金曜日, 4月 26, 2024
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つくば市長の懸案 これが完全解決? 《吾妻カガミ》133

【コラム・坂本栄】つくば市では、総合運動公園用地跡を民間に売却する計画と陸上競技場を廃校跡に造る計画が進んでいます。いずれも五十嵐市長が「完全解決」を公約した案件の具体化です。しかし、運動公園用地跡売却は市民に不評ですし、陸上競技場案もコンセプトに物足りないところがあり、すんなり進むかどうかわかりません。 運動公園用地跡売却は、元の所有者に返すという目玉公約の実現に失敗し、扱いに困った土地をどう使うかorどう処分するか―いろいろ検討した結果です。用地返還とセットの主公約だった陸上競技場の建設案も、どこにandどんなものを造るか―あれこれ検討した結果です。 両方をまとめて解決するには、誰が考えても、未利用の運動公園用地跡に使い勝手のよい陸上競技場を造るのがベストです。しかし、五十嵐さんは(7年前に住民投票で撤回に追い込んだ)前市長時代の計画の一部を採用するのは避け、未利用地は民間に売り払い、陸上競技場は県立高の廃校跡に造ることになりました。 前市長(政敵)の計画をコピーしたくないという政治判断が、合理的な解決策を退けたようです。政治とは窮屈なもので、政治が行政を歪めたと言えるでしょう。 運動公園用地の民間売却に反対する市民 市民の多くは運動公園用地の民間売却に反対しています。コラム125「公有地売却に見る…牽強付会」(1月31日掲載)では、市の意見聴取に応えた市民の90パーセントが売却に反対だった、という数字を紹介しました。 こういった市民の声に押され、民間売却に反対する住民運動「つくば市長リコール住民投票の会」も立ち上がりました。その新聞折り込み資料(青字部をクリックすると一部が読めますの)では、用地売却を「研究学園の危機」と指摘、売却を推進する市長の解任を呼び掛けています。 リコールの会は、未利用地を国あるいは市の公有地として残し、研究機関用や陸上競技場用として使うべきだと主張。研究機関ベルトにある運動公園用地の売却に反対しています。 アクセス性と拡張性に劣る陸上競技場案 陸上競技場案は「物足りない」と先に評しましたが、詳細はコラム99「そろそろ決着?…2大案件」(2021年2月1日掲載)をご覧ください。つくば市の競技場案(第4種公認)は、県営笠松(第1種、ひたちなか市)、水戸市営(第2種)との比較ではもちろん、石岡市営(第3種)、日立市営(同)、龍ケ崎市営(同)に比べても、格落ちだからです。 また、建設用地の廃校跡(7ヘクタール)を運動公園用地跡(45ヘクタール)と比べると、拡張性(他スポーツ施設の増設)、アクセス性(主要道路への経路)などで、前者は後者より格段に劣ります。近隣市町村と組んで、運動公園用地に県営の第1種公認を造らせる―学園都市にはこちらが似合うのではないでしょうか。 要は、五十嵐さんの「総合運動公園問題の完全解決」は、つくば市の将来に禍根を残す恐れがあるということです。学園都市の特性を無視した公有地売却、県南の中核市には中途半場な競技場―になりそうですから。これらを回避するには政治的な障害を取り除くしかない?(経済ジャーナリスト)

つくば市長の懸案 これが完全解決? 《吾妻カガミ》133

【コラム・坂本栄】つくば市では、総合運動公園用地跡を民間に売却する計画と陸上競技場を廃校跡に造る計画が進んでいます。いずれも五十嵐市長が「完全解決」を公約した案件の具体化です。しかし、運動公園用地跡売却は市民に不評ですし、陸上競技場案もコンセプトに物足りないところがあり、すんなり進むかどうかわかりません。 運動公園用地跡売却は、元の所有者に返すという目玉公約の実現に失敗し、扱いに困った土地をどう使うか or どう処分するか―いろいろ検討した結果です。用地返還とセットの主公約だった陸上競技場の建設案も、どこに and どんなものを造るか―あれこれ検討した結果です。 両方をまとめて解決するには、誰が考えても、未利用の運動公園用地跡に使い勝手のよい陸上競技場を造るのがベストです。しかし、五十嵐さんは(7年前に住民投票で撤回に追い込んだ)前市長時代の計画の一部を採用するのは避け、未利用地は民間に売り払い、陸上競技場は県立高の廃校跡に造ることになりました。 前市長(政敵)の計画をコピーしたくないという政治判断が、合理的な解決策を退けたようです。政治とは窮屈なもので、政治が行政を歪めたと言えるでしょう。 運動公園用地の民間売却に反対する市民 市民の多くは運動公園用地の民間売却に反対しています。コラム125「公有地売却に見る…牽強付会」(1月31日掲載)では、市の意見聴取に応えた市民の90パーセントが売却に反対だった、という数字を紹介しました。こういった市民の声に押され、民間売却に反対する住民運動「つくば市長リコール住民投票の会」も立ち上がりました。その新聞折り込み資料(青字部をクリックすると一部が読めますの)では、用地売却を「研究学園の危機」と指摘、売却を推進する市長の解任を呼び掛けています。 リコールの会は、未利用地を国あるいは市の公有地として残し、研究機関用や陸上競技場用として使うべきだと主張。研究機関ベルトにある運動公園用地の売却に反対しています。 アクセス性と拡張性に劣る陸上競技場案 陸上競技場案は「物足りない」と先に評しましたが、詳細はコラム99「そろそろ決着?…2大案件」(2021年2月1日掲載)をご覧ください。つくば市の競技場案(第4種公認)は、県営笠松(第1種、ひたちなか市)、水戸市営(第2種)との比較ではもちろん、石岡市営(第3種)、日立市営(同)、龍ケ崎市営(同)に比べても、格落ちだからです。また、建設用地の廃校跡(7ヘクタール)を運動公園用地跡(45ヘクタール)と比べると、拡張性(他スポーツ施設の増設)、アクセス性(主要道路への経路)などで、前者は後者より格段に劣ります。近隣市町村と組んで、運動公園用地に県営の第1種公認を造らせる―学園都市にはこちらが似合うのではないでしょうか。 要は、五十嵐さんの「総合運動公園問題の完全解決」は、つくば市の将来に禍根を残す恐れがあるということです。学園都市の特性を無視した公有地売却、県南の中核市には中途半場な競技場―になりそうですから。これらを回避するには政治的な障害を取り除くしかない?(経済ジャーナリスト)

霞ケ浦、連覇ならず 高校女子サッカー県予選

2022年度茨城県高校総体兼第11回関東高校女子サッカー大会県予選会の決勝が10日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、霞ケ浦が鹿島学園に0-1で敗れた。昨秋の県大会決勝ではPK戦の末に下した相手だったが、連覇はならなかった。 霞ケ浦高校 0-1 鹿島学園高校前半 0-0後半 0-0延長前半 0-1延長後半 0-0 霞ケ浦は準々決勝で明秀日立に4-0、準決勝で日立二に9-0で勝利し決勝進出。鹿島学園は愛国・石岡二合同チームに10-0、常磐大に3-0という結果で勝ち上がってきた。 「鹿島学園はいつも決勝で戦う相手。タフな試合になることは分かっていた。守備からしっかりと入り、時間をかけず早いフィニッシュを心掛けているが、奪ったボールがつなげず、FWに収まらなかった」と竹元栄子監督。 「相手との競り合いで負けが多かった。全体的にあせってパスミスが多く、ボールが来ずシュートまで行けなかった」と、FW五十嵐和郁。 前半のシュート数は鹿島学園の7本に対し霞ケ浦は3本。うち2本はMF和田優芽が放った。「自分は左サイドハーフだがスピードを生かし、相手の背後に出ることを心掛けた」と和田。また五十嵐も31分に、ポスト直撃の鋭いシュートを放った。 「後半は相手より先にボールに触ることを徹底した」と五十嵐が話すように、被シュート数は3本に抑えられた。だが放ったシュート数は0本で、引き続き攻撃に課題を残した。 延長前半は霞ケ浦が押し気味だったが、7分のコーナーキックからついに失点してしまう。GK中村優乃華がパンチングで防いだこぼれ球を、相手MF清水菜々羽に頭で押し込まれた。 「相手のキッカーは左右どちらの足でも蹴れるので、ニアとファーの両方に守備を置いて警戒していた。だがGKがはじいたときボールウォッチャーになり、目を離してしまった」とDF岡田知里主将。 失点直後、霞ケ浦はMF大槻未菜をFWとして投入。中学校(つくば市桜中)では陸上部で活躍していたスピードを武器に、前から積極的にボールを追いかける。延長後半も両チーム果敢に攻め合うが、アディショナルタイムに岡田が放ったミドルシュートはわずかにバーを越え、ついに試合終了。 「敗れたが、相手から得られたものも多かった。インターハイでは勝って優勝したい」と大槻。また竹元監督は「得点力を上げることが課題。サッカーだけでなく勉強や人への気配りも重要。全てができることでチーム力が上がると考えている」と、文武両道の構えを説いているという。(池田充雄)

