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海軍のまち土浦は元祖パンのまち 《ポタリング日記》5
2022年2月6日
【コラム・入沢弘子】「霞ケ浦海軍航空隊にパンを納めていた」と話すパン屋さんが、幼少期に住んだ土浦の家の近所にありました。以前から土浦にはパン屋さんが多かったと思い出し、土浦駅周辺の店11軒を訪ねました。駅ビルやスーパーの店舗内にもあるのですが、今回は地元の独立店でパンを焼いているお店から、昔ながらの味「あんパン」を選びました。 霞ケ浦総合公園のオランダ型風車の展望台から湖の景色を堪能し、駐車場でトランクの「BROMPTON(ブロンプトン)」を組み立てて出発。高校の購買部でもお馴染みの「栄パン」は霞ケ浦文化体育会館横を通過し国道を渡るとすぐ。工場併設の売店があります。 次の「コパン」は栄パン横のなだらかな坂の上。お店前の信号から住宅街を進み、大通りを渡って土浦日大高校の前を通過。先の常磐線線路を跨ぐ歩行者専用橋を渡ります。坂を下って駅方向に進むと「プレジール」。 この先は土浦第二小学校横の道を線路に向かいます。県道を渡り線路沿い道を行くと、突き当りに「鈴家パン」。工場横の厚い木の扉を開けると、パンの世界が広がっています。鈴家パンも高校の購買部の思い出のある方も多いでしょう。 城下町の街並みに溶け込むパン屋さん この後は少し離れたお店へ。桜川橋を渡り左岸を上流にひた走り。土浦橋を過ぎた自転車専用道の手前を下ります。桜川保育園の先の「パン工房T-LAMP」は、市内の別の場所から移転してきました。 お店の隣のヨークベニマル前で県道を渡り住宅地を進み、洋菓子屋さん手前を右折直進。旧6号(国道354号)を越すと、道は染谷石材店で直角にカーブ。ここは土浦城の南門跡。屈曲した道は城の防御拠点の馬出があった場所です。 右手に可愛い四角い建物の「小林パン店」。子ども時代に等覚寺の墓地横を通って来たお店です。土浦宿の面影が残る中城通りを抜け、駅前通りを渡ると土浦宿本陣跡の商工会議所に至ります。向かいに昭和のたたずまいを残す「木村屋パン店」。お店の先を左折直進し、駅前通りを亀城公園方面に進むと右手に「フランドル」。赤い店舗テントが目印です。 筑波銀行本店前を左折し瀧泉寺前を進むと、旧町名・鷹匠町の石碑が建つ道にぶつかります。左折しすぐ右折すると「猪俣パン店」。路地を抜けて町の空気を感じられるのが土浦散策の醍醐味(だいごみ)。小回りのきく自転車は最適です。 あとの2軒は駅方向。完成直後の亀城モールを通ります。ここは霞ケ浦へ続く川口川のあった場所。同じく川口川跡のモール505横に「千勝堂本店」。最後は駅前から伸びる八間通りの一つ目の信号先の左手に「中村屋」。れんこんサブレ―が置かれた棚から、あんパンを選びました。 城下町の街並みに溶け込む土浦のパン屋さん。昭和初期から続く店もあり、人々の生活に寄り添うように続いてきました。ふんわりとした生地のパンは、老若男女に愛される、やさしく親しみやすい味。海軍のまち・土浦は、カレーも有名。次の買い歩きはカレーパンにしようかな。(広報コンサルタント)
つくば並木中等5年生コンビ全国大会へ 金融経済クイズ「エコノミクス甲子園」
2022年1月15日
大学入学共通テストを横目に、第16回全国高校生金融経済クイズ選手権「エコノミクス甲子園」茨城大会で優勝した県立並木中等教育学校(つくば市)の5年生コンビが2月の全国大会に向け、1年早い猛勉強に励んでいる。 茨城大会は高校生への金融経済教育の普及のため、筑波銀行(本店・土浦市、生田雅彦頭取)が開催した。県内の高等学校10校から33チーム66人が出場し、並木中教校5年の河合舞音さんと腰塚茉莉子さんのチーム「金木犀」が優勝。2月27日にオンライン開催される全国大会に出場する。 同級チームで1~4位独占 河合さんと腰塚さんは2020年開催の第15回茨城大会にも出場した仲良しコンビ。前回は入賞を逃したが、出場した同校の4年生チームの中で最高点を獲得したという。この大会で2人が所属するハンドボール部の先輩が優勝したことから「来年は私たちも必ず優勝したい」と決意を固めていた。 全国大会に向け、腰塚さんは「茨城予選では早押しで他チームに競り負けていたので、知識を身に付けるだけではなく反応速度も上げていきたい」と話す。河合さんは「4択問題なので知識を詰め込めばなんとなく解答できるのではないかと思っていたが、茨城予選でそれだけでは正解できないと感じた。知識を深めて全国大会に臨み、優勝を目指したい」とへの意気込みを語った。 金融経済の知識でなく、新聞やニュースを元にした時事問題や、より生活に根ざした家庭科など、幅広く「お金」に関する知識が問われる。茨城大会では並木中教校5年生のチームが1位から4位までを独占した。同校社会科の石本由布子教諭が、クイズ形式で楽しみながら勉強することで経済への興味を持つきっかけにしてほしいと大会参加を呼びかけた。今回は原侑生さんと鈴木ヴィセット健太さんが準優勝、関杏純さんと河野由依さんが3位、枝川龍之介さんと渡辺大晃さんが4位に入った。 上位を独占したことについて、石本教諭は「校内の練習ではどのチームが優勝してもおかしくないレベルだった。今回優勝したチームは前大会からの実績があり、周りから一目置かれていた。他のチームもこの2人のレベルに追いつこうと勉強してこの結果になったと思う。同学年で近い間柄だからこそ他のチームも2人を目標にして勉強できた」と話す。出題される金融経済の分野については4年次に公民で学んでおり、授業で用いた教材や石本教諭の作った対策プリントを使って勉強し、今大会に臨んだという。 政治家志向とクイズ王目線 優勝した河合さんの夢は政治家。SDGsに興味を持っており、リサイクルのためにペットボトルキャップを回収したり後輩に啓蒙のための講演を行ったりと、校内外で活動している。国際貢献にも興味を持っているという。腰塚さんはクイズ好きで、文化祭で行われるクイズ大会の実行委員を務めている。クイズのルールの設定の仕方や、適切な問題の作り方に興味があり、全国大会に出場したらクイズを作る側の目線から分析したいと笑顔で話した。 「エコノミクス甲子園」は全国の高校生を対象に、金融と経済に関する知識を深めてもらう目的で開催しているクイズ大会。各都道府県を代表する金融機関が地方大会を主催している。茨城大会は2012年度にスタートし、今年度で10回目の開催だった。(田中めぐみ)
