金曜日, 3月 29, 2024
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《映画探偵団》37 中心市街地活性化 変わる議論の方向

【コラム・冠木新市】『つくつくつくばの七不思議』と題して、2014年、筑波学院大学コミュニティ講座で話をした。テーマは「伝説と文化を活用したまちづくり」である。「中心市街地つくばセンタービル吾妻篇」では、イタリア人映画監督フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960)を例に取り上げた。 『甘い生活』の「ヴェネト通り」 この作品は、作家志望のジャーナリスト・マルチェロ(マルチェロ・マストロヤンニ)が、取材対象を追ってローマをさ迷う話で、街が主役ともいえる3時間の大作だ。深夜、トレビの泉にマルチェロがグラマー・スター(アニタ・エクバーグ)と一緒に入るシーンは、流れ落ちる水の音と相まって神秘的なまでに美しい。 また、ローマの高級レストランやホテルが並ぶヴェネト通りが魅惑的に描かれる。道路には車が駐車、カフェには美女や文化人がたむろし、深夜までにぎやかな場面が映る。誰でも一度は行ってみたいと思わせるような場所に見えてくるのだ。 事実、映画が公開されると、フェリーニに何人もの外国人から電話がかかり、ヴェネト通りに連れていってほしいと懇願されたという。だがフェリーニ自身もめったに行かない場所だった。実は、ヴェネト通りは一部分を除き映画のセットとして建てられたもので、現実とはまるで異なる通りだった。架空の場所に近いといってもよい。 ところが、「映画の『甘い生活』に応じて本物のヴェネト通りが一変してしまい、私が映画のなかで与えたヴェネト通りに迫ろうと猛烈な努力をしたのである」(フェリーニ著『私は映画だ』)。つまり映画のイメージが現実のヴェネト通りに影響を与え、映画のような光景になってしまったわけだ。 つくば市の中心市街地活性化とは何を意味するのだろうか。ある場所に多くの人が集まり、楽しく過ごすことであろうか。これまで中心市街地活性化のイメージは、映画のヴェネト通りのような街を目指していたのではなかったか。昭和生まれで映画探偵の私には、強くこの思いが染み付いている。 市長・市議選の「争点」にならず 10月のつくば市長選挙では、新聞各社が「中心市街地活性化が争点」と報じた。しかし、五十嵐市長は簡単な公約を載せただけだし、他の2人には中心市街地への言及がなかった。市議候補者は、41名中4人がちょっと触れただけだった。つまり、「争点」にはならなかったわけだ。 何も批判しているのではない。新型コロナウィルスによって「三密」が否定されたことにより、「中心部と周辺部の活性化」の考え方に変容を迫られているように思えるからだ。これから、中心市街地活性化を目指して「まちづくり会社」が創られるようだが、その前に活性化の意味をもう一度考え直す必要があるのではないだろうか。 10年以上も続く「つくばセンター地区活性化協議会」のメンバー、2年半前に「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」を作成したアドバイザーの意見を聞いてみたいと思っているのは、私1人だけであろうか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

《映画探偵団》37 中心市街地活性化 変わる議論の方向

【コラム・冠木新市】『つくつくつくばの七不思議』と題して、2014年、筑波学院大学コミュニティ講座で話をした。テーマは「伝説と文化を活用したまちづくり」である。「中心市街地つくばセンタービル吾妻篇」では、イタリア人映画監督フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960)を例に取り上げた。 『甘い生活』の「ヴェネト通り」 この作品は、作家志望のジャーナリスト・マルチェロ(マルチェロ・マストロヤンニ)が、取材対象を追ってローマをさ迷う話で、街が主役ともいえる3時間の大作だ。深夜、トレビの泉にマルチェロがグラマー・スター(アニタ・エクバーグ)と一緒に入るシーンは、流れ落ちる水の音と相まって神秘的なまでに美しい。 また、ローマの高級レストランやホテルが並ぶヴェネト通りが魅惑的に描かれる。道路には車が駐車、カフェには美女や文化人がたむろし、深夜までにぎやかな場面が映る。誰でも一度は行ってみたいと思わせるような場所に見えてくるのだ。 事実、映画が公開されると、フェリーニに何人もの外国人から電話がかかり、ヴェネト通りに連れていってほしいと懇願されたという。だがフェリーニ自身もめったに行かない場所だった。実は、ヴェネト通りは一部分を除き映画のセットとして建てられたもので、現実とはまるで異なる通りだった。架空の場所に近いといってもよい。 ところが、「映画の『甘い生活』に応じて本物のヴェネト通りが一変してしまい、私が映画のなかで与えたヴェネト通りに迫ろうと猛烈な努力をしたのである」(フェリーニ著『私は映画だ』)。つまり映画のイメージが現実のヴェネト通りに影響を与え、映画のような光景になってしまったわけだ。 つくば市の中心市街地活性化とは何を意味するのだろうか。ある場所に多くの人が集まり、楽しく過ごすことであろうか。これまで中心市街地活性化のイメージは、映画のヴェネト通りのような街を目指していたのではなかったか。昭和生まれで映画探偵の私には、強くこの思いが染み付いている。 市長・市議選の「争点」にならず 10月のつくば市長選挙では、新聞各社が「中心市街地活性化が争点」と報じた。しかし、五十嵐市長は簡単な公約を載せただけだし、他の2人には中心市街地への言及がなかった。市議候補者は、41名中4人がちょっと触れただけだった。つまり、「争点」にはならなかったわけだ。 何も批判しているのではない。新型コロナウィルスによって「三密」が否定されたことにより、「中心部と周辺部の活性化」の考え方に変容を迫られているように思えるからだ。これから、中心市街地活性化を目指して「まちづくり会社」が創られるようだが、その前に活性化の意味をもう一度考え直す必要があるのではないだろうか。 10年以上も続く「つくばセンター地区活性化協議会」のメンバー、2年半前に「つくば中心市街地まちづくりヴィジョン」を作成したアドバイザーの意見を聞いてみたいと思っているのは、私1人だけであろうか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

【アングルつくば市長選】2 なぜ貸しオフィス、議会で論戦 センタービル改修

【鈴木宏子】「エリアマネジメント団体のビジネスプランはどうなっているのか。どういう経営収支で成り立つか分からないと、議会としても判断ができない」。6月に市がホームぺージ(HP)で示した「つくばセンタービルリニューアルの方向性案」をめぐり、9月議会一般質問で、山中真弓市議が経営収支計画を示すよう迫った。 エリアマネジメント団体とは、来年3月に市が主導して設立する予定のまちづくり団体だ。つくばセンタービル1階を改修して新たにつくる「多様な働き方を支援する場」を運営するほか、中心市街地のまちづくりを担うとされる。市は同団体に6000万円を出資する。加えて市所有のアイアイモールと地下駐車場の床の区分所有権の一部を渡し、現物出資することも検討している。 センタービルの改修案は、センタービル1階アイアイモールの一部に多様な働き方を支援する場をつくり、ノバホール西隣のつくばイノベーションプラザなどに吾妻交流センター、市民活動センター、国際交流、消費生活などの機能を集めた市民活動拠点をつくるとされる(6月26日付)。 併せてセンター広場に屋根を掛け、エスカレーターを設置することも検討されている。概算工事費は約13億6000万円。1983年に建設されて以来初の大規模改修工事になる。(6月28日付)。 一般質問では、改修計画自体が市民に周知されていないこと、さらに屋根を掛けることに対し「(つくばセンタービルは建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した建築家の代表作の一つであるなどから)磯崎新氏の思いを壊してしまうことにならないか」(山中氏)との疑問も出された。 一般質問を受け、市がようやく明らかにしたのは、▽エリアマネジメント団体の初期の必要事業費として4~6億円を想定している▽出資額割合や具体的収支は秋ごろには整理する▽次年度以降、市は運営費を負担する予定はない▽同団体の主な事業として、オープンカフェ、不足しているイベントの開催、シェアオフィスやコワーキングスペースの運営、情報発信をする▽市民活動拠点を含め、配置図案を11月ごろ市ホームぺージで公表し、12月ぐらいにオープンハウス等で市民の意見を聞くーなど。肝心の経営収支計画は明らかにされなかった。 市民説明会の予定なし センタービル1階をなぜ貸しオフィス(シェアオフィスやコワーキングスペース)にするのかについては、山中市議と五十嵐立青市長の間で論戦が交わされた。 五十嵐市長は「つくば駅前にはオフィスが不足している。つくばで生まれた企業が、成長段階でオフィスがないことで他の自治体で移ってしまうことが起きている。市がまちづくり会社のような適切な家賃で場所を提供することが求められている。雇用を生み出すことで市民がわざわざ他県に行かないで、働く場所を生み出す」と強調。エリアマネジメント団体をつくる理由については「なぜ中心市街地が発展してこなかったのか。覚悟をもって本気でまちづくりに取り組むプレーヤーがいなかった。この段階で動き出さなければ、いよいよつくば駅前は人がいなくなる場所になる。今まさにターニングポイント。つくばに雇用を生み出すことを強い危機感をもって取り組んでいる」とした。 これに対し山中氏は「2017年の市民アンケートでオフィスを希望していた人はほとんどいなかった。センタービルはつくば市の一等地にあり市民の財産。オフィスになると一部の市民しか使えない。つくば駅周辺には民間のオフィスがたくさん用意されている。補助金制度を充実させて、民間オフィスを借りた場合、家賃補てんをするなど市が援助することも可能」とし、図書館機能を分散させたり、子供たちが雨の日も遊べる場所をつくるなどを提案。「つくば駅周辺と研究学園駅周辺のすみわけが必要。つくば駅周辺は文化芸術機能が集まっており、センタービルは文化芸術の拠点になる」などと主張、議場での議論は平行線に終わった。 センタービル改修をめぐり論戦が交わされたのは、今のところ山中氏の9月の一般質問、一度きりだ。市民が共に意見を交わし、共にまちをつくる機会となる市民説明会が開催される予定は、現時点で無い。

