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世界最大級のボタン・シャクヤク庭園 17日開園 つくば
2021年4月16日
800種6万株を植栽した世界最大級のボタンとシャクヤクの庭園「つくば牡丹園」(同市若栗、関浩一園長)が17日開園する。エリア全体で植物を共生させ、20年以上、農薬不使用・酵素農法を実践している。年に1度、ボタンとシャクヤクが開花する約1カ月間だけ開園となる。 コロナ禍の昨年は来園者が前年より7割減少した。今年は新たな鑑賞スタイルを模索する。 園内のカフェを模様替えし、新たにギャラリーをオープンする。東京・青山のインテリアショップ「はいいろオオカミ+花屋西別府商店」が、同園のボタンの花びらを使ったランプなどを展示するほか、無農薬栽培の同園のボタンを使った化粧品など様々なコラボ商品を展示する。 入園口ではフォトフレームを貸し出し、800種6万株あるボタンとシャクヤクの中から、好みの花を見つけてもらう新しい鑑賞スタイルなども提案する。さらに園内ファームも本格始動。グリーンメロンやトマト、ニンジン、サラダゴボウなどを栽培しており、時期が合えば収穫体験も実施する予定という。 今年は例年より数日、開花が早く、すでに300株ほどの早咲きボタンが開花している。ボタンの見頃は20日ごろから4月いっぱいまで。シャクヤクの見頃は5月10日ごろからという。 今年で3年目を迎えるシャクヤク「令和」や、大輪のボタン、水面に浮かぶ5000輪のシャクヤク、その池を訪れるカワセミなど美しい景観が広がり、この時期だけの貴重な風景を写真に収めることができる。(山崎実) ◆開園期間は4月17日から5月23日まで。開園時間は午前9時から午後5時。入園料は大人1000円、中学生以下無料。ペット入園可。問い合わせはつくば牡丹園(電話029-876-3660)。
全国初 摂食嚥下障害の「特定認定」看護師を養成 県立医療大
2021年4月10日
茨城県立医療大学(阿見町阿見)は、これまで開講してきた摂食嚥下(えんげ)障害看護分野の認定看護師教育課程を4月から、厚労省認定による「特定行為を組み込んだ新たな認定看護師教育課程」(通称・B課程)に移行させた。 高度かつ専門的な知識、技能が必要とされる行為(特定行為)について、医師の補助を行ことができる「摂食嚥下障害看護分野における特定認定看護師」の育成に乗り出した。 食べ物などが食道でなく、気管に入ってしまうことを誤嚥という。これらの摂食嚥下障害は、脳卒中や神経難病だけでなく、咽頭部のがんをはじめとする疾患、術後などさまざまな病態でみられ、特に高齢者ではこの障害による誤嚥性肺炎が問題になっている。 猛スピードで到来する超高齢社会を想定するとき、この領域の認定看護師に対する期待は、病院だけではなく、在宅療養、在宅看護を行う家族をはじめ、地域社会で水準の高い看護(実践)が求められるようになる。 同大学の資料によると、今年度の受講生は11人。摂食嚥下障害看護分野におけるB課程開講(特定行為を組み込んだ新たな認定看護師教育課程)は全国初。 摂食嚥下障害看護認定看護師には、摂食・嚥下機能の改善のほか、嚥下性肺炎予防、化学療法、放射線治療中の口腔トラブル予防、改善などの役割が期待されている。(山崎実)
またワースト1 つくば市待機児童数 県全体は減少
2021年4月9日
県子ども未来課がまとめた昨年10月1日現在の茨城県内の待機児童数で、つくば市は104人、前年同月の116人と比べ12人減少したが、ワースト1の返上はできていない。県全体では前年同月の640人より273人減り、367人と好転した。 市町村別では、つくば市に次いで待機児童数が多いのは水戸市の87人、次いで那珂市の31人、つくばみらい市の30人など。このほか、牛久市、阿見町が各12人、土浦市が11人など、つくば市を含む県南地区の待機児童数は178人に上り、県全体のほぼ半数に達している。 待機児童の年齢別内訳では、0~2歳児が337人(全体の91.8%)と圧倒的に多く、9割以上を占めた。3歳以上は30人(8.2%)だった。 同課では、待機児童の発生要因の分析として、県南地域の人口増加を伏線に、共働きによる女性の就業率の向上による入所希望者の増加と、マンパワー(保育士)不足が原因と指摘している。 今後の対応については、ハード面の対策として国の保育所整備交付金などを活用し、地域の実情に応じた保育所、認定こども園、小規模保育施設の整備や、家庭的保育事業者の増加を図り、受け皿対策の拡大を進めていくとしている。 またソフト面の対策としては「いばらき保育人材バンク」や保育士修学資金貸付制度など、各種施策を積極的に活用、導入、展開し、「保育人材の確保に取り組んでいく」(同課)としている。(山崎実)
10年目も被災企業に影 第2期復興・創生期間へ
2021年3月18日
