金曜日, 3月 29, 2024
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土浦 花火 -検索結果

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【土浦市長会見】認知症の見守りを強化 花火桟敷席9月3日から一般販売

【鈴木宏子】土浦市、中川清市長の定例会見が5日、同市役所で開かれた。認知症高齢者の見守り体制を強化するため8月から新たに、市ふれあいSOSネットワーク事業をスタートさせたことを明らかにした。ほかに、10月26日開催の第88回土浦全国花火競技大会の桟敷席について、一般向けの販売を9月3日から開始する。 認知症高齢者の見守りは、行政と警察のほか、近所の人などが認知症高齢者の情報を共有する「みまもりお願いシート」の活用と、認知症高齢者の日常を見守る「みまもりサポーター」の登録の二つが強化策の柱になる。 「シート」は、外出したまま自宅に戻れず行方不明になってしまう認知症高齢者の早期発見につなげようという取り組みだ。希望する家族を対象に、所定の用紙に、高齢者の写真を貼り、体型などの特徴、本人がよく行く場所、緊急連絡先などを書いてもらう。シートの情報は、行政と警察が共有するほか、家族自らが、高齢者本人がよく行く近所の店やケアマネジャー、民生委員などに手渡してもらう。万が一、行方不明になったとき早期発見につなげると同時に、見守りの輪を地域に広げることで、地域全体の見守り意識を高めていこうという試みだ。高齢者には併せて「見守りキーホルダー」を配布し、外出時に常に身に着けてもらい、いざというとき本人特定ができるようにする。 「サポーター」は、市が2007年度から取り組んでいる認知症サポーター養成講座を受講し、さらに同フォローアップ研修会を修了した計94人に、市みまもりサポーターとして登録してもらい、行方不明者が出た際に情報を提供して早期発見などにつなげる。 認知症高齢者は現在、要介護認定を受け在宅で生活している人が市内に約3300人いる。昨年は土浦署管内(土浦、かすみがうら両市)で30人の高齢者の行方不明者が発生した。 中川市長は「認知症を発症する高齢者は年々増えており認知症対策は喫緊の課題。ボランティアや民間企業も含めた情報伝達体制を構築し、認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる地域づくりを行いたい」と話した。 花火 新たにイス席1000席用意 土浦全国花火競技大会は昨年、けが人が出て、大会が途中で中止になった=18年11月20日付、19年4月16日付=ことを受けて、今年は、昨年桟敷席を購入した人が優先的に購入できるようにした。 これまで、昨年購入した人に計2909升を優先的に販売したところ、約8割が売れたことから、残りの全マス(6人用、税込み2万2000円)と半マス(3人用、1万1000円)を販売する。さらに今年から新たに桟敷席の下流側に「イス席」を1000席(3000円)を用意し販売する。 全マス(6人用)の残りは602升で、9月3日午前9時から霞ケ浦文化体育館(大岩田)窓口で販売する。午前7時から、並んだ人に抽選番号を配布し抽選とする。 半マス(3人用)の残りは100升で、いす席1000席と併せて、9月10日正午から17日午後11時までインターネットなどで申し込みを受け付ける。イス席のみ電話でも申し込みを受け付け、1人6席まで購入できる。 ◆桟敷席とイス席販売に関する問い合わせは市商工観光課内の同実行委員会事務局(電話029-826-1111) ➡土浦市長の過去の会見はこちら

風と筒の傾きが複合原因 昨年の土浦花火大会事故

【鈴木宏子】昨年10月に開催された土浦全国花火競技大会で、けが人が出て大会が途中で中止になった問題で、土浦市は15日、事故原因について、強い風や風向きのほか、打ち上げ筒が傾いていたことが複合的に作用したと推定されるとする事故調査報告書を発表した。 今後の安全対策については、打ち上げ場所で毎秒10メートルを超えるやや強い風が10分間平均で吹くときは大会を中断し、さらに中断が30分間以上続いたときや、救急搬送されるけが人が出るなど重大な事故が発生したときは大会を中止するなどの新たな基準を設けた。 事故原因の一つとされる打ち上げ筒の傾きについては、大会当日の打ち上げ前に、市職員などが検査した際は筒の傾きは確認されず、事故後も確認されなかったという。一方、事故当時、花火は半径110メートルの保安区域を超えて観覧者がいる200メートル先に落下した。弾道を計算したところ、当日推測される最大風速の毎秒17メートルの風が吹いたとしても、筒が11度以上傾いていなければ200メートル先に飛ばなかったとした。打ち上げた業者に賠償などは請求しないという。 今後の安全対策として、新たに現場に風速計を設置する。これまでは約1キロ離れた市消防本部の風速計を基に判断していた。 さらに30分間以上中断が続いた場合、大会を中止する根拠について市は、遠方から来る人が多く、打ち上げ時間が交通規制の時間帯を超えると会場周辺が混乱してしまう恐れがあるためとしている。 事故調査は、昨年の事故直後から今年4月上旬まで、気象や弾道計算の専門家、花火師などに意見を求めながら実施した。 今年は10月26日開催 今年の大会開催日は10月26日になる。例年開催している10月の第1土曜日が、いきいき茨城ゆめ国体の開催日程と重なることから、今年は第4土曜日とする。昨年、大会が途中で中止となったのを受けて、桟敷席を昨年購入した人は、今年は優先的に購入できるようにするという。 事故は昨年10月6日午後6時21分ごろ発生した。19番目の高木煙火(岐阜県大垣市)が打ち上げたスターマインの4号玉1発が上空約200メートルで開かず、立ち入りが制限されている保安区域の外に飛び、打ち上げ場所から約200メートル離れた土浦市佐野子の学園大橋北西側で爆発した。花火を見ていた11人がやけどなどのけがを負った。事故後、中川清市長は昨年、安全対策を見直す方針を示していた。 ➡2018年10月の土浦花火事故に関する記事はこちら

