木曜日, 3月 30, 2023
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「解のない時代、社会の求める人材に」 筑波学院大学で入学式

筑波学院大学(つくば市吾妻)で2日、2022年度の入学式が行われた。留学生3人を含む61人が入学し、新たな一歩を踏み出した。新入生代表でILA(国際リベラルアーツ)コースの才川峻大(さいかわしゅんだい)さんが入学誓約書を提出した。 望月義人学長は、ロシアのウクライナ侵攻や、国内の経済成長の停滞などについて触れ、「激動の時代、解決の難しい時代に私たちはどのように対処すればよいのか、その答えを見つけ出すのは容易なことではない」と述べた。また4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことについて「皆さんには権利と共に責任が求められる。選挙権も与えられ政治参加の機会も持っているが、この権利を生かすも殺すも皆さんの意識次第。その権利を生かすためには、何よりも判断力の元となる幅広い教養を身に付けること」だと呼び掛けた。 同大には昨年度から、英語ですべての授業を行うILA(国際リベラルアーツ)コースが設けられた。新入生は、様々な専門分野を学ぶ総合コースかILAコースのいずれかのコースで学び、2年次から人文科学、社会科学、経営学、情報デザインの4つの分野を専門科目として選択する。4つの分野は専攻の壁を越えて履修することができる。 望月学長はこのようなカリキュラムの特徴についても説明し「これらの授業を満遍なく履修することで、英語で仕事ができる公務員、経営に強いデザイナー、プログラムが書けITに強いビジネスマンなど社会の求める人材になれると確信している」と話した。さらに「何かの答えを見つける際にインターネットで検索すればすぐ答えが見つかる気がするかもしれない。しかし、解のない時代、本当に大事な場面で生きるのは、自分で考え抜き、試行錯誤をした経験だと思う。専門性を追求するのも大事だが、それ以上にベースとなる教養をまず身に付けてほしい。本を読んで、人と議論し、新聞などのメディアに接して、さまざまな世界があることを知る。入学を機会に、考え、試行するという過程を大切にしていただきたい」と式辞を述べた。 橋本綱夫理事長は、小さな達成と新しい刺激を積み重ねて、来たるべきチャンスに備えてほしいと話し、「いろんなことに興味を持って、疑問を持って、そこから学びを深めていってほしい。いろんな専門分野の先生がいらっしゃるので、皆さんの好奇心、探究心にどんどん応えていってくれると思う。ぜひ教職員の先生方を活用し、学びを深めていってほしい」とあいさつした。 緊張した面持ちで式典に臨む新入生たち

困難を乗り越える指針「ロールモデル」 筑波学院大卒業式の学長告示

筑波学院大学(つくば市吾妻、橋本綱夫理事長)の2021年度卒業式が11日、行われ、経営情報学部ビジネスデザイン学科の学生108人が卒業した。望月義人学長は「(困難にぶつかった時に)ロールモデル、つまり生き方の模範となり生き方や考え方に共感し尊敬できる人物、そういった人の価値観や人生観を自分の生き方の指針にするという方法が解決策になる。自らを磨くために常に努力を続け、進化を遂げていく人の姿はいつも輝いている」と告示した。 卒業式は感染拡大防止のため、スーツや袴姿の列席者は1席ずつ離れて着席し、換気のため式典の最中は窓や扉が開けたまま、約40分間執り行われた。学位記の授与は卒業式の終了後、各教室で行われた。 望月学長は「この約2年間はオンライン授業であったり、対面授業であっても感染を気にしながら受講したり、サークル活動を制限されたり、と思い描いていたキャンパスライフを満喫できなかったと思う。大学生活としてはマスクとパソコンと我慢だらけの思い出などという人も多いかもしれない」とコロナ禍を振り返り、「厳しい状況の中、課題提出物の増加などを乗り越え、単位を取得して立派に卒業し学士の称号を得られたみなさんの努力を評価したいと思う」と苦難の大学生活を乗り切った卒業生たちを労った。 望月学長の話に耳を傾ける卒業生たち=同 橋本綱夫理事長は「一人ひとりの努力が結実して卒業となった。これまでたくさんの人の恵みを受けて今がある。たくさんの人に恵みを送り、たくさん返ってくる、それが幸せということだと思う。大変なこともあるかもしれないが、人生は楽しくすばらしいもの。幸せに満ちた人生が待っていることを祈っています」と挨拶した。 卒業生代表として答辞を述べた大久保璃奈さんは「学院大で学び、小学生のころから夢だった父と同じ会社に内定をいただくことができた。大学で出会った友人の存在は何物にも代えがたく、学生生活を豊かにしてくれた。この先も多くの新しい出会いがあると思うが、全てを大切にしていける人間になれるよう精進して参ります」と述べ、恩師や友人、家族への感謝の気持ちを述べた。