信用調査機関、帝国データバンクは、東日本大震災発生直後の2011年3月から21年2月末まで10年間の倒産動向調査結果をまとめた。 震災被害が、直接または間接的な要因となった倒産は、10年間で県全体で122件発生し、負債総額は累計で478億4100万円となった。復旧・復興が進む中、8年目と9年目に各2件、10年目になっても1件の倒産が発生するなど、大震災と原発事故が現在でも企業経営に影を落としていることが分かった。 震災倒産のうち、累計件数で最も多かったのは「小売業」の26件、次いで「建設業」「製造業」「サービス業」が各21件、「卸売業」が18件と続いている。「小売業」の約半数(12件)は飲食店関係。 この傾向を同バンクは「震災による設備損壊や(原発事故による)風評被害で客足の落ち込みが長引き、借入金の返済猶予など資金繰り支援を受けながらも、売上回復や収益環境の改善につながらず倒産に至ったものと考えられる」と分析している。 今後の取り組みについては、政府は3月末に終了する「復興・創生期間」を引き継ぎ、第2期「復興・創生期間」を2026年3月まで定めるが、被災企業でも今後は本来の自主経営を求められることになる。 ただ現在は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経営環境が激変している。これらの要因を背景に同バンクは「業界によっては震災前の水準まで回復しないことも想定され、11年目以降も震災に起因した『息切れ型倒産』のリスクがくすぶり続けるのでは」と予測している。(山崎実)
霞ケ浦二橋構想25年「莫大な費用と時間要する」
2021年3月16日
霞ケ浦に二つの橋を架ける「霞ケ浦二橋架橋整備構想」ー。霞ケ浦二橋建設促進期成同盟会を構成する土浦市など8市町村は昨年11月、県議会に陳情書を提出し、二橋構想の早期具体化などを要望した。 この構想は、霞ケ浦の土浦入りと高浜入りの二つの入り江に橋を架け、北は茨城空港、東関東自動車道水戸線の茨城空港北インターチェンジ(IC)を経て茨城港常陸那珂港区へ、南は圏央道と利根川に架かる若草大橋を経て幕張新都心までをつなぐという壮大な構想だ。 土浦市、小美玉市、河内町など8市町村が、1996年に「霞ケ浦二橋建設促進期成同盟会」を設立し、以来、県はじめ関係機関に建設促進を訴え続けてきた。しかし未だ奏功せず、25年が経過している。 陳情書はほかに、美浦栄線バイパスと竜ケ崎阿見線バイパスの整備促進、千葉茨城道路と百里飛行場連絡道路の整備促進の早期実現を訴えた。 この問題について、開会中の県議会第1回定例会(2月26日~3月24日)で論戦が展開され、県側は、美浦栄線、竜ケ崎阿見線バイパスのほか、霞ケ浦周辺では、石岡小美玉スマートICと茨城空港をほぼ直線で結ぶ茨城空港アクセス道路などを整備し、さらに圏央道の4車線化、東関東道水戸線の整備などにより、霞ケ浦周辺地域は産業立地(企業進出)や、茨城港・鹿島港湾物流の増加、茨城空港による国内外との交流の促進など、地域振興のポテンシャルが極めて高いと指摘した。 その上で、現時点で霞ケ浦二橋構想は「その整備に莫大な費用と時間を要する構想」であり、公共施設の老朽化対策など、他の財政需要の拡大見込みを踏まえつつ、沿線開発の状況、費用対効果などを勘案しながら、「長期的な視点で取り組む必要がある」(知事答弁)との考えを示唆するにとどまった。 期成同盟会設立からすでに25年。霞ケ浦二橋構想は新たな視点からの練り直しが求められている。(山崎実)
小規模事業所も排水基準順守を徹底 4月1日から霞ケ浦流域
2021年3月15日
霞ケ浦の水質浄化対策として4月1日から、排水基準の順守義務などが徹底され、飲食店やコンビニ店などの小規模事業所も、基準超過に対しては、改善命令・排出一時停止命令が出される。 県霞ケ浦水質保全条例などの3つの条例を改正し取り組む。改善命令に従わなかった場合は、最大100万円の罰金など罰則が適用されることになる。 水質浄化対策は、「泳げる霞ケ浦」を取り戻すため、森林湖沼環境税(年間約17億円)を活用し、森林資源の保全・整備と、霞ケ浦など湖沼、河川の水質保全事業が実施されている。 対策のうち、生活排水対策については、2008年度の同環境税導入時から19年度までの12年間で、約1万基の高度処理型浄化槽の設置補助、約7000件の下水道への接続を促進した。工場・事業場排水対策では、19年度に「霞ケ浦水質保全条例」を改正した。 県は4月からの改正条例施行に先立ち、立ち入り検査による指導を強化してきた。結果、水質汚濁のバロメーターといわれる霞ケ浦のCOD(化学的酸素要求量)は、税導入前の07年度が1リットル当たり8.8ミリグラムだったのに対し、19年度は6.9ミリグラムまで低下した。 しかし、1998年度以降、CODは霞ケ浦の西浦より北浦流域で高い状態にあり、2011年度に策定した第6期霞ケ浦湖沼水質保全計画では、西浦、北浦独自の施策目標を定めて推進した。近年は特に北浦流域を重点化し、単独処理浄化槽から高度処理型浄化槽への転換補助基数が、今年度は前年度の約3倍になるなどの成果を収めつつある。 これらの事情を背景に県は、21年度までの第3期森林湖沼環境税を活用した水質浄化対策などに引き続き積極的に取り組むほか、現在策定作業を進めている第8期の同水質保全計画の議論を参考に、「着実かつ効果的な水質浄化対策を、スピード感をもって進めていく」(県議会第1回定例会、知事答弁)としている。(山崎実)
コロナ禍に「東京脱出組」動く つくばの分譲マンションなど 野村不動産
2021年3月9日
