【鈴木宏子】つくば、土浦地域の歴史や文化を掘り起こし、まちおこしをする演劇公演「桜川芸者学校」の出演者らが10日、つくば市小野崎の料亭「つくば山水亭」の日本庭園に完成した朱色の太鼓橋で、撮影会を開いた。
同芸者学校は、つくば市の脚本家、冠木新市さん(67)が主宰する芸者を主人公にした劇団で、土浦、つくば両市で2016年から5回の公演を開催してきた。
両市を流れる桜川沿いに眠る文化を掘り起こして、来年、第6作を開催するのを前に、ポスターやちらし作成のため撮影会を開催した。
全日本写真連盟うしく支部(伊藤治雄支部長)のメンバー11人が、毎月1回、県内外に出向いて実施している撮影会の一環として腕を競った。
枯山水と並ぶスポットに
朱色の太鼓橋は、同料亭のほかホテルやレジャー施設などを経営するサンスイグループ(同市小野崎、東郷治久代表)が、来年、創業100周年を迎えるのを記念して11月に新設した。皆さんが幸せになりますようにという願いを込めて「しあわせ橋」と名付けられている。朱色の欄干のアーチ橋で長さ5㍍、幅1.5㍍。
山水亭によると、設置直後から撮影スポットとして人気となり、結婚式や七五三などで記念写真を撮るのに利用されているという。2年ほど前から急増している外国人客には特に人気があり、枯山水の庭園と並ぶ2大撮影スポットになっているという。
「つくば市内で一番の日本庭園で撮りたい」と、冠木さんがポスターの撮影場所に選んだ。
撮影会では、演劇に出演している国際美学院の恩田鳳昇学院長、元筑波大講師の安達修子さん、元つくば市職員の田中まき子さんと、民謡歌手の比気由美子さんが芸者役などで登場。しあわせ橋を背景に、音楽に合わせて日本舞踊を踊ったりポーズをとったりする姿を、写真連盟のメンバーがカメラに収めていた。
冠木さんは「桜川が流れる土浦、つくば、桜川市には能の演目となっている『謡曲桜川』や、インドから伝来したといわれる蚕影(こかげ)神社の金色姫伝説など、世界にアピールできる文化が残っている。来年は桜川文化とアジアを結ぶ架け橋となる公演をつくりたいと思っているので、しあわせ橋での撮影会が、桜川文化圏とアジアをつなぐしあわせの架け橋になれば」と話している。