2期目へ五十嵐市長が立候補表明 11月のつくば市長選

【鈴木宏子】11月に任期満了を迎えるのに伴って行われるつくば市長選について、現職の五十嵐立青氏(41)は27日開かれた市議会3月定例会で「2期目も引き続きつくば市長として市政運営を担っていくべく強い決意をもっている」と答弁し、再選に向け立候補を表明した。与党最大会派の小久保貴史氏(自民つくばクラブ・新しい風)の代表質問に答えた。 同市では今年、市長選・市議選の同日選挙が行われる。市長選の立候補表明は五十嵐氏が初めて。前回は五十嵐氏のほか、元市議の飯岡宏之氏、元衆院議員の大泉博子氏の新人3人が立候補し、激しい選挙戦が繰り広げられた。 五十嵐氏は「市長に就任する前、周辺地域からは中心部ばかり発展している、行政は何もしてくれないという声が多く、地域の活気が薄れていると感じていた」と前市政を改めて批判し、「周辺市街地振興に向けた取り組みを開始し、市民と行政が一緒に地域の将来に向けて動き始めたことで、地域の新たな未来がつくられ始めている」と実績を強調した。 さらに「処遇改善による保育士確保、公設民営児童クラブの公営化、特別支援教育支援員の大幅増員や、公共交通体系の大幅な改善など市民生活に直結する課題の解決に向けて様々な取り組みを進めてきた」と述べ「科学技術の活用などつくば市ならではの手法により世界が抱える課題への取り組みを進めてきた。官民協働によるRPAを活用した業務の自動化、ブロックチェーン技術とマイナンバーカードを活用したインターネット投票、大規模戸建て住宅街でのドローン配送など全国初となる試みを実施し積極的に進めるスタートアップ政策は、つくばでの多くの新規創業につながっており、全国的にも注目を集めている」などと話した。 一方で「中心市街地の活性化や未利用公有地の活用などまだ道半ばの課題も山積している」と、商業施設クレオやつくばセンタービルなど中心市街地の空き店舗問題や、旧総合運動公園用地問題など未解決の課題も指摘した上で「就任以来の取り組みは着実に身を結び始めており、つくば市は『世界のあしたがみえるまち』に向け歩み始めている。この動きを止めることなく加速させ、持続可能なまちづくりを進めていく」などと強調した。

【つくば市長会見】義務教育学校は新設せずを明記

【鈴木宏子】つくば市、五十嵐立青市長の定例会見が6日、同市役所で開かれた。1日からパブリックコメント(意見募集)が実施されている市学校適正配置計画改訂案や市中心市街地まちづくり戦略案などについて報告があった。 みどりの地区に中学校も新設 今後20年間の小中学校の配置や通学区の在り方などについて定める学校適正配置計画改訂案は、施設一体型小中一貫校(義務教育学校)5校の開設や統廃合計画が示された2009年策定(14年改訂)の計画を大きく見直す。 見直しの大きな柱は義務教育学校だ。現在ある4校はTX沿線などの人口増加や学校の統廃合などに伴って大規模校化していると課題を指摘し、今後新たに開設する学校は義務教育学校ではなく小学校と中学校にする必要があるなどと明記した。 つくばエクスプレス(TX)沿線の児童・生徒数の急増による教室不足への対応については、すでに研究学園駅周辺に研究学園小中学校(仮称)、万博記念公園駅周辺に香取台地区小学校(同)、みどりの駅周辺にみどりの南小学校(同)の3校の新設が進められているが、加えて23年度までにみどりの南部に中学校を新設することが示された。市学務課によると、みどりの地区には新たな学校用地はもう用意されておらず、設置場所はこれから検討するという。さらに、みどりの義務教育学校の児童・生徒数急増に対し、谷田部南小と谷田部中の学区の見直しを検討する必要があるとした。 ほかに、TX沿線の中根・金田台地区に小中学校、上河原崎・中西地区に小学校の新設を検討する。 一方、今後、児童・生徒数がさらに減少し小規模校となる茎崎地区の小中学校については、現計画と同じ「統合の検討が必要」とする表現にとどめた。 中心市街地 9つのプロジェクト掲げる 中心市街地まちづくり戦略は、つくば駅周辺のまちづくりの基本方針について定め、今後5年間に市が先頭に立って優先的に進める事業として、9つのプロジェクトを掲げる。 センタービルのリニューアル▽つくばセンター広場のリニューアル▽イノベーション拠点の創出▽地域と連携したパブリックスペースの活用▽中央公園のリニューアル▽エリアマネジメント団体設立による官民連携のまちづくりの推進▽産業振興センターを拠点としたスタートアップ推進▽つくばの玄関口のおもてなし機能向上▽スマートシティの推進-の9つだ。 センタービルは、現在ある吾妻交流センターや市民活動センターなど公共施設の配置見直しと機能向上を図り、新たに行政窓口の導入を検討する。ほかに、シェアオフィス、コワーキングスペース、研究機関の窓口機能やスタートアップ支援などを含むイノベーション拠点の整備を検討するとしている。センター広場は、雨天時の対応や電源整備の充実、広場への動線の改良をする。 イノベーション拠点は、駅周辺の大街区の公務員宿舎跡地にイノベーション拠点が形成できるよう、さまざまな誘導施設を検討し、土地所有者の関東財務局と処分手法を協議するなどとしている。 これまでバーベキューやカヌー体験、水遊び場など試験的取り組みを行ってきた中央公園の維持管理は、レストランやカフェなどの出店を促し、民間事業者が収益を上げることができるパークPFI(公募設置管理制度)も含めた官民連携の新たな仕組みの導入を検討する。 新たに設立を検討するエリアマネジメント団体は、MOG(モグ)、Q't(キュート)、旧クレオ、Biviつくばなどの商業施設や、公共施設、ホテルなどの事業者と市が連携し、デザインの統一、まちのルールづくり、情報発信、オープンカフェやイベントを一体的につくることでまちの価値を高めたり、魅力あるテナントの発掘・誘致などに取り組むという。 さらに、駅から数百メートルのペデストリアンデッキを中心とした沿道空間(コアエリア)は、駅前にふさわしい都市機能が集積するよう住宅制限などを検討するとしている。 パブリックコメントはいずれも28日まで実施する。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({});