5日から「絵画の筑波賞」展 地元民間が支援する若手の創作活動
2021年6月4日
「絵画の筑波賞」展が5日、つくば展で幕をあげる。20日まで、つくば市二の宮のスタジオ'Sで開催。筑波大学と東京藝術大学の日本画・洋画出身者から出品者を募り、優れた作品に賞を授与し、広く発信する美術賞で、同展実行委員会(野堀喜作代表)が主催する。昨年創設され、今年2回目を迎える。 大賞の城野紗貴さんはじめ作品26点展示 筑波大学(洋画研究室・日本画研究室)と東京藝術大学(油画研究室・日本画研究室)の在学生、卒業生・修了生で、35歳以下の者を対象にしている。今回は、両大学の各研究室からの推薦で計20人の出品が決まり、選考で大賞に城野紗貴さん(筑波大学大学院修了)の作品「Fence」を選ぶなどした。 つくば展の後、6月23日から29日まで池袋展(東京・西武池袋本店6階アート・ギャラリー)を開く。展示総数は26点。各作家の応募作品20点のほか、受賞者には新作の追加出品も認め、6人がこれに応じた。このためホームページには載っていない作品も会場では見ることができる。 同賞は若手作家の優れた作品に賞を授与し、買い上げて支援するとともに、展覧会を開くことで発信もサポートしようというもの。筑波銀行や関彰商事など、主につくば市内の民間企業や個人からの協賛金を基に運営されている。 実行委員の一人、筑波大学芸術系教授の仏山輝美さんによれば、「国や公共団体の主催ではなく、ツクバ計画の野堀喜作代表ら地域企業の方々が予算を出し創設してくださった、かつてない貴重な機会。若い人の努力が報われ、創作活動の大きな励みになる。未来へ向けて根付かせていきたい」という。 大賞に選ばれた城野紗貴さんの作品「Fence」は、半開きのフェンスへの眼差しとその向こうに見える景色に、こぼれ出す水のようなイメージや草花の線描などが重なり、複数の視点を統合・圧縮したような複雑な画面構成が魅力。仏山さんは「絵というものは基本的に、一瞬を描いたように見えても、そこにいろんな時間や空間が含まれている。特にこの作品は、異なる要素をそのままの形で重ね合わせ、視覚的な面白さと、絵画とはどういうものかという根本的な問いかけがある」と評した。(池田充雄) 受賞者と作品は次の通り。(敬称略)公開中の「絵画の筑波賞」展2021のサイトで作品が紹介されている。 ▽大賞 城野紗貴「Fence」▽準大賞 溝口絢斗「AMAGUMO」▽優秀賞 艾尼瓦江 阿西木「少女とぬいぐるみ」、鈴木初音「火をふいていわう」▽奨励賞 伊東春香「空の街」、川端健太「tone13」、重政周平「組立」、藤森哲「tableau2021-s02(Kushan)」、八木恵子「春風のストローク」▽主催者特別賞 吉田侑加「時のおもかげ」
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2021年1月28日
入会のご案内 NEWSつくばは、私たちの理念に賛同し、資金面で活動を支援していただける賛助会員および、一緒に活動していただける正会員、活動会員等を募集しています。ご支援をお願いします。 <会員区分> ●賛助会員:個人 一口3,000円、団体 一口10,000円NEWSつくばの活動を資金面でサポートしてくださる方。 ●活動会員:年会費3,000円NPOの趣旨に賛同し、取材・執筆、その他NEWSつくばが企画運営する活動へ参加したい方。 ●正会員:入会金10,000円 年会費5,000円総会での議決権を持ち、NEWSつくばの運営に携わりたい方。 ●ボランティア会員(学生のみ):会費無料NEWSつくばの活動に賛同し、協力したい学生の方。 入会方法 入会ご希望の方は、以下の決済ボタン(賛助会員のみ可)によりオンライン決済を申し込むか、メールinfo@newstsukuba.jpまでご連絡いただければ振込用紙を郵送します。 入会に際し、NEWSつくばの定款の確認をお願いします。定款はこちらです。 ●オンライン決済はこちらから オンライン決済(クレジットカードのみ)はこちらから可能です。オンライン決済サービスの「stripe」を用いて決済処理し、頂いた情報は厳重に管理致します。 個人の場合 団体の場合 1年間分の登録の方はこちら(1年間分の一括請求になります) ●お振込の場合 ゆうちょ銀行振替口座【口座番号】00240-6-138817【口座名称】特定非営利活動法人 NEWSつくば 常陽銀行 研究学園都市支店 普通預金【口座番号】3913165【口座名称】特定非営利活動法人 NEWSつくば 筑波銀行 筑波営業部 普通預金【口座番号】1425068【口座名称】特定非営利活動法人 NEWSつくば お振込みの場合は、氏名、振込名義人および振込の日時について、info@newstsukuba.jp(担当:鈴木)までお知らせ下さいますようお願いいたします。 問い合わせ 会員登録に関する問い合わせはinfo@newstsukuba.jp(担当:鈴木)までお願いいたします。
産学官プラス金融で創業支援 つくばに18団体結集しスタート
2020年2月26日
【相澤冬樹】約150の研究機関が集積する地の利を生かし、産学官プラス金融の連携で、つくば発の起業をより積極的に支援しようという枠組が26日、つくば市に誕生した。「つくばスタートアップ・エコシステム・コンソーシアム」で、県と市、筑波大学、産総研、物・材機構、農研機構など研究機関、民間の投資家や金融機関など合わせて18団体が参画して設立理事会を開いた。 社会実証の推進へ コンソーシアムは共同事業体。つくばに集積した研究・事業資源を生かして、創業機会の創出や地域経済の持続的発展につなげるのが狙い。新しいアイデアや技術に基づく創業・起業を有機的に支える環境(エコシステム)の形成を促すため、産学官金の連携により事業の創出支援、スタートアップ企業への実証フィールドの提供など社会実証の推進に取り組むとしている。 会員にはTXアントレプレナーパートナーズ(千葉県柏市)、ベンチャーカフェ東京(東京)などベンチャー企業の支援組織が顔を連ねている。常陽銀行、筑波銀行の地元地銀両行も参画した。 設立理事会では、会長に大井川和彦知事と五十嵐立青市長を選び、筑波大、産総研、物・材機構、農研機構の担当者を理事に選任した。今後、理事会は年1回程度の開催となるが、連携事業等は全体運営会議で決定、複数の部会を置いて個別活動に取り組む。具体的な活動の展開は新年度からになる見込みだ。 冒頭、あいさつに立った五十嵐市長は「いわゆる潜在的起業希望期にある事業者に手を差し伸べる施策が従来なかった。その支援のため、これだけの顔ぶれが1カ所にそろう場所はつくばしかない。手厚い戦略で取り組みたい。そろそろ実証実験は卒業し、社会実装にもっていきたい」と意欲をみせた。