【山崎実】野村不動産(東京都新宿区、宮嶋誠一社長)が、北関東周辺の主要駅で分譲している全4件の新築マンションにかかる累計資料請求数を調べたところ、契約者の約2割が首都圏からの住み替えであることがわかった。いわゆる「東京脱出組」だ。 この結果は、直近の2021年2月上旬に第2期販売を行ったマンション「プラウド高崎あら町」(群馬県高崎市)の例。その他の分譲マンションも同様で、つくばエクスプレス(TX)の始発駅、つくば駅から徒歩7分に位置する「プラウドつくば」(つくば市東新井)では、現在の資料請求数のうち4割程度、また購入者の約2割を首都圏からの顧客が占めるという。 ほかに「プラウド水戸三の丸」(水戸市三の丸」、「プラウド郡山」(福島県郡山市大町)でも、問い合わせの2割前後を首都圏からが占めている。 コロナ禍の影響を受けて、「リモートワークが増加し住み替えを決めた」という声が一定数あるといい、いわゆる働き方改革(働き方の変化)が、住まい選びにも反映してきていると同社はみている。
TX茨城空港延伸を再度要望 7市議会の期成同盟会 「91年合意」言及後初
2021年3月7日
【山崎実】つくばエクスプレス(TX)茨城空港延伸議会期成同盟会(会長・笹目雄一小美玉市議会議長)はこのほど、今年度事業として玉川明県政策企画部長に対し「茨城空港延伸に関する要望書」を提出した。 TXの県内延伸をめぐっては、大井川和彦知事が2017年12月に策定した「新しい茨城づくり政策ビジョン」に「県内延伸検討」を明記したことから、地元の小美玉市議会を始め、土浦、石岡、つくば、かすみがうら、行方、鉾田の7市議会議長会が同盟会を設立し、国、県など関係機関連携による調査、研究の着手を要望してきた。 要望書では、延伸ルートの一つとして、一昨年まで6年連続で過去最高の国内・国際線利用者数を更新した「茨城空港ルート」が含まれており、本県の持続可能な成長と関連地域(沿線地域)の交流人口の増加、土地利用・産業振興及び観光振興の向上・実現のため、延伸ルートの検討を訴えている。 具体的には、県総合計画に基づくTX延伸ルートについて、茨城空港への延伸を、県が主体となり、国、関係機関連携による基本調査・研究に早期に着手するよう求めている。 TXの県内延伸問題は、県議会でもたびたび取り上げられ、昨年12月の第4回定例会でも議論になった。大井川知事は必要性を認めながらも、延伸の場合は請願者が建設にかかる費用の全額を負担する「91年合意」をクリアするには、財政力上厳しい条件だとして、「現時点では基本調査を実施する状況にはない」と否定的見解を示した(2020年12月22日付)。 延伸問題をめぐる期成同盟会と県当局とのつばぜり合いは、なおも続きそうだ。
筑波山神社を花と着物で彩る 27日から「百人きもの」
2021年2月23日
【山崎実】コロナ禍の心に華やぎをもたらしたいと、筑波山発!「百人きものーコロナ終息を願いー祈り」が、27日、28日、3月1日の3日間、筑波山神社(つくば市筑波)を中心に催される。 観光庁の「誘客多角化のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業として、筑波山華やぎプロジェクト実行委員会(吉岡鞠子代表)が、デンマーク人の世界的なフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマンさんとタッグを組む。 バーグマンさんにフラワーアート制作を依頼し、神社境内各所に展示するほか、筑波山大御堂では、着物姿の参加者延べ約250人が次々と献花し、3日間かけてオブジェを制作するなど、花と着物で筑波山を彩る。 実行委員会は40代から70代の女性5人。旅館「筑波山江戸屋」女将(おかみ)の吉岡鞠子さん、体験型エクステリア展示場を運営する浅野弘美さん、料理研究家の小川原智子さん、筑波山ガイドの浅野祥子さん、市議の山本美和さんが2018年にスタートした。 2020年秋に3回目の開催を予定していたが、新型コロナの影響で延期されていた。 番傘でソーシャルディスタンス 今年度は新しい試みとして、開催会場をすべて屋外とし、着物に番傘というソーシャルディスタンスで独自のコロナ対策をする。さらに世界的なフラワーアーティストの出演により、国籍、性別、年齢を超えてダイバーシティー(多様性)を推進し、コロナ終息を願う祈りのイベントとする。 筑波大学の学生の力も借りて、10代から80代まで、幅広い年齢層の協力を得て、イベントを盛り上げる。大御堂の階段には筑波大生がデザインしたランタン約150基を置き、ライトアップする。旅館や土産店が並ぶ門前通りにも番傘を飾って彩る。 実行委員会のメンバーは「コロナ禍で沈んだ心を癒し、華やぎをもたらし、筑波山の伝統文化を世界に向けて発信していきたい」と話し、筑波山の華やぎから、コロナで打撃を受けている飲食店や宿泊事業者の応援につながり、筑波山温泉郷のホテルに一人でも多くの人に足を運んでもらい、地域経済の活性化につながればと期待している。 ◆参加費無料。ドレスコードは着物。申し込みは26日まで。詳しくは筑波山華やぎプロジェクト「百人きもの~祈り」のホームページへ。問い合わせは同実行委員会の浅野弘美さん(電話090-8722-5697)。