【つくば市20年度予算】過去最大規模を更新 学校建設ラッシュ続く

【鈴木宏子】つくば市は4日、2020年度当初予算案を市議会全員協議会に説明した。一般会計は約885億2500万円で前年度当初比0.6%増となり、過去最大規模だった前年度をさらに上回る。つくばエクスプレス(TX)沿線の児童・生徒数増加に対応するため、学校建設や校舎増築ラッシュが続く。 新設が予定されているのは、TX研究学園駅周辺の研究学園小中学校(仮称)、万博記念公園駅周辺の香取台地区小学校(同)、みどりの駅周辺のみどりの南小学校(同)の3校。研究学園小中と香取台小はいずれも23年4月開校に向け、それぞれ約1億2800万円と約9600万円で設計を行う。みどりの南小は24年4月開校に向け用地を約10億7800万円で購入し、さらに約2億1800万円で基本・実施設計をする。 ほかに小中学校3校で校舎を増築する。葛城小は21年4月からの利用開始を目指し約8億円で校舎を増築する。手代木南小と栗原小は22年4月の利用開始に向け校舎増築の設計を実施する(2校の設計費合計約5500万円)。 保育所もさらに増やす。民間保育所施設の整備補助を約14億1000万円を計上し、保育所7園、認定こども園1園、病児保育施設1園を20年度中に整備する予定だ。 旧総合運動公園 借入金返済に備え積み立て 課題となっている旧総合運動公園用地については、いったん市は売却を表明したが、市議会に特別委員会が設置され売却見直しの意見が多数となっていることから、2023年度末の土地購入費の借入金返済期限に備えて財政調整基金に6億円を積み立てる。21~23年度までは基金残高98億円を目標に3年間で毎年15億円ずつ積み立てる計画。今後、議会から示される方向性を見据えながら再検討していくという。 つくば駅前の商業施設クレオの再生に市が関与しない方針を決めた後の中心市街地のにぎわいづくりについては、市が約6000万円を出資し、官民連携の中心市街地エリアマネジメント団体を設立し活性化を図る。さらにつくばセンタービルの再整備に向け、約990万円で必要な機能や配置について検討する基本計画を策定する。 ほかに、圏央道つくば中央IC(インターチェンジ)- 常総IC間のスマートICの整備に向け、用地購入2億2600万円とNEXCO東日本への同IC建設負担金約7500万円を計上する。21年度中の利用開始が予定されている。 ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ケ浦りんりんロード」については、新たにつくば駅からりんりんロードまで7.5キロの推奨ルートを設定し、案内表示の路面サインをつくる(約720万円)。 つくばウェルネスパーク内のサッカー場、セキショウ・チャレンジスタジアムは経年劣化により芝の破れやほつれが発生していることから、約1億7600万円で人工芝を張り替える予定だ。 不登校児童生徒の支援では、市南部に約1200万円で新たな支援拠点を設置する。市と民間の共同事業とする計画で、共同事業は県内初という。4月以降、民間事業者を公募し10月ごろ開設する予定だ。 一方歳入は、人口増などにより、個人市民税を前年度比5.1%増、固定資産税を3.2%増と見込む。法人市民税は昨年10月の税制改正の影響で13.2%減となり、市税全体は2.4%増を見込む。 特別会計などを含めた総額は1488億800億円となり、一般会計と同様、過去最大規模を更新する。 同予算案は14日開会の市議会3月議会に提案される。五十嵐立青市長は「市未来構想が目指す4つのまちの姿の実現に向けた予算で、まいてきた種が形になる」などと話している。

【つくば市長会見】外国人が創業しやすく 市が起業・生活をサポート

【鈴木宏子】つくば市、五十嵐立青市長の定例会見が9日開かれた。茨城県が8日、外国人企業活動促進事業(スタートアップビザ制度)の経済産業省認定を受けたことから、市内で創業を目指す外国人起業家に、同市が起業や生活のサポートを実施することを改めて報告した。外国人が創業しやすくなる。 国の未来投資戦略2018に基づき、外国人起業家のさらなる受け入れ拡大に向け、起業準備のため最長1年間のビザを取得できる制度で、18年度からスタートした。これまで認定を受けたのは茨城県を含め全国の5県3市。 今回、県が認定を受けたことから、県内で新たに事業を始めたい外国人が、県に起業準備活動計画を申請し、県や出入国在留管理局から認められれば、経営・管理ビザが取得できる。認定前はビザ取得の条件として、国内で事業所を確保し、資本金500万円以上を用意し、常勤従業員2人以上を雇用し、事業経営経験が3年以上あるーなどが設けられていたが、認定後は、ビザ取得後1年以内に条件を満たすと認められれば最長1年のビザを取得できる。 ビザ取得後の起業や生活支援は県が実施するが、つくば市は県内市町村で唯一、県と並んで外国人起業家の起業や生活のサポートを実施する。外国人からの申請は17日から県が受け付ける。 教員の働き方改革実行計画を策定 会見ではほかに、12月策定した教員の働き方改革実行計画、いずれも8日からパブリックコメントを実施している第3次市環境基本計画案、市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)案、市一般廃棄物基本計画案について報告があった。 教員の働き方改革については、すでにICカードによる教員の出退勤管理、運動部活動指導員の導入などを開始している。今後は、全学校での校務支援システムの導入などを進める。 今年は選挙の年 今年は秋に市長選、市議選が実施され、つくば市は選挙の年となることについて質問が出て、五十嵐市長はこれまで3年間の実績について「市民に寄り添う政治を実現し、市役所の対応が良くなった、今までできなかったことを職員が工夫してやってくれていると、市民が変化の実感を持ち始めている」などと述べた。特に周辺市街地活性化の取り組みについて評価した。 課題として残っている中心市街地活性化については「(12月議会で出された議会提言に基づいて)戦略を出していきたい」とし、売却方針を示している旧総合運動公園用地をどうするかについては「議会で議論しているので、市として情報提供しながら今後の方向性を出していきたい」と述べるにとどめた。  

つくば市中心地区に屋外アート現わる 国内外16人が滞在し制作

【相澤冬樹】国内外の芸術家がつくばに滞在し、作品を制作・展示する「つくば国際アーティスト・イン・レジデンス2019―第7回国際つくば現代美術『周縁の美学展』」が4日、幕を開けた。つくば市とNPO法人つくばアートセンター(篠原光子代表)主催で、17日まで。同市吾妻の中央公園をはじめとするセンター地区の屋外空間を会場に展開される。 7回目を迎えた今年は、米国、フランス、インドなど10カ国から16人のアーティストが参加。現代アートの空間造形の手法である「インスタレーション」による公開制作が10月26日から行われてきた。つくばセンタービル広場には舟のように木の枝が組み合わされた展示が並ぶなどした。最終的に、展示会場はさくら民家園、中央図書館中庭、つくばカピオ別棟、つくば美術館屋外展示場などに広がった。 4日はオープニングイベントが行われ、市民ギャラリーで開催の開会式にはアーティスト全員が集まって、それぞれ展示に臨む意欲を語った。つくばの中心市街地は「古びたところもあって、インスピレーションを刺激する」という作家もいた。 開会式直後、いきなり中央公園からつくば駅方面へ街歩きのパフォーマンスが始まる展開で、遊びに来ていた家族連れは「何事か起こったのか」ときょとんとした表情。日没を待って、市民ギャラリーをキャンバスに投影するプロジェクションマッピングも行われた。 同展は一部ワークショップを除き無料。会期中、9日、10日、16日には小学生と保護者を対象にしたアートガイド(市民ギャラリー集合で約1時間、要予約)が、最終日17日には午後4時30分からさくら民家園集合でナイトアートツアーが、それぞれ行われる。問い合わせは、つくばアートセンター(hearth.art981@gmail.com) ➡つくばアートセンターの過去記事はこちら