古民家改造しチョウザメレストラン 筑波山麓・真壁の養殖業者が店開き
2020年2月3日
【大山茂】真壁のひなまつり開幕に合わせ、桜川市に4日、古代魚のチョウザメを食材にした古民家レストランがオープンする。異色の組み合わせだが、総務省の地域振興策「ローカル10000プロジェクト」採択を受け、市内でチョウザメの養殖を手掛ける「つくばチョウザメ産業」(つくば市、白田正男社長)が準備を進めてきた。 店の名は「レストキャビン古民家スタージョン」。スタージョンは英語でチョウザメのこと。場所は造り酒屋「西岡本店」の東隣りで、市が管理している木造平屋の古民家を改造した。 メニューはチョウザメの肉を使ったカレーや漬け丼、煮込みうどんなど。全ての料理にチョウザメを使用する。肉は白身で淡白なため、多くの料理に合うのだそう。価格は1000円前後。白田社長は「地元の人たちがお昼に気軽に立ち寄れる場になれば」と話す。 店内に入ると入口に大きなプラスチック製の水槽が置かれている。来店者にチョウザメの泳ぐ姿を見せるという。店内にはチョウザメの生態を紹介するパネルやグルタミン酸、アスパラギン酸などチョウザメの持つ機能性成分の分析表なども展示し、なじみの薄いチョウザメの理解を促す考え。奥に進むとテーブルやカウンターが配置され、15人前後ゆったりと座ることができる。 総務省事業に県内1カ所採択 同事業は、2019年のローカル10000プロジェクトに県内でただ1カ所、採択された。レストランに加え、廃校した小学校のプールを使ったチョウザメの養殖と、プール隣りで飼育水を再利用した野菜の水耕栽培の3点セットが事業内容。地元桜川市を通じて総務省に申請したところ、地域の産業再生と活性化に結び付くとして採択された。事業費は国の地域経済循環創造事業交付金と桜川市の負担分合わせて850万円、それに筑波銀行の事業継続融資分850万円の合計1700万円。 同社は筑波山麓の石材工場跡地に加工・出荷事業所を開設、約10年前から6000匹前後を飼育し、雄の魚肉をホテルや割烹、寿司店などに提供してきた。3年前からは雌の成魚からキャビアを採取しており、瓶詰20グラム6000円(税別)で販売している。結婚式場などから引き合いがあるという。 桜川市では4日から恒例の真壁のひなまつりが開幕する。3月3日までの会期中、市街地の店舗など約160軒におひなさまが飾られ、10万人を超える人出が見込まれている。
《映画探偵団》22 筑波小唄と筑波節は2つで1つ
2019年8月11日
【コラム・冠木新市】桜川流域には茨城県出身の詩人野口雨情が作詞した『筑波小唄』と『筑波節』の民謡が残っている。10年前にその事実を知ったころは、特に雨情や民謡に興味があったわけではなかった。つくば市の年配者に尋ねると、「そんな歌、知らないな」と言われた。 とりあえず、どんな民謡なのか聴いてみようと、つくば市や茨城県の図書館、北茨城市の野口雨情記念館などに当たってみたが、どこにも音源は残されていなかった。こうなると私の悪い癖で、ぜひ探してみたくなった。 昭和5年(1930)、世界大恐慌の影響が日本に出始めた年、雨情は旧筑波町から歌作りの依頼を受ける。10月1日から2日、筑波山中を散策し、翌3日、5番まで詩がある『筑波小唄』を作り、作曲家藤井清美が直ちに曲をつけた。同日、関係者を江戸屋別館に招き、筑波芸妓(げいこ)によって披露の運びとなった。 ところが、この歌は、45日後の11月18 日に1・2番と3・4・5番に分けられ、詞が追加されて『筑波小唄』と『筑波節』になるのである。なぜ1つの歌が2つに分けられたのか、詞を分析してみた。 『筑波小唄』の「うすい情」「笹で啼(な)く」、『筑波節』の「うす明り」「ほろり泣いたも」と、対をなす表現が出てくる。また最後のフレーズは「北条を通れば うしろに筑波 ままよ逢わずに 帰らりよか」(『筑波小唄』)、「真壁出て見りゃ 南に筑波 逢いにゆきます 山越えて」(『筑波節』)とあって、男と女が筑波で逢う構成になっている。 つまり『筑波小唄』は男心を、『筑波節』は女心を描く2曲で1組の歌なのである。『筑波小唄』はうぐいす芸者藤本二三吉が、『筑波節』は北条芸妓連がSPレコードに吹き込み、昭和7年(1932)にはNHKラジオで披露している。 その後、ひょんなことからリメイク版レコードが見つかり、歌誕生80周年記念として、2010年10月10日、筑波銀行つくば本部ビル10階で、「雨情からのメッセージ」と題し講演・朗読劇・歌・踊りのイベントを開催した。 東映『仁義なき戦い』5部作 私は東映『仁義なき戦い』(1973-74)5部作を思い出した。この作品は5部作中4本が、キネマ旬報ベストテンに入る日本映画史の名作だ。中でも、第3部『代理戦争』は広島ヤクザが西日本2大組織のどちらにつくかで右往左往するズッコケ喜劇で、第2次大戦後の米ソ大国と小国の政治状況を象徴しており、ヤクザ映画の範疇(はんちゅう)を超える仕上がりになっていた。 だが第4部『頂上作戦』は、盃(さかずき)外交に組員の内部分裂、世代間の争いが加わり、複雑混乱した印象で不満だった。しかし第5部『完結篇』ができ、全作オールナイト上映を見て驚いた。続けてみると3部と4部が密接につながり、一本筋が通り面白さ倍増なのだ。 あとから、脚本家笠原和夫の『昭和の劇』(太田出版)で知るのだが、3部と4部は元々一本のお話で、映画が大ヒットしているため、東映から「2本に分けて作れ」と命じられたそうだ。 いつの間にか雨情と民謡に魅せられた私は、2012年にSPレコードを発見しCDに復刻、DVDを作って踊りも復活させた。来年秋には歌誕生90周年を迎える。『筑波小唄』のお囃子(はやし)は、サイコドン ハ トコヤンサノセ である。(脚本家) ➡冠木新市さんの過去のコラムはこちら
主なサポーター
2019年6月19日