2割が業態転換を予定 新型コロナ影響 帝国データバンク調査
2021年2月8日
【山崎実】信用調査機関、帝国データバンクが、昨年12月から今年1月にかけて実施した「新型コロナウイルス感染症に対する県内企業の意識調査」によると、全体の2割近い18.2%の企業で業態転換の予定があることが分かった。 同社が景気動向調査2020年12月調査と一緒に行ったもので、調査対象は県内企業339社、有効回答企業数は170社(回答率50.1%)だった。 コロナ禍による自社業績への影響については「マイナスの影響がある」と見込む企業は75.9%。先行き不透明感を払拭(ふっしょく)できない企業が依然として多く、10カ月連続で7~8割の高水準で推移している。 特に注目されるのは、新型コロナの感染拡大が契機となり、業態転換を行う予定(可能性)があるかどうかの質問に、「予定がある」と回答した企業が18.2%と、2割近くもあったことだ。 業種別にみると、飲食店などの「サービス」で「(業態転換の)予定がある」と回答する企業が多かった。他方、「予定していない」は73.5%と7割超を占めたが、企業からは「業態転換は考えていないが、本業の売上額を補うため新たなことに取り組んでいる」と現状打開策の必要性を強調する一方、「過去の業績に関係なく、新規事業に対する融資を積極的に行ってほしい」という意見が聞かれた。 同社は「県内では約2割の企業が業態展開を行う『予定がある』とし、7割超は『予定はない』としているが、資金的な部分が障害となっている様子も浮き彫りになった」と分析し、新型コロナの早期収束が今後の行方に影響を与えることを警告している。
AIバス、自動運転1人乗りロボ 「つちうらMaaS」 15日から実証実験
2021年2月7日
【山崎実】つちうらMaaS(マース)推進協議会(土浦市、関東鉄道ほか11団体で構成)は15日から3月12日まで、土浦市内でMaaSの実証実験を実施する。 MaaSはアプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦は、国交省国土交通局の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され準備を進めているもので、市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的。 実証実験では▽ジョルダン(本社・東京都新宿区)のアプリ「乗換案内」によるキャッシュレス化実験▽自転車道(つくば霞ケ浦りんりんロード)における電動キックボード走行実験▽土浦市新治地区におけるAIコミュニティーバス運行実験▽自動運転1人乗りロボ「ラクロTM」(AIコミュニティーバスのバス停から自宅までの、ラストワンマイルを担うモビリティー)の走行実験―などを行う。 このうちジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験、自転車道の電動キックボード走行実験、自動運転1人乗りロボの走行実験は県内初の試み。 特に、公共交通の不便地域である新治地区で、市民の移動手段確保を目的として、地区と既存路線バスのバス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバス(無料、1台8人乗り)の運行実験が実施されることは、いわゆる「交通弱者」対策の切り札として注目される。 各実証実験の詳しい内容は以下の通り。 ▽ジョルダンのアプリ「乗換案内」を使ったマルチモーダル経路検索・モバイルチケット利用(2/15~3/12実施)=同アプリで、タクシーを含めたマルチモーダル経路検索と合わせ、キャッシュレスで「つちうらMaaSモバイルチケット」を購入すれば、スマートフォン一つでバスの乗車や市内の飲食店や物販店(計59店)、観光施設などの利用ができる。「土浦グルメ・ショッピングチケット」「霞ケ浦観光遊覧船乗船券」「予科練平和記念館観覧券」「土浦市内バス1日乗車券」があり、各チケットには割引や利用特典がある。 ▽自転車道での電動キックボードの走行実験(2/16~20)=電動キックボードは現在、所定の要件を満たせば原付きバイクとして公道を走行できるが、自転車道は認められていない。今回、つくば霞ケ浦りんりんロードの一部区間で、電動キックボードの活用可能性を探るため、すれ違い、追い抜き、並走など、さまざまな条件の下で安全性を確認する走行実験をする。電動キックボードは、キントーン(Kintone、本社・常総市)社が製造した茨城モデルの「キントーンモデルワン」を使用する。電動キックボードは、世界で普及しており、将来、バス停から自宅までのラストワンマイル(最後の1区間)の移動手段を担うことが期待されている。 ▽「新治コミュニティーバス」運行実験(2/22~3/11)=土浦市新治地区で、地区と既存路線バス停、商業施設などを結ぶコミュニティーバスの運行実験を実施する。運行ルートの策定にあたっては、市民の移動需要を的確に捉えるため、Agoop(本社・東京都渋谷区)からビッグデータ(流動人口データ)の提供を受け、筑波大学システム情報系社会工学域、鈴木勉研究室の研究成果を踏まえ、ルートを策定した。運行は、3月2日までは時刻表に基づき運行する。