金曜日, 3月 29, 2024
ホーム検索

筑波大 サッカー -検索結果

If you're not happy with the results, please do another search.

サッカーで研究者同士の交流を 21日、筑波大でサイエンティスト杯

サッカーを通して研究者同士の交流を促進しようと、筑波大学(つくば市天王台)の学生団体「ワールドフットつくば(World Fut TSUKUBA)」と同大体育スポーツ局が21日、スポーツイベント「つくばサイエンティストカップ(TSUKUBA SCIENTISTS CUP)」を同大のサッカー場、セキショウフィールドで開催する。 参加者は当日、5人制のチームを組み、8チーム程度に分かれて予選試合を行い、勝ち上がったチームで決勝トーナメントを行う。参加者の研究分野がそれぞれ異なるよう、同大体育スポーツ局と同団体によりチーム編成が行われる。 参加対象は研究に携わっている男女で、市内外、文系、理系など大学や研究機関、企業などの所属を問わない。大学生や大学院生、サッカー未経験者でも参加可能だ。サッカーを通して研究者同士や研究者と学生の横のつながりを生み出し、新たなコミュニティを提供する。 同団体はこれまで、国内でチャリティーフットサルイベントを開催、また国外活動の一環として、カンボジアを拠点にサッカー教室を開催し、現地小学校にサッカーグラウンドを建設してきた。昨年11月には、同大サッカー場でサッカーワールドカップ(W杯)のパブリックビューイングを企画し、開催している。 今回学生団体が、つくば市に集まっている研究者に着目し、「サッカーを通して世界中の人々に笑顔を」という同団体の理念と重ね、昨年11月に企画が始動した。 その後、大学組織の同大体育スポーツ局に企画提案を行い、今回のイベントが具体化した。体育スポーツ局が主催、同団体が協力という形で初めてタッグを組んだ。 イベントの開催にあたり体育スポーツ局は、市内各研究所にイベントに関するメール案内の送付や大学内で宣伝のためのチラシ配り、同団体はSNSを利用して参加を呼び掛けてきた。 同団体プロジェクトリーダーで、理工学群・応用理工学類3年の山内健太郎さん(21)は「父は研究者で憧れの存在。サッカーは幼い頃から親しみがある。二つはまさに自分の人生そのもの。今回、ご縁のあるすべての人に感謝し、やってよかったと思えるようなイベントにしたい」と話した。同団体の広報で、社会国際学群・国際総合学類1年の佐俣友彬さん(19)は「このイベントの開催は、研究学園都市であるつくばにとってもプラスになること、成功させたい」と話した。 体育スポーツ局の海老原加恵さん(27)は「文理問わず、研究に関わる様々な方に気軽に来場してもらい、筑波大学をより身近な存在にしてもらえれば」と話した。 当日は会場のサッカー場の半分を予選や決勝トーナメント戦に使用し、残りの半分は「PK体験」や、シュートの速度を測る「シュートスピード」、片栗粉と水を用い力をかけると固くなる「ダイラタンシー現象」を体験できる場など、家族連れの来場者も楽しむことができるブースを企画中だ。イベント終了後には同大第一サッカー場で開催される筑波大学蹴球部による関東大学サッカーリーグのホームゲーム公式試合(対東海大学)を観戦できる。(上田侑子) ◆つくばサイエンティストカップは10月21日(土)午前9時〜午後1時30分まで、つくば市天久保3-1、同大キャンパス内のセキショウフィールドで開催。参加申し込みには事前予約が必要、申込締切は20日(金)午後5時。体験ブースは事前予約なしで入場可能。サイエンティストカップの参加申し込みフォームはこちら。イベントに関する情報はワールドフットつくばのX(旧ツイッター)や公式ホームページへ。

