支援事業

「つくば音万博~音もだちになろう~」「英語を楽しむ1日~English Festival in Tsukuba~」。こんな2つの手作りイベントが、2017年のカスミグループの地域支援事業「『わたしの企画』応援します!」で採用された。カスミファンの夢の実現を後押ししたいという思いで1993年にスタートし、続けること25年。今回の2つを加え、これまでの採用企画は計101件となった。

10月8日、「つくば音万博」(企画者・河原井みつるさん、東京・杉並区)のイベントが披露された。会場は、つくば市西大橋にあるカスミつくばセンター。「いまできることで楽しめる音楽をつくりたい」と、誰でも参加できる4つのパビリオンが用意され、約50人が午後1時から同5時過ぎまで楽しく交流した。

パビリオンの内容は、①レコーディング体験(未来の自分を応援する『ことば』を本格的機材で録音)②歌声ビュッフェ(昭和歌謡曲を中心に600曲からリクエスト、生演奏に合わせてみんなで歌う)③音の出る紙芝居(火や水の音、動物の鳴き声などいろんな効果音と語りを楽しむ)④ライブ&むちゃぶりセッション(プロと一緒にバンド体験)。開催時間をずらしながら、みんながお気に入りのパビリオンで過ごせるようにした。

「わたしの企画」を担当するカスミ環境社会貢献部の高野真由美マネジャーは当日を振り返る。

「音楽は聴くだけじゃなくて、参加することが大事なんだなと感じました。聴きながら、笑う。代表の河原井さんはトークも巧みで、お笑いもできるんじゃないかって思うぐらいでした。歌声ビュッフェでは、みなさんがそれぞれ思い入れのある曲を選んで歌っていて、盛り上がったり、しっとりしたり、踊りだしたり。とてもいい時間でした」

カスミつくばセンターは92年11月11日に完成したグループの本社ビルの建物。「市民活動の交流や文化発信の場に使ってほしい」という社員の願いが込められ、それが結実したのが翌年に始めた「わたしの企画」だった。会場提供だけでなく、採用企画にはイベント開催に必要な費用の全額か一部も提供、そして社員のサポートもある。営利目的でなければテーマは自由、年齢、職業、住所にも制限はないというおおらかさが特徴だ。

もうひとつ選ばれた企画「英語を楽しむ1日」(企画者・筑西イングリッシュアイランド代表、篠崎賢さん)のイベントは11月12日に披露される。会場はやはりカスミつくばセンターで、午前10時~午後4時半。参加は無料、申し込みも必要ない。スピーチ、ライブ、ダンス、読み聞かせ、展示など誰でも楽しめる「英語のお祭り」で、英語をベースにした企画は25年間で初めてだそうだ。

カスミつくばセンターはアメリカの建築家マイケル・グレイブス氏(1934~2015)の設計。ギャラリー、エントランスホール、研修室などがあり、採用企画に合わせて会場が選ばれる。(米内隆)

問い合わせはカスミ環境社会貢献部(029-850-1824)まで。

4枚の写真はいずれも、10月8日に披露されたイベント「つくば音万博~音もだちになろう~」のひとこま(カスミ提供)

 

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産後ケア利用の男児が一時意識不明に つくば市 重大事故検証委設置へ

つくば市から委託を受けて、出産後の母子のケアなどを実施している「産後ケア施設」で昨年11月、施設を利用していた生後4カ月の男児が一時意識不明となり、救急車で病院に運ばれていたことが分かった。男児は現在、退院しているが、左手足にまひが残り、今後継続的に通院やリハビリが必要な状態という。 市は重大事故として、第三者による検証委員会を設置する方針を決め、7日開かれた市議会全員協議会に説明した。同市は2018年度から産後ケア事業を実施しているが、意識不明など重大事故が発生したのは初めて。 同市こども未来センターによると、男児は市内に住む。当時、母親と2人で施設を利用中、容体が急変し意識不明になった。施設が119番通報し、救急車で病院に運ばれ入院した。施設からは翌日、市に連絡があり、市は同日、県などに報告した。 男児が意識不明になった原因については不明という。当時、男児がどのような健康状態だったかや、意識不明になった経緯、施設で何をしていたかなど当時の状況について市は、公表できないとしている。 検証委の設置は、意識不明になった原因が不明であることから、昨年3月にこども家庭庁などから出された通知に基づいて設置する。検証委では、関係者へのヒヤリング、現地調査などを実施して事実関係を明らかにした上で、発生原因を分析し、必要な再発防止策を検討する。さらに事故発生の背景、対応方法、問題点、改善策などについて提言をまとめる。 市によると、検証委の委員として医師、弁護士、学識経験者、産後ケア事業者など5人以内を検討している。16日に開く市議会本会議で検証委の設置が可決されれば、すみやかに委員を選定し、年度内に第1回会合を開催したい意向だ。提言報告書をまとめるまでには1年ほどかかる見通しだという。 産後ケア事業は、出産後、育児に強い不安があったり、周囲に手伝ってくれる人がいないなど育児の支援が必要な、ゼロ歳児の母親などを対象に、相談に乗ったり、母子の健康状態をチェックしたり、食事や宿泊などを提供する事業。つくば市は現在、市内外の医療機関や助産院など19施設に委託して実施し、2024年度は261人の母親が子供と一緒に利用した。昨年11月に意識不明事故があったのは19施設のうちの一つという。(鈴木宏子)