3月3日からはNTTドコモ(本社・東京都千代田区)が提供するオンデマンド乗合交通システムにより運行し、効率的な運行を実現する。「AI運行バス」はNTTドコモが提供する「高度なAIによる配車制御で、乗りたいときに、乗りたい場所で、誰でも簡単に乗車予約ができる(オンデマンド)サービス」。利用者がウェブサイトや電話で乗降場所と乗車人数を予約すれば、運行中のAIコミュニティーバスがリアルタイムに配車される仕組み。車両と運行経路をリアルタイムにAIが決定し、ウェブサイトに乗車予定時刻が表示される。バスの乗車にあたっては、NECソリューションイノベータ(本社・東京都江東区)の顔認証システム及びICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(本社・群馬県前橋市)のマイナンバーカード公的個人認証システムによる認証実験を実施する。 ▽自動運転一人乗りロボ「ラクロ」走行実験(2/26~27)=AIコミュニティーバスのバス停から自宅までのラストワンマイルを担うモビリティーとして、新治地区公民館付近の歩道で走行実験を実施する。「ラクロ」は、ZMP(本社・東京都文京区)が提供するサービス。シニアカーや電動車いすとは異なり、ジョイスティックなどを使った手動操作が必要ない。自律移動機能を搭載しているため、誤操作による事故も回避でき、バス停から自宅までラストワンマイルを担う安全性の高いモビリティとして活用が期待されている。さらに豊かな表情や声によるコミュニケーションも可能なことから、人と共生するロボットとして周囲の歩行者などと交流を図りながら走行することで街を明るくする効果も期待されている。郊外地域での走行実験は全国初。 問い合わせはつちうらMaaS推進協議会事務局(電話029-822-3710)
事前連絡なく来院、クラスター情報共有ない 「今の問題」県保険医協会が調査
2021年1月29日
【山崎実】県内の医師・歯科医師2100人余で構成する県保険医協会(土浦市大町)は、年を渡り実施した「今冬の新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関への影響調査結果」をまとめ、公表した。 同会に所属する医療機関の多くは中小病院や診療所だが、感染の拡大と共に地域医療の核として役割が重くなっており、今回の調査も「今、抱えている問題点」をアンケート方式で実施した(調査数776件に対し回答数182件。回答率は23%)。 調査結果によると、感染症対応の困りごとに「ある」と答えたのは86%で、特に多いのが「発熱患者等が事前連絡なしに来院」(69%)、「クラスター発生要因等の情報共有」(47%)、「感染症対応の影響で職員が疲弊」(40%)ーなど。 発熱や倦怠感、せきなどかぜ症状のある患者は通常外来ではなく、電話連絡での発熱外来受診が必須となっているが、患者、地域住民の「受診前(事前)連絡」に対する協力を要請している。 またクラスター発生時の情報共有がされていないことに困っている医療機関が約50%あり、「情報がオンタイムで入ってこない」「クラスター発生情報を地元医療機関に知らせてほしい」「発熱外来診療での参考にしたい」ーという意見が聞かれた。 さらに感染症対策で望むことがあるかとの質問には、「休業補償の創設」が79%で最も多く、次いで「危険手当制度の創設」64%、「医療資源を集約し各地域で発熱外来を増設」47%の順。 医療従事者の休業補償と危険手当の割合も高かったが、これは慰労金や感染防止対策費補助などが中心で、感染リスクに伴う補償がなかったことが理由とみられる。例えば、鹿児島県では、「診療・検査医療機関」の従事者には1日当たり4000円の危険手当を制度として設け、鳥取県では「診療・検査医療機関」で院内感染が発生し休業した場合は、最大300万円の休業補償を支給する制度を設けているという。 困りごとに「ある」と答えた中には、高い割合で「感染症対応の影響でスタッフの疲労度が高まっている」「休職や離職が発生している」「医療スタッフや、家族などに対する誹謗中傷が起きている」ーなどがあるといい、相変わらず事態の深刻さを浮き彫りにしている。
既存校の努力評価を 県議会 筑波高が「魅力ある高校づくり」
2021年1月22日
【山崎実】県議会の論戦で、魅力ある高校づくりが取り上げられ、現実的課題解決に取り組む努力に対する評価を求める声が上がっている。 県立筑波高校(つくば市北条)の支援策に、県は「学校支援プロジェクト」を立ち上げ、大学進学のための指導を強化するため、進学対応コースを編成した。今年度は総合選抜で国立大学への合格者が出ているという。 さらに現在の高校2年生からは進学対応コースをアカデミックコースの文系と理系に変更し、個人の学力に応じたきめ細かな対応に努めていくとしている。 また、地域の「人財」として社会性を育むため、学校が独自に「つくばね学」を設け、筑波山麓の製麺所などで1年間にわたる実習を行い「人間力」の向上にチャレンジしている。 2018年度には、筑波学院大学と協定を締結し、「地域デザイン」や「ビジネスマネジメント」など大学で学んだ内容を高校の単位に認定するなど、「高大連携」にも積極的に取り組んでいる。 