筑波学院大生、筑波ハムのヨーグルトラベルをデザイン

食肉加工会社、筑波ハム(つくば市下平塚)が、自社が販売するヨーグルトのラベルデザインを一新する。新デザインを担ったのは、筑波学院大4年の下村月乃さん(22)だ。専攻するビジネスデザイン学科での卒業制作作品が、採用された。 曲線と色で「つくば」らしさを表現 筑波山を表す二つの起伏と、ヨーグルトをイメージする滑らかな波—。下村さんは、つくばの研究者との共同研究で生まれたヨーグルトを、3本の曲線と豊かなグラデーションカラーで表現した。自然と都市が同居する「つくば」らしさを打ちだし、商品の手に取りやすさと、ささやかな特別感を併せ持つイメージを形にした。 大学のサポートを受け地域企業と協働する「実践活動」の授業をきっかけに、筑波ハムと関わりのあった母親とのつながりから企画が始まった。当初は企業パンフレット制作を想定したが、ヨーグルトラベルの一新を検討していた筑波ハムから、ラベルデザインを持ちかけられた。 ハムやベーコン、ソーセージなどを手がける筑波ハムでは、元農林水産省畜産試験場第一研究室の吉野正純博士との共同開発で生まれた乳酸菌を使用する乳製品を、吉野博士にちなむ「ナチュラル吉野」というブランド名で製造・販売している。 下村さんは、ラベル制作の過程で製造、営業など、企業内の多様な立場の人と意見を交わし、細部調整を繰り返した。その過程を「とても大変だった」と話しつつ、「立場による見方の違いを知り勉強になった」と振り返る。実際に店頭に並ぶ商品を見ると「本当に並んじゃった。よかった」と安堵し、「完成にこぎ着けられ自信になった」と喜んだ。

自国の文化、価値観など語る 筑波学院大オンライン学園祭で海外出身教員

筑波学院大学(つくば市吾妻、望月義人学長)の学園祭、第30回KVA祭が23日、「No Rain, No Rainbow」(ノーレイン、ノーレインボー=雨が降らなければ虹は出ない)をテーマにオンラインで催された。学院大の池口セシリア教授らによる国際交流委員会主催のクロスカルチャーフォーラムでは「グローバル世界に必要な新常識の発見」をテーマに、海外出身の大学教員がそれぞれの国の文化や価値観について英語と日本語で話した。 ベルギー出身で筑波大学教員のヴァンバーレン・ルートさん、カナダ出身で茨城キリスト教大学教員の沼館ジェニーさん、ネパール出身で筑波学院大教員のパンダ・ボーラさんの3人がそれぞれ話した。 ヴァンバーレンさんはベルギーについて、公用語がフランス語、オランダ語、ドイツ語と3つあり、それぞれの地方の方言もあって、ポスターや道路標識も複数の公用語と方言で表記されているなどと紹介。その上で、常識とは何かについて話し「日本人はかぜをひくとマスクをするが、ベルギーではかぜをひいてもマスクをしない。しかし新型コロナでベルギーの人もマスクを着けるようになったり、日本ではコロナ禍でハンコを押す押印文化が変わりつつあるなど、常識は変わる」などと話した。 沼館さんはカナダについて「平等主義で、多文化、多様性をすごく大事にしている国。同性婚を2005年から認めている。多文化主義を法律で定め、守っている」などと紹介し、カナダ人について「カジュアルだが、日本と似ていて礼儀正しい」と話した。「毎年30万人近くの移民があり、いろいろな人、いろいろな文化があるので互いに尊重、尊敬しないとうまくいかない」「消費税は13%と高いが、学校や医療は無料」などと紹介した。 視聴した学生からは「ベルギー、カナダ、ネパールに将来行きたい。お薦めの場所を教えて」「ベルギーはサッカーが強い印象があるがサッカー以外で人気のスポーツは何か」などの質問が出た。