2022年度の主なサポーターは以下の通りです。 ・日本つくば国際語学院 ・関彰商事 ・一誠商事 ・大和ハウス ・つくば山水亭 ・つくばグランドホテル ・つくばわんわんランド ・中川商事 ・JA水郷つくば ・日本電子 ・都市開発 ・東光拓商事 ・筑波銀行 ・ペンギンシステム ほか
夏休み親子映画鑑賞会
2019年6月19日
筑波銀行が地域社会貢献活動の一環で実施する。 上映するのは大ヒットアニメ映画「ボス・ベイビー」(上映時間 97 分) 入場無料。定員300人。当日先着順。
《続・気軽にSOS》36 なんでもかんでも相談
2019年5月4日
【コラム・浅井和幸】毎月、つくば市とかすみがうら市で、各1回ずつ相談会を開催しています。名前の通り、なんでもかんでも相談をお受けし、そこから次の一歩を一緒に探すという趣旨で開催しています。現実的な悩み解決策を提示する場ということです。 精神保健福祉士、行政書士、社会保険労務士、ケアマネジャー、保育士、司法書士、弁護士など、主に国家資格を持つ有志がボランティアで集まり、どのような悩みにも対応する合同での相談会です。各相談員には、些細(ささい)な、日常の引っ掛かりでも、真剣に対応して次の一歩を提示するよう伝えています。 例えば、明日の彼女の誕生日に何をプレゼントしたらよいか? というような悩みでも対応するということです。 といっても、相談に来られる方は、かなり重く辛い悩みが多いものです。遺産相続で骨肉の争いになりそうだとか、住む場所を出ていかなければいけないとか、近所の方から嫌がらせを受けているとか、10年ひきこもっている子どもを抱えているとか、暴力を受けていて家に帰るのも怖いとか、障害者支援や年金の利用方法が分からないとか、です。 相談は無料 予約も不要 かすみがうら市内で開催している、なんでもかんでも相談会は、2019年5月で98回目を迎えます(つくば市の方は9回目になります)。かすみがうら市や社会福祉協議会の広報もあり、2018年度は100件を超える相談を受けしました。 相談するために、かすみがうら市の相談会会場のやまゆり館や、つくば市会場の筑波銀行つくば副都心支店を訪れる皆さんのお住まいは様々で、県外からも訪れます。相談会を訪れる方は、相談が出来る場所がないこともあるでしょうし、場所はあったけれど相談員との相性が合わなかったという方もいます。 相談は無料で予約の必要もありません(法律相談は要予約です)。もし何か悩みがあれば、「なんでもかんでも相談」「なんでもかんでも相談つくば」で検索してみてください。小さな一歩を積み重ねることで、大きな山も乗り越えることが出来るものです。(精神保健福祉士) ➡浅井和幸さんの過去のコラムはこちら
休む? 休まない? 休めない? つくば、土浦の10連休対策総ざらい
2019年4月22日
平成から令和へ、今年迎える改元連休は27日から5月6日まで10日間に及ぶ。即位の日(5月1日)が祝日に、また、その前後の4月30日と5月2日が国民の休日に指定されたためだ。ゴールデンウイーク超えの大型連休は、生活に影響を及ぼしかねないという不安に応え、政府は暮らしへの影響に関する対応策を発表している。つくば、土浦地域の医療や金融、保育など、暮らしに関わる分野別に連休中の対応をまとめた。 【病院】 10連休中は休日当番医のほか、一部病院が外来診療を実施する。 筑波学園病院(つくば市上横場)総務課広報によれば、連休中の診療は休日扱いとなり、事前に予約していない人は料金に休日加算等が追加される。休日加算はどの医療機関でも同様に算定される。なお同病院関連施設の並木診療所(小児・内科)は27日(土)、30日(火)、5月2日(木)の診療日を設ける。 外来診療を実施する病院、診療所は以下の通り。診療時間などは電話連絡の上、確認が必要だ。(当)は休日当番医。 ◆つくば市 4/27(土)=宮本病院、筑波学園病院、とよさと病院、筑波記念病院、筑波中央病院、筑波胃腸病院、筑波病院、いちはら病院、つくば双愛病院 4/28(日)=筑波胃腸病院、東郷病院(当)、南大通りクリニック(当) 4/29(月)サンシャインクリニック(当)、筑波病院(当) 4/30(火)=筑波学園病院、とよさと病院、筑波記念病院、筑波メディカルセンター病院、筑波胃腸病院(当)、筑波病院、いちはら病院、さくら内科・呼吸器内科クリニック(当) 5/1(水)=とよさと病院、筑波記念病院、おがわ内科(当)、いちはら病院(当) 5/2(木)=筑波学園病院(当)、筑波記念病院、筑波メディカルセンター病院、筑波胃腸病院、筑波病院、いちはら病院、木村クリニック(当) 5/3(金)=筑波病院、太田医院(当)、樫村内科消化器科クリニック(当) 5/4(土)大野医院(当)、寺崎クリニック(当) 5/5(日)つくば双愛病院(当)、飯岡医院(当) 5/6(月)=筑波メディカルセンター病院、宮川内科・胃腸科医院(当)、あつしクリニック(当) ◆土浦市・阿見町 4/27(土)=県南病院、都和病院、土浦厚生病院、神立病院、筑波東病院 4/28(日)=小林医院(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、淀縄医院(当)、小杉歯科医院(当) 4/29(月)=東京医科大学茨城医療センター、松本内科医院(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、野上病院(当)、高野歯科医院(当) 4/30(火)=東京医科大学茨城医療センター、県南病院、都和病院、土浦厚生病院、筑波東病院、土浦協同病院 5/1(水)=県南病院、都和病院、神立病院、土浦協同病院 5/2(木)=県南病院、都和病院、土浦厚生病院、神立病院、筑波東病院、土浦協同病院 5/3(金)=山中内科クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、県南病院(当)、深谷歯科医院(当) 5/4(土)=石井内科クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、中央大祢整形形成外科(当)、ホワイト歯科医院(当) 5/5(日)=萩原クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、神立病院(当)、土浦やまぐち歯科クリニック(当) 5/6(月)=東京医科大学茨城医療センター、鈴木胃腸科クリニック(当)、土浦市休日緊急診療所(当)、伊野整形外科医院(当)、関口小児歯科医院(当) →10連休中のつくば市の休日当番医はこちら →土浦市の休日当番医はこちら →県の医療機関の外来診療の実施状況はこちら 処方せんと薬局 連休中、薬局が閉まっている場合などに対処し、継続的に使用している薬に限り、4日以内と決められた処方せんの使用期間の延長ができる。