【総合運動公園用地問題】つくば市の売却方針に異議相次ぐ イーアス規模の商業用地に懸念 住民説明会で

【鈴木宏子】住民投票で白紙となったつくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂)を一括売却し、商業施設や物流倉庫などとして利活用する民間企業の事業提案=8月19日付=に対する住民説明会が6、7日の2日間、地元の大穂交流センター(同市筑穂)と市役所で計3回開かれた。参加者からは民間企業に同用地を一括売却するという市の方針に異議を唱える意見が相次いだ。事業提案にある商業用地がイーアスつくば(同市研究学園)と同規模であることから、交通渋滞対策や既存商業施設への影響について懸念の声も出された。 6日午後2時から大穂交流センターで開かれた第1回目の説明会には22人が参加した。地元区長らの姿も目立った。「上郷高校跡地に計画がある陸上競技場を(総合運動公園用地に)つくるべき」「企業のためでなく市民のために土地を生かしてほしい」など全部を一括売却する市の方針に反対し、一部でも公的に利用してほしいと要望する意見が相次いだ。一方「事業提案(の土地取得価格)は高値。できるだけ早く、高く売って市民負担を少なくしてほしい」と、売却に賛成する意見も出された。 同日午後7時からの第2回説明会には15人が参加した。イーアスつくばと同規模の大規模商業施設計画に対し、つくば駅周辺の市中心市街地に都市機能を集積するという市立地適正化計画との整合性を問う声や、イーアスつくば並みと予想される買い物客の交通渋滞対策、既存商業施設へのマイナスの影響を懸念する声が出た。 7日午前10時から市役所で開かれた第3回説明会には11人が参加した。前日に引き続いて市の一括売却方針に疑問を投げかける意見が相次いだ。参加者が少なく、説明会開催自体を知らない市民も多かったとして、市民の声を聞く姿勢を問う意見も出た。 3回の説明会に市側から中根祐一都市計画部長、岡田克己公有地利活用推進課長らが出席し、岡田課長が参加者の質問に答えた。説明会の主なやりとりは以下の通り。 ※   ※   ※ 「市民のためがなく企業のため」「提案は高値、早く売却を」 ―6日午後2時から開かれた第1回説明会の主なやりとり。 参加者 総合運動公園の土地は市体育協会や関係者などが大変な尽力をして取得した。購入の経緯をご存知か? 陸上競技場を上郷高校跡地につくるということだが、つくば市にとって恥ずかしい。これだけ広い土地があるのだから見直してもらって(旧総合運動公園用地に)陸上競技場をつくってもらった方がいい。 課長 庁内で跡地の公的利用をとりまとめたところ(市内部で利用したい意向が)無かったこともあり、こういったこと(売却)を検討している。上郷高校跡地は決まったことではなく今後検討していきますということ。 参加者 総合運動公園は白紙撤回となったが、市民の憩いの場をつくっていただきたい。 課長 ご意見をいただいたことを庁内で共有したい。 参加者 事業提案の募集要件に、市民のためにどう土地を生かすかということが入っていない。企業が収益を上げるための募集だ。総合運動公園計画は白紙になったが、事業提案の募集に市民のために生かすということが加えられるべき。 課長 市も財政的に余裕のある状況ではない。(今回の事業提案募集は)市の負担ができる限りない形で土地利用するというベースがあった。ご理解いただきたい。 参加者 提案事業者の名前を出せない理由は何か。 課長 (提案事業者の)土地取得が決定したわけではない。今の段階では今後の進捗(しんちょく)に影響を及ぼす可能性もある。 参加者 66億円で買った土地を(五十嵐立青現市長が2016年の市長)選挙で「URに買い戻させる」と言ったのはただのパフォーマンスだったと思う。(今回の事業提案の)40億円は随分高値で買ってくれると思う。(事業提案の)商業施設の面積(13.5ヘクタール)はイーアスつくば(14.5ヘクタール)と同規模。市は4月の募集開始時点で大型ショッピングセンターはお断りなどという条件を付けすぐに見直したが、できるだけ高く、できるだけ早く売って、市民負担を少なくするよう努力していただきたい。そのためにも(土地利用の)制限を付けること自体おかしい。 課長 用途は準工業地域への変更を考えている。土地利用が決まらないと進まないので計画をつくっていきたい。 参加者 総合運動公園計画に代わる将来像は今つくば市にあるのか。つくば市はもうすぐ25万都市になる。日立市にも水戸市にもアリーナがある。つくば市に今ある体育館は雨漏りしている。子供たちの育成や若者たちの練習の場を今後も与えなくていいのか。 課長 担当部署に意見を伝えたい。 参加者 取得金額と金利は今いくらになっているのか。今はひじょうに低金利の時代だが利息軽減に向けどんな努力をしてきたのか。 課長 取得額は約66億1000万円、利息は年3500万円くらいで累計は約1.7億円。合計67.8億円。公的、民間の利活用が決まらない中、利息を払わなくてはいけないので、この状態は好ましくないと、今年春から事業提案を募集し、本日、結果を説明している。 参加者 今回の提案に「公園、スポーツジムや運動場、市民の憩いの場」というのが入っているが、具体的にどのようなものか。 課長 事業者にヒヤリングし、どういった内容か質問したが、正確な答えをいただけておらず把握できてない。 参加者 以前、市の試算では基盤整備に46億円くらいかかるということだったが、今回の提案事業者は30億円くらいと見込んでいるという報道があった。市の負担はないということでいいのか。 課長 市の負担がないよう進めたい。この金額(30億円)で造成することを確認している。 参加者 40億円からという事業提案だが、売却価格の設定は再度し直すのか。 課長 市として不動産鑑定をとらないといけない。やり方は内部で検討している。価格は不動産鑑定と市場動向を踏まえて設定する。 参加者 これだけ(広い)の土地はなかなかない。一部でも市が使う予定はないのか。 課長 全部購入するのが事業提案の条件となっている。今の段階で公的利用は考えてない。 参加者 全部売却する決定はだれが決めたのか。 課長 売却する方向で進めている。最終的には議会の理解を得て売却という流れになると思う。 参加者 (取得費と利子を含め)67.8億円ということは(40億円で売却すると)28億円が損金になる。市民の税金で買ったものだ。処分する場合できるだけ高く、67.8億円に近い金額で売却していただきたい。 課長 40億円はあくまでも事業提案の額。市の方は不動産鑑定をして市場の動向を踏まえ売却価格を決めていく。 参加者 市長は総合運動公園に反対して当選した。自らトップセールスで動いてほしい。 参加者 事業提案をベースに土地利用計画をつくるとのことだが、市として(事業提案に対し)どの程度柔軟性があるのか。 課長 上水道、下水道、雨水、調整池などインフラ関係に注意して土地利用計画を考えたい。 参加者 10年、20年先のまちづくりに禍根を残さないようにしてほしい。(同用地は)市北部の拠点になる。大曽根地区は地元の人が土地を手放しながら商業をつくった。イーアスつくばと同程度の商業施設をつくると既存の商業がどうなるか、慎重に考えてほしい。 課長 市の各種計画との整合性は必要。そういうことを踏まえて土地利用計画をつくる。 参加者 担当課がいないので答えられないというのではなく、市長が出てきて明確な答弁を出すべき。市民に(28億円の)マイナスを強いるのではなく、(用地の)半分は市が使っていきしょうということを考えてもいい。しっかり考えて結論を出すべき。 課長 大事な意見として承って、市の中で話をしていきます。 「つくば市は不動産屋ではない」「倉庫で地域が活性化するのか」 ―6日午後7時から開かれた第2回説明会の主なやりとり。 参加者 取得費、利子など重要な情報が(説明資料に)示されてない。URの返還交渉が失敗して前提条件が違っている。こんなやり方で来年の市長選、市議選は大丈夫なのか。 課長 取得費は66.1億円、利子分は累計1.7億円で合計67.8億円。不動産鑑定しさらに市場動向を踏まえて売却価格を決める。URの返還交渉は2回交渉したが結局返還に至らなかった。その後の経緯の中で、庁内のニーズ調査、民間へのサンプリング調査をしたが、土地利用が決まらない中、今年春に市に負担のない土地活用として、全体を一括購入していただき、合わせて整備していただく事業提案を受けた。最終的には公募して売却したい。 参加者 (同用地の)土地利用は都市計画マスタープランや立地適正化計画にそもそもどう位置付けられているのか。郊外型の大型商業開発が現状の市街地に与えるインパクトをどう考えるのか。イーアスつくばと同程度の大型商業施設計画を進める市のスタンスをうかがいたい。 課長 都市計画マスタープランや立地適正化計画を策定し、中心市街地と身近な日常生活圏が連結したまちづくりを考えている。当該地は北部地域の拠点であり、研究、産業、商業が複合的に機能する場所と位置付けている。周辺への影響は、特に商業施設の立地がにぎわい創出、雇用創出、利便性につながる。一方で既存商業施設の環境の変化も考えられ、その辺は市としても考えないといけない。今日はあくまでも提案者の計画を示したが、具体的な店舗計画は示されていないので今後ヒヤリングしながら検討していきたい。 参加者 検討するプロセスが違う。土地利用ありきではなく、本来、市の方針があって、このようなものがほしいからと持ってくるべき。そうではなく民間提案ありきでそれに沿って進めるのはまちづくりとしてどうなのか。つくば市は不動産屋ではない。 課長 皆さまの意見をうかがって市としての土地利用計画を検討していく。 参加者 もともと前市長が購入したが、購入した以上、人任せにしないで、市長選を抜きに、市が主体になってどういう地域をつくるかという土地活用ビジョンをもってほしい。先ほど「市は不動産屋じゃない」という意見が出たが、ここをこうしたいのでこういう人集まれ、という夢のある持って行き方をしてほしい。 課長 ご意見として承ります。 参加者 上郷高校跡地に陸上競技場をつくる計画がある。適地を比較分析していたが、学校跡地だけしか比較候補になっておらず、なぜ(総合運動公園用地が)比較対象になってないか不思議でしょうがない。前市長の計画に反対した人たちが勢いに乗っているから戻れる状況でなくなっているのか。市のスポーツ推進計画はスポーツを振興しましょうといっている。「前市長に反対したから戻れません」というのではなく、地域が活性化する元気の出る施設を大穂につくろうとなってほしい。 課長 陸上競技場の調査の中に(旧総合運動公園用地が)入ってないのは、基本的に市が所有している未利用地を対象にしたため。(同用地は)土地開発公社がもっていて、サウンディング調査(民間意向調査)をやっているため比較対象に入れなかったと聞いている。 参加者 市の費用負担が発生しない計画だというが、68億のものを40億で売ったら市は28億円負担することになる。さらにイーアスつくばと同規模のものができたら、この周辺も影響を受ける。(事業提案があった会社は)倉庫会社だと思うが、倉庫をつくって地域が活性化するのか。(誘致するとある)商業施設はだれがつくるのか、撤退したらどうなるのか、倉庫になるのか。北側の道路整備は幅員20メートルという計画だがだれが整備するのか。イーアスつくば程度の車が集まるとすれば、現状でも渋滞があるのに、交通処理はどうするのか。 課長 道路は市の負担がない形で事業者にやっていただく。渋滞は今も国道408号が渋滞しているのを認識している。今後、土地利用を検討する中で考えていき、道路整備をさらに推進していかなくてはいけない。 参加者 ここが開発されるとやらなくてはいけないことを整理すると、全体でいくらになるのか。(68億円と40億円の)差し引きだけの話ではない。(事業提案では)大手ショッピングモール、スーパー、ホームセンターを誘致するとあるが、例えば筑穂のホームセンターが撤退することになったら空き地はどうなるのか、マイナスのコストも含めて考えるべきだ。 「反対票には計画見直しも入っていた」「買い戻させる公約果たせない責任は」 ―7日午前10時から市役所で開かれた第3回住民説明会の主なやりとり。 参加者 (11~12月に事業者を公募するなどのスケジュールが示されたが)こんな早く進めてしまって大丈夫か。全部売らなくても一部陸上競技場にして、幹線道路沿いを高く売ればいい。(16年の市長選で)五十嵐市長は選挙を有利にしようと思ったのだと思うが、対立軸を鮮明にして何でも悪者にするので、(前市長が購入した用地を)積極的に活用しようとしないで処分するという考えになってしまう。市長は「会える市長」と言っていながら、なぜ(今日の)大事な会に来ないのか。(五十嵐市長の政治手法は)やるか、まったくやらないかの両極端だ。住民投票の反対票の中には計画見直しも入っていた。 課長 今後の進め方はご意見を踏まえてスケジュールを考えているところでもある。一部を公的利用にという案をいただいたが、これまでの経緯は、住民投票での白紙撤回後、公的ニーズ、民間サウンディング調査をしたが利活用に至らず、今現在はこうした進め方で進めている。皆さんのご意見を承り庁内で共有したい。 参加者 市の活性化になるよう、老朽化している県の保健所と笠間にある動物指導センターをもってきたらと思う。 課長 ご意見として承ります。 参加者 市長派とか反市長派ではない(ことを前提に発言しているが)、現市長は白紙撤回を掲げた。反対意見がある人は代替案をもっていると思うが、民間に丸投げなのか。URに買い戻させると公約したがこれもできなかった。政治的な責任はないのか。66億円で購入した土地を26億円の差損を覚悟で40億円で売却してしまうのは反対だ。利息は年間3400万円と聞く。10年で3億4000万円。40億円で売却するのはあまりにも拙速な考えだ。多額の差損を覚悟して売却する別の理由があるのかと不信感を招きかねない。差損の26億円は今つくば市に住んでいる人のために使われるべき。つくばは上下水道が来てないところがある、道路はでこぼこ、道路排水は十分でない、保育所も少ない。市民生活を優先させないと「世界のあしたがみえるまち」は実現できない。(もし事業計画が採択されたとすれば)周辺道路に配慮することを求める。物流倉庫が全体面積の48%を占め大型トレーラーがどんどん来て大変なことになる。差損を覚悟して進めなくてもよい。 課長 総合運動公園の白紙撤回後、公的利用やサウンディング調査の中で、利活用がなかなか図れなかった。市の負担を考えて事業提案をいただいた。URの買い戻しは2017年5月と6月に交渉したがURの最終的な回答として市の要望にお応えできないという結論になってしまった。40億円で売却が決まったわけではない。今後売却する場合、不動産鑑定をし市場動向をみて設定する。道路の混雑は周辺の国道408号と北側の県道の混雑を認識している。今後土地利用計画をつくるがそういったことを踏まえて考えなくてはいけない。北側の道路は延伸計画があり、推進して道路ネットワークを構築しなくてはいけないと考えている。 参加者 3回の説明会で皆さんから心配している意見が出た。こんなに早く売却しなくてもいい、20何億も損金出してまでも処分しなくていい、住民投票の反対票には総合運動公園計画の見直しも含むという意見もあった。20何億円の損金は財政調整基金にまともにくる。来年度の市の財政に大変な負担がかかる。財政部門との話し合いはしているのか。 課長 売却金額そのものが決まっておらず財政部との具体的な調整は行っていない。 参加者 今の経済状況の中で、不動産鑑定が40億円より低かった場合は考えているのか。 課長 今の状況ではお答えできない。 参加者 たった一つの事業提案だけで都市計画を変更するのか。いくつかの案が出てから、じっくり考えて変更するのが筋ではないか。 課長 土地利用計画が固まってからでないと(都市計画変更の)手続きに入れない。今の段階で手続きに入るわけではない。 参加者 3回の説明会があり、きのう午後は20人くらい、夜は10人くらい、今日は10人くらい。それだけで市民の意見を吸収できたと言えるのか。9月の広報つくばに説明会のことが3行くらい(実際は6行)書いてあった。市民が何人見たのか。地域で聞いたら、皆さん、説明会のこと知らなかった。2~3週間前に知らせてくださいという意見もあった。つくば市には(合併前の)旧町村がつくった施設はあるが、敬老会を開くにも市民が一堂に集まれる場所が必要。大事な市有財産を市民のために使う構想が必要。こんな土地がほかにあるわけではない。業者の提案で販売することには賛同しかねる。 課長 説明会の案内は市報の後ろの小さい記事になってしまった。回覧では終了するまでに時間がかかってしまう。できる限り届く広報誌が有効。財政的なことはあるが人が集まる場所という意見は担当部署と共有したい。 ➡つくば市総合運動公園に関する過去記事はこちら