筑波大、延長で逆転勝利 天皇杯本戦へ

第25回茨城県サッカー選手権大会兼天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会茨城県代表決定戦は8日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、筑波大学蹴球部が流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎を3-1で破り、天皇杯本戦への出場を決めた。前半に1点を失い後半には退場者を出すという苦境を乗り越え、延長で逆転を果たした。 第25回茨城県サッカー選手権兼天皇杯県代表決定戦筑波大学蹴球部 3ー1 流通経済大学前半 0-1後半 1-0延長前半1-0延長後半1-0 筑波大は前半、4-5-1の布陣から中央のFW和田育、MF田村蒼生が核となって攻撃を展開。流経大はFW山本晃太朗、FW細野晃平の2トップによる4-4-2で、前から積極的にプレスをかける。次第に筑波大はMF山崎太新、MF角昂志郎らがワイドから仕掛け、それに対しドラゴンズがカウンターでチャンスをうかがうという流れに。 前半35分、ドラゴンズは山本が筑波大の守備ライン裏へ抜け出し、GKとの1対1から先制に成功。筑波大はパスがゴールに向かわない悪い流れに陥る。 後半、風上に立った筑波大はロングボールでの展開が増える。33分、右サイドにDF三浦雅人が入ってからは角の攻撃が活性化、2人で何度も相手ペナルティエリアを崩す。だが33分、筑波大はMF山内翔が2枚目のカードをもらい退場、残り時間も少なくなる中、厳しい戦いを強いられる。 43分、左ワイドにポジションを移していた田村がドリブルを仕掛け、PKを獲得。「これ以上失点したくないのでリスクは抑えつつ、意外とパスはつなげていた。相手も疲れてきて、外からの揺さぶりが効いていた」と田村。PKを蹴ったのは、後半途中から1トップに入っていた栗原秀輔主将。「プレッシャーがかかる中、自分のペースで蹴って入ってよかった。ベンチやスタンドの応援もパワーになり、みんな喜んでくれて一体感が持てた」と、逆転への気運が高まる。 延長に入って前半8分、中央から栗原が右へ展開、これを受けた角が左隅へシュートを放ち、ついに逆転に成功。「信じて中で待ち、カットしたところへ角がオーバーラップしてきたので信じて出した。ゴールにつながって良かった」と栗原。「絶対俺に出せと思いながら、栗原からいいタイミングでボールが来たので振り抜くだけだった。10人になってやっと目が覚め、チームが一つになって戦えた」と角。 延長後半終了間際には、交替で入ったFW庄司夢ノ介が倒されPKを獲得。これを自身で決め、うれしい公式戦初ゴール。「ここから点を決めていきたい」と希望を広げた。 勝った筑波大は22日の天皇杯本戦1回戦、同競技場で千葉県代表のブリオベッカ浦安と対戦する。勝者は6月1日の2回戦でJ1柏レイソルと戦う。加藤匠人や森海渡ら筑波大出身の選手が多く、井原正巳ヘッドコーチも筑波大OBだ。田村は「個人的には小中高とお世話になったチーム。自分としては戦いたい」と闘志を燃やす。(池田充雄)

つくばFC ホーム開幕戦で敗れる

関東サッカーリーグ1部前期第4節、ジョイフル本田つくばFC対エスペランサSC(本拠地・横浜市)の試合が29日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで開かれた。つくばは0-1で敗れ、ホーム開幕戦を落とす結果となった。これで戦績は1勝1分2敗、順位は暫定だが10チーム中4位のまま。 第56回関東サッカーリーグ1部 前期第4節(4月29日、セキショウ・チャレンジスタジアム)つくばFC 0-1 エスペランサSC前半0-0後半0-1 つくばは今季、副島秀治強化部長が監督も兼任。トップチームでは実に5年ぶりの現場復帰となった。17日の第3節では昇格組の東邦チタニウム(本拠地・神奈川県茅ケ崎市)を相手に1-2で競り勝って初白星。その後天皇杯の県予選が始まると、20日の1回戦は日立水戸サッカー部に9-1で勝利。だが24日の準決勝では筑波大に0-5で敗れた。 「連戦の中、選手はしっかり戦ってくれたが勝ちにつなげられず、もったいないことをした。今季はどのチームもレベルがどんどん上がっている印象で、気が抜ける試合は一つもない」と、副島監督はここまでの戦いを振り返る。 ホーム開幕戦は、午後から降り始めた細かい雨が、時間を追うごとに勢いを増しつつ風も強まるという、荒れた天気の中で開催された。 この日の相手、エスペランサSCはブラジル人FWのギリェルミ、アルゼンチン人MFのオルテガ・レオナルド・アグスティンらを軸に、球際で激しい戦いを挑んでくるチーム。雨でボールが止まる状況が加わり、ラフプレーも数多く発生していた。 「相手がタフに戦ってくることは分かっていた。長身FWめがけてシンプルに長いボールを入れてくるので、そのファーストディフェンスとカバーリングを徹底するようチーム全員で意識し、しっかりボールをキープして相手を自由にさせなかった」と、ディフェンスリーダーの駒崎公一主将。 攻撃については「サイドを起点にして相手を揺さぶり、中にできたスペースを活用しようという意識で、何度かビッグチャンスをつくれた。後は決めきることが課題」と駒崎。「問題点は攻撃時間が少ないこと。自分たちのやりたいプレーは前半の最後に見せられたが、これを90分間継続したい」と副島監督。 例えば前半29分には升田大誠の直接FKが相手GKを襲い、38分には郡司侑弥が左コーナー付近から中へ持ち込んでシュート。40分には大きなサイドチェンジから、右の甲高柊汰がスピードに乗ったドリブルでエンドライン際を切り裂き、シュートを放った。 また後半アディショナルタイムには熊谷誠也がペナルティアーク左で倒されFKを獲得、だが郡紘平が蹴ったボールはバー上へ外れた。「相手の迫力がキッカーにプレッシャーをかけていたと思う。そういう駆け引きを上回れるかなど、まだまだ課題がある」と駒崎。 次節は5月15日、アウェーのシティー・フットボール・ステーション(栃木市岩舟総合運動公園内)で、栃木シティFCと対戦する。「いいゲームはできているので、自信を持って伸び伸びとやれば結果はおのずと付いてくる。今季はわれわれもメンバーが大きく変わった。サポーターが次も来てくれるようなレベルの高い、見応えのある試合をしながら一つ一つ結果を出し、チームとして上位進出と昇格を見据えていきたい」と副島監督は話している。(池田充雄)