今後は、「学校と一体となって地域との連携・協働体制の充実に向け、コミュニティ・スクールに導入などについて検討し、地域の声をこれまで以上に反映できる体制づくりに努めていく」(県教育庁)と答弁している。 市外流出400人 神栖 地域との連携で苦悩しているのが、鹿島臨海工業地域の高校。例えば、神栖市には県立高校が3校あるが、県外、市外流出生徒は400人程度にも達するという。 地域での意見交換会などで出てくるのは、大学進学への対応といい、拡大する私学助成は、生徒の流出に拍車をかけるのではないかと、強い危機感を示している。 県は中高一貫校、学科編成、医学コースの設置など、新規施策は積極的にPRするが、地域で苦悩する既存の高校が課題解決に取り組む努力に対する評価は乏しい。 その意味で、筑波高校の地元との協働による魅力ある学校づくりへの挑戦は、地域で様々な問題を抱える県立高校の羅針盤にもなり、今後、県にはよりきめ細かな指導体制の確立が求められることになる。
JAXA認定ベンチャー 宇宙・衛星ワンストップサービス提供へ
2021年1月21日
【山崎実】宇宙開発のシンプル化をミッションに、つくば市千現、つくば研究支援センター内に「SEESE(シーズ)」(社長・棚田和玖JAXA研究開発員)が設立され、4月からワンストップサービスの提供を開始する。 世界的規模で小型衛星の製造・打ち上げ機数が急増しているが、そのうち約50%は打ち上げ前、または後に異常発生などからミッションを達成できずに終えてしまっているという。 同社はこのような宇宙・衛星関連産業に取り組む大企業、ベンチャー企業の事業遂行を円滑、確実なものにするため、環境試験ワンストップサービスを行う。環境試験はロケット打ち上げ時や過酷な宇宙環境に衛星が耐え得るかどうかを事前に地上で評価するために行われる工程。 コンサルティングから機材準備、解析評価、試験オペレーター手配など、そのプロセスを一つにつなげてサービスを提供する。 全国に8社しかないJAXA(宇宙航空研究開発機構)認定ベンチャーで、JAXAの知的財産を利用した事業を行うこともできるという。 問い合わせはSEESE(電話080-6728-1754、同社HP)。
町人学者・色川三中史料、県文化財に追加指定 土浦市立博物館で公開
2021年1月5日
【山崎実】県教育委員会は、江戸時代後期の土浦の町人学者、色川三中(みなか)関係史料10件22点を昨年12月28日付で県文化財に追加指定した。史料を所蔵する土浦市立博物館(同市中央)は5日から、22点をお披露目展示している。 色川三中(1801~55年)は土浦城下の商家に生まれ、薬種業(現在の薬局)や醤油醸造業を営んだ。国学研究にもいそしみ、文献考証や郷土研究の地方文化人としても知られる。 すでに2016年に、色川関係史料計500点が県指定文化財に指定されている。今回22点を追加指定したことで合計522点となる。いずれも、当時の社会の変化や庶民の心情などを伝える貴重な歴史資料となっている。 今回追加指定された22点は、幕末の黒船関係情報を記した三中直筆の手書きの原稿(草稿)や、三中や弟の美年(みとし)らの和歌を収録した和歌集、常総地域の故事や国学・国史・本草などに関する考証的草稿類。特筆すべきは、これまで欠本となっていた「片葉(かきは)雑記」2点、「野中廼清水(のなかのしみず)」1点、「足柄(あしがら)日記」3点が含まれていること。 「片葉雑記」は、幕末にペリーが黒船で来航し開国を迫った当時の社会情勢や幕府の対応などについて記した草稿で、三中は土浦に居ながら、旅人の情報を聞いたり、江戸にいる知人の手紙などの情報を収集して独自に調査し記した。 日米和親条約締結に至った、2度目のペリー来航の際に三中は、国学を学ぶ門人(弟子)2人を浦賀(神奈川県横須賀市)に派遣して、様々な調査をさせていたことも今回の史料で新たに判明した。 22点はいずれも、都内の古書店から2017年に色川三中関係史料が見つかったと同博物館に連絡があり、調査の上、同館が購入したもの。前の持ち主は不明という。 同博物館の木塚久仁子副館長は「当時、幕府は、米国から開国を求められていた情報を庶民に隠し、知ろうとした者は処罰されていた。三中は独自に情報を収集し、浦賀に門人を派遣して調査をさせ、これから日本はどうなっていくのかを読み解こうとした」とし、「茨城県の文化財に指定された貴重な史料をぜひご覧ください」と話している。 ◆追加指定された22点は土浦市中央、市立博物館で3月14日まで公開される。同館の開館時間は午前9時から午後4時30分。月曜休館。入館料は大人105円、小中校生50円など。問い合わせは同館(電話029-824-2928。
「調査する状況にない」TX県内延伸問題で知事 91年合意に言及
2020年12月22日