ふた柵に足はさまり4歳女児軽傷 つくば市松代公園

子供たちが水遊びできる池として今年初めて開放された、つくば市松代3丁目、松代公園の「くまさん池」で、4歳の女児の右足が、噴水の噴き出し口のふた柵にはさまり抜けなくなる事故が発生した。 市公園・施設課によると、25日午後2時45分ごろ、市外から親子で遊びに来ていた4歳の女児が池で遊んでいたところ、噴水噴き出し口の、格子状になったふた柵のすき間に右足がくるぶしまではさまり、抜けなくなった。すき間は7~8センチあった。 救急隊員が駆け付け、機械でふた柵を広げ、女児を救出し病院に搬送した。女子は足の一部に裂傷ができたが軽傷という。 くまさん池には市の監視員が1人いて、事故当時も監視していた。事故を受けて市は、26日に噴水部分をカラーコーンで囲み近づけないようにし、さらに噴き出し口をベニヤ板でふさぐ応急措置を実施した。29日以降には子供の足がはさまらないようふた柵の間隔を狭くする修繕を実施し、ふたを再設置するという。 くまさん池は、公園など公共空間を活用して中心市街地の魅力を高める事業の一環で、今夏から水遊びできる池として開放されている。昨年初めて実施した同市吾妻、中央公園の徒歩池の開放が好評だったことから、松代公園でも水遊びができるようにした。暑い日は30~50人の利用があったという。市は事故後も開放は続けるとしている。 ➡今夏の水遊び場開放の記事はこちら

水遊び場2施設で開放 つくば市 チビっ子ら大はしゃぎ

【橋立多美】梅雨寒から解放されて蒸し暑くなった18日、つくば駅に近い中央公園(つくば市吾妻)の一角に設けられた水遊び場に子どもたちの元気な声が響いた。 つくばエキスポセンター前の水遊び場は広さ約680平方メートルで深さ約10センチ。周囲がコンクリートのため、けが防止策として人工芝が敷かれて噴水を備えている。 水と戯れる5歳と2歳の兄弟を見守っていた学園の森在住の母親(32)は、「水はきれいだし、こうした場所があってうれしい。梅雨が明けたら毎日のように通ってくるかも。今夜は疲れて良く寝てくれると思う」と笑顔だった。 中心市街地の魅力向上や、にぎわい創出を進める市の「プレイスメーキング事業」の一環として昨年、整備して市民に開放した。約2200人が利用して好評だったことから、今夏は松代公園のくまさん池も開放されている。 ショッピングセンターのララガーデンに近い松代公園は、1000本近い自然のアカマツ林を生かした住宅地の中の静かな公園。園内には水とふれ合うくまさん池を始め、遊具や芝生広場がある。くまが小型の噴水を抱える池は、広さ約400平方メートルで深さ20センチほど。 市は、わずか数10センチの水深でも子どもが溺れる危険性があるとして、保護者に子どもから目を離さないよう呼びかけている。 水遊び場開放日時 ▽中央公園は9月16日までの午前9時30分から午後4時まで。休みは7月25日、8月8日、23日~26日、9月9日。 ▽松代公園は8月31日までの午前10時から午後4時まで。休みは7月23日、8月6日、20日、27日。 いずれの水遊び場も天候等によって中止になる場合がある。