【土浦市長会見】11月5日 花火大会中止に改めて謝罪 安全対策見直しへ

https://youtu.be/gy6_qieibBs 【鈴木宏子】土浦市、中川清市長の定例記者会見が5日、同市役所で行われた。10月6日開催の土浦全国花火競技大会で10人の負傷者が出て大会が途中で中止になった問題に対し中川市長は改めて謝罪し、来年の大会に向け安全対策を見直す方針を明らかにした。さらに今年桟敷席を購入した人に対し、来年の花火大会で「何かしらの対応を検討する」と話した。 同大会実行委員会事務局の市商工観光課によると、事故は、19番目の高木煙火(岐阜県大垣市)がスターマインを打ち上げた際に発生した。導火線の不具合により上空に上がった4号玉が不発となり、風に流されて落下し、打ち上げ地点から北に180~190㍍離れた地上付近で爆発し、学園大橋北西側で観覧していた見物客10人がやけどなどのけがを負った。 打ち上げ場所から半径110㍍を保安区域として立ち入りを規制していたが、規制区域の外側に落下した。事故当時の地上付近の風は南南西の風、平均風速4.5㍍、最大瞬間風速9.8㍍で、大会を中止する判断基準の10㍍以上の強風には達してなかったという。例年は東風が吹くことが多いが、今年は南風だった。 その直後に大会を中止した理由は、けが人が出たこと、夜遅くなるにつれて風が強くなる恐れがあったことにより、安全確保が困難になると判断したためという。同市の花火玉による事故は、記録上初めて。 今後は、気象や保安の専門家などにも調査を依頼し検証した上で、12月末までに事故報告書をまとめ、運営体制全体を見直して改善を図りたいとしている。 中川市長は、中止決定時に見物客への情報提供が少なく不満が出た問題については「当時は事故の情報が錯そうし、詳細な説明ができなかった。あまり待たせると不安になるので、少しでも早く(中止決定の告知を先行)した」と話し理解を求めた。 全部門のグランプリ決定へ 10、11日カレーフェス 会見ではほかに「市美術展覧会」(8~18日、土浦市民ギャラリー)▷「児童虐待防止啓発活動—子どもを守ろう!オレンジリボンたすきリレー」(9日午前8時10分、市役所前で出発式)▷「金婚をたたえる集い」(15日、市民会館)▷「産業祭及び土浦カレーフェスティバル」(10~11日、川口ショッピングモール505、J:COMフィールド土浦)▷「光がつくるアート水郷桜イルミネーション」(17日午後5時、霞ケ浦総合運動公園風車前広場で点灯式)▷「図書館フェス及び本の通帳サービス」(フェスは21~27日市立図書館)▷「学祭ツチウラ2018」(24日、市役所前やアルカス土浦)など11月に催されるイベントの案内があった。 「産業祭とカレーフェス」は昨年は同じJ:COMフィールドで開催していたが、今年は産業祭はモール505、カレーフェスはJ:COMフィールドで開催する。昨年2日間で7万人の集客があったことから、今年は中心市街地を回遊してもらうのが狙いという。カレーフェスはこれまで主菜、麺、創作の3部門でそれぞれグランプリを決定していたが、部門ごとに出店数にばらつきがあることから、今年はすべての出店者のメニューからブランプリを決めるという。 市立図書館1周年 イベント目白押し 市立図書館の図書館フェスは開館1周年を記念し、土浦市出身で江戸川乱歩賞を受賞したSF作家、高野史緒さんの講演会など6日間で18の催しを開催する。本の通帳サービスは市内の小中学生を対象に、図書館で借りた本の履歴を銀行の通帳形式の手帳に印字するサービスで、23日からスタートする。導入するのは県内で結城市に次いで2例目で、結城市では図書館に新規登録した小学生が3倍に増えたという。 学祭ツチウラは、市内の高校10校が一堂に会して、普段の学校生活について発表する全国初のイベントで、土浦二高書道部によるパフォーマンスや常総学院高校のチアリーディング部などの発表のほか、学校対抗で読みたい本を紹介し合うビブリオバトルなどが催されるという。

小中学生らが今年も放置ごみ回収 土浦花火大会の翌朝

【崎山勝功】強風のため途中で中止となった6日の第87回土浦全国花火競技大会から一夜明けた7日早朝、土浦市佐野子の桜川河川敷周辺では、小中学生や地元住民などの市民ボランティアが、手分けして放置ごみの回収に当たった。 午前7時ごろ、桜川河川敷の無料観覧席付近には、ビニールシートや布団などが散乱し、食べかけの飲食物がそのまま放置されていた。大会パンフレットなどでは、小中学生たちの活動を紹介した上でごみの持ち帰りを呼び掛けている。にも関わらず例年ごみの放置が繰り返されている。 河川敷では、土浦一中の生徒約400人と、土浦小の4~6年の児童と保護者ら約280人が清掃に加わった。生徒たちは、場所取り用の布テープやビニールシート、空き缶やペットボトルなどを回収していった。土浦一中2年の五頭一生さん(14)は「ごみが結構あったなと思った。街がちょっときれいになって良かった」と話した。ペットボトルに混じってバスケットボールなど、花火大会とは無関係なごみもあったという。 今年度、同中に赴任し初めて参加した保健体育担当の嶋田恵理子講師(30)は「生ものだったり、シート固定の金具が落ちていたけど、生徒たちは嫌がらずに拾ってくれた。正直、思っていたよりもごみが少ないと思った」と振り返った。 ごみ袋を手に、食べかけの飲食物などを回収した男性は「昨日(6日)花火が中止になった腹いせかも」と話した。 便乗の「不法投棄」か 河川敷近くに設けられた同市生田町の臨時ごみ置き場には、可燃ごみに混じって家具など、花火大会と関係ないごみも混じっているのが見られた。午前8時30分ごろ、ごみ回収車が到着して男性作業員2人が約20分かけて次々と回収していった。回収作業中に、市では引き取らない消火器や、業務用の食用油などの産業廃棄物が出てきた。作業員は「この回収車では回収できないので、後から市に回収してもらう」と話した。