重要案件で蚊帳の外 つくば市の陣笠議会 《吾妻カガミ》130

【コラム・坂本栄】総合運動公園計画が2015年の住民投票で覆されてから7年。つくば市は3月、ずっと放置されていた用地を民間に売り払うことを告知。これに反対する声が市民から湧き上がり、本サイトのコメント欄にも賛否の意見が書き込まれています。ところが、議会はこの重要案件で「蚊帳(かや)の外」に置かれ、その役割を果たしておりません。 130を超える意見については、コラム129「公有地売却に見る『逃げ』の…市長」(3月21日掲載)のコメント欄をご覧ください。また、記事「一括売却へ…公募開始 総合運動公園用地」(3月8日掲載)、記事「…(市長)リコール運動へ…受任者集め…」(3月10日)では、ことの経緯がリポートされています。 購入手順とは大違いの売却手順 この公用地売却について、①(賛成は少ないのに)なぜ市民の声を無視するのか、②なぜ議会にその是非を諮らないのか、③なぜ民間売却に固執するのか―と、前回コラムで疑問を呈しました。②の市が議会承認は不要と判断した理由は、用地は市土地開発公社が保有し、市の直接財産ではないから、議会の同意は必要ない―ということだそうです。 用地は広い意味で市の財産ですから、この説明は何か変です。「売却」が「購入」の逆のプロセスだとすれば(購入がゼンマイを巻く作業なら売却は巻いたゼンマイを解く作業)、購入のプロセスを見れば、売却の正しい作法が見えてくるはずです。そこで、購入の経緯を調べました。 公社が運動公園用地をUR都市機構から購入する際、公社は土地代66億円を銀行から借り、その借金を市が保証しました。貸し倒れが生じても、市民が納める税金から返してもらえると、銀行は安心したことでしょう。また、公社の借金は複数年度にわたる市の予算から返済されました。言うまでもなく、市の債務保証と返済予算は議会の承認を得ています。 つまり、ゼンマイを巻くときは何度も議会のOKをもらっているのに、ゼンマイを解くときには議会のOKは要らないというのは、おかしな理屈です。コソコソ処分するのではなく、議会に諮るのが正しい作法ではないでしょうか。そうしないのは、公社をタテにして、議会から(否決されるのが怖くて)逃げ回っているとしか思えません。 議会が市の「逃げ」を止めないのも何か変です。議会の決を採るよう議員から提案し、公有地売却の是非について議会の判断を示すべきでしょう。つくば市議会はそういった仕事もできない、陣笠議員の集まりなのでしょうか? 売却は地方自治法・市条例違反 ここまで書いてきて、五十嵐市長解職(リコール)運動を展開している市民グループが、運動公園用地の民間一括売却は違法だとし、市に「監査請求書」を提出したことを知りました(青字部を押すと全9ページが表示されます)。 監査請求では、公社は事実上「市の一部局」であり、その公社が所有する土地を議会の承認を得ないで処分するのは、地方自治法96条1項および市条例第22号に違反すると指摘。売却を差し止めるよう要求しています。私の緩~い「正しい作法」論と違い、違法と判断した複数の厳しい視点が提供されており、とても勉強になります。(経済ジャーナリスト)

重要案件で蚊帳の外 つくば市の陣笠議会 《吾妻カガミ》130

【コラム・坂本栄】総合運動公園計画が2015年の住民投票で覆されてから7年。つくば市は3月、ずっと放置されていた用地を民間に売り払うことを告知。これに反対する声が市民から湧き上がり、本サイトのコメント欄にも賛否の意見が書き込まれています。ところが、議会はこの重要案件で「蚊帳(かや)の外」に置かれ、その役割を果たしておりません。 130を超える意見については、コラム129「公有地売却に見る『逃げ』の…市長」(3月21日掲載)のコメント欄をご覧ください。また、記事「一括売却へ…公募開始 総合運動公園用地」(3月8日掲載)、記事「…(市長)リコール運動へ…受任者集め…」(3月10日)では、ことの経緯がリポートされています。 購入手順とは大違いの売却手順 この公用地売却について、①(賛成は少ないのに)なぜ市民の声を無視するのか、②なぜ議会にその是非を諮らないのか、③なぜ民間売却に固執するのか―と、前回コラムで疑問を呈しました。②の市が議会承認は不要と判断した理由は、用地は市土地開発公社が保有し、市の直接財産ではないから、議会の同意は必要ない―ということだそうです。 用地は広い意味で市の財産ですから、この説明は何か変です。「売却」が「購入」の逆のプロセスだとすれば(購入がゼンマイを巻く作業なら売却は巻いたゼンマイを解く作業)、購入のプロセスを見れば、売却の正しい作法が見えてくるはずです。そこで、購入の経緯を調べました。 公社が運動公園用地をUR都市機構から購入する際、公社は土地代66億円を銀行から借り、その借金を市が保証しました。貸し倒れが生じても、市民が納める税金から返してもらえると、銀行は安心したことでしょう。また、公社の借金は複数年度にわたる市の予算から返済されました。言うまでもなく、市の債務保証と返済予算は議会の承認を得ています。 つまり、ゼンマイを巻くときは何度も議会のOKをもらっているのに、ゼンマイを解くときには議会のOKは要らないというのは、おかしな理屈です。コソコソ処分するのではなく、議会に諮るのが正しい作法ではないでしょうか。そうしないのは、公社をタテにして、議会から(否決されるのが怖くて)逃げ回っているとしか思えません。 議会が市の「逃げ」を止めないのも何か変です。議会の決を採るよう議員から提案し、公有地売却の是非について議会の判断を示すべきでしょう。つくば市議会はそういった仕事もできない、陣笠議員の集まりなのでしょうか? 売却は地方自治法・市条例違反 ここまで書いてきて、五十嵐市長解職(リコール)運動を展開している市民グループが、運動公園用地の民間一括売却は違法だとし、市に「監査請求書」を提出したことを知りました(青字部を押すと全9ページが表示されます)。 監査請求では、公社は事実上「市の一部局」であり、その公社が所有する土地を議会の承認を得ないで処分するのは、地方自治法96条1項および市条例第22号に違反すると指摘。売却を差し止めるよう要求しています。私の緩~い「正しい作法」論と違い、違法と判断した複数の厳しい視点が提供されており、とても勉強になります。(経済ジャーナリスト)

ホーム開幕戦はドロー つくばFCレディース

プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部、つくばFCレディースの今季ホーム開幕戦が2日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで開催され、静岡SSUボニータと対戦し0-0で引き分けた。現在の通算成績は0勝1分1敗、2日時点の順位は10チーム中9位。 プレナスなでしこリーグ2部・第2節(4月2日、セキショウチャレンジスタジアム)つくばFCレディース 0-0 静岡SSUボニータ つくばFCにとって、なでしこ2部で2季目となるシーズンが始まった。昨季は天然芝ピッチのひたちなか市総合運動公園陸上競技場をホームスタジアムとしていたが、今季はセキショウチャレンジスタジアムがJFA公認のロングパイル人工芝に張り替えられたため、慣れ親しんだつくばの地で、ファンやサポーターの応援を身近に受けながら戦うことができる。 新主将の原嶋祐芽は「久しぶりのセキショウで応援の力を感じた。新しい芝は長めでボールが走らないので、ビルドアップからパスがつながるよう、止める蹴るの基礎をしっかりやることを意識した」と話す。 対戦相手の静岡SSUボニータ(静岡SSUアスレジーナから名称変更)は、昨季3位でシーズンを終え、つくばには2戦2勝している強豪だ。つくばは右の山口恵実、左の藤井志保らがサイドを起点にボールを運ぼうとするが、なかなか前線に収まらない。一方、相手FWの三好茜はまだ18歳ながら前線の仕事を一人で幅広くこなし、センターバックの渋谷巴菜、高田莉緒とたびたび激しいバトルを繰り広げた。前後半を通じてのシュート数は、静岡の17本に対しつくばはわずか4本。 「相手は体格や足元の技術など個の力が高く、われわれはその差を集団で補おうと、ボールを簡単に手放さず、勇気を持って運ぶことを心掛けた。もっと守備からだけでなくこちらのリズムで試合をしたかった」と、試合後の橋野威監督。 ただし惜しい場面も作った。後半36分、沖土居咲希の右サイド深くからのクロスに、石田永愛がゴール前へ飛び込み、つま先で合わせるが、惜しくもゴール左へ外れた。さらに後半アディショナルタイム、藤井のクロスを岸川りなが頭で折り返し、中央で松田留光那が反転シュート。これはネットを揺らすもののオフサイドの判定となった。 「最初はオーバーヘッドしようかと思ったが、相手DFが来てなかったのでトラップして打った。オフサイドになりすごく悔しい。今日は私の誕生日なので絶対勝ちたかった。次こそ勝ち点3を取れるよう頑張る」と松田のコメント。 次節は9日、ヴィアティン三重レディースと、アウェーの朝日ガスエナジー東員スタジアム(三重県東員町)で対戦する。今季なでしこ2部に昇格し、昨季までチームメートだった鈴木朝恵も在籍するクラブなので、プライドに懸けてもつくばは負けられない。(池田充雄)