希望者は主治医に相談を。薬局はつくば、土浦とも飛び石連休が多いが、ショッピングモール内の薬局などは連日営業している。 【介護施設・事業所】 特別養護老人ホームなどの入所施設の場合は365日稼働しているため、連休の影響を受けない。通所や訪問介護など居宅サービスを行っている事業所は利用者との契約に基づいて営業しており、契約の有無に応じて休みにする事業所がある。 【保育所】 認可保育園は公立、私立とも基本的に休みとなり、連休中は一時預かり保育を実施している施設が対応する。 このうちつくば市シルバー人材センターが運営する一時保育施設「子育て支援ルームきずな」(同市台町、小倉武子施設長)は木曜日を除いて、1歳から未就学児まで毎日10人まで受け入れる。10連休はすでに毎日4人程度の予約が入っているがまだ受け入れ可能だ。 ◆つくば市 3カ所で1歳~就学前を対象に一時預かり保育を実施する。 ▽市立作岡保育所=4月30日(火)と5月2日(木)。利用料は1時間200円、定員6人。 ▽つくばスワン保育園=全日。1日3000円。定員5人。 ▽子育て支援ルームきずな=5月2日(木)を以外。1時間500円(市外は600円)。 ◆土浦市 ▽市立桜川保育所=4月30日(火)~5月2日(木)の3日間。定員20人程度、4時間まで800円。4時間超1600円 【銀行】 ▽常陽銀行、筑波銀行などの銀行窓口は10連休中は休業、銀行ATM(現金自動預け払い機)やコンビニATMは連休中も利用できる。給料日と重なる4月25日(木)と26日(金)、連休明けの5月7日(火)は窓口が大変混雑すると見込みまれることから、日数や時間に余裕をもって手続きするよう呼び掛けている。 連休中に需要の増加が見込まれるATMについて常陽銀行広報室は、委託管理会社がお札の過不足が生じないよう管理にあたっているため、連休前は通常の土日より多くお札がセットされるという。連休中のATM利用は所定の手数料がかかり、両替機は使えない。詳しくは「常陽銀行ATMご利用ガイド」で確認を。 【郵便局】 郵便局窓口は10連休中は休業。休日なども営業している一部郵便局は営業する。配達は普通郵便物は4月27日(土)と5月2日(木)のみ配達、速達や書留などは毎日配達する。ATMは連休中も利用できる。 【消費生活センター】 つくば市、土浦市いずれも消費生活センターは4月27日から5月6日まで休み。急な場合は▽国民生活センター=午前10時から午後4時まで、局番なしの188(イヤヤ)▽県警察本部・警察相談=ダイヤル#9110 【ごみ収集】 つくば、土浦の一般ごみ収集は収集カレンダー通りに行われる。 【構成・橋立多美】
【あと一勝の壁】3 高校1年夏 鮮烈デビュー
2019年1月5日
【伊達康】高校は県外の強豪校に行きたい気持ちもあったが、親の薦めもあって地元に残り父親の母校でもある私立霞ケ浦高校に進学した。中学までは常に叱られながら野球に取り組んできた上野だが高校では環境が一変した。監督は上野の全てを受け入れてくれたのだ。 「1年からすぐに試合で使っていただいたので気を遣ってもらっていたのかなという部分はありますね。好きにやらせてもらった。だからといって練習を手抜きした訳ではありません」。否定されることも叱られることもない分、自主性と自立心が要求された。 迎えた1年夏、2回戦の境戦で2番手として公式戦デビューを果たすと、3回戦の第7シード土浦湖北戦では先発を任され9回まで1失点。後を受けた片野凌斗(東京経済大―筑波銀行)が無失点でしのぎ延長15回の激闘を制した。3年生がベンチに4人しか入っていない2年生中心のチームはノーシードながら準々決勝まで勝ち進んだ。 インパクト残した1度目のチャンス 2強時代へ 甲子園への1度目のチャンスは1年秋に訪れた。霞ケ浦は県大会決勝で常総学院に0対7で敗れ茨城2位となり関東大会に進出。初戦は神奈川1位で大会優勝候補の東海大相模となった。誰もが東海大相模には勝てないだろうと予想していたカードであったが、なんと上野が完投して5対3で大金星を挙げた。あと一つ勝てば甲子園に手が届く。しかし続く準々決勝で宇都宮商に4対5と逆転負けを喫した。センバツ甲子園出場はかなわなかったが、東海大相模を倒したインパクトは大きく、1年サウスポー上野拓真の知名度は一気に上がった。 2年春には県決勝で常総学院に3対2で競り勝って念願だった夏の第1シードを獲得した。この頃から高校野球ファンの間で霞ケ浦と常総学院を称して「2強」と呼ばれるようになった。それだけ2校の力が抜きん出ていた。 =続く
《光の図書館だより》14 図書館を通じた企業PRを
2019年1月3日
【コラム・入沢弘子】新年になりました。お正月休みを読書の時間に充てている方も多いのではないでしょうか。私も積んでおいた本をやっと読めました。読書の記録はPCにメモしています。 当館は昨年11月に1周年を迎え、年末までに約64万5000人の方にご来館いただきました。冬休みに入ってからは、平日も多くの家族連れにお越しいただいています。 最近の人気は「土浦図書館本の通帳」コーナーです。「本の通帳」は通帳型の冊子。借りた本の履歴を専用の機械で印字できるものです。市内在住・在学の小中学生を対象に、昨年11月下旬から配布をスタートしました。大好評で、開始後30日で約450人の子どもたちが登録。うち約2割は新規利用者でした。 この事業は子どもの読書意欲の向上に効果があると聞き、以前から検討を重ねてきましたが、費用面で難航。そんな中、事業にご賛同いただいた常陽銀行、筑波銀行、水戸証券、めぶきリースの4社が5000冊の通帳制作費と印字機導入費用をご協賛くださることになり、ようやく実現できました。 通帳の裏表紙には4社のロゴマークを掲載し、広告媒体としてご使用いただきました。幼少期から企業名に親しむことは、将来のユーザーにつながる可能性が大きいのではないでしょうか。 