土浦花火 火花で観客10人軽いやけど 強風により途中で中止

【鈴木宏子】6日夜、土浦市佐野子、学園大橋付近の桜川湖畔で開催された第87回土浦全国花火競技大会で、打ち上げ花火の一部が地上に落下して破裂し、観客の9歳から66歳までの男女10人が軽いやけどを負った。 市消防本部や市商工観光課によると、午後6時30分ごろ、打ち上げた花火玉の一部が風に流されて保安区域外の桜川河川敷に落下して破裂し、近くにいた観客の手や足、背中などに火花が飛び散った。 10人は救護所に待機していた医師に手当てを受け、帰宅した。救急車で病院に運ばれた人はいないという。 事故発生を受けて大会実行委員会は打ち上げを中断、気象情報を収集した結果、今後も今以上の風が強く吹く恐れがあると判断し、午後7時ごろ、大会中止を決めた。 大会は同日午後6時から開催された。日本三大花火とあって、75万人の観客らが観覧した。 大会の目玉は、横幅500㍍で9カ所から6分間に約2100発を打ち上げるワイドスターマイン「土浦花火づくし」だったが、打ち上げはなかった。 会場から引き上げる観客たちからは「残念だ」の声が聞かれた。また「今年の売り上げは低いよ」と、こぼしながら店を片付ける露天商の姿が見られた。 同実行委は、今回の中止は天候不順によるものであるため、桟敷券料金の払い戻しはしないとしている。

土浦花火 予定通り明日6日開催 実行委が正式決定

【谷島英里子】第87回土浦全国花火競技大会は6日午後6時から、土浦市の桜川畔(学園大橋下流)で予定通り開催することを同大会実行委員会が5日朝、正式決定した。 大会には20都道府県から56業者の花火師が出場し、スターマイン、10号玉、想像花火の3部門で技術を競い合う。3部門の優勝者から最も優れた業者には、内閣総理大臣賞が贈られる。開始から午後8時30分ごろまで約2万発打ち上げられ、夜空一面鮮やかに彩る。実行委は約75万人の観客を見込んでいる。 キクやボタンなど代表的な10種の花火を解説付きで打ち上げた後に競技スタート。中盤に打ち上がる大会名物の「ワイドスターマイン土浦花火づくし」(主催者提供花火)は横幅500mで9カ所から6分間に約2100発を打ち上げる。エンディングは第87大会にちなみ、7号玉87発でフィナーレを飾る。 大会前日の5日正午、桜川河川敷の有料桟敷席の下流側には無料観覧場所が解放され、ブールシートを広げる人たちであふれた。 土浦の花火は1925年(大正14年)、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて霞ケ浦湖畔で開催したのが始まり。 6日は午後1時30分と同2時30分、、花火鑑賞士による「花火セミナーin土浦」が、土浦駅前の県南生涯学習センター(市役所5階)で開かれる。事前申し込み不要、参加費無料だが各回先着100人まで。

【土浦花火】あと1カ月 フォト歴代作品展開催 花火弁当受け付け中

【鈴木宏子】10月6日、土浦市学園大橋付近の桜川畔で開催される「第87回土浦全国花火競技大会」まであと1カ月。大会を盛り上げようと今年は、土浦市民ギャラリー(土浦駅前、アルカス土浦1階)で「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」が9月17日まで開かれている。土浦の特産品を生かした花火弁当の販売申し込みも始まっている。 20都道県の56業者が競う 【大会概要】今年は20都道県から56業者が参加し技を競う。10号玉の部は45発、創作花火の部は22組、スターマイン部は22台でそれぞれ競技が実施される。迫力を堪能できる大会提供ワイドスターマイン「土浦花火づくし」は、今年も横幅約500㍍の広さで9カ所から6分間にわたって約2100発を打ち上げる。恒例の大会提供エンディング花火は第87回大会にちなんで7号玉を87発打ち上げフィナーレを飾る。打ち上げ時間は午後6時から8時30分まで。昨年は75万人が観覧した。 前日5日正午、自由席開放 【観覧席】桜川河川敷に設置される桟敷席は、販売用の約2800升すべてが9月6日までに売り切れた。7月にローソンチケットで約1000升、9月4日朝8時に大岩田の水郷体育館で1800升の抽選会、同6日正午にローソンチケットキャンセル分約100升を追加販売し、いずれもすぐに完売したという。1升(6人席)2万2000円だが、今年も手に入りにくいプラチナチケットとなっている。 大会前日の10月5日正午からは、桟敷席下流の約2000平方㍍に設ける無料自由観覧席が一般開放され、場所取りが解禁になる。約2000人が観覧できる。例年、前日正午までに約1000人が場所取りに並ぶという。 9店が17種類を販売 【花火弁当】地元の特産品などを全国に発信しようと、市観光協会土浦名物弁当事業者部会が毎年販売している花火弁当は、今年は9店が計17種類を販売する。趣向を凝らした豪華な弁当の注文を各店で受け付け中だ(http://www.tsuchiura-kankou.jp/meibutubento/)。 歴代入賞作品を展示 【事前イベント】大会を盛り上げるイベントとして、今年は9月5日から市民ギャラリーで「土浦の花火フォトコンテスト歴代入賞作品展」が開かれている。2008年の第1回から昨年の第9回までの最優秀賞や優秀賞受賞作品など計38点が展示されている。実物大の花火玉や、大会当日に花火審査員が着用するはっぴなども展示され、はっぴは会場で実際に試着することもできる。市商工観光課は「ぱっぴを着て今年のポスターの前で写真を撮りSNSで土浦の花火を発信してほしい」と話している。 ほかに大会をより一層楽しんでほしいと、大会当日の10月6日午後1時30分からと2時30分からの2回、花火鑑賞士による「花火セミナーin土浦」が、土浦駅前の県南生涯学習センター(市役所5階)で開かれる。事前申し込み不要、参加費無料だが各回先着100人まで。 臨時列車も運行 【交通機関】大会当日の公共交通は、JR土浦駅から通常列車のほか、上り下りそれぞれ3本ずつ臨時列車が運行する。土浦駅東口から会場の学園大橋まではシャトルバス(大人240円、子ども120円)が行き来する。 駐車場は臨時・公共駐車場を5000台分用意する。このうち1790台分を無料駐車場として開放する。無料は、市立武道館駐車場(午前9時~、90台)▽上高津貝塚ふるさと歴史の広場(同9時~、100台)▽市民会館(午後1時~、200台)▽県土浦合同庁舎(午後1時~、100台)▽市職員駐車場かね喜裏(午前9時~、150台)▽霞ケ浦総合公園(午後1時~、600台)▽滝田1丁目臨時駐車場(午後1時~、300台)▽土浦第二小(午前9時~、50台)。 ※メモ 【土浦全国花火競技大会】1925(大正14)年、神龍寺(文京町)の住職、秋元梅峯が、霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した経済を活性化する目的で、私財を投じ霞ケ浦湖畔で開催したのが始まり。内閣総理大臣賞を授与する花火競技は、秋田県大曲と土浦の全国2大会のみで、特に土浦は数百発の花火を速射連発するスターマイン日本一を決めるといわれる。