聖地「イチグラ」お披露目 筑波大サッカー場改修完了 

人工芝の全面改修が完了した筑波大学(つくば市天王台)第一サッカー場が16日披露された。披露式典のあいさつに立った永田恭介学長は、「聖地『イチグラ(第一サッカー場のこと)』が新しい形で戻ってきた。(日本代表の)三苫選手や谷口選手をしのぐ選手が出てきてくれることを願っている」と祝辞を述べた。改修事業は今年、前身の師範学校創基から 151 年、大学開学 50 年を迎える同大記念プロジェクトの一環。 同大蹴球部は、1896(明治29)年に設立された高等師範学校フートボール部にはじまる127年の歴史を持つ日本最古のサッカーチーム。ワールドカップカタール大会に出場した三苫薫選手や谷口彰悟選手など、日本を代表する選手を多数輩出してきた。 一方で、開学と同じ1973年につくられた同サッカー場は、2004年に張り替えられた人工芝の劣化が進み、グラウンドの衝撃吸収や安定性が日本サッカー協会による基準値を下回るなど、練習環境としての安全性の低さが指摘されていた。人工芝がはがれた箇所でつまづくなどし、怪我をする部員も出ていた。その中で持ち上がったのが、今回の人工芝の全面的な改修事業だった。同大によると、改修にかかった約7000万円のうち、クラウドファンディングと寄付で4000万円、残りを地元企業などからの支援と大学の資金で賄った。 中山雅史さんら、協力呼び掛け 今回の改修事業への協力の呼び掛けには、現在J3アスルクラロ沼津で監督を務める元日本代表の中山雅史さんら、多数のOB、OGが協力した。学生が中心となりクラウドファンディングも立ち上がった。クラウドファンディングでは、想定していた1000万円を大きく上回る約1800万円が集まった。 蹴球部の小井土正亮監督(44)は「我々の力だけではなく。関係者、OG、OB、地域の皆さん、サッカー部と筑波大を応援してくれる方々のおかげで改修できた。感謝の気持ちを忘れず、ここを使っていきたい」と述べるとともに、「選手には安全な環境でサッカーをさせたかった。高い目標に向かって、仲間と切磋琢磨していってほしい」と語った。 同大女子サッカー部主将の野嶋彩未さん(21)は「新しい芝はボールも蹴りやく走りやすそうだと感じている。インカレ優勝という目標に向かって頑張っていきたい」と力を込めた。 蹴球部主将の山内翔さん(21)は「これまでのグラウンドは硬かったり、はがれた芝がけがに繋がった。芝の感触は柔らかく質もいい。自分たちのやりたいサッカーが思い切りできる。協力していただいた方への感謝を日々の行動で返していきたい」と述べ、「筑波に一つでも多くのタイトルを残したい」と目標を掲げた。(柴田大輔)