雑誌スポンサー HPバナー広告 当館で地元企業や団体にご協賛いただいているものは、他に「雑誌スポンサー」や「ホームページのバナー広告」などがあります。 「雑誌スポンサー」は、当館に置いている雑誌1年分の購読料をご協賛いただく代わりに、雑誌のビニールカバーの表紙に企業名、裏表紙に企業広告を掲載します。現在は『きょうの健康』を土浦市医師会が、『クロワッサン』をイセファームがスポンサーになってくださっています。雑誌コーナーは、エントランスフロアの中央と、お茶が飲めるラウンジ付近に配架してあり、常時多くの方が閲覧しています。 「ホームページのバナー広告」は、1枠月5000円で社名やロゴマークを掲載しており、今はアクアクララのご協賛をいただいています。 年間60万人の来館者達成後は、「雑誌スポンサー」や「バナー広告」についてのお問い合わせも増えてきました。駅から近く、1日平均約2000人のあらゆる年代の方が利用する、土浦市立図書館。企業PRの場所、CSR活動の一環としてご一考ください。 今年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。(土浦市立図書館館長)
エコノミクス甲子園茨城大会 並木中等「三倍満」が優勝
2018年12月9日
【崎山勝功】高校生がクイズを通して経済の知識を学ぶ、第13回全国高校生金融経済クイズ選手権「エコノミクス甲子園」茨城大会(筑波銀行主催)が9日、つくば市竹園の筑波銀行本部ビルで開かれ、激戦の末に県立並木中等教育学校(つくば市)「三倍満」チームが優勝し、東京で開かれる全国大会(2019年2月16・17日開催)への出場権を手にした。 同大会には県内10校から40組がエントリーして39組が参加。高校生たちは、予選として筆記試験(40分)と早押しクイズ(3問正解で勝ち抜け)に臨み、上位6チームが決勝戦に進出した。 決勝進出チームは、並木中等はじめ、土浦一、竹園、江戸川学園取手とすべて県南勢。「県南の進学校」のプライドを賭けた決勝戦となった。予選で獲得した合計得点を「○○万円」と金銭に見立て、計10問の問題に挑戦した。相手チームと「所持金」(得点)をやり取りしながら自分の得点を増やしていく方式で競った。 相手チームから得点をもらう方法として「弱肉強食」(不正解の全てのチームから13万円ずつもらう)と「格差是正」(問題開始時の1位チームから10万円もらう)の2種類のルールがあり、解答を出す際にどちらの方法で得点をもらうかを表示しなければならない。高校生たちは、経済分野の問題を解くと同時に「弱肉強食」と「格差是正」のどちらの方法で得点を受け取るかの意思表示を迫られ、問題を解くたびに各チームの得点が大きく変動し、観戦する高校生や保護者らは固唾を飲んで見守った。 並木中等チームの優勝が決まると、ステージ下で控えていた運営スタッフらがクラッカーを鳴らして祝福した。同チームの小松恵大さん(17)=高校2年=は「すごくホッとしている。観戦してくれた学校の先生、両親、先輩たちに感謝している」。阿部祥太郎さん(17)=同=は「優勝目指して勉強を重ね、優勝という形で実った。顧問の先生を始めとした人たちにお世話になったのでとても感謝している」とそれぞれ感謝の意を示した。 一方、予選で首位に立ち決勝戦に臨んだ、県立竹園高校(つくば市)の「OTTY(笑)」(オッティ―・わらい)は、決勝戦では5位だった。メンバー2人は「結構問題が難しかった。負けちゃって悔しい」「勉強不足だった。来年が(大学)受験で今年が最後。なおさら悔しい」と述べた。 ◆上位入賞者たちのコメントは次の通り ▽2位・江戸川学園取手高校(取手市)「パンプ&ダンプ」中井健介さん(16)=2年=「まず大塚くんと2人で勉強した。去年の(大会の)リベンジで準優勝の結果が残せた」、大塚悠祐さん(17)=同=「中井くんが物知りで力になった」 ▽3位・県立土浦一高(土浦市)「全日本運任せ連盟」小池優希さん(16)=2年=「全国大会を目指していたので悔しい。単純な知識だけでなく思考力を問われた。歯ごたえのある問題だった。来年は受験なので彼(北島さん)には頑張ってほしい」、北島慶士さん(16)=1年=「来年は(優勝を)取り返す」
読書の履歴「通帳」に記録して 土浦市立図書館でスタート
2018年11月24日
【谷島英里子】小中学生が、自分が図書館で読んだ本の履歴を、銀行の通帳のような手帳に記録できる「本の通帳」を土浦市立図書館が23日から導入した。専用機を使って通帳に印字する仕組みで、子どもの読書の意欲を高めることが狙い。 開館1周年記念事業の一環。対象は市内在住か在学の小・中学生と義務教育学校生で、同館の利用カードを持っていること。通帳は5000冊作成した。 使い方は、初めに通帳を窓口で発行してもらう。通帳を専用機に入れ、本のバーコードを読み込むと通帳に印字される仕組み。通帳には本を借りた年月日、書名、作者名、出版社が印字され、銀行や郵便局の預貯金通帳にそっくりだ。通帳1冊で366冊の本が印字できる。 23日は祝日ということもあり、開始の午前10時30分から10人ほどの列ができた。同館によると午後5時ごろまでに86人が利用し、子どもたちから「うれしい」「どんどん読みたくなる」と喜ぶ声が聞かれたという。 通帳の制作費と記帳機の購入費用の合計120万円は、常陽銀行、筑波銀行、水戸証券、めぶきリースが協賛企業として協力した。 同館は「子どもたちの中で本の通帳が話題になって、図書館に来たくなるきっかけになれば」と話している。
《ご飯は世界を救う》5 古民家カフェ「サロン・クラウドナイン」
2018年11月8日