公有地売却に見る「逃げ」のつくば市長《吾妻カガミ》129

【コラム・坂本栄】つくば市が総合運動公園用地跡の売却要項を発表しました。この土地をどうするかは五十嵐市長の政治案件ですが、売却の手順にはおかしな点がいくつかあります。売却に反対する市民団体は市の動きに怒り、市長解職(リコール)運動を開始しました。これから数カ月間、つくば市は騒々しくなりそうです。 事業提案(プロポーザル)方式で行われる売却の詳細やスケジュールについては、「一括売却へ10日公募開始 つくば市旧総合運動公園用地」(3月8日掲載)、「一括売却へつくば市公募開始 リコール運動へ市民団体は受任者集め…」(3月10日掲載)をご覧ください。 市民の声も議会の役割も無視 おかしな点その1は、売却が市民の支持を得ていない(市民の声から逃げている)ことです。コラム125「公有地売却に見る つくば市の牽強付会」(1月31日掲載)でも書いたように、市が行ったパブリックコメント(意見募集)では、77人のうち売却に賛成は2人、残りは反対か対案提示か分類不可でした。2択方式(賛成か非賛成)で分けると、賛成はたった3パーセントです。 パブコメではサンプルが少ないから、住民投票とか無作為アンケート調査で改めて市民の声を聴いてみよう―というのが五十嵐流だと思いますが、わずかな賛成にもかかわらず、市長は民間売却に打って出ました。きちんと調査するのが恐かったのでしょうか? おかしな点その2は、市が事実上保有する用地の売却を議会に諮らなかった(議会から逃げている)ことです。その理屈は、土地は都市開発公社(市の不動産部門)が所有し、市の帳簿に記載された財産ではないから、議会の同意はいらない―だったそうです。議会手続をきちんとするのが恐かったのでしょうか? 4年前、五十嵐市長は「大型事業の進め方に関する基本方針」をまとめ、ビックプロジェクトを進める際には「民意の適切な把握」「議会への適切な報告」をきちんとやると宣言しました。公有地処理は大型事業ではありませんが、民意把握と議会了解の大事さは同じはずです。民意と議会を無視した市長は、自分で定めた市政運営の基本を自ら捨てたようです。 市民団体が掲げる5つの罪状 五十嵐市長はどうして運動公園用地跡の売却にこだわるのでしょうか? 「五十嵐市長リコール住民投票の会」記者会見リリースに面白い数字が出ています(青字部をクリックすると出てきます)。 市長リコール団体が「罪状」として挙げているのは、①運動公園用地の民間一括売却、②センタービル改修事業の不手際、③市政を批判した元市議提訴、④市長が受領した多額の政治献金、⑤市長1期目の退職金辞退―の5点です。「エッ」と思ったのは④の金額の多さです。 茨城県選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書によると、2016年度(1回目の市長選挙の年)4397万円、2017年度1086万円、2018年1041万円、2019年度1440万円、2020年度(2回目の市長選の年)2651万円―だったそうです。政治資金と土地売却は何か関係があるのでしょうか?(経済ジャーナリスト)

公有地売却に見る「逃げ」のつくば市長《吾妻カガミ》129

【コラム・坂本栄】つくば市が総合運動公園用地跡の売却要項を発表しました。この土地をどうするかは五十嵐市長の政治案件ですが、売却の手順にはおかしな点がいくつかあります。売却に反対する市民団体は市の動きに怒り、市長解職(リコール)運動を開始しました。これから数カ月間、つくば市は騒々しくなりそうです。 事業提案(プロポーザル)方式で行われる売却の詳細やスケジュールについては、「一括売却へ10日公募開始 つくば市旧総合運動公園用地」(3月8日掲載)、「一括売却へつくば市公募開始 リコール運動へ市民団体は受任者集め…」(3月10日掲載)をご覧ください。 市民の声も議会の役割も無視 おかしな点その1は、売却が市民の支持を得ていない(市民の声から逃げている)ことです。コラム125「公有地売却に見る つくば市の牽強付会」(1月31日掲載)でも書いたように、市が行ったパブリックコメント(意見募集)では、77人のうち売却に賛成は2人、残りは反対か対案提示か分類不可でした。2択方式(賛成か非賛成)で分けると、賛成はたった3パーセントです。 パブコメではサンプルが少ないから、住民投票とか無作為アンケート調査で改めて市民の声を聴いてみよう―というのが五十嵐流だと思いますが、わずかな賛成にもかかわらず、市長は民間売却に打って出ました。きちんと調査するのが恐かったのでしょうか? おかしな点その2は、市が事実上保有する用地の売却を議会に諮らなかった(議会から逃げている)ことです。その理屈は、土地は都市開発公社(市の不動産部門)が所有し、市の帳簿に記載された財産ではないから、議会の同意はいらない―だったそうです。議会手続をきちんとするのが恐かったのでしょうか? 4年前、五十嵐市長は「大型事業の進め方に関する基本方針」をまとめ、ビックプロジェクトを進める際には「民意の適切な把握」「議会への適切な報告」をきちんとやると宣言しました。公有地処理は大型事業ではありませんが、民意把握と議会了解の大事さは同じはずです。民意と議会を無視した市長は、自分で定めた市政運営の基本を自ら捨てたようです。 市民団体が掲げる5つの罪状 五十嵐市長はどうして運動公園用地跡の売却にこだわるのでしょうか? 「五十嵐市長リコール住民投票の会」記者会見リリースに面白い数字が出ています(青字部をクリックすると出てきます)。 市長リコール団体が「罪状」として挙げているのは、①運動公園用地の民間一括売却、②センタービル改修事業の不手際、③市政を批判した元市議提訴、④市長が受領した多額の政治献金、⑤市長1期目の退職金辞退―の5点です。「エッ」と思ったのは④の金額の多さです。 茨城県選挙管理委員会に提出された政治資金収支報告書によると、2016年度(1回目の市長選挙の年)4397万円、2017年度1086万円、2018年1041万円、2019年度1440万円、2020年度(2回目の市長選の年)2651万円―だったそうです。政治資金と土地売却は何か関係があるのでしょうか?(経済ジャーナリスト)