倍率10倍超!? 想定上回り応募47件 つくば市周辺市街地活性化コンペ

【鈴木宏子】周辺市街地を元気にしようと「総額400万円 1件最高200万円」と銘打って、つくば市が5月1日から6月14日まで公募した「つくばR8地域活性化プランコンペティション」の応募者が、市の想定を大幅に上回り計47件あったことがわかった。当初、採択は2~4件と見込んでおり、10倍を超える倍率になる。ただし実際に何件採択するかは現時点で未定という。 市周辺市街地振興室は「周辺市街地を振興しようという取り組みはこれまで市としてやったことがなかった。初めてだったので何件応募がくるか分からなかったが、かなりの数に驚いている」と話す。応募した団体のメンバーの一人は「金額も大きいし、(使途の制限が少ないなど)使いやすい支援金だったからではないか」と分析する。 市内外の45の団体や企業、個人から応募があったという。市は現時点で応募団体や事業内容を公表してないが、1次審査を経て、7月27日に公開コンペによる2次審査を予定していることから、1次審査を通過した応募者の事業案を公開したいとしている。NEWSつくばが6月2日付けで紹介した谷田部地区の「わわわやたべや町民会議」(長塚俊宏会長)などは応募の一つだ。同会議は、江戸時代にからくりや和時計を発明した飯塚伊賀七をシンボルに、演劇公演や寄り合い所を開所するなど、すでに活動をスタートさせている。 8カ所に50万円補助事業も 同コンペは、国の地方創生推進交付金を活用して、人口減少や高齢化などの課題を抱える市周辺地区の旧市街地を活性化しようという試み。合併前の旧町村の中心市街地などだった北条、小田、大曾根、吉沼、上郷、栄、谷田部、高見原の8カ所を振興する事業が対象で、採択者には今年8月から半年間で、地域住民と協働で事業を行ってもらう。地域との連携が図れるか、新しいアイデアで独創的か、実現可能性や継続性などが審査されるという。 コンペに向けて市は昨年1月から、8地区でそれぞれ勉強会を開いたり、地域会議を開催するなどしてきた。今回のコンペのほかに市は今年度、周辺市街地活性化事業として、8カ所の地域住民らで構成する各市街地の活性化協議会にそれぞれ上限50万円、計400万円を補助する「周辺市街地活性化チャレンジ補助金事業」、旧小田小学校に約2000万円で地域拠点を整備する事業などに取り組む。 商店街を活性化する取り組みとしては、市内で先輩格なのが北条地区の「北条街づくり振興会」だ。県の「がんばる商店街支援事業」や、2007年の市制施行20周年コンペ事業などを活用し、10年以上前から年4回、青空市「北条市」を開いたり、「北条米アイスクリーム」など特産品を開発してきた。2012年5月の竜巻被害の復興でも底力を発揮した。同振興会の坂入英幸会長(69)は「今回の市のコンペには応募しなかったが、県の事業や市制20周年のコンペで採択されたことが、これまで12年間の活動のはずみになった」と振り返る。

クレオ再生、つくば市は関与せず 五十嵐市長が意向

【鈴木宏子】日本エスコン(東京都千代田区、伊藤貴俊社長)が取得したつくば駅前の商業施設クレオの再生について、五十嵐立青市長は25日開かれた市議会特別委員会で、今後の市の関与を問われ「民間が取得して商業施設としてやろうとするのであれば民間主導で再生してほしい」などと述べ、市の公共施設などをクレオに入居させる考えがないことを明らかにした。 五十嵐市長は昨年9月、市が20億円出資するまちづくり会社を設立してクレオを取得し、科学体験などができる商業施設に再生する計画を打ち出したが、市議会の理解が得られず10月末に断念した。市の計画を説明した10月半ばの市民説明会で五十嵐市長は「マンションが建つ建物に投資をすることはできない」などと表明しており、今回、自らの考えを改めて説明したことになる。 一方、日本エスコンはクレオの旧イオン棟側をマンションにし、旧西武棟側は商業施設として再生すると発表している。 五十嵐市長は25日「(商業施設として再生される)クレオに入ると家賃を恒常的に払い続けなくてはならない。わざわざ家賃を払ってクレオの中に入る選択は必要ない」などと強調した。 これに対し議員からは「民間が買ったから市がタッチしないというのは、あの話(市の再生計画)は何だったのかということになる。中心市街地の再生は重要。市が一切関わらないということではなく家賃の問題があるのであれば日本エスコンときちんと交渉していくべき」などの指摘が出た。 五十嵐市長は「市が所有する施設を検討する順番で考えている。センタービルは一つの有力な候補地」と述べ、クレオではなく、隣接のつくばセンタービルに市公共施設を入居させる意向を示した。 新たなまちづくり会社検討 センター地区活性化協再編も 一方、中心市街地全体のまちづくりについて五十嵐市長は、地区の魅力を向上させたり、にぎわいを創出するエリアマネジメントを行う主体として、新たなまちづくり会社の設置を検討していることを表明した。現在、同中心市街地のエリアマネジメントを行う団体として「つくばセンター地区活性化協議会」が存在するが、同協議会の再編も含めて検討する構えだ。 五十嵐市長は、中心市街地に必要な取り組みの在り方や、今後、同地区のエリアマネジメントをする組織や事業収支を検討する業務を公募していることを明らかにした。約660万円で6月には調査をスタートさせるという。 新たなまちづくり会社について五十嵐市長は「中心市街地の価値をどう向上させるか、自立して継続させるため、プレイスメイキング(公的空間の活用)による収入確保を見据えている」などと説明した。

《映画探偵団》14 どんどん広がる中心市街地エリア

【コラム・冠木新市】私は間違っていたのかと思った。偶然、つくば都市交通センター発行の『TUTC Library 46』(2017年3月)を手にし、「つくば中心市街地」の地図を目にした時だ。私は、東西南北の大通りに囲まれた長方形のエリアをつくばセンター地区(中心市街地)と認識していたが、この地図には松見公園が加えてあった。さらに、中心市街地は「つくば都心地区」と「つくばセンター地区」に分けられていた。出典はつくば市ホームページなので、正式なものだろう。 長年、センター地区で市民活動に従事する人やNEWSつくばの記者に尋ねたところ、「つくば都心地区」の名称を誰一人知らなかった。私は、松見公園がセンター地区から外れているのが前から気になっていたので納得したが、しかし待てよと思い、今年7月に発行された『つくば中心市街地まちづくりヴィジョン』を取り出し、裏面の「つくば中心市街地エリア」の地図を見た。そこには、北側の筑波大学附属病院、南側の物質・材料研究機構が組み込まれていた。つまり、中心市街地エリアはどんどん広がり変化してきているのだ。 この変化は、周辺市街地に暮らす人々にはどう映るのだろうか。多分、自分の住む所が中心地であり、我関せずと冷めて見ているのに違いない。いや、ほとんどこの事実を知る人はいないのではなかろうか。 雷蔵の『眠狂四郎』 勝新の『座頭市』 中心と周辺のことを考えると思い出すことがある。日本映画界が斜陽産業と呼ばれた1960年代に人気のあった、大映スター市川雷蔵と勝新太郎だ。雷蔵は『忍びの者』『陸軍中野学校』『若親分』、勝新は『悪名』『兵隊やくざ』『ど根性物語』と、多くのシリーズ物で主演を務めた。(※今ではカツライス劇場と言われるが、当時はそんな表現は聞かれなかった) 中でも、雷蔵の茶髪浪人『眠狂四郎』と勝新の盲目やくざ『座頭市』シリーズは、大映美術のセット、衣装、小道具と撮影部の陰影のある照明に支えられ、現在では再現不可能な芸術的な映像に仕上がっていた。 この2大シリーズには、制作会社によりある工夫が施されていた。武家社会の理不尽さを暴く眠狂四郎は、主に江戸を中心に活躍する。悪徳やくざを懲らしめる座頭市は、江戸周辺を旅する。(※座頭市は笠間出身で筑波の北条育ちの設定) このことで、2つのシリーズの背景に絶妙な変化が生まれた。 だが、その工夫を知ったのは何十年も過ぎてからである。気付くはずがない。2人の個性を象徴するような、眠狂四郎の円月殺法と座頭市の逆手居合い切りの殺陣が、あまりにも魅惑的なため、異なる舞台背景まで思い至らなかったからだ。 そう、私は間違っていたのだ。中心市街地、周辺市街地などと語っていては、肝心なことを忘れがちとなる。魅惑的なキャラクターや物語が生まれてくれば、中心と周辺の違いなど気にならなくなる。 だから、この連載も、つくばセンター地区、いや、中心市街地にこだわるのは止めにしようと思う。団員たちもきっと理解してくれるだろう。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