【コラム・川浪せつ子】まだ、もうちょっと芸術の秋ですので、そんな話題を(個人的には1年中、芸術…です)。今回は、ギャラリー併設の古民家カフェサロン「クラウドナイン」さん。閑静な住宅街の一角にある、築60年の納屋を改装した建物です。1階がカフェ、2階がギャラリーになっていて、芸術家の方々の交流の場でもあります。 お話は、つくば駅近くの筑波銀行本部2階にあるギャラリーに飛びます。こちらの場所は、無償で市民に貸して頂ける貴重なスペースで、予約を取るのが3年待ちという人気です。絵画のみならず、文化財になるような手作り人形や書道などの企画展もやっています。市民の方々の展示も力作ぞろいです。ですので、時間が取れる限り訪ねて、見させていただいています。 今年の夏前、そこで出会ったのが石山克氏の水彩画でした。水彩絵の具で大きな作品を作成するのは、なかなか大変です。見たとき、「どれほど時間がかかっているだろうか?どんな方が描かれているのだろうか?」でした。丁寧かつ厳粛な風景画。描いた方の思いがひしひしと伝わってきました。 ご本人がいらっしゃったのでお聞きすると、全くの独学ということで、それにも驚きました。経歴には書かれていなかったのですが、あとで調べると、「日本水彩画会」という1913年から続いている公募展の評議員さんでした。さすが!なるほど! 2階では石山克氏の画展 お話は「クラウドナイン」に戻りまして、石山氏が展示会をするというので見に行きました。もちろんランチも楽しみです。注文して来るまでの時間、2階のギャラリーに行くと、なんと、私の大学の先輩がいました。聞いてビックリ。石山氏と小学校が同級生。先輩は、油絵から版画までこなす芸術家です。久々で会ったので、近況をお聞きしてショック。 「ボクね、大腸ガンで、ステージ4。肺に転移。今、抗がん剤」。ニコニコしながら話してくれました…。現在、大腸ガン、女性では1番多くて、男性では3番目。昔は胃ガンでしたが、食生活の変化ですね。近ごろは、医師もステージなど、本人にもはっきり伝えるようになっているのですね。 先輩の版画は手軽に買えましたので、2作品持っています。その作品を見て拝んで、「どうか長生きしてください」と毎日祈っています。 「クラウドナイン」のランチ。こんな野菜多めのものを食していたら、病気にならないだろうなぁ、と思いながら味わいました。先輩に「一緒に食べましょう」と言いましたら、「昼はソバと決めてんの!」。頑固なのはよくないのよ~、体にもねぇ、と思いつつ。どうか元気で創作活動をお続けください。 そうそう、石山氏の作品は、ここでも裏切らなかったです。「PRして下さいね」とおっしゃっていたので、お名前出しましたよ。これからのご活躍楽しみにしています。(イラストレーター)
土浦に新イメージ 浮世絵調ポスター好評
2018年10月31日
【鈴木宏子】相撲と軟式野球の茨城国体リハーサル大会に向け、同国体土浦市実行委員会(事務局・同市教育委員会国体推進課)が制作した浮世絵調のポスターが好評だ。市職員の若田部哲さん(42)がボランティアで描いた。「古い歴史がある土浦は、浮世絵調のイメージがマッチしているのではないか」と若田部さんは新たな土浦のイメージを模索する。 ポスターは、8月19日に国体リハーサル大会として霞ケ浦文化体育会館(同市大岩田)で開催された第57回全国教職員相撲選手権大会と、11月2~6日、J:COMスタジアム土浦(同市川口)など県内6カ所で開催される第26回東日本軟式野球選手権大会=メモ=の2種類ある。 相撲選手権は、霞ケ浦や帆引き船、筑波山を背景に、力強い筋肉が強調された力士が両足を踏ん張って組み合う姿が浮世絵調に描かれている。軟式野球選手権は、青い稲妻と赤い炎を背景に、対戦チームのピッチャーとバッターが互いににらみ合う緊迫した瞬間が描かれている。 相撲選手権のポスターは例年、高校生などからデザインを公募していたが、今回は地域紙にイラストを描くなど実績がある若田部さんに制作を依頼し、ポスターのほかチラシやプログラムにも使用した。市民のほか共催の日本相撲連盟からも「味がある」「躍動感がある」などと好評で「ポスターをもらいたい」などの問い合わせもあったという。 同実行委は、続く11月2日開幕の軟式野球選手権のチラシデザインも若田部さんに依頼。A4判で1500枚を印刷し公民館など市公共施設に置いて大会をPRしている。 若田部さんは土浦駅前、アルカス土浦1階市民ギャラリーに勤務し、土浦の風物や自然をほのぼととしたイラストで描いてきた。浮世絵調はこれまでとはまったく異なる作風だ。今年3月、サイクリング拠点としてリニューアルオープンした土浦駅ビル「プレイ・アトレ土浦」のオープニングイメージポスターが浮世絵調だったことに触発されたのがきっかけという。「隣の新しいイメージのつくば市と比較して、歴史ある土浦市は浮世絵調が合っているのでは」と話す。 メモ 【茨城国体軟式野球競技リハーサル大会兼水戸市長旗第26回東日本軟式野球選手権大会】全国トップレベルの大会の一つで、東日本23都県代表の実業団28チームが出場し11月2~6日までの5日間、土浦、牛久、水戸市など6市で開催される。県内からは県代表の筑波銀行のほか常陽銀行、筑波病院など5チームが出場する。
独特の書体 書家・鈴木赫鳳さん 日展受賞作品と近作 つくば
2018年10月3日
【鈴木萬里子】第21回筑波銀行ギャラリー企画展「気韻とロマンを求めて 書家・鈴木赫鳳展~日展特選受賞作品を中心に筆跡と近作~」が、つくば市竹園の筑波銀行ギャラリーで開かれている。 高萩市在住の鈴木赫鳳(かくほう)さん(68)は、1989年日展に初入選し、2014年と16年には特選に選ばれている。読売書法展でも2年連続の準大賞を受賞するなど茨城の書道会を牽引する書家の一人。会場には日展特選作品のほか、掛軸六幅組、六曲屏風(ろっきょくびょうぶ)、巻子(かんす)など全57点が展示されている。このほか貴重な印材や愛用の文房四宝(筆、墨、硯、紙)も多数出品されており、興味深い展示になっている。 赫鳳さんは書家の鈴木雲鳳氏を父に持ち、書に囲まれて成長した。大学卒業後は建築家を目指し建築関係の会社に就職した。「サラリーマンでは書に時間が取れない。本格的に書に力を入れたい」と、36歳の時に建築事務所を立ち上げた。同年、日本芸術院賞の書家、故殿村藍田(らんでん)氏に師事し、鎌倉まで通い指導を仰いだ。その2年後、早くも日展に入選するなどの経歴を持つ。 書は芸の道であり、芸の到達点 書と建築は全く異なる世界の様に思われるが、赫鳳さんは「書も建築の設計図も真っ白な紙にゼロから書いていく。無から作り上げていく工程が両者に共通している」と話す。無から何を書き出すのかが重要なのだという。「書は芸の道であり、芸の到達点。文字を媒体とする書道を、芸術として皆さんに面白いと思ってほしい。私自身も芸術により近づいていきたい」と話した。 会場には行草体の作品が多く並ぶが「漢字ばかりではなく観る人に楽しんでもらいたい」と急きょ書いた、かな交じりの調和体の作品も展示され、運筆の美しさが際立つ。土浦から来場した60代の女性2人は「文字の線が素晴らしい。線質に迫力があって、さすがだと思う」「独特の力強い書体の中に繊細さがあって面白い」と話していた。席上揮毫(きごう)が7日(日)、8日(日)午前11時より行われる。 ◆会期は28日(日)まで。午前9時~午後5時(土・日・祝日も開館)問い合わせは筑波銀行地域振興部(電話029・859・8111)まで。