つくば元市議の市政批判はウソだった? 《吾妻カガミ》127

【コラム・坂本栄】前回「つくば市長の市民提訴…を検証する」(2月7日掲載)では、五十嵐市長による<元市議提訴~和解取り下げ>の経緯をチェック。市長の振る舞いについて、その適格性に問題がある、大人の常識が足りない、広報理念に反する動きがあった、「言論の自由」が分かっていない―と指摘しました。 しかし五十嵐さんは、提訴の誤りは認めながらも、元市議の亀山さんが発行したミニ紙の市政批判記事にはウソが多いと、相変わらず主張しています。提訴時(2020年11月)は22カ所、取り下げ時(2022年1月)には8カ所を挙げていますが、今回は運動公園用地問題に絞って、五十嵐さんの言い分を検証してみます。 「返還交渉」という訴訟テクニック 2016年の市長選挙で五十嵐さんが掲げた目玉公約は運動公園用地関連でした。2020年の市長選の前に、ミニ紙はこの問題について「都市機構(UR)への返還 あれは一体どうなった」(写真右)と、用地返還が実現していないことを批判。これに怒った五十嵐さんは、公約は「返還」ではなく「返還交渉」だったのだから、記事はウソだと指摘。今でも同じことを言っています。 市長選で配られた討議資料(写真左)を調べたところ、大字タテ見出しは「総合運動公園問題の完全解決へ」、「運動公園用地返還交渉を進めます」は中字ヨコ見出しでした。「完全解決」とは、用地UR返還+陸上競技場建設のことですから、公約の主眼は「返還」でした。 つまり、運動公園問題の公約(政策目標)は「返還」であり、「返還交渉」はその手段という位置付けです。「返還交渉」が公約だったとする主張は、ミニ紙の記事がウソだと言い張るための「問題のすりかえ」です。そこで判定。記事は的を突いていました。 五十嵐さんが訴状で「返還交渉」を据えたのは、訴訟テクニックだったといえます。返還は実現しなかったものの、交渉はありましたから、訴状の組み立てに「返還交渉」は便利だったのでしょう。 目玉公約は「フィクション」だった でもその実態は、UR都市機構の地域支社を訪れ、「市の意向を伝え」(1回目)、「文書による回答を求めた」(2回目)という、「返還交渉」の証拠準備のようなものでした。目玉公約だったのですから、国会議員を動員する政治工作、理屈をこねた訴訟戦術―など、あの手この手を繰り出すべきなのに、形を整えただけでした。 どうして返還交渉がお座なりだったのでしょうか? 五十嵐さんは、市長就任後、用地売買契約書に瑕疵(かし)がない限り、URは買い戻しに応じなくてよい―という条項があることを知ったようです。土地処分を急ぐ「国策不動産会社」URにミスがあるはずがありませんから、熱い交渉をしても返還は無理と判断したのでしょう。 ここで疑問が浮かびます。公約「返還交渉」を作るとき、五十嵐さんはURとの契約書を調べなかったのでしょうか? だとすれば、いい加減な公約作りです。実現ほぼ不可能な、公約になり得ない「返還交渉」を公約に掲げたわけですから、公約はフィクション(虚構)だったといえます。(経済ジャーナリスト) ※参考(青字部をクリックするとご覧になれます) ▽五十嵐市長の提訴取り下げ声明(1月20日) ▽亀山元市議の記者会見リリース(1月21日)

つくば元市議の市政批判はウソだった? 《吾妻カガミ》127

【コラム・坂本栄】前回「つくば市長の市民提訴…を検証する」(2月7日掲載)では、五十嵐市長による<元市議提訴~和解取り下げ>の経緯をチェック。市長の振る舞いについて、その適格性に問題がある、大人の常識が足りない、広報理念に反する動きがあった、「言論の自由」が分かっていない―と指摘しました。 しかし五十嵐さんは、提訴の誤りは認めながらも、元市議の亀山さんが発行したミニ紙の市政批判記事にはウソが多いと、相変わらず主張しています。提訴時(2020年11月)は22カ所、取り下げ時(2022年1月)には8カ所を挙げていますが、今回は運動公園用地問題に絞って、五十嵐さんの言い分を検証してみます。 「返還交渉」という訴訟テクニック 2016年の市長選挙で五十嵐さんが掲げた目玉公約は運動公園用地関連でした。2020年の市長選の前に、ミニ紙はこの問題について「都市機構(UR)への返還 あれは一体どうなった」(写真右)と、用地返還が実現していないことを批判。これに怒った五十嵐さんは、公約は「返還」ではなく「返還交渉」だったのだから、記事はウソだと指摘。今でも同じことを言っています。 市長選で配られた討議資料(写真左)を調べたところ、大字タテ見出しは「総合運動公園問題の完全解決へ」、「運動公園用地返還交渉を進めます」は中字ヨコ見出しでした。「完全解決」とは、用地UR返還+陸上競技場建設のことですから、公約の主眼は「返還」でした。 つまり、運動公園問題の公約(政策目標)は「返還」であり、「返還交渉」はその手段という位置付けです。「返還交渉」が公約だったとする主張は、ミニ紙の記事がウソだと言い張るための「問題のすりかえ」です。そこで判定。記事は的を突いていました。 五十嵐さんが訴状で「返還交渉」を据えたのは、訴訟テクニックだったといえます。返還は実現しなかったものの、交渉はありましたから、訴状の組み立てに「返還交渉」は便利だったのでしょう。 目玉公約は「フィクション」だった でもその実態は、UR都市機構の地域支社を訪れ、「市の意向を伝え」(1回目)、「文書による回答を求めた」(2回目)という、「返還交渉」の証拠準備のようなものでした。目玉公約だったのですから、国会議員を動員する政治工作、理屈をこねた訴訟戦術―など、あの手この手を繰り出すべきなのに、形を整えただけでした。 どうして返還交渉がお座なりだったのでしょうか? 五十嵐さんは、市長就任後、用地売買契約書に瑕疵(かし)がない限り、URは買い戻しに応じなくてよい―という条項があることを知ったようです。土地処分を急ぐ「国策不動産会社」URにミスがあるはずがありませんから、熱い交渉をしても返還は無理と判断したのでしょう。 ここで疑問が浮かびます。公約「返還交渉」を作るとき、五十嵐さんはURとの契約書を調べなかったのでしょうか? だとすれば、いい加減な公約作りです。実現ほぼ不可能な、公約になり得ない「返還交渉」を公約に掲げたわけですから、公約はフィクション(虚構)だったといえます。(経済ジャーナリスト) ※参考(青字部をクリックするとご覧になれます)▽五十嵐市長の提訴取り下げ声明(1月20日)▽亀山元市議の記者会見リリース(1月21日)

公有地売却に見る つくば市の牽強付会 《吾妻カガミ》125

【コラム・坂本栄】つくば市の「高エネ研南側未利用地土地利用方針」を読んで、「牽強付会(けんきょうふかい)」という四字熟語が浮かびました。「自分の都合がいいように強引に理屈をこじつけること」という意味です。市はこの未利用地を民間に一括売却する方針を打ち出し、市民に意見を求めましたが、強引に大方の市民は賛成とこじつけたからです。 運動公園用地 強引に民間一括売却へ つくば市長の五十嵐さんにとって、高エネ研南側未利用地(総合運動公園用地)問題をどう片付けるかは最大の課題です。そこで、市民の声を聴いて市政を進めるという「五十嵐スタイル」に沿って、民間一括売却案を市民がどう思っているか、パブリックコメントの手法を使って意見を聴取しました。 その内容が議会に配られた「…土地利用方針」に出ています。その概要や市議と市側の質疑応答については、記事「『反対は一部』と民間一括売却 パブコメ受け最終方針…」(1月11日掲載)をご覧ください。 意見を寄せた77人のうち、A:明確に賛成した人が2、B:賛成も反対もせず別の利用法を提案した人が57、C:明確に反対した人が6、D:反対して別の利用法を提案した人が7、E:その他が5人―と分類されています。市は、Bの57人は反対ではないから基本的に賛成とこじつけて解釈、「民間一括売却は支持された」と結論付けたそうです。 何が何でも民間一括売却を押し通そうと、パブコメを曲解する「牽強付会」の見本のような整理の仕方です。常識的には、賛成(A)2人、反対(C+D)13人、対案(B)57人―と分類。対案提出者は賛成ではないのだから、反対多数(B+C+D=70)と集約すべきでしょう。 市民の声を知るには住民投票が一番 「クロ」を「シロ」と仕分けした市も、鋭い市議から「その分類はおかしい」と指摘され、まずいと思ったのか、記事「民間一括売却『明確に賛成』は2.5%…」(1月12日掲載)にあるように、対案提出者(B)57人を賛成に分類することを取り止めたそうです。 それでも、民間一括売却は強行するそうですから、思考経路はどうなっているのでしょうか? 何のためのパブコメだったのでしょうか? 市民の声を大事にする市政を捨て、市民の声を軽視することにしたのでしょうか? 市の最初のパブコメ分類は問題ですが、それに応じた方々が市民の代弁者であることは間違いありません。でも、少ないサンプルで市民の声を計るのは正しくありません。そこで提案です。市民の声を広く聴くため、市長発意による住民投票(総合運動公園の是非で実施)か、サンプル数が多い無作為抽出調査(土浦市との合併の是非で実施)をやったらどうでしょうか? 五十嵐さんは、市民発意(署名活動)による住民投票で、前市長の総合運動公園計画を撤回に追い込んだ活動家です。そのスタイルを貫くには、どちらかの方法で民間一括売却に賛成か反対か聴くのが一番です。(経済ジャーナリスト) <参考> パブコメの対案と市の対応 ▽対案:防災施設、公園・緑地、道の駅、学校、カフェ・レストラン、キャンプ場、再エネ施設、研究所、テーマパーク、商業施設、陸上競技場など。 ▽対応:「提案は(土地を買う)事業者が地域に資する施設を敷地内の一部に配置する上での参考資料になる」と、事業者に取り入れを要望。