光と音で土浦の花火を投影 キララまつり

【谷島英里子】「土浦キララまつり2018」が開かれたJR土浦駅前のアルカス土浦で4日夜、花火をモチーフにしたプロジェクションマッピングが初めて行われた。同市のイメージキャラクター「つちまる」が自転車に乗って市内を散策する様子や、花火が次々と打ち上がる映像が投影され、訪れた人たちは次々と変化する映像を楽しんだ。 キララまつりの熱気が残る中、プロジェクションマッピングを見ようと、アルカス土浦前の広場やペデストリアンデッキには、家族連れや浴衣姿の中高生などが集まった。 映像は、アルカス土浦の外階段(ステップガーデン)と図書館3階空中ラウンジのガラス部分に6分間投影された。 自転車に乗ったつちまるが土浦駅前を出発し、中心市街地の観光施設、まちかど蔵「大徳」や桜が満開の桜川の土手、亀城公園、帆引き船などを紹介していった。さらに日本三大花火といわれる秋田県大曲、新潟県長岡と、土浦の花火が次々に打ち上がった。 つちまるの映像が現われると、見ていた子ども達から「あ、つちまるだ」という声が上がった。 市内に住む20代男性は「花火の映像が色鮮やかできれいだった」と感想を話していた。 土浦キララまつり2日目の5日は同会場で午後7時30分、8時、8時30分、9時の計4回投影を行う。

土浦の花火を駅前に投影 4、5日「キララまつり」でプロジェクションマッピング

【谷島英里子】JR土浦駅周辺で4~5日の2日間、「土浦キララまつり2018~魅せます土浦の夏」が開催され、土浦の花火をモチーフとしたプロジェクションマッピングが初披露される。同駅前のアルカス土浦に投影する。 プロジェクションマッピングは、コンピューター映像を建物に投影する演出。毎年10月に開催される土浦全国花火競技大会の知名度をもっと高めようと、市商工観光課が地方創生推進交付金945万円を活用して企画した。 イベント演出やディスプレイの制作を行う五光(本社栃木県)が、「土浦の花火」をモチーフに市内の観光資源も取り入れオリジナル動画を作成。アルカス土浦の外階段から3階ガラス部分に投影し、光や音で約7分間演出し、キララまつりを盛り上げる。4、5日の両日午後7時30分、8時、8時30分、9時の計4回行う。商工観光課は「土浦ブランドの花火を知っていただけたら」と話す。冬にも第2弾のプロジェクションマッピングを5日間実施する予定だ。 土浦キララまつりは、JR土浦駅前通り、土浦港、モール505、タイムズ土浦中央第3駐車場といった駅周辺などを会場に、4日は市内小学生による音楽隊パレードや七夕おどりコンテスト、5日は市民山車巡行、土浦新郷土民謡おどりといった地域の伝統芸能が披露される。霞ケ浦では観光帆引き船合同操業と遊覧船無料乗船会が実施される。 ほかに新企画として、手野や田村のハス田をレトロバスで巡る「土浦ハス花めぐり」レトロバスの運行、子どもが乗れるミニトレイン「ドクターイエロー」「はやぶさ」の運行などがある。飲食や音楽ステージ、行灯(あんどん)装飾、消防車・救急車の展示など盛りだくさんの内容だ。両日とも午後1時~9時30分まで、土浦駅西口から亀城公園前までと、中城通り、本町通りは歩行者天国となる。 詳しくは市観光協会ホームページhttp://www.tsuchiura-kankou.jp/tanoshimu/kiraramatsuri/。問い合わせは実行委員会事務局電話(029・824・2810)まで。

平成最後の大会は10月6日 土浦全国花火競技大会

【谷島英里子】第87回土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・中川清市長)は22日、市内で会議を開き、今年度の大会を10月6日(土)に学園大橋付近の桜川畔で開催することを正式決定した。 会議には土浦警察署や公共交通機関の関係者、地元区長らが出席した。中川会長は「平成最後の大きな節目の年だと思っている。すばらしい花火大会で終わらせたい」と話し、「安心安全な大会運営に努め、夢と感動を与える大会にしていきたい」と述べた。 実行委によると、花火は午後6時から約2時間30分、2万発を打ち上げる。競技種目はスターマイン、10号玉、創造花火の3部門あり、全国の花火師が腕と創意を競う。中盤で打ち上がる大会名物の横幅500mに及ぶ「ワイドスターマイン土浦花火づくし」(主催者提供花火)は約2100発が9カ所から打ち上げられ、夜空一面を鮮やかに彩る。昨年は約75万人の観客があった。 花火大会は1925(大正14)年、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて開催したのが始まり。