【山崎実】懸案のつくばエクスプレス(TX)県内延伸問題が県議会第4回定例会(15日閉会)で議論に上り、基本調査の見通しについてただされた大井川和彦知事は「現時点では、基本調査を実施する状況にはないものと考える」との見解を示した。ハードルが高く視界不良といえる。 大井川知事は、延伸の実現が、ポストコロナ時代にふさわしい新たな働き方や、質の高い暮らしが実現できる本県発展の起爆剤になることは認めつつも、「秋葉原から東京への延伸を除く路線の延長の場合は、請願者がその建設に係る費用の全額を負担する、との1991年(平成3)年当時の関係都県間での合意がある」と言明し、仮に全額を茨城県だけで負担するということになれば、事業費を支えるには財政力上、かなり厳しいものがあるとした。 TX県内延伸をめぐっては、前回2017年8月の知事選で橋本昌前知事と大井川和彦現知事が共に公約に掲げ、初当選した大井川知事は、同年12月に策定した「新しい茨城づくり政策ビジョン」に「TXの県内延伸に向け検討を進める」と明記した。 こうした動きを受けて翌18年5月、TXをつくば駅から茨城空港(小美玉市)まで延伸しようと、地元のつくば、土浦、かすみがうら、石岡、小美玉、鉾田、行方7市の市議会議長がTX茨城空港延伸議会期成同盟会を設立した。 その後、18年11月に策定された県総合計画「新しい茨城への挑戦」では、2050年頃の将来像として、TX延伸ルートの一つに〝茨城空港ルート〟が描かれた。 一方、同期成同盟会は設立から1年半後の19年9月、県総合計画に記載されたTXの延伸ルートについて、▽茨城空港への延伸を要望する▽県が主体となって国、関係機関連携による調査・研究の早期着手を要望するーを知事に要望していた。
つくば市のLIGHTzなど2社 ジェトロ事業に採択
2020年12月21日
【山崎実】日本貿易振興機構(ジェトロ)茨城は、海外サプライチェーン(供給連鎖)多元化支援事業に、県内からつくば市のAI企業、LIGHTz(ライツ、乙部信吾社長、つくば研究支援センター内)と、小美玉市のヨコハマモールドの2事業者を採択したと発表した。 この事業は、新型コロナ感染拡大に伴い、国内サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)さが顕在化したことから、アジア地域における生産多元化などにより分断リスクを低減し、持続可能な供給体制を確立すると共に、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の経済産業協力関係を強化するのが目的。 具体的には、ASEANなどの地域で、海外生産拠点の多元化を図るため、設備導入補助、実証事業、事業実施可能性調査の3つの事業に係る経費の一部を補助する。公募により採択事業を決定した。 つくば市のLIGHTzは第2回公募に申請、64件から21件が採択された。タイで、ものづくりに関する熟達者思考AI(人工知能)を活用したサプライチェーン高度化の実施可能性調査を行う。小美玉市のヨコハマモールドは、第3回公募(設備導入補助型)採択30件の1つ。タイでタイヤ生産用金型の整備導入補助を受ける。 新型コロナのASEANサプライチェーン強靭(きょうじん)化プロジェクトに、県内事業者2社が採択されたことは、産業振興だけでなく、企業の海外進出活動の面からも期待されている。
県内農家2割減 7割が65歳以上 農業センサス
2020年12月17日
【山崎実】県統計課は、5年に1度の2020年農業センサスの概数値(速報)を発表した。県内の農家数は5年前に比べ18.1%(1万5898戸)減少していることが分かった。 県内の農家数は7万1780戸。うち経営耕地面積が30アール以上で年間販売額が50万円以上あった販売農家数は4万3939戸で、5年前より23.2%減少した。面積が30アール未満で販売額が50万円未満の自給的農家数は2万7841戸で、8.5%減少した。 一方、県内の農林業経営体数は4万4978経営体で、5年前に比べ22.6%減少した。うち農業経営体数は、4万4852経営体で、前回調査に続いて全国1位となったが、22.7%減少した。林業経営体数は396経営体となり、前回から68.7%減少した。 農業経営体のうち、個人経営は4万4010経営体で、前回から23.1%(1万3207経営体)減少したが、団体経営体は842経営体で9.1%(70経営)増加したのが特徴だ。団体のうち、法人経営は769経営体で全国9位(前回調査は12位)となった。 団体経営体数の増加は、農業経営の規模拡大に直結しており、経営耕地面積10万6916ヘクタールの規模別経営体数をみると、前回に比べ10ヘクタール以上の層で増加した。農産物の販売金額規模別でも3000万円以上の層が増加している。 これに比べ、個人経営体の自営農家従事者は5万7430人と、前回から25%(1万9149人)減少した。加えて65歳以上の農業従事者の占める割合は69.8%と全体の約7割に達し、高齢化農業の実態を浮き彫りにしている。
海外サイトで県が販路開拓 技術の粋集めた県産品10点
2020年12月15日