公有地売却に見る つくば市の牽強付会 《吾妻カガミ》125

【コラム・坂本栄】つくば市の「高エネ研南側未利用地土地利用方針」を読んで、「牽強付会(けんきょうふかい)」という四字熟語が浮かびました。「自分の都合がいいように強引に理屈をこじつけること」という意味です。市はこの未利用地を民間に一括売却する方針を打ち出し、市民に意見を求めましたが、強引に大方の市民は賛成とこじつけたからです。 運動公園用地 強引に民間一括売却へ つくば市長の五十嵐さんにとって、高エネ研南側未利用地(総合運動公園用地)問題をどう片付けるかは最大の課題です。そこで、市民の声を聴いて市政を進めるという「五十嵐スタイル」に沿って、民間一括売却案を市民がどう思っているか、パブリックコメントの手法を使って意見を聴取しました。 その内容が議会に配られた「…土地利用方針」に出ています。その概要や市議と市側の質疑応答については、記事「『反対は一部』と民間一括売却 パブコメ受け最終方針…」(1月11日掲載)をご覧ください。 意見を寄せた77人のうち、A:明確に賛成した人が2、B:賛成も反対もせず別の利用法を提案した人が57、C:明確に反対した人が6、D:反対して別の利用法を提案した人が7、E:その他が5人―と分類されています。市は、Bの57人は反対ではないから基本的に賛成とこじつけて解釈、「民間一括売却は支持された」と結論付けたそうです。 何が何でも民間一括売却を押し通そうと、パブコメを曲解する「牽強付会」の見本のような整理の仕方です。常識的には、賛成(A)2人、反対(C+D)13人、対案(B)57人―と分類。対案提出者は賛成ではないのだから、反対多数(B+C+D=70)と集約すべきでしょう。 市民の声を知るには住民投票が一番 「クロ」を「シロ」と仕分けした市も、鋭い市議から「その分類はおかしい」と指摘され、まずいと思ったのか、記事「民間一括売却『明確に賛成』は2.5%…」(1月12日掲載)にあるように、対案提出者(B)57人を賛成に分類することを取り止めたそうです。 それでも、民間一括売却は強行するそうですから、思考経路はどうなっているのでしょうか? 何のためのパブコメだったのでしょうか? 市民の声を大事にする市政を捨て、市民の声を軽視することにしたのでしょうか? 市の最初のパブコメ分類は問題ですが、それに応じた方々が市民の代弁者であることは間違いありません。でも、少ないサンプルで市民の声を計るのは正しくありません。そこで提案です。市民の声を広く聴くため、市長発意による住民投票(総合運動公園の是非で実施)か、サンプル数が多い無作為抽出調査(土浦市との合併の是非で実施)をやったらどうでしょうか? 五十嵐さんは、市民発意(署名活動)による住民投票で、前市長の総合運動公園計画を撤回に追い込んだ活動家です。そのスタイルを貫くには、どちらかの方法で民間一括売却に賛成か反対か聴くのが一番です。(経済ジャーナリスト) <参考> パブコメの対案と市の対応 ▽対案:防災施設、公園・緑地、道の駅、学校、カフェ・レストラン、キャンプ場、再エネ施設、研究所、テーマパーク、商業施設、陸上競技場など。 ▽対応:「提案は(土地を買う)事業者が地域に資する施設を敷地内の一部に配置する上での参考資料になる」と、事業者に取り入れを要望。

名誉棄損訴訟を取り下げ 五十嵐つくば市長、FBで公表

五十嵐立青つくば市長が、前回の市長選前に新聞折り込みで配布されたチラシ「つくば市民の声新聞」に対し、名誉や社会的評価を著しく棄損されたなどとして、発行した「つくば市民オンブズマン」代表の亀山大二郎元市議を相手取って、慰謝料や謝罪を求めた裁判(2021年2月17日付)で、五十嵐市長は20日、自身のフェイスブック(FB)で、訴えを取り下げたことを明らかにした。一方、訴えられた亀山元市議は21日、記者会見を開く。 FBで五十嵐市長は、旧総合運動公園用地について「そもそも公約は『返還』でなく『返還交渉』でした」など、市民の声新聞の記述が事実と違うとする点を8点、具体的に列挙した。その上で、訴えを起こした理由を「公正な選挙のあり方に問題になると考え提訴に及んだ」と改めて述べ、取り下げの理由を「意図的に虚偽あるいは事実を歪曲(わいきょく)したものであることの立証は困難だったと判断」したためと説明した。 具体的には、裁判で亀山元市議側から「(市民の声新聞は)政策批判という性格のものが大部分で、個人の名誉を棄損するとは言い難い」との指摘があり、裁判所もそれを支持する姿勢だったことを挙げた。 これを受けて五十嵐市長側は続いて、公職選挙法の虚偽事実公表罪に当たると主張し訴えを追加したが、同罪は、故意に虚偽あるいは事実を歪曲することを知っていて公表したことが対象であるため、「立証は困難だとの判断に至った」などとFBで説明している。 その上で「虚偽の内容があっても、それが『政策の批判』と現在の法制度で解釈することが成立するのであれば、それは受け入れるしかない」「相手方が『虚偽と分からずに事実だと信じていた』と言えば、具体的証拠を出さない限り虚偽事実の公表は成立しないという仕組みも受け入れるしかない」など、取り下げの理由を説明した。 一方で「提訴時点で検討が不十分であったことは反省している。亀山氏に応訴の負担をお掛けしたことについても申し訳なく思っている」などと陳謝しながら、「(亀山元市議が)メディアの取材で『私の調査不足で一部が違うことは認めます』と答えていたこともあり、訴訟に一定の意義はあった」などとも指摘している。 FBで五十嵐市長はさらに「今後は、事実と違う認識をもたれることがないように、さらには誤ったことが流布されても市民がすぐに事実でないということを認識できるくらいに、情報発信と対話の努力をする」などしている。 五十嵐市長による名誉棄損訴訟は、前回の市長選直後の2020年11月末に、土浦簡易裁判所に提訴された。翌年、水戸地裁土浦支部に移り、その後21年5月から12月まで、論点や証拠を整理するため双方の弁護士が非公開で主張を述べ合う弁論準備手続きが計6回実施された。公開の法廷で主張を述べ合う口頭弁論に移る前に、五十嵐市長側が訴えを取り下げた。