二つの花火、先祖たちの思いたどる 土浦市立博物館で特別展

【谷島英里子】土浦市立博物館(同市中央1丁目)で17日、市が誇る「土浦全国花火競技大会」と「からかさ万灯」の二つの花火の歴史をたどる特別展「花火と土浦Ⅱ―祈る心・競う技」が始まった。花火の起源や技術の進展、花火筒やから傘の実物、資料など約170点を展示している。 7月で開館30周年となることを記念した特別展。花火競技大会は、神龍寺(同市文京町)の住職・秋山梅峯(ばいほう)が、1925年に霞ケ浦海軍航空隊の殉職者の慰霊と関東大震災後の地元商店街の復興をしようと私財を投じたのが始まり。 土浦火工を営み、戦後の土浦の花火の再開と花火技術の発展に寄与した北島義一の業績をはじめ、花火配合帳、大会プログラム、トロフィー、花火筒などの数々が展示されている。競技大会の先駆けとなった県西の境町や笠間稲荷神社の大正時代から残る写真や帳簿も公開されている。 雨乞いの神事として同市大畑の鷲神社で江戸中期ごろから続く国選択・県指定無形民俗文化財のからかさ万灯は、綱火に火が走って着火すると、から傘から火の粉が滝のように降り注ぐ。この仕組みを実物大(直径5m、高さ6m)で紹介。雨乞いばやしの太鼓や提灯、半てんも展示した。 からかさ万灯保存会会長の井坂次男さん(80)は「当時、新治地区は干ばつが続き、先祖たちは苦労した。花火がきれいというだけでなく、雨が欲しかったという先祖たちの思いも知ってほしい」と話す。同館の木塚久仁子学芸員は「伝統的な二つの花火の歴史を存分に楽しんでいただきたい」と話した。 ◆5月6日まで。入館料は一般105円、小中高生50円。午前9時~午後4時30分。月曜休館。今年の第87回土浦全国花火競技大会の招待券が6組(1組2人)に抽選で当たるスタンプラリーも同時開催している。問い合わせは同館(電話029・824・2928)

花火テーマに茶会 土浦二高茶道部 文化の日の土浦博物館

文化の日の3日、土浦市中央、市立博物館が無料開放され、県立土浦二高茶道部による茶会が催された。同館開館30周年記念特別展「土浦と花火Ⅰ」が催されているのにちなんで、「花火に寄せた茶会」と題して来館者に抹茶と和菓子が振る舞われた。 土浦の花火や亀城公園などが描かれた茶碗や水差しなどの茶道具を用いて茶がたてられ、赤、黄、青の3色の花火の大輪が描かれた同市桜町、田中清月堂の和菓子が振る舞われた。 茶道部副部長で2年の増山実桜さん(16)は「先輩が引退して大きな会場でやるのは初めてなので、とても緊張した」などと話し、部長の2年、加藤千尋さん(16)は「少しでも多くの人に茶道に興味を持ってもらえたら」と語っていた。 特別展「土浦と花火Ⅰ―競技大会のあゆみ」は13日まで。関東大震災で疲弊した土浦の経済活性化と霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊のため、1925(大正14)年に私財を投じて花火大会を始めた同市文京町、神龍寺住職の秋元梅峯の功績など、花火大会の歴史や花火製造技術の進歩などが写真や当時の資料、模型などで紹介されている。(鈴木宏子) 入館料は一般105円。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。県民の日の13日は入場料無料になる。問い合わせは電話029・824・2928(同博物館)

土浦の夜空を彩る花火競演 土浦花火大会

日本三大花火の一つ、第86回土浦全国花火競技大会は7日午後6時から、土浦市、学園大橋付近の桜川湖畔で開催された。 会場では、約2万発の花火が打ち上げられ、観客らは花火を堪能した。このうち約6分間にわたって約2100発を打ち上げるワイドスターマイン「土浦花火づくし」の打ち上げでは、多数の花火が夜空を覆い尽くし、観客席からは拍手が沸き起こった。(写真=坂本栄、崎山勝功)          

土浦花火大会 7日予定通り開催

日本三大花火の一つ、第86回土浦全国花火競技大会は7日午後6時から、土浦市、学園大橋付近の桜川湖畔で予定通り開催される。同大会実行委(委員長・中川清市長)が6日朝、正式決定した。 約2万発の花火が打ち上げられる。スターマイン、10号玉、創造花火の3部門で競技が行われ、20都道府県の54業者が技を競う。特に数百発の多種多様な花火を組み合わせて速射連発するスターマインは日本一を競うといわれる。 幅約500mにわたる9カ所から、6分間にわたって約2100発を打ち上げるワイドスターマイン「土浦花火づくし」などの打ち上げもあり、夜空を覆い尽くすほどの迫力がある。 花火大会は1925(大正14)年、文京町の神龍寺住職が霞ケ浦海軍航空隊殉職者の慰霊と、関東大震災後の不況で疲弊した土浦の経済を活性化しようと、私財を投じて開催したのが始まり。 毎年約70万人の観客でにぎわう。今年は無料だった市駐車場のうち土浦一中校庭など7カ所が新たに有料(1000円)になる。