《土着通信部》18 「地学」を選びたかった君へ 18日に公開講座
2018年8月7日
【コラム・相沢冬樹】筑波山地域ジオパークが認定されたころ、地球科学を専攻する筑波大学の学生に「最近の受験では、理科で地学を選択しやすくなったのか」たずねたことがある。「いいえ難しいっす。地学で受験できる大学は限られているし、今でも教える高校は少ない。自分も履修できなくて、入試は物理と生物で受けました」。 僕は大学入試センター(共通一次)試験が始まる前の世代だが、学校教育での地学の扱いにずっと納得いかなかった。理科4科目のなかで、物理、化学、生物に比べ地学だけが冷遇されてきた。しかし、天文(宇宙)、地質、地球物理、気象の4分野にわたる地学には、興味を惹くテーマがそろっている。「理科離れ」が叫ばれて久しいが、高校で地学を選べたなら事情はだいぶ違ったろうと思えるのだ。 微積分に歯が立たず、文系に進んだ僕も、社会に出てからは折にふれ理系との接触が刺激となった。高エネルギー加速器研究機構の一般公開をのぞいたり、筑波山周辺のジオサイトをめぐるトレッキングに出かけたり…、つくばはその機会にこと欠かない。 挙句に僕は、総合科学研究機構(CROSS、横溝英明理事長)という一般財団法人に身を寄せた。文系・理系にまたがるサイエンスをカバーして、クロスは「文理融合」の意味となる。格調高く総合科学を冠するも、足場は発祥の地元に置くのがユニークだ。 つくばの産学官連携に取り組もうとCROSSと称してちょうど20年、この間ずっと本部は土浦市内にあった。2011年からは東海村の加速器施設J-PARCにある中性子ビームラインの利用促進を業務の主力にしている。 太陽系と地球誕生の謎に迫る その財団が地域社会との交流機会に設けているのが市民公開講座で、今年の「CROSS2018」は18日(土)午後1時から開く。会場は筑波銀行つくば本部ビル(つくば市竹園1丁目)10階大会議室、開催タイトルを「太陽系と地球誕生の謎に迫る」と打ち出した。 「地球外物質から探る太陽系の誕生と天体進化」三河内岳(東京大学総合研究博物館教授)、「チバニアンと地質時代」岡田誠(茨城大学理学部教授)の2講演が予定されている。ともに地学ファンには聞き逃せないテーマである。 遅れて地学の徒となった僕は、千葉県市原市にある「チバニアン」の地層を訪ねたりした。地質時代境界の「千葉セクション」は日本最初の国際標準模式地候補となり、地質時代名称として「チバニアン」が提唱されている。その研究チームの代表が岡田氏で、講演では地質学から地球の歴史に迫り、地磁気逆転や氷期―間氷期の変化などの話をするということだ。(ブロガー) ▽CROSS2018:入場無料。問い合わせ・事前登録は電話(029-826-6251)かメール(tsukuba@cross.or.jp)でCROSS事務局まで
入居拒まない住宅を普及へ つくばに住居確保支援団体 県内初
2018年6月25日
【鈴木宏子】入居を拒まれがちな一人暮らしの高齢者や障害者がアパートなどに入居できるよう支援し、併せて入居者が地域で自立生活を送れるよう支援のネットワークをつくろうと、つくば市で、住まい確保を支援する団体の設立準備が進められている。 一般社団法人「LANS(ライフ・アシスト・ネットワーク・サービス」(つくば市二の宮)で、引きこもりの若者の自立支援をしているつくば市のNPO若年者社会参加支援普及協会アストリンク理事長、浅井和幸さん(46)▽土浦市真鍋や阿見町岡崎で福祉アパートを経営する土浦市の会社員、鈴木一也さん(36)▽つくば市の県議、田村佳子さん(64)の3人が準備を進める。7月初めに法人として設立見込みで、浅井さんが理事長に就任する予定だ。 高齢者や障害者のほか、住宅確保が難しい低所得者、母子家庭、DV(配偶者や恋人からの暴力)被害者、児童養護施設退所者などを支援する。空き家や空き室を活用して、入居を拒まない住宅を登録する住宅セーフティネット法が昨年10月に改正されたのを受けて、県内初の「住宅確保要配慮者居住支援法人」を目指すという。 今年2月、浅井さんが主催する福祉勉強会で、鈴木さんが、自ら経営する福祉アパートの取り組みを報告したのがきっかけ。鈴木さんは独自に経営方法を学び、高齢の入居者が転倒しないよう室内に手すりを取り付けたり、火事を起こさないよう直火を使わないIHコンロやエアコンなどの家電品をあらかじめ備え付けたりしている。さらに介護や医療、行政の支援が必要な入居者には、関係者と共に支援のネットワークをつくっている。 LANSでは、長く福祉相談に携わってきた浅井さん、福祉アパート経営のノウハウがある鈴木さん、行政や関係機関へのネットワークがある田村さんの経験をもとに、住まいに関する生活相談窓口を開いたり、不動産会社や福祉・医療団体、行政などと情報交換会を開いたり、国や自治体の補助制度を勉強などする。さらに関係機関の調整役となって、入居希望者の住まい探しを手伝ったり、見守りをしたり、不動産会社などに入居を拒まない住宅確保を働き掛けるなどしていくという。 ほかに、つくば市内の空き家だった一戸建て住宅を借りてシェアハウスとして運営し、緊急の住まいや、一時的避難所などとして利用してもらう。 浅井さんは「住宅確保が困難な人と何が必要か相談し、サービスをくっつけて、一人ひとりに合わせた支援のネットワークをつくっていきたい」と述べ、鈴木さんは「(入居者の要望に合わせ)ひと手間かけて入居してもらう大家さんを増やしたい」と話している。 ◆住まいの生活相談窓口は月2回、2カ所で開催①毎週第3水曜午前10時~12時=つくば市研究学園、筑波銀行つくば副都心支店セミナールーム②毎月第3土曜午後1時30分~4時=かすみがうら市下稲吉、地域福祉センターやまゆり館▽シェアハウスの家賃は月額約2万5000円など▽問い合わせは電話080・1018・7670(浅井さん)、メールasai-kazu@sinri-soudan.com
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