【山崎実】茨城県は20日から、米国EC(電子商取引)サイトを活用した県産品の販売を開始する。コロナ禍で世界的に市場規模が拡大している海外のECサイトを活用し、県産品を生産する県内事業者の海外販路開拓を支援する。 販売商品は公募の中から10商品を選んだ。いずれも日用品、装飾品などだが、技術の粋を集めた県産品の海外販売だけに、県も意欲的に取り組み、成果を期待している。 販売するECサイトは、米国小売りEC市場の売上シェア4割を占める最大手の「アマゾン」と、売上シェア3位で衣料品から伝統工芸品まで幅広い商品を掲載している「イーベイ(eBay)」。 現地での検索サイト広告や、SNS・動画サイトで、一般ユーザーの投稿と同形式で広告を掲載するなど、販売プロモーションを行う。 米国ECで現地販売する県産品は次の通り。価格はいずれも消費税込み。 ▽ハンドメイドによる高級囲碁・将棋盤「囲碁盤」(茨城木工、神栖市、国内価格5万7200~11万5500円)=囲碁・将棋盤の国内シェア8割以上を占める信頼のメーカーによる新カヤの無垢材を使用した高級碁盤▽風鈴にヒントを得た銅合金製オリジナル打楽器「ミニ凛1オクターブ8音セット」(大塚製作所、水戸市、3万3000円)=精密機械加工技術で銅合金を鐘に加工、シンプルで小さく独特な澄んだきれいな音色と長く続く余韻が特徴▽世界で唯一の金属製蝶ネクタイ「Metal Butterfly(メタル・バタフライ)」(日青工業、河内町、2万7500円)=精密板金加工の技術をファッションアイテムに応用、実在のチョウをモチーフに1枚のアルミ板から製造▽Eスポーツ向け本格マウスパッド「ステンレス製マウスパット」(稲見精密、筑西市、1万3000~5万2000円)=特殊表面加工により摩擦を軽減、高級感あるステンレス鋼を使用し耐久性や耐摩耗性がある▽洗濯洗剤を不要にするマグネシウム製品「洗濯マグちゃん」(宮本製作所、古河市、7590円)=マグネシウムと水の反応を利用し洗濯機に入れるだけで洗剤を使わず洗濯ができる、洗濯槽やホースの美化にも効果あり▽はすの花をイメージした綿100%風呂敷「風呂敷Lotus(ロータス)・フラミンゴピンク」(プラネッツ、常陸大宮市、3575円)=「風呂敷デザインコンペ2009」で大賞を受賞した呉服店による風呂敷▽ブラシ専門製造者によるこだわり製造のブラシ「タワシブラシ」(橋本ブラシ製作所、美浦村、2000円)=ねじりブラシ専門製造業者として熟練職人の手と技術で作られた、密度と洗浄効果が高いブラシ▽広げても折り紙の形に戻る形状記憶レンズクリーナー「PetiPeto(プッチペット)」(南海プリーツ、牛久市、1760円)=折り紙をモチーフにした眼鏡やスマートフォン用ポリエステル製クリーナー、プリーツ加工のため広げても元の折り紙の形に戻る▽オーガニック100%のこんにゃくで作られた肌ケア用スポンジ「つるりんころりん」(袋田食品、大子町、800円)=コンニャクを素材とし細やかな編み目のためとても滑らかな使い心地▽世界で唯一のパイプクリーナー機能も持つ洗剤「環境配慮型洗剤 緑の魔女ランドリー」(エーベル・バイオクリーン、龍ケ崎市、大667円、小391円)=環境や健康に配慮、バイオの力でパイプをきれいにする効果もある
第1回大賞に医療相談アプリ「リーバー」 いばらきイノベーションアワード
2020年12月8日
【山崎実】今年度、県が創設した「いばらきイノベーションアワード」の大賞に、つくば市のベンチャー企業、リーバー(伊藤俊一郎社長)の医療相談アプリ「リーバー」が選ばれた。優秀賞には同じくつくば市のアークメディスン(田中圭悟社長)の新薬候補化合物の提供技術と、古河市のロックガレッジ(岩倉大輔社長)のドローンAIシステムが選ばれた。 つくば開催のシンポジウムで紹介 21日につくば国際会議場(つくば市竹園)で開かれる「Soiety(ソサエティ)5.0シンポジウム」で受賞者が紹介され、製品・サービスが展示される。大賞のリーバーには賞金100万円が授与された。 イノベーションアワードは、先端技術を活用した新製品、新サービスを表彰することで、より一層の製品化や、地域経済を支える新産業の成長、促進を図るのが目的。県内企業が概ね3年以内に発売した製品やサービスなどが対象となる。 公募には26件の応募があり、外部有識者などによる審査の結果、大賞と優秀賞が選ばれた。 大賞、優秀賞の新製品・新サービスの主な内容は以下の通り。 【大賞】▽リーバー「医療相談アプリ『リーバー』」=自動対応問診で、患者と医師双方に負担をかけない医療相談サービスを実現した。月額350円(プレミアム会員料金)で相談できる。全国で導入が拡大中。スマートフォン一つで利用でき、今年のコロナ禍にも対応した製品開発が評価された。 【優秀賞】▽アークメディスン「創薬合成技術『HiSAP(ハイサップ)』による新薬候補化合物の提供」=HiSAPは世界で特許を取得した技術で、製薬企業では自社発の新薬候補化合物が枯渇しているため、薬剤として優れた特徴を有する新薬候補化合物を短時間で提供するサービスの技術が期待されている。筑波大学との新薬創出の共同研究が進行中。▽ロックガレッジ「ドローンAIシステム『ハリスホーク』」=リアルタイム映像をもとに、災害時などの捜索者の位置をAI技術で検出し、その情報を関係者が即時共有できるようにする。AIが学習するデータを変えることで、獣害調査や自動車等の交通状況、不法投棄・漂着ごみ等の検出・監視に応用できる。高額な専用設計ドローンではなく、普及している市販のドローンを使ってシステムを動かせるため、導入のハードルが低い利点がある。 問い合わせは県科学技術振興課(電話029-301-2532)
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