「花火を聴く」 視覚障害者の花火鑑賞《見上げてごらん!》24

【コラム・小泉裕司】花火を季題とした風景や心象を描写した名句は数多い。人生や季節の移ろいを、儚(はかな)く消える花火に重ねるのだろうか。 盆などの慰霊行事であったことから、「初秋」の季語だったようだが、現代は納涼行事として「夏」が主流のよう。「遠花火(とおはなび)」も同様。たった3文字にもかかわらず、打ち上げ場所から遠く離れたところから「見る」花火への、切なさや愛(いと)おしさが心に沁(し)みる季語である。 花火鑑賞の多様性 昨年の土浦市議会第4回定例会では、「土浦全国花火競技大会時の障害がある方の観覧」についての一般質問に対する答弁で、佐藤亨産業経済部長は「花火会場で、視覚障害者に花火の魅力を感じてもらうことができた」という希有(けう)なエピソードを披露した。 大会当日の朝まで行くかどうか迷ったあげく、意を決し、会場を訪れた視覚障害のある男女2人は、打ち上げが始まるころには、桟敷席近くに到着することができたという。 杖(つえ)を持った2人に気付いた桟敷席担当の係員は、業務の傍ら、土手にたたずむ2人を気にかけていたそう。周知のとおり、打ち上げ終了後の道路は、超過密な状況と化し、視覚障害者には危険きわまりない。これを察知した係員は、土浦駅行きのシャトルバス停まで誘導し、無事帰路に着いたのこと。 2人は、花火の真下に来たことで、まぶたの奥に光を感じることができたという。音や振動を体感することや、音楽、場内アナウンスも聴くことができた。何よりも、観客と一緒に拍手をすることができたことに感動。「ここまで来て本当によかった。ありがとうございます」と涙を流し、花火を堪能した喜びを係員に伝えたそう。 この報告を聞いた部長は、障害者も花火の思い出をつくることができる、土浦の花火は様々な人たちに感動を与えることができることを実感したという。筆者も、土浦の花火ファンが、また2人、増えたことが実にうれしい。 一方で、本稿でこの話題を書くことに躊躇(ちゅうちょ)したのも事実。 つまり、主催者にとっては、来場者の安全を確保することが最優先の使命であって、身動きもままならぬ雑踏や道路面の不備も想定される中で、係員まで巻き込んだ身勝手な行動と非難されないか。 さらに、係員の対応は業務範囲を逸脱しているのではないかなど、大いに逡巡(しゅんじゅん)した。実行委員会は、会場から1.5キロ離れた安全な場所に「身障者用駐車場」を確保して、会場への誘導を勧めることはしていない。 しかしながら、今回の2人の行動によって、新たな気付きを得たことも事実。それは…「花火を聴く」。  「花火の光を感じたい、心に響く音を聴きたい。こんな欲求を満たしてくれる環境づくりの必要性、誰ひとり取り残さないとの観点からも大切なことであり、これからもあらゆる面でみがきをかけて、多様な観客に楽しんでいただける大会づくりにまい進したい」と、部長答弁を括(くく)った。 まさに、安藤市長が標榜(ひょうぼう)するダイバーシティの考え方に沿った、崇高な精神である。 「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」 このエピソードの対極にあるのが、Oi café 20「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」(平野国美、常陽リビング、2017/8/19、6ページ)。 介護ベッド上で目を閉じ、遠くに響く土浦花火の音を聞きながら、母親代わりの亡き姉への郷愁、その姉と会話した花火への情念が動画のごとく流れる。訪問診療医で本サイトのコラムニストでもある平野氏ご本人から、以前に送っていただいたコラムを、読み返している。 「いつか一緒に、あの花火の真下で眺めたいねって話してたの。そのお姉ちゃんが行けないのに、今さら私だけ見に行くってわけにはいかないの」。昭和期の俳人鈴木真砂女の句が添えられていた。「死にし人 別れし人や 遠花火」 真下で体感するもよし、遠花火に耳澄ますもよし。本日は、この辺で「打ち留めー」。「ドドーン キラキラ!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

「花火を聴く」視覚障害者の花火鑑賞《見上げてごらん!》24

【コラム・小泉裕司】花火を季題とした風景や心象を描写した名句は数多い。人生や季節の移ろいを、儚(はかな)く消える花火に重ねるのだろうか。 盆などの慰霊行事であったことから、「初秋」の季語だったようだが、現代は納涼行事として「夏」が主流のよう。「遠花火(とおはなび)」も同様。たった3文字にもかかわらず、打ち上げ場所から遠く離れたところから「見る」花火への、切なさや愛(いと)おしさが心に沁(し)みる季語である。 花火鑑賞の多様性  昨年の土浦市議会第4回定例会では、「土浦全国花火競技大会時の障害がある方の観覧」についての一般質問に対する答弁で、佐藤亨産業経済部長は「花火会場で、視覚障害者に花火の魅力を感じてもらうことができた」という希有(けう)なエピソードを披露した。 大会当日の朝まで行くかどうか迷ったあげく、意を決し、会場を訪れた視覚障害のある男女2人は、打ち上げが始まるころには、桟敷席近くに到着することができたという。 杖(つえ)を持った2人に気付いた桟敷席担当の係員は、業務の傍ら、土手にたたずむ2人を気にかけていたそう。周知のとおり、打ち上げ終了後の道路は、超過密な状況と化し、視覚障害者には危険きわまりない。これを察知した係員は、土浦駅行きのシャトルバス停まで誘導し、無事帰路に着いたのこと。 2人は、花火の真下に来たことで、まぶたの奥に光を感じることができたという。音や振動を体感することや、音楽、場内アナウンスも聴くことができた。何よりも、観客と一緒に拍手をすることができたことに感動。「ここまで来て本当によかった。ありがとうございます」と涙を流し、花火を堪能した喜びを係員に伝えたそう。 この報告を聞いた部長は、障害者も花火の思い出をつくることができる、土浦の花火は様々な人たちに感動を与えることができることを実感したという。筆者も、土浦の花火ファンが、また2人、増えたことが実にうれしい。 一方で、本稿でこの話題を書くことに躊躇(ちゅうちょ)したのも事実。 つまり、主催者にとっては、来場者の安全を確保することが最優先の使命であって、身動きもままならぬ雑踏や道路面の不備も想定される中で、係員まで巻き込んだ身勝手な行動と非難されないか。 さらに、係員の対応は業務範囲を逸脱しているのではないかなど、大いに逡巡(しゅんじゅん)した。実行委員会は、会場から1.5キロ離れた安全な場所に「身障者用駐車場」を確保して、会場への誘導を勧めることはしていない。 しかしながら、今回の2人の行動によって、新たな気付きを得たことも事実。それは…「花火を聴く」。 「花火の光を感じたい、心に響く音を聴きたい。こんな欲求を満たしてくれる環境づくりの必要性、誰ひとり取り残さないとの観点からも大切なことであり、これからもあらゆる面でみがきをかけて、多様な観客に楽しんでいただける大会づくりにまい進したい」と、部長答弁を括(くく)った。 まさに、安藤市長が標榜(ひょうぼう)するダイバーシティの考え方に沿った、崇高な精神である。  「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」 このエピソードの対極にあるのが、Oi café 20「亡き人を思い遠花火に耳澄ます」(平野国美、常陽リビング、2017/8/19、6ページ)。 介護ベッド上で目を閉じ、遠くに響く土浦花火の音を聞きながら、母親代わりの亡き姉への郷愁、その姉と会話した花火への情念が動画のごとく流れる。訪問診療医で本サイトのコラムニストでもある平野氏ご本人から、以前に送っていただいたコラムを、読み返している。 「いつか一緒に、あの花火の真下で眺めたいねって話してたの。そのお姉ちゃんが行けないのに、今さら私だけ見に行くってわけにはいかないの」。昭和期の俳人鈴木真砂女の句が添えられていた。「死にし人 別れし人や 遠花火」 真下で体感するもよし、遠花火に耳澄ますもよし。本日は、この辺で「打ち留めー」。「ドドーン キラキラ!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