タペストリーで涼しさを 優秀作品をつくば駅前に展示 筑波学院大

筑波学院大学(つくば市吾妻)メディアデザインコースの学生がデザインした、大型タペストリーコンペティション優秀賞の表彰式が3日、つくば駅前の商業施設トナリエモグ1階の交流広場、プラザ・パフォーマンス・ギャラリーで開催された。3年の片岡心苑(しんえん)さん作「夏の出会い」と、猫塚美友紀さん作「クラゲの海」が優秀賞に選ばれ、3日から交流広場で展示されている。 今年で7回目になるコンペは、交流広場を同大の学生がデザインし、市民に憩いの場を提供する目的で2015年に始まった。クリエイティブな自己表現を高めるデザイン教育の一環として、つくば交通センターと商業施設が連携して毎年開催している。 片岡心苑さんの「夏の出会い」=筑波学院大提供 コンペには3年生18人が18作品を出品した。審査方法は、6月19日から1週間、トナリエクレオ2階(現・ケーズデンキ)に展示し訪れた買い物客らが投票した。全投票数150票のうち、最高得点である40票を片岡さんと猫塚さん2人が獲得した。 2人共、タブレット端末を使ってデザイン系ソフト、イラストレーターで作品を描き、布にプリントした。タペストリー1枚の大きさは、横1.6メートル、縦2.8メートル。5~6枚並べて吊り下げることで、1つの作品になる。 片岡さんの「夏の出会い」は、色とりどりのアサガオの花と、葉に座った小人がじょうろの水を浴びて驚いている様子が描かれている。アサガオは図鑑や写真を見て描いたという。「受賞できて素直にうれしい。奥行きを出すのに苦労し、構図も締め切り間際まで迷ったが、自分の思ったように作ることができた」と話す。

「話せる英語どう学ぶか」大西泰斗教授が講演 筑波学院大ILAコース開設記念

筑波学院大学(つくば市吾妻)に今年度、英語力を高度な水準に高めるILA(国際教養)コースが開設されたのを記念した特別講演が24日、同大学で催された。筑波大出身でNHKラジオ英会話講師として知られる大西泰斗東洋学園大教授が「話せる英語をどう学ぶのか」と題して記念講演し熱弁を振るった。 今年4月、同大に新設された21世紀型教育研究所(所長・望月義人学長)が主催した。県内外の高校生や大学生、英語教育関係者など計約300人が対面とオンラインで聴講した。 大西教授は「中学、高校の英語教育は英語を読むためのもの。読む教育に慣れてしまって、話すためのベーシックを学習してない」と現在の英語教育を批判し、「英語が話せないのは私たちのせいではない。学習したらしゃべれるようになる」と強調した。 さらに、前置詞や完了形、語順などを例に、英語の体系やルールを理論的に解説し、「日本語と英語で決定的に違うのは語順。語順の違いを乗り越えなくてはいけない」などと語った。 話せる英語を学ぶ方法として、英文を何度も何度も口に出して読み、頭の中に入れることの重要性を強調し、「気楽な聞き流しでは頭の中に残らない。しっかり何度も何度も意識して暗唱する、苦手な英文にターゲットを絞って頭の中にたたき込むことが必要」などと話した。 参加した高校の英語教員からは「生徒から『将来、英語は使わないのになぜ勉強するのか』と聞かれる。それにどう答えたらいいのか」などの質問が出て、大西教授は「英語は自分の世界に壁をつくらないために勉強する。心の中に(英語がしゃべれないという)傷を持ち続ける必要はない。半年ぐらいの努力があれば何とか話せるようになる」と述べた。

「混迷する世に立ち向かえる力付けて」筑波学院大学で入学式

筑波学院大学(つくば市吾妻)で3日、入学式が催され、2021年度の新入生161人が緊張した面持ちで式典に臨んだ。 望月義人学長は、4月から経営情報学部に国際教養クラスを新設することに触れ、大学で身に着ける教養について「本を読む、ゼミや卒業研究、地域交流や友人たちとの交流などを通じて、ベースとなる教養をまず身に付けてほしい」と話した。 さらに海外の国々では軍隊とデモ隊が衝突するなど国際情勢が揺れ動いていること、日本国内でも新型コロナ感染拡大の終息にめどがついていないことに触れ「混迷する世の中の動きに我々はただ茫然と立ち尽くすわけにいかない。確かな教養力に根差す対応力を発揮するため、自身の全人格を賭けて立ち向かえる力を付けていただきたい」と式辞をのべた。 橋本綱夫理事長は「161人全員が、筑波学院大学で学んでよかった、最高の4年を過ごすことができたと思えるように教職員全員が支援をしていく。最高の4年を送れるように、自分の頭で行動して考え、相互にいい影響を与え合っていただきたい」とあいさつした。 これを受けて、新入生代表で福島県須賀川市出身の鈴木瑞穂さん(清陵情報高校卒)は「東京家政学院の建学の精神、KVA(知識の啓発、徳性の涵養、技術の錬磨)を継承した筑波学院大学で、知識・徳・技術を体得し、豊かな個性と知性を磨き、社会に貢献できる人間として羽ばたけるよう精進したい」と宣誓した。 新入生161人のうち留学生は52人。式典は、新型コロナ感染防止のため新入生と教職員のみで行われ、保護者の出席はなかった。新入生は入り口での検温と手指のアルコール消毒を行ってから入場、1席ずつ開けて着席し、会場は換気のため窓を開けた。(伊藤悦子)