つくば市のクレオ再生案白紙 五十嵐市長、計画断念を表明

【鈴木宏子】つくば駅前のクレオ再生問題で、五十嵐立青つくば市長は2日、市の再生案を断念し白紙撤回することを表明した。理由について「時間的制約がある中、議会の理解を得られなかった」ためとした。 2日、市議会全員協議会と記者会見を開き、断念することを表明した。今後は、クレオを購入する民間事業者と必要な調整を行うが、民間事業者はイオン棟にマンションを建設する計画があることから「市の施設を入居させることはない」と話した。 一方クレオ以外について、つくば駅に隣接する街区に今後、新たなマンション建設を制限するための法規制について検討するほか、飲食店がなどが撤退したつくばセンタービルのリニューアルを検討していくとした。 全員協議会で議員からは「(中心市街地の街づくりについて)問題が解決したわけではないので議論は無駄ではなかった」など五十嵐市長を擁護する意見と、「これだけ大騒ぎした。議会に提案しないまま突然辞めると方向転換したのだから市民にていねいに周知徹底すべき」など批判的意見が出た。 閉会後、議員の一人は記者団の質問に対し「しっくりこない結末だと思う」と認め、「つくば市以外の出資者が明確に確定していたわけではなく、市だけの一方的な情報で賛成か反対かの判断はしずらかった。(市とは別に購入を希望している)民間事業者の考え方も聞きたかった。(所有者の筑波都市整備の)購入期限があり、時間がなさ過ぎた。理解せずに議決することはできなかった」などと議会の状況を説明した。 続く記者会見では、市政に混乱を招いた責任を問う質問も出たが、五十嵐市長は「市民の皆さんに期待を寄せていただいた再生案を実現することができず、市民、関係者に申し訳なく思っている」と話す一方「(今回の再生案は)無駄ではなく、市がまちづくりに責任をもつということが一歩進んだ。意義ある時間だった」と強調した。議会の理解が得られなかったことについては「計画に反対というより、短い時間で判断できないというのが一番多かった」と釈明した。 一方、市の撤回を受けて筑波都市整備(つくば市竹園)は「(今後は)民間事業者に売却する方向で交渉を進めたい」とし、12月ごろまでには売却する予定で、クレオだけでなく隣接の商業施設キュートやモグも一体で売却することもあり得るとした。民間事業者がどのような再生案を提案しているかについては「まだ交渉中なので、契約が成立した段階で公表したい」とするにとどめた。

クレオ再生—関与すべきか、市場に任せるか つくば市がHPで2択アンケート

【鈴木宏子】一定の財政負担をしてもつくば市が関与すべきか、市場動向に任せ市は関与すべきでないか—西武筑波店とイオンつくば駅前店が撤退後、入居店がなく閉鎖されているつくば駅前の商業施設クレオの再生について、つくば市は7月29日から市ホームページ(HP)で、市が関与すべきか否かについて2択のアンケート調査を実施している。 「クレオの再生に向けた今後のあり方等に関するアンケート」で、質問項目は①クレオ跡地にどのような施設を望むか②市が関与すべきか否かなど。自由意見も書き込める。期間は8月15日まで。アンケートは市HPのみで受け付け、市民でなくてもだれでも回答できる。 これまで市は、つくば駅周辺の中心市街地に関し様々なアンケート調査を実施してきたが、クレオ再生に限定した意見募集はなかったことから、改めて市が関与すべきか否かを聞くという。 クレオについては現在、所有者の筑波都市整備(同市竹園)が、民間に売却することも含めて検討している。 一方つくば市は、5、6階に図書館、窓口センター、市民活動総合センター、子育て支援施設など公共施設を入居させることを検討し調査を実施。6月に、5、6階の設計・整備費用は約22億1400万円になることを明らかにした。現在さらに、クレオ5、6階を賃貸する場合と購入する場合のそれぞれについて、費用や運営方法などの調査を実施している最中。 市学園地区市街地振興室は「現在、あらゆる可能性を検討している。市が建物を全部購入する、一部購入する、全部借りる、一部借りる、市は関与しない—という選択肢があるが、どこかに重きを置いているわけではない。アンケート結果は判断材料の一つになる」などとしている。 アンケートは市HP(http://www.city.tsukuba.lg.jp/jigyosha/oshirase/1005078.html)またはhttps://s-kantan.jp/city-tsukuba-ibaraki-u/offer/offerDetail_initDisplay.action?tempSeq=8013&accessFrom=へ。問い合わせは電話029・883・1111(市学園地区市街地振興室)。

《映画探偵団》7 つくば市議に重なるローラン氏

【コラム・冠木新市】5月1日発行の「つくば市議会だより」(第152号)には、「施政方針をただす」として、3月定例会での6派の代表質問が載っている。5会派の質問トップ項目が「まちづくりについて」であり、市議会議員が中心市街地に強い関心を持っている様子がうかがえる。 ほぼ毎日、中心市街地を歩く私にとって、少しずつ変化するセンター地区は映画の光景である。5月1日にオークラフロンティアホテル本館2階に開店した日本料理「つくば山水亭」のプレオープンに参加した。すぐ近くの小野崎に「つくば山水亭本館」があるのに、何故センタービルに出店するのか興味があったからだ。 開店セレモニーの後、挨拶に立ったサンスイグループの東郷治久代表の話で、その理由を知ることができた。昨年12月、オークラホテルの馬場清康社長が訪ねて来られ、出店要請があったそうだ。ホテルに宿泊する外国人を意識するとともに、スタッフの人材が育ってきたこともあり、出店を決めたという。 本館は予約が必要だが、オークラ店は予約無しで入店できる。テーブル39席、お座敷3室。内装は和風モダンで統一され、壁に飾られた大きな扇が印象的。日本酒「徳正宗」を飲み、「筑波御膳」に舌鼓を打っていたら、ふいにローラン・カサール氏の記憶がよみがえった。 ローラン氏とは、映画『シェルブールの雨傘』(1963)に登場する脇役の人物である。港町の傘屋の娘と自動車整備工の悲恋を描くこの作品は、全編のセリフが歌になっていて、原色を強調した衣装とセットが華やかである。 監督はジャック・ドミュ、音楽はミシェル・ルグラン。画面はきらびやかだが、お話は切実だ。男は2年間の徴兵でアルジェリアに旅立つ。女は母親が経営する傘屋の税金で破産の危機。そんな母娘の苦境を偶然知り、救いの手を差し伸べるのが宝石商のローラン氏。男の子を妊娠しているのを承知でプロポーズ、結婚式を挙げる。 公開時、私は、経済力のあるヒゲのローラン氏と娘を演じたカトリーヌ・ドヌーブが好きになれず、同じ世界観で作られた別の物語『ロシュフォールの恋人たち』(1966)も、前作の印象が残り素直に楽しめなかった。 ところが、『シェルブールの雨傘』上映後30数年が過ぎ、『ローラ』(1960)なるモノクロ作品が公開され仰天した。主人公はローラン氏で、一人息子を育てるダンサーのローラに失恋するお話。なんと、人物再登場法の港町3部作だったのである。『ローラ』を見てから『シェルブールの雨傘』を見ると、1作目で失恋したローラン氏が幸福になったお話に変化してしまうのだ。印象がまるで違う。 何故このキャラクターを思い出したのか。傘屋の母娘を救うローラン氏につくば市議の姿が重なったからだと思う。市議には、施政を問いただすだけでなく、会派で考えた中心市街地のビジョンとアイデアを語って欲しい。と、団員に話したら「私たちにもアイデアを示せと言われそうですね」とつぶやいた。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