サンガイア、開幕2連勝 劣勢はねのけフルセット勝ち

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地つくば市)は11月6、7日、開幕戦のホームゲーム2試合を土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開催した。6日はきんでんトリニティーブリッツ(大阪府岸和田市)にセットカウント3-1で快勝、7日は兵庫デルフィーノ(尼崎市)に3-2のフルセット勝ちを収め、開幕2連勝とした。 2021-22 Vリーグ2部男子(11月7日、霞ケ浦文化体育会館)つくば 3-2 兵庫 23-25 18-25 27-25 25-19 15-11 つくばは7日、2セットを先取された後に3セットを取り返すという劇的な勝利。劣勢をはね返すリカバリー力と粘り強さを発揮した。 第1セットは、曹海倫のサービスエースや松田康河のブロックなどで6点を先取する順調な立ち上がり。だがタイムアウトをきっかけに兵庫が5点を取り返し波に乗った。左右への大きなトスでつくばのブロック陣を振り回し、要所で繰り出す速攻も効果的だった。 第2セットは一転してシーソーゲーム。中盤から兵庫が徐々にリードを広げ、つくばを突き放した。つくばのオープンな攻撃は相手ブロックの餌食となり、速攻やワイドを使った攻撃は今ひとつかみ合わない。 第3セット、ようやくつくばにエンジンがかかってくる。十文字龍翔や鎌田敏弥らルーキー、若手が攻撃で躍動し、濱田英寿の強烈なサーブや、満生大輝のバックアタックなども効果的。長いラリーを交えながら激しく攻め合い、デュースで追いすがる兵庫を突き放して1セットを返すと、その後はつくばが自分たちのリズムを取り戻した。 「苦しい内容だったが、途中出場の選手らが持ち味を出し、よく盛り返してくれた。攻撃で圧倒的な選手はいないが、だれが出ても遜色ない。ベンチを含め全員が活躍して攻略してくれた」と、五十嵐元監督は選手たちを讃えた。 若返りを果たしたチームの中で、精神的支柱となったのがリベロの新垣東麻とセッターの浜崎勇矢。2セットを落とし暗くなったチームに絶えず声を掛け、士気を高めた。「今季は守備に力を入れており、それが後半徐々に機能してきた。どんな相手でも自分たちのバレーを出したい」と新垣主将。 これでつくばは2勝0敗で15チーム中6位。次戦は13日、ひたちなか市総合運動公園総合体育館で大同特殊鋼レッドスター(名古屋市)と対戦する。ちなみにこの日は同会場でV1女子の日立Astemo(アステモ)リヴァーレ(日立市)がトヨタ車体クインシーズ(刈谷市)と戦う。茨城勢のダブルホームゲームだ。 つくばの浜崎は大同特殊鋼戦に向けて「相手は完成度が高いチーム。スパイクやブロックなどの精度を高め、ホームの観客の皆さんの力を借りて戦い抜きたい」と意気込んだ。(池田充雄)

つくばFCレディース逆転負け、残留は最終節に持ち越し

日本女子サッカーリーグのプレナスなでしこリーグ2部、つくばFCレディース 対 吉備国際大学シャルム(Charme)岡山高梁の試合が2日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催された。ホームゲーム最終節のつくばは1-2で敗れ、残留を決めることはできなかった。13節を終え、つくばは3勝1分9敗、勝ち点10で6位のまま。残留は次の最終節に持ち越しとなった。 プレナスなでしこリーグ2部 第13節つくばFCレディース 1-2 吉備国際大学シャルム岡山高梁前半 1ー0後半 0ー2 今節は勝ち点10で6位のつくばFCと、勝ち点5で最下位8位の吉備国際大による下位対決。負けると後がない吉備国際大は、序盤からロングボール主体の攻撃でつくばに襲い掛かる。前線には抜群の動き出しを見せるFW西村や、スプリントに強いMF鵜木らをそろえ、どこからでも1本のパスでシュートチャンスをつくってくる。つくばはベテランの小田切美咲、ルーキーの渋谷巴菜によるCBコンビが高さと強さを発揮、吉備国際大の突破を許さない。 攻撃でつくばは、右MF岸川りなのクロスや左SB藤井志保のドリブル突破で、中央で待つFW古寺未佳にボールを集めようとするが、相手CB陣のマークも厳しく、効果的なパスを供給できない。 それでもゲームが落ち着きを見せるととともに、つくばが勢いを増してくる。先制点は前半38分、相手のゴールキックを右サイドで収めた岸川が、サポートに来た古寺にパス。ドリブルに入るかに見えた古寺は、ペナルティエリア外から意表をつくミドルシュート。このボールが相手GKの頭上を抜け、左サイドネットに突き刺さった。「追い風もあったので狙っていた。前を向けるタイミングが少なかったので、チャンスが来たら打とうと決めていた」と古寺。前半を1-0で折り返した。 後半、吉備国際大は選手交代やポジションチェンジで前線の枚数を増やし攻勢を強めてくる。必然的につくばは重心が後ろに下がり、前からのプレスがかけられず、前線と中盤の距離も開いてくる。つくばはFW大坪菜が古寺と縦関係をつくり、ボールのつながりを改善しようとするが、勢いに乗った攻撃を取り戻すことはできなかった。 後半38分、相手の波状攻撃からコーナーキックを与えると、このボールを中央で頭でつながれ、ファーサイドのFW古谷に蹴り込まれ、同点とされてしまう。さらに43分、左サイドのクロスからゴール前で混戦となり、最後はDF川名に決められ逆転。終盤の2失点で、引き分けでも残留が決まる状況をみすみす逃がすことになった。 「最も警戒していたセットプレーでやられたのが特に悔しい。相手FWとの1対1ではうまく対応できていた。混戦の中ではっきりとプレーすることや、あと一歩寄せることを徹底しなくてはいけなかった」と小田切。「前半は良い戦いができているが、後半は失点が増えてしまう。思うように戦えていないわけではないが、一瞬の隙を与えないことや球際の強さなど、練習からやっていることを徹底したい」とGKの稲葉寧々。 第13節を終え、最下位の岡山湯郷Belleとは勝ち点3、得失点9の差がある。「残留争いでは有利な位置にいるが、勝負に絶対ということはない。ぜひとも勝って終わりたいし、そのプロセスが来季につながる」と橋野威監督。最終節は10月10日、優勝を狙うバニーズ群馬FCホワイトスターとアウェーで対戦する。(池田充雄)

本サイトはスタートから4年に《吾妻カガミ》117

【コラム・坂本栄】このサイトがスタートしたのは2017年10月1日。それから4年がたちました。開始数日前の発表会見では、1日に何本の記事がアップされるのかとの質問を受け、平均3本を目標にしたいと答えました。コロナ禍でイベント類の記事は減りましたが、逆にコロナ関連を増やすことで、この目標はほぼ達成できています。これからも、元新聞記者、市民記者、大学生記者による記事、一家言ある識者のコラムをご愛読ください。 大学生記者の記事が大ヒット 9月には筑波大生記者の記事が注目されました。(A)ある団体がつくば市の公園で食料無料配布会を開こうとしたが、コロナ禍を理由に公園の使用が認められなかった、(B)この記事が掲載されたあと、記者が担当課に改めて理由を取材したところ、密回避を条件に使用を認めるとの連絡が団体に入った、(C)万全のコロナ対策をして配布会が開かれ、大学生や市民に大変喜ばれた―以上のような流れの3本です。 詳しくは「『公園が借りられない』 つくば市の食料支援団体」(9月15日掲載)→「一転、つくば市が使用を許可」(9月16日掲載)→「支援団体 感染対策を徹底」(9月25日掲載)をご覧ください。コロナ禍でアルバイト先が減り困っている学生、彼らを助けようとしている団体、規則だから公園使用はNOと言う市、当サイトの記事と取材を受けOKに転じた市。一連の記事は大ヒットし、書き込みコメントも増えました。 3本の記事は、本サイトの編集方針である(1)地域の話題を取り上げる(2)自治体の行政をウォッチする―に沿ったものです。これらに地域の方々が強い関心を持ち、結果、市を動かしたことになります。「NEWSつくば4周年」にふさわしい内容でした。 3コラムニストが再・新登場 土浦市を扱ったヒットコラムも紹介します。コロナ禍で花火大会が取り止められたことを受けて書いた「また中止された土浦の花火を考える」(9月20日掲載)です。私はこの中で、花火大会が事故で2度も中断されたことを踏まえ、打ち上げ場所を変えたらどうかと提案しました。これにはアクセスが多かっただけでなく、賛成論・反対論がコメント欄に書き込まれ、論争になりました。これも本サイトの役割ではないでしょうか。 コラムは原則毎日1本アップされており、こちらも本サイトの「売り」です。10月から、入沢弘子さん(広報コンサルタント、元土浦市立図書館長)とオダギ秀さん(コマーシャルフォトグラファー、土浦写真家協会会長)が復帰、秋元昭臣さん(元ラクスマリーナ=土浦港のヨット/ボート係留・遊覧船運行会社=専務)が新たに参加します。三方には、土浦とつくばを中心に、地域の魅力を全国に向け発信していただきます。 もちろん、つくばの総合運動公園用地問題、陸上競技場新設問題、センター地区再生問題など、市民の関心が強いテーマも引き続き取り上げていきます。また、土浦も現市長が公約した課題が動き出しますので、こちらもウォッチします。本サイトの情報が皆さまのご参考になれば幸いです。(NEWSつくば理事長、経済ジャーナリスト)