リーフレットで中城通りの歩き方 土浦生まれ・育ちの女子大生が卒業制作

土浦生まれ土浦育ちの女子大生が、卒業制作で中城通り(土浦市中央)のリーフレットを作成した。A4判、両面カラーを3つ折りにして、コンパクトに持ち歩けるようにしている。制作したのは今月12日、筑波学院大学を卒業した秋間綾乃さん(22)だ。 リーフレットを制作した秋間綾乃さん=筑波学院大学(つくば市吾妻) 同市小岩田で生まれ育ち、2019年12月家族とともに土浦駅近くに転居した。新型コロナ感染拡大の影響で緊急事態宣言が出た2020春、中城通りを初めて歩き、江戸情緒あふれる街並みや雰囲気に強く惹かれたという。そのとき「卒業制作は中城通りの魅力を伝えるリーフレットを作りたいと思った」と話す。 掲載したスポットは「まちかど蔵大徳」「まちかど蔵野村」「沼尻墨僊(ぼくせん)寺子屋跡地」「矢口家住宅」「喫茶 蔵」「吾妻屋総本店」の6カ所。中城通りは、旧水戸街道の宿場町、土浦の商業の中心として栄えた。現在は、土浦の歴史散策の観光拠点となっている。 写真もすべて自分で撮影、案内文は同市図書館で関連図書を借りて調べ、作成したという。ピクトグラム(絵文字)やマップ、文字装飾などすべて秋間さんによるデザインだ。

協力団体が支援 コロナ禍の学生に食品無料配布 筑波学院大

コロナ禍でアルバイトが減り生活に困っている学生を支援しようと、筑波学院大学(つくば市吾妻)で16、17日の2日間、学生に食品や日用品を無料で配布する「フードパントリー」が開かれている。 つくば青年会議所OB有志(小椋直樹代表)と市民団体「竹園土曜ひろば」(毛利正英代表)の協力を受けて開設した。両団体は、学生が地域に出て社会活動を実践する同大の教育プログラムの学生受け入れ団体として、長年、同大と関わってきた。 今年1月、同青年会議所の関係者から、教育プログラムを担当する同大教員に「筑波大生を対象とした食料支援はやられているが、学院大生は大丈夫でしょうか」などの問い合わせがあったのがきっかけ。 教員らは、昨年9月から市内で大学生への食糧支援を実施してきた「竹園土曜ひろば」に支援方法のノウハウなどを尋ね、同大地域連携センター(高嶋啓センター長)が取り組むことになった。 無料配布する食品や日用品は、飲料水、野菜、コメ、レトルト食品、カップ麺、トイレットペーパー、生理用品など約100品目。事前に申し込みを受け付けた30人分を含め計50人分を2団体が準備し、提供した。イスラム教徒の留学生もいることから、豚肉などを使用していない加工食品なども特別に用意した。 16日、同大の学内食堂に食品や日用品がずらりと並べられ、訪れた学生は必要な食品や日用品をそれぞれ持ち帰った。

新たなステージへ 贈る言葉は「おいあくま」 筑波学院大学で卒業式

【伊藤悦子】筑波学院大学(つくば市吾妻)の2020年度卒業式が12日、行われた。経営情報学部ビジネスデザイン学科と経営情報学科の留学生を含む123人が卒業した。 新型コロナ感染拡大の影響で、昨年と同様、式は卒業生と教職員のみで行われた。全員がマスクを着用、検温、アルコールで手指の消毒をしたあと入場した。スーツやはかま姿の卒業生らは1席ずつあけて着席した。今年は壇上の演台にもアクリル板が設置された。 告辞で望月義人学長は、新型コロナ感染防止の観点から特別な方式で卒業式が実施されたことに触れ、「わが国でもワクチン接種が始まり、暗く長いトンネルの先に明るい光が見えてきた。感染を抑えながら前向きに、新たな道を開くときを迎えつつある」と述べた。 その上で「はなむけの言葉として、かな文字5文字で呼び掛けたい」と「おいあくま」という言葉を紹介し、「おごるな、いばるな、あせるな、くさるな、まけるなの頭の一文字をとった。壁にぶつかったときや得意になっているときに思い出してほしい。日本や母国の新しい時代を切り開く志を抱き、新たなステージに臨んでほしい」とエールを送った。 卒業生代表として答辞を述べた里館泉帆さんは「新型コロナに負けず2020年を乗り越えたことを自信に変え、自分らしくたくましく生きていく。仲間や教職員と共に過ごした時間は今もこれからもかけがえのないもの。感謝と敬意を胸に、これからも精進したい」と述べた。 式では成績優秀者として、塚原太一さんに大学の創立者である大江スミさんの名前を冠した大江賞が、加瀬晃大さんに学長賞、根本あやさんに理事長賞がそれぞれ贈られた。