歴史ある名門サッカーチームに危機 筑波大蹴球部が支援呼び掛け

グラウンド老朽化し劣化 126年の歴史を持つ日本最古の名門サッカーチーム、筑波大学(つくば市天王台)蹴球部が、危機に立たされている。筑波大学サッカー場が老朽化して劣化が進み、2020年11月に性能テストを実施した結果、グラウンドの衝撃吸収や安定性などさまざまな点で日本サッカー協会が定める基準値を下回り、練習環境としての安全性が低いと判断された。 はがれた箇所が原因でけがをする部員も出ているという。このままでは、来年以降使用が予定されている公式戦でも、ホームグラウンドでの試合が開催できない状況にある。 改善には、前回の改修から11年が経つ人工芝の全面張り替えが必要だ。その費用は最低で8000万円。同大によると、改修費用は大学の資金と寄付を合算してねん出する予定だが、さらに不足する1000万円をクラウドファンディングから募るとしている。資金が不足する背景には、国から大学に交付される運営交付金の減額などもあるという。 目標を上回る寄付が寄せられた場合、改修工事のグレードアップ、スタンドの改修、クラブハウス、トレーニングルームの充実など環境・施設の整備に充てる。 また人が集まる場所に 同大蹴球部の始まりは、1896年に設立された高等師範学校フートボール部にさかのぼる。これまでの歴史の中で、日本サッカー界の歴史をつくる多数の選手を輩出してきた。日本サッカー協会現会長の田嶋幸三さん、1998年にW杯日本代表初ゴールを決めた中山雅史さん、今年3月のオーストラリア戦でW杯出場を決める2ゴールを叩き込んだ日本代表の三笘薫選手などだ。そんな筑波大は2023年につくばに開学し50周年を迎える。 クラウドファンディングのプロジェクト実行責任者である蹴球部の小井土正亮監督(44)は、今回の改修について「コロナが流行する前まで、グラウンドに地域の子どもたちが集まり、試合やフェスティバルを開催していた。開学50周年記念事業として、地域を盛り上げるようなスポーツ事業をサッカー場で計画している。人工芝の張り替えをきっかけに、またここに人が集まるような場所にしていきたい」と思いを語る。 地域に愛されるチームづくり 小井土監督が話す地域とのつながりとして、約40年前から続く地元の子どもたちとの交流がある。現在201人在籍する男子蹴球部員ほぼ全員が、つくば市を中心とした13の小学生サッカーチームにコーチとして配属され、毎週末指導にあたっている。また、筑波大サッカー場に小学生を招待しての「低学年フェスティバル」や「合同練習会」、地域の小中学生を対象にしたゴールキーパー専門の「つくばGKスクール」、女子サッカー部員による、つくば市内の小学生女子を対象にした「なでしこクラス」など多様な交流の場が設けられている。 小井土監督は「私たちの先輩たちが築いた、地域に根ざし愛されるクラブという伝統をこれからも維持したい」と語る。さらに「筑波大蹴球部は日本サッカー界の歴史をつくってきた場所。ここで育った選手が、日本だけでなく世界でサッカーの歴史をつくっていくことになると考えている。そのために学生が良い経験を積むことができるよう手助けしていきたい」という。 今回、蹴球部員の橋本寛人さん(21)と林田息吹さん(20)がクラウドファンディングのリーダーを務める。橋本さんは「来年開学50年を迎える中で、芝生の張り替えが、筑波のホームグラウンドとしての新たな活動のきっかけになれば」とし、「コロナ禍で、グラウンドで選手の活躍を見てもらうことができないことがとても歯がゆかった。今後コロナが落ち着いて、これまで以上の活動をしていきたい。子どもたちを始め、多くの地域の方にホームゲームを見にグラウンドに来ていただきたい」と語る。 林田さんは、先輩部員を間近で支えるトップチームのマネージャーや地域活動を経験し、「社会人になっても、サッカーの価値をより多くの人に伝えるための活動を続けていきたい」と言葉に熱を込める。(柴田大輔) ◆クラウドファンディングは7月29日(金)23時まで。