本サイトはスタートから4年に《吾妻カガミ》117

【コラム・坂本栄】このサイトがスタートしたのは2017年10月1日。それから4年がたちました。開始数日前の発表会見では、1日に何本の記事がアップされるのかとの質問を受け、平均3本を目標にしたいと答えました。コロナ禍でイベント類の記事は減りましたが、逆にコロナ関連を増やすことで、この目標はほぼ達成できています。これからも、元新聞記者、市民記者、大学生記者による記事、一家言ある識者のコラムをご愛読ください。 大学生記者の記事が大ヒット 9月には筑波大生記者の記事が注目されました。(A)ある団体がつくば市の公園で食料無料配布会を開こうとしたが、コロナ禍を理由に公園の使用が認められなかった、(B)この記事が掲載されたあと、記者が担当課に改めて理由を取材したところ、密回避を条件に使用を認めるとの連絡が団体に入った、(C)万全のコロナ対策をして配布会が開かれ、大学生や市民に大変喜ばれた―以上のような流れの3本です。 詳しくは「『公園が借りられない』 つくば市の食料支援団体」(9月15日掲載)→「一転、つくば市が使用を許可」(9月16日掲載)→「支援団体 感染対策を徹底」(9月25日掲載)をご覧ください。コロナ禍でアルバイト先が減り困っている学生、彼らを助けようとしている団体、規則だから公園使用はNOと言う市、当サイトの記事と取材を受けOKに転じた市。一連の記事は大ヒットし、書き込みコメントも増えました。 3本の記事は、本サイトの編集方針である(1)地域の話題を取り上げる(2)自治体の行政をウォッチする―に沿ったものです。これらに地域の方々が強い関心を持ち、結果、市を動かしたことになります。「NEWSつくば4周年」にふさわしい内容でした。 3コラムニストが再・新登場 土浦市を扱ったヒットコラムも紹介します。コロナ禍で花火大会が取り止められたことを受けて書いた「また中止された土浦の花火を考える」(9月20日掲載)です。私はこの中で、花火大会が事故で2度も中断されたことを踏まえ、打ち上げ場所を変えたらどうかと提案しました。これにはアクセスが多かっただけでなく、賛成論・反対論がコメント欄に書き込まれ、論争になりました。これも本サイトの役割ではないでしょうか。 コラムは原則毎日1本アップされており、こちらも本サイトの「売り」です。10月から、入沢弘子さん(広報コンサルタント、元土浦市立図書館長)とオダギ秀さん(コマーシャルフォトグラファー、土浦写真家協会会長)が復帰、秋元昭臣さん(元ラクスマリーナ=土浦港のヨット/ボート係留・遊覧船運行会社=専務)が新たに参加します。三方には、土浦とつくばを中心に、地域の魅力を全国に向け発信していただきます。 もちろん、つくばの総合運動公園用地問題、陸上競技場新設問題、センター地区再生問題など、市民の関心が強いテーマも引き続き取り上げていきます。また、土浦も現市長が公約した課題が動き出しますので、こちらもウォッチします。本サイトの情報が皆さまのご参考になれば幸いです。(NEWSつくば理事長、経済ジャーナリスト)

大規模事業評価スタート つくば市 陸上競技場計画で

つくば市の第1回大規模事業評価委員会が8日市役所で開かれ、10億円以上の大規模事業について必要性や効果などを客観的に評価する大規模事業評価が、陸上競技場の整備計画を対象に始まった。 委員は、東京大学大学院・横張真教授、筑波技術大学・生田目美紀教授、高橋博之公認会計士、筑波大学・藤井さやか准教授、堀賢介弁護士、国立環境研究所・松橋啓介室長の6人。横張教授が委員長、生田目教授が副委員長を務める。任期は今年8月から来年3月末まで。 上郷高校跡地に建設予定の陸上競技場について、必要性、妥当性、優先性、有効性、経済性・効率性、地域への対応の6項目を評価する。 現地視察なども含めて計4回委員会を開催し、11月上旬から中旬に答申をまとめる。答申に基づいて、市は事業を計画通り実施するか、見直すか、撤退するか検討する。 第1回委員会では、市側が事業の必要性など6項目について、委員に説明した。 必要性については、小中学生の公式記録がとれる陸上競技場が市内になく、市PTA連絡協やスポーツ団体から長年にわたる意向がある。妥当性については、未利用地の利活用に資する。優先性については、陸上競技場整備は市民要望の高い長年の課題であるにも関わらず、実現に至ってないため、これ以上先延ばしにすることなく早急に事業に着手することが適切だなどとした。 有効性については、スポーツ推進計画など政策目標が達成され、施設運営や植栽管理など雇用創出が見込まれる。集客に加え、利用者による地域の農産物、特産品の購入や飲食店、公共交通機関の利用が見込まれる、合宿の誘致により宿泊施設の利用が見込まれるなど経済波及効果があるとした。 経済性や効率性については、維持管理費は年間8000万円程度で、民間活力を導入するなどコスト低減を図る。地域への対応については、道路沿いのほとんどが農地であるため渋滞による周辺生活環境への悪影響は少ない、民家が点在するため騒音や光害などに配慮するーなどと説明した。 需要予測は年6回、維持管理費は年8000万円 委員の一人から「需要予想が年6回だとすると他の施設を借りても問題ないことになる。もう少し需要予測が立っていた方がいい」などの意見が出た。 需要予想については、小中学校の記録会や市陸上競技選手権大会の年6回と、そのほか、トラックの内側のインフィールドで、部活動、サッカー、グランドゴルフ、敷地内の園路や多目的広場でジョギングや日常の憩いの空間として活用されると説明された。維持管理費が年8000万円程度で、年6回の開催需要の場合、1回当たりの開催経費は維持管理費分だけで1333万円になってしまう。 陸上競技場の計画概要は、400メートルトラック8レーン、インフィールドは天然芝で投てき競技に対応できるようにし、メーンスタンドは1500席、芝生スタンドは2500席、日本陸上競技連盟の4種公認(整備内容は3種相当)とする。敷地内には多目的広場やジョギングコースなどを整備する、駐車場は400~500台でバス33台分に転用可能。付帯施設としてセミナーハウスを整備する。災害時は避難場所として活用する。 事業費は22億2200万円か22億3600万円。ただしセミナーハウスの整備費、校舎や体育館の解体費、周辺道路の拡張費などは明らかにされなかった。 整備スケジュールは2022年度に基本計画、23年度に基本設計と実施設計を策定し、24~25年度に建設工事、26年度から利用開始となる。 大規模事業評価は、住民投票で白紙撤回になった市総合運動公園事業を教訓に、五十嵐立青市長が2018年9月に要綱を定めた。 一方大規模事業評価をめぐっては、つくばセンタービルのリニューアル事業は10億円を超えるのに、大規模事業評価を行わないのは違法だとして、住民訴訟が起こされている。(鈴木宏子)

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