災害時の迅速な初動対応へドローン購入 土浦市新年度予算案

土浦市の安藤真理子市長は15日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比2.6%増の567億3000万円、特別会計などを含めた総額は同2.1%増の989億4000万円となる。主な新規事業は、水害や土砂災害発生時などに素早く初動対応ができるよう、俯瞰(ふかん)的な視点で情報を収集するため、消防本部がドローン1基を購入するほか操縦者の育成などを進める(2145万円)。 一般会計は過去4番目、総額は過去3番目に大きい額となる。3月5日開会の同市議会3月定例会に提案する。 モール505 歩行空間を再構築へ 中心市街地では、つくば科学万博が開催された1985年に高架道と併せて整備され、現在は空き店舗が目立つ土浦駅西口近くの川口ショッピングモール505について、街路空間を、人々が集い多様な活動を繰り広げる場にしていく「ウォーカブルシティ」の取り組みを国交省などが推進していることなどから、650万円を計上し、安全で魅力ある歩行空間の再構築に向け構想案を策定する。 つくばエクスプレス(TX)県内延伸構想の具体化に向け県が検討を始めたTX土浦駅延伸に向けては、昨年9月、国交省の準備段階調査箇所に採択された常磐道・土浦スマートインターチェンジ(IC)整備と併せ、交通ネットワークの形成を見据えて、約850万円を計上して沿線開発候補地となる可能性調査などを実施する。 常磐道・桜IC周辺の開発については、産業発展を促す拠点整備に向けて、23年度に地権者組織の発起人会が立ち上がったことから、24年度は6394万円を計上し、組合の前身となる準備委員会の設立に向けて地権者の合意形成を図るほか、詳細な事業化検討調査を実施する。 コミュニティバスの実証運行については8368万円を計上し、21年10月に運行を開始した中村南・西根南地区と22年10月運行開始の右籾地区に加えて、24年度は新たに乙戸南地区と並木・板谷地区で実証運行を開始する。 ヤングケアラーにヘルパー派遣 子育て支援は、病気や障害のある親などに代わって子供が家事やきょうだいの世話をしているヤングケアラーや支援が必要な子育て中の家庭に、食事の準備や掃除、洗濯などの家事援助をするヘルパーを派遣する子育て世帯訪問支援事業(約70万5000円)を実施する。 不登校児童生徒の支援は2700万円を計上、23年度に6つの中学校に設置した校内フリースクールを24年度はさらに2校増やし、市内8つの中学校すべてに校内フリースクールを設置する。 児童数が減少し学級数が適正規模に満たない小学校がある上大津地区については1億940万円を計上し、上大津地区統合小学校の28年4月の開校を目指し、新年度は基本・実施設計などを実施する。 昨年10月にスタートした小中学校の給食費無償化は新年度も継続する(約4億4500万円)。 道路交通法改正により昨年4月から着用が努力義務となった自転車利用者のヘルメットについて、小学生以下の着用率が73%、中学生は89%なのに対し、高校生は8%、65歳以上の高齢者は8.4%にとどまっていることから、高校生相当と65歳以上を対象にヘルメット購入費の2分の1を補助する(約80万円)。 文化財の保存と活用については、21年12月に土地・建物の寄贈を受けた登録有形文化財「一色家住宅主屋」について729万円を計上し、23年度に策定した市文化財保存活用地域計画に基づき保存活用に向け、耐震調査や利活用の市場調査などを実施する。 図書館、花火100年 ほかに、市立図書館は1924(大正13)年6月1日に開館してから今年で100周年を迎えることから、これまでの歩みを振り返り次の100年に向けて新たな一歩となるイベントを開催する(450万円)。 1925(大正14)に始まった土浦全国花火競技大会が来年の第94回大会で100年、7年後に第100回大会の節目を迎えることから、花火のまち土浦を発信していくため機構改革を実施し商工観光課の花火対策室を花火のまち推進室に改編する。 一方歳入は、経済の改善などにより個人と法人の住民税が増加し、市税全体で前年度比3.0%増加すると見込む。歳出の増加に伴って財源不足が生じることから、財政調整基金から23年度と同額の15億円を繰り入れる。これにより24年度末の基金残高は135億円になる見込み。 安藤市長は「厳しい財政状況だが『夢のある、元気のある土浦』に向けて、給食費の無償化を継続し、認定こども園での英語教室など特色ある保育を実施するなど子育て支援をさらに充実させる。常磐道スマートインターチェンジの1日も早い整備や、TXの土浦延伸に向け県と連携するなど、選択と集中を図る予算を編成した」などとしている。(鈴木宏子)