筑波大、流経大に敗れる 関東大学サッカー茨城ダービー

【崎山勝功】第93回関東大学サッカーリーグ1部後期第19節の筑波大―流通経済大戦(通称「茨城ダービー」)が3日、龍ケ崎市中里、市陸上競技場たつのこフィールドで行われ、筑波大が0-1で流経大に敗れた。筑波大は3日時点でリーグ4位で、残り3試合を前に全日本大学サッカー選手権(インカレ)出場圏内の上位5チーム入り(リーグ優勝の明治大を除く)を維持できるか、微妙な情勢となった。 筑波大は、前半13分に流経大FW山口大輝(4年)にシュートを決められ失点を許した。同点に追いつこうとMF高嶺朋樹(4年)らがシュートを計3本放ち流経大ゴールを攻めるも得点にはつながらず、前半を折り返した。 後半も流経大優勢の流れは変わらず、筑波大ゴール前をGK大川圭為(4年)ら守備陣の健闘で辛うじて点差が広がるのを阻止していた。筑波大は後半12分にFW森海渡(1年)、同30分にFW和田育(1年)、同44分にMF加藤匠人(2年)を相次いで投入したが、試合の流れを変えるには至らず、同点に追いつけないまま試合は終了した。 5月に行われた前期第9節の茨城ダービーでは、筑波大が流経大に1-0で勝利していた。しかし流経大は茨城国体の県チームに選手14人が出場して、茨城県の優勝に貢献。国体が終了しメンバーが復帰してからは、流経大はこれまでの関東大学リーグ最下位(12位)の不調を取り戻すかのように快進撃を続ける。3日時点で11位ながらも10位の早稲田大とは勝ち点差を1まで縮めて、2部降格圏脱出を図っている。 筑波大は2日のインディペンデンスリーグ(Iリーグ)=大学トップチーム以外の選手対象=でも流経大と対戦し、筑波大U-22Aチームが1-2で流経大U-22Aチームに敗れた。 「完敗と言っていい」筑波大の小井土正亮監督 流経大が隙無く戦って、我々のミスを確実にものにした。我々は一度も相手の隙を見つけることができなかった。完敗と言っていい。(流経大は)国体も戦って、リーグ戦も戦って、というハードな日程をこなしていることにリスペクトしている。茨城国体で優勝したことが少なからず(流経大)選手の自信になっていると思う。まだ(インカレ)出場権は確定した訳ではないし、出られるために勝ち点を1ポイントずつ稼いでいくしかない。残り3試合をいい準備をして勝ち点を取る戦いをしていきたい。 「国体の経験生きた」流経大の中野雄二監督 ウチ(流経大)は今の順位が良くないので勝つしかない、という気持ちがゲームのいろんな場面に出ていた。筑波大とは昨日(2日)もIリーグでもいい試合をやらせてもらって、今日(3日)もまた2日連続でこういう試合になったけど、筑波大という素晴らしいチームがそばにあるので、切磋琢磨して頑張ろうという気持ちになれる。国体は47年に一度。僕らの今年の一番の目標は「国体優勝」だった。リーグ戦に影響があったのは事実だが、ここに来て国体の経験が生きて4連勝している。 ➡筑波大サッカーの過去記事はこちら

筑波大、流経大に引き分け リーグ優勝逃す 関東大学サッカー

【崎山勝功】第92回関東大学サッカーリーグ戦1部後期第20節の筑波大₋流通経済大(通称、茨城ダービー)が10日、龍ケ崎市中里の市陸上競技場たつのこフィールドで行われ、筑波大が2-2で流経大と引き分けた。筑波大の引き分けにより、関東大学サッカーリーグ1部の優勝が早稲田大学に決まり、筑波大は今期のリーグ優勝を逃した。 筑波大は、前半32分にMF西澤健太(4年)がペナルティーキックで先制点を決めた。流経大は同点に追いつこうと筑波大ゴールを攻めるも、GK阿部航斗(3年)の堅守に阻まれ、筑波大優勢のまま前半を折り返した。 勢いに乗る筑波大は、後半5分に西澤がFW三笘薫(3年)のアシストを受けてゴールを決め2-0と点差を広げた。しかし、同40分に流経大MF鈴木哲平(4年)に失点を許したことから試合の流れが変わり、後半終了間際のアディショナルタイム5分に流経大FW高澤優也(4年)にペナルティーキックを与え失点、筑波大は茨城ダービーを制することができなかった。 6月9日に行われた前期第9節の茨城ダービーでは、筑波大が流経大に5-0で圧勝していた。後期は流経大が「ホームグラウンドでの連敗は避けたい」と、筑波大に意地を見せた格好になった。 筑波大の小井土正亮監督は「結果は残念。ただ我々に甘さがあっての失点」と険しい表情を見せた。今期のリーグ優勝は逃したものの10日時点ではリーグ2位。残り2試合を前に全日本大学サッカー選手権(インカレ)出場圏内の上位6チーム入りをほぼ確実にしている。小井土監督は「(リーグ戦が)あと2試合ありインカレもあるので、まだまだ成長しないといけない」と話した。 流経大の中野雄二監督は「今日負けるとインカレ出場が危うくなるので首の皮一枚でつながった」と安堵の表情を見せた。その上で「筑波大と緊迫感のあるゲームをやれたことは良かった。前回は0-5と歴史的大敗をした。今日も0-2になって嫌な雰囲気だったが、追いつけたのは(選手が)成長したからだと思う」と振り返った。 筑波大は2017年度の関東大学サッカーリーグ1部で13年ぶりの優勝を果たし、16年度のインカレでは13年ぶり9回目の日本一に輝いた。流経大は17年度のインカレで3年ぶり2回目の日本一を果たすなど、両大学とも毎年Jリーグに選手を送り込んでいる強豪同士。