子育て、福祉―「きめ細かい市民ニーズに応えた」 つくば市新年度予算案

【鈴木宏子】つくば市の五十嵐立青市長は7日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初と比べ2.3%減の856億1700万円となる。過去最大だった前年度に次いで2番目の規模。五十嵐市長は「子育て、教育、出産、中心市街地(の問題)など、やらなければいけながったがこれまで手が付けられなかったきめ細かい市民ニーズに応えた」とし「子供の貧困対策に力を入れた」と強調している。 特別会計などを合わせた総額は1391億6700万円で同比1.6%減。つくばエクスプレス(TX)沿線の二つの義務教育学校の建設が終了したことからマイナスとなる。 歳入は、人口増加などから市税が同比2.7%増えると見込む。借金に当たる市債は二つの義務教育学校の建設終了により同比22・5%減少する。ただし市債と、将来発生する支払い見込額である債務負担行為を合わせた残高は前年度より増えて708億円になる見込み。旧茎崎町との合併算定替えの特例期間が終了し18年度から不交付団体となるという。 新年度の主な事業は、子どもの貧困対策として、ひとり親家庭の児童などに支給する福祉金を児童1人当たり年3万円増額し1億2700万円を計上する。子どもの学習支援として、新たにNPOや社会福祉協議会などが取り組む無料学習塾4カ所に計850万円を補助する。 子育て支援は新規事業として、産婦人科を新たに開設したり、病床を増やしたり、医療機器を購入する産婦人科施設に費用の半額を助成する(5000万円)。出産後、体調不良や育児不安がある母親が、赤ちゃんと一緒に診療所や助産院に宿泊しながら育児相談を受けたり心身のケアを受ける産後ケア(525万円)にも新たに取り組む。 教育は、統廃合により4月に開校する秀峰義務教育学校のスクールバス運行に1億8400万円を計上。小学校に続き市立中学校11校の普通教室すべてにエアコンを設置する(4億1800万円)。 つくば駅前の商業施設クレオから西武筑波店に続いてイオンつくば駅前店が撤退するなど空洞化が課題の中心市街地対策は、クレオ跡地の利活用を調査する委託費などに648万円を計上。中央公園(吾妻)の池の水をきれいにして子どもたちが水遊びできるようにするなど、たまり場や遊び場をつくる実証実験をする中心市街地プレイスメイキング事業に1000万円を計上する。 ほかに、高齢者や障害者の外出を自家用車で移送支援しているNPOなどの福祉有償運送事業に計160万円を補助する▽市役所(研究学園)敷地内に、市民が交流スペースとしても利用可能な分庁舎を建設するため、9億4600万円(15年間)の債務負担行為を設定する▽産業振興センター(吾妻)を1億2300万円で再整備し1階に共有オフィスとなるコワーキングスペースなどをつくる▽中央図書館は、土日曜の開館時間を2時間延長し、無料駐車時間を1時間延長する(計915万円)。 民間保育所の保育士の給与に月額3万円を上乗せする保育士処遇改善助成金は、17年度に引き続き実施し2億2100万円を計上する。事業を凍結した竹園3丁目地区の地域拠点再構築事業は18年度も凍結のままという。

コロナ禍経て次は自販機で逸品を発信 つくばの飲食店主ら

駅前で冷凍食品販売 つくば駅前のつくばセンター広場(つくば市吾妻)2階ペデストリアンデッキに、県内の飲食店や食品加工会社自慢の加工食品を冷凍で販売する自動販売機が設置されている。コロナ禍、フェイスブック上で県内の飲食店のテイクアウト情報などの発信を続けた「旨がっぺTSUKUBA」(2020年4月10日付)が、同市中心市街地のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻、内山博文社長)と立ち上げたプロジェクトだ。 つくば市竹園のうなぎ専門店「とよ長」を経営する豊嶋英之さん(46歳)が発起人となり、県内の飲食店有志数店舗と「旨がっぺTSUKUBA実行委員会」(川根せりな代表)をつくり運営する。今年の8月初めから販売を開始し、徐々に認知度も高まって販売数も増加しているという。 現在、自動販売機では、豊嶋さんのうなぎ店の豚なんこつの角煮、つくば市東新井のスペイン料理店「Spanish Bar Bonito(スパニッシュ・バル・ボニート)」のラムチョップグリルなどのほか、もつ煮、焼きサバずし、チャーシュー丼、ラーメンなど5店舗の6商品が販売されている。食品は電子レンジや湯せんで温めるなど簡単な調理ですぐに食べることができる。販売食品の種類は半年に1回程度、入れ替える予定だ。 プロジェクトの目的について豊嶋さんは「売り上げを上げるということよりも、茨城県のおいしい食材、食品を気軽に手に取っていただき、店舗に還元することで、地域を盛り上げていくことを目指している」と話す。コロナ禍のダメージ続く コロナ禍、飲食店は休業を余儀なくされるなど利用が制限されることも多かった。豊嶋さんらのフェイスブック「旨がっぺTSUKUBA」は、飲食店が個々に情報を発信するのではなく、一定のまとまりの中で地域に情報を届ける役割を果たした。 今回、新たに自動販売機での販売に着手した経緯について「やはりコロナで飲食店はダメージを受けている。そのような中、人の往来が多いつくばの中心部で、県内の飲食店などの商品を販売することは、お客様に喜んでいただけるだけでなく飲食店を元気づけ、勇気づける効果がある」と豊嶋さん。 つくばまちなかデザインと共同でプロジェクトを実施することについては「まちなかデザインとは理念が合致している部分も多い。センター広場では日々、人の集まるイベントが行われており、そうした場でプロジェクトを行うことは意義がある」と話す。 実行委員長を務めるつくば市在住の川根せりなさん(26)は「コロナ禍をきっかけに始まったプロジェクト。新しい商品の企画などで飲食店と協力させてもらっている。よりよいプロジェクトをつくっていきたい」と話す。 「自動販売機への出品店舗は広く募集している」と豊嶋さん。自動販売機を通した販売にあたって、各飲食店は、基本的な利用料を支払う。商品が売れ、利益が上がった場合は、出店店舗側の利益となる。自動販売機の運営には、自動販売機本体のレンタル費用、商品の入れ替えや釣銭の管理にかかる運用費用、電気代などがかかっており、これらについては出店店舗が支払う基本的な利用料の中から支払いを行っている。(山口和紀) ◆問い合わせ窓口はつくばまちなかデザイン(電話029-869-7229)へ。

電気工事会社と飲食店・ハム工房を経営する 塚崎さん【キーパーソン】

つくば市と土浦市を中心に事業を展開する塚崎雅之さんは面白い人だ。電気設備・空調設備工事会社、雅(みやび)電設(本社土浦市中)を経営しながら、土浦市内に飲食店2つと飲食街ビル1つを所有し、つくば市内ではハム・ソーセージ製造工房を買い取った。飲食店舗の新しい展開があるのか? 電設工事と飲食店舗がどうつながっているのか? いろいろと聞き出した。 つくば学園の森 薫製手造り工房 塚崎さんは5年前、つくば市沼崎にあったハム製造事業をM&Aで継承し、「つくば手造りハム」を立ち上げた。ここが軌道に乗ったことから、その拠点を同市西大橋に移し、今夏、「つくば学園の森 薫製手造り工房」をオープンする。1200坪(4000平方メートル)の森林を切り開き、製造体験もできるハム工房を建て、庭に飲食コーナーも設ける。 商品冊子のタイトルは「薔薇乃ベーコンBARANO BACON」。茨城産のローズポーク(県ブランド豚肉)を使った、ベーコン、ハム、ソーセージのほか、薫製のチーズやチキンも作る。 土浦市内の展開も意欲的だ。4年前、土浦駅から徒歩3分の飲み屋街に、18の小店舗が出店できる飲食街ビル「つちうら横町」(桜町)を建てた。現在、おでん、ホルモン焼、カラオケ、スナックなど16の店が入っている。この中の一つ、パスタと牛タンの店「伊酒や・佐京」は塚崎さんが自ら経営。そのほか、駅近くの裏町通りにあった店を買い取り、うなぎ蒲焼き店「浦」(桜町)も開いた。 飲食ビルの設計思想と計算違い 飲食系の店を次々手掛けたのは、大中小の建物の電気工事に携わる過程で、出店場所や店舗設計の成功例と失敗例を数多く知り、「兄と一緒にやってみよう」と思うようになったからという。本業の電気工事をしながら、飲食商売の知見を蓄えていたわけだ。 面白いのは、その知恵を自分の店舗展開だけでなく、「まちづくり」に生かそうと考えていることだ。2階建て「つちうら横町」の1区画は5坪(17平方メートル)から7坪(23平方メートル)と小さい。「飲食店の内装工事には普通1000万円ぐらいかかるが、サイズを小さくすれば300万円ぐらいに抑えられる。若い人にもチャレンジしてもらいたくて、小さめの区画にした」。電気工事屋さんらしいアイデアだ。 この飲食街ビル建設には計算違いもあった。土浦市の中心市街地活性化基本計画の1プロジェクトとして立案。「国から補助が受けられると思っていたら、落選してしまった。多少の誤算はありながらも、その後、皆さんの支援のおかげで、『つちうら横町』を無事オープンすることができた」そうだ。 【つかざき・まさゆき】1987年、常総学院高校卒。電気専門学校卒後、つくば市内の電気工事会社入社。2001年に独立、有限会社雅電気を設立。05年、雅電設に改め株式会社に。年商12億円、従業員39人(本社26,東京5,ベトナム8)。青年会議所(JC)活動を経て、現在、新治商工会副会長、土浦商工会議所会員。1970年、新治村(現土浦市)生まれ。つくば市在住。 【インタビュー後記】独立後はワンボックスカーに資材と工具を積んで走り回った。今では商業施設の電気工事を引き受ける中堅会社に。飲食分野に手を広げ、土浦のまちづくりにも貢献。つくば市に保有する中層の「イエロービル」もそうだが、土浦・つくば地区では何かと気になる人だ。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

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