野村花火の魅力(下)《見上げてごらん!》23

【コラム・小泉裕司】本コラム19「土浦の花火in大曲」で触れた通り、昨年10月7日(土)、大曲の花火秋の章・第2幕「土浦の花火物語」において、日本煙火協会茨城地区会が共同して、土浦全国花火競技大会の競技規定にそった作品を打ち上げた。特にスターマインの規定は、4号玉から2.5号玉まで400発以内と定めているが、その日の野村花火は、前年の土浦でスターマインの部優勝の「水無月(みなづき)のころ」をリメイクした「大曲バージョン」を持ち込んだ。 実はこれには裏話があった。土浦の実行委員会との事前打ち合わせの際、「4号玉より半廻り大きい5号玉を使い、しかも打ち上げ幅もワイドにしたい」と野村社長から申し入れがあったという。これに対し、実行委員会事務局は当初、「?」状態。社長の意図を理解することはできないながらも提案を受け入れたというが、単なる思い付きではないことを、現地で知ることになった。 つまり、こういうことだ。野村花火の打ち上げ前、土浦の規定通りに打ち上げた筑北火工堀米煙火店のスターマインは、全体的に小ぢんまり感が否めなかったのだ。 それもそのはず。開花時の最大高度約160メートルの4号玉と、約200メートルの5号玉とでは上空での広がりが違うと同時に、大曲の会場は、そもそも土浦とは比較にならないほどの広大な夜空が広がっている。正しくは、花火を見上げる角度、つまり仰角の違い。 土浦の場合は、打ち上げ場所と観覧席の近接さゆえ、プラネタリウムのように「見上げる」感覚となることに加えて、作品としての見え方を損なわない水平視野角も狭いのだ。一方の大曲は、観覧席の奥行きが深く、映画館のワイドスクリーンを後ろ席から観るような感覚と言えばわかりやすいかも知れない。 これらの違いを熟知した野村花火の「したたか」な提案であったことに、同行者一同脱帽した。この会場で1カ月前、内閣総理大臣賞を受賞した野村花火は、案の定、目の肥えた大曲の観客を魅了するに十分な作品に仕上げて、拍手喝采は鳴り止まず、「野村」のかけ声が響いた。 花火はカタルシスである 「花火はカタルシスである」。大曲の直後、こう私に話してくれた野村社長。カタルシスは、「心の洗濯」と訳すらしい。花火を見ている瞬間は何も考えないことで、感情の開放につながり、前向きな気持ちが湧いてくるという。この話を聞いて、野村花火を千波湖畔で観た女性2人の会話を思い出した(本コラム10「1年の計は初花火にあり」に掲載)。 「今日は無理につきあわせちゃって、ごめんね」「うーんん、最高の週末になったね。来週もがんばれそーかも」。 花火は、人生に必ずしも必要なものではないのかも知れないが、花火師は、見る人に元気や笑顔、希望を送り届けたいと、渾身(こんしん)の思いを込めて打ち上げる。まさに、あしたを生きるためのサプリメント。 水戸黄門まつりの一環として、毎夏、千波湖畔で開催される「水戸偕楽園花火」は、明治39年(1906)に始まった「沼開き花火」に由来。発案したのは、野村花火創業者の野村為重氏。以来、打ち上げは、野村花火が担っている。ちなみに、為重氏は、希代のアイデアマンで、「水戸観梅」(現在の梅まつり)の創始者の1人でもあった。 本日は、この辺で「打ち止めー」。「ヒュー パッパッパッ ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考書>「水府綺談」(新いばらきタイムス社刊、1992年)

野村花火の魅力(下)《見上げてごらん!》23

【コラム・小泉裕司】本コラム19「土浦の花火in大曲」で触れた通り、昨年10月7日(土)、大曲の花火秋の章・第2幕「土浦の花火物語」において、日本煙火協会茨城地区会が共同して、土浦全国花火競技大会の競技規定にそった作品を打ち上げた。特にスターマインの規定は、4号玉から2.5号玉まで400発以内と定めているが、その日の野村花火は、前年の土浦でスターマインの部優勝の「水無月(みなづき)のころ」をリメイクした「大曲バージョン」を持ち込んだ。 実はこれには裏話があった。土浦の実行委員会との事前打ち合わせの際、「4号玉より半廻り大きい5号玉を使い、しかも打ち上げ幅もワイドにしたい」と野村社長から申し入れがあったという。これに対し、実行委員会事務局は当初、「?」状態。社長の意図を理解することはできないながらも提案を受け入れたというが、単なる思い付きではないことを、現地で知ることになった。 つまり、こういうことだ。野村花火の打ち上げ前、土浦の規定通りに打ち上げた筑北火工堀米煙火店のスターマインは、全体的に小ぢんまり感が否めなかったのだ。 それもそのはず。開花時の最大高度約160メートルの4号玉と、約200メートルの5号玉とでは上空での広がりが違うと同時に、大曲の会場は、そもそも土浦とは比較にならないほどの広大な夜空が広がっている。正しくは、花火を見上げる角度、つまり仰角の違い。 土浦の場合は、打ち上げ場所と観覧席の近接さゆえ、プラネタリウムのように「見上げる」感覚となることに加えて、作品としての見え方を損なわない水平視野角も狭いのだ。一方の大曲は、観覧席の奥行きが深く、映画館のワイドスクリーンを後ろ席から観るような感覚と言えばわかりやすいかも知れない。 これらの違いを熟知した野村花火の「したたか」な提案であったことに、同行者一同脱帽した。この会場で1カ月前、内閣総理大臣賞を受賞した野村花火は、案の定、目の肥えた大曲の観客を魅了するに十分な作品に仕上げて、拍手喝采は鳴り止まず、「野村」のかけ声が響いた。 花火はカタルシスである 「花火はカタルシスである」。大曲の直後、こう私に話してくれた野村社長。カタルシスは、「心の洗濯」と訳すらしい。花火を見ている瞬間は何も考えないことで、感情の開放につながり、前向きな気持ちが湧いてくるという。この話を聞いて、野村花火を千波湖畔で観た女性2人の会話を思い出した(本コラム10「1年の計は初花火にあり」に掲載)。 「今日は無理につきあわせちゃって、ごめんね」「うーんん、最高の週末になったね。来週もがんばれそーかも」。 花火は、人生に必ずしも必要なものではないのかも知れないが、花火師は、見る人に元気や笑顔、希望を送り届けたいと、渾身(こんしん)の思いを込めて打ち上げる。まさに、あしたを生きるためのサプリメント。 水戸黄門まつりの一環として、毎夏、千波湖畔で開催される「水戸偕楽園花火」は、明治39年(1906)に始まった「沼開き花火」に由来。発案したのは、野村花火創業者の野村為重氏。以来、打ち上げは、野村花火が担っている。ちなみに、為重氏は、希代のアイデアマンで、「水戸観梅」(現在の梅まつり)の創始者の1人でもあった。 本日は、この辺で「打ち止めー」。「ヒュー パッパッパッ ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考書>「水府綺談」(新いばらきタイムス社刊、1992年)

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