グランプリは「KA.TA.MI.」 つくば短編映画祭

【池田充雄】つくばからの文化発信と次世代の才能発掘を目指したムービーフェスティバル「つくばショートムービーコンペティション2021」(つくば市、筑波学院大など主催)の審査結果が2月27日発表された。10分以内の短編映像が対象となるグランプリには「KA.TA.MI.(カタミ)」(監督・脚本・編集/タイム涼介)が選ばれ、賞金10万円と副賞を獲得した。8回目となる今回は計148作品の応募があった。 受賞作の「KA.TA.MI.」は、新人女優が映画のオーディションに挑み、審査員の発する「言葉の銃弾」にさらされるが、大切な人たちからもらった「言葉の形見」に守られ、審査を乗り切るという話。互いに言葉の銃弾を撃ち合うシーンや、形見の品が銃弾を弾き返すシーンなどの、斬新な特殊撮影も見どころの一つだ。 制作者のタイム涼介さんは映像作家であると同時に「日直番長」「セブンティウイザン」などの作品で知られる漫画家でもある。今回の受賞については自身のツイッターで「中村義洋監督のコメントに感涙しました! コロナ禍においての私たちなりの作品作りをご理解いただきこんなにうれしいことはありません! ありがとうございました!」とコメントしている。 「コロナと正面きって向き合う」 審査員長の中村義洋さん(映画監督)は受賞作について「この作品の面白さは時間・空間を行き来するところ。コロナ禍になって窮屈な世の中だからこそ、そういう自由自在なものを、自分自身が見たかったんだなあと思った。このコンペティションでは毎年、やりたいことをやってほしいとずっと言ってきた。コロナはあるが、それとは別に自分のやりたいことがある。それで正解じゃないか。自分のこの1年の仕事を達観できるような感想を持てて、感謝したいくらい」と総評で述べた。

コロナ禍 オンラインで学園祭 筑波学院大

【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)で24日、オンライン学園祭「ガクサイ2020」(前村怜希実行委員長)が開かれた。コロナ禍、動画共有サイト、ユーチューブを使って、実行委員会のメンバーらが教室の特設スタジオから生配信し、新入生たちにサークル活動を紹介したり、双方向でクイズを楽しむなどした。 実行委のメンバー約30人が8月からオンライン会議を通して準備を進めてきた。当初は中止という選択肢もあったが、コロナ禍で自分たちに何かできることはないか、新入生たちに本来楽しめたはずの大学生活やサークル活動を知ってもらいたいと企画し、オンラインでの開催にこぎつけた。 当日は実行委員の半数が大学に来て、特設スタジオから生配信した。 コロナ禍でなければ楽しめたはずのキャンパス生活や、大学周辺のお店などを紹介する動画「大学生の1日」を実行委のメンバーがあらかじめ制作して紹介したり、ジャグリング、軽音楽バンド、テニス、アニメ制作などのサークル6団体の活動の様子を撮影した動画を配信した。 ほかに、日本人学生と留学生が画面上で一堂に会して、日本語と英語でクイズを楽しんだり、ボードゲームの遊び方を紹介したり、学生のボランティア活動を紹介するコーナーもあった。 実行委員長で経済情報学部ビジネスデザイン学科3年の前村さんは「学園祭のKVA祭では例年、各サークルがいろいろなイベントを企画したり出店したりして、先輩たちとつながりができる場となるが、今年はコロナで新入生たちはサークル活動を1日も経験していない」と話し「新入生たちに、こういう先輩たちがいることを知ってもらえれば」と話していた。

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音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会

カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。 飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。 その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。 飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。 店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。

3回目の桜《短いおはなし》13

【ノベル・伊東葎花】 早春の公園。青空に映える満開の桜。 私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。 「見事に咲きましたなあ」 隣に座る老人が話しかけてきた。 老人は、息子を見ながら言った。

数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開

国土地理院 人工衛星データを解析 国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。 公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。 地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。 微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。

仕様書不備で落札決定取り消し つくば市

つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。 市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。 今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。 再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。