違いある人と一緒に体験を 20日「なないろサッカーフェス」 筑波大

【田中めぐみ】障害の有無や年齢、性別、国籍など、様々な違いのある10人がチームを作り、一緒にプレーする「なないろサッカーフェス18」が20日、筑波大学(つくば市天王台)のセキショウフィールドで開催される。 2016年から始まり今年で3年目。同年、視覚障害者のサッカー団体、NPO日本ブラインドサッカー協会(東京都新宿区)から、筑波大学のサッカー場を使ってブラインドサッカー東日本リーグを開催したいという話があったのがきっかけで、同大体育系の澤江幸則准教授が中心となり同イベントが始まった。ボランティアスタッフが協力し、企画、運営を行っている。 澤江准教授によると、市内には全盲者などのブラインドサッカーチームが2チーム、弱視者などのロービジョンサッカーチームが1チームあるという。「ぜひこの機会につくばゆかりのチームについて知ってもらい、つくばの人に応援して欲しい」と澤井准教授は話す。 同東日本リーグも同会場で開催され、ブラインドサッカーとロービジョンフットサルの計3試合を間近で観戦することができるという。 学生たちが運営 筑波大学4年の新居万里奈さん(23)は、昨年初めて同イベントに参加した。ルールや用具などの工夫次第でいろいろな人とサッカーが楽しめ、交流ができるということに驚いたという。サッカーに詳しくなかったが、イベントに参加することでサッカーの魅力や奥深さを知った。自分もイベントにかかわりたいと今年から運営に携わる。 同大学院修士課程の平賀慧さん(23)は、視覚障がい者が日常の中でどのような感覚なのかを知ってもらいたいと、アイマスクや弱視ゴーグルを付けてシュートにチャレンジしたり、視覚障がい者の日常生活を体験したりするコーナーを企画した。体験コーナーでは段差や着替え、お金の支払いなど日常生活を体験できるので、理解を深めてほしいと話す。 ロービジョンフットサルの日本代表で、同大学院修士課程の岩田朋之さん(32)もスタッフとして参加し、自身の経験をもとにイベントのプログラム作成を担当した。岩田さんは、様々な背景を持つ人たちが集まる中で、全員が心を一つにしていくための最適な状況を見つけるのが醍醐味だと語った。 ▼同フェスは20日(土)午前10時から午後4時まで。参加無料。問い合わせ先は同実行委員会2018(メールnanairo.s2018@gmail.com)

筑波大が13年ぶり15回目の優勝 関東大学サッカーリーグ戦

第91回関東大学サッカーリーグ戦・後期第21節の筑波大―流通経済大戦が11日、龍ケ崎市中里の市陸上競技場たつのこフィールドで行われた。同リーグ1位の筑波大と3位の流経大という県勢同士が対戦する「茨城ダービー」は、筑波大が3―0で流経大に完封勝ち。残り1試合を前に、リーグ2位の順天堂大の自力優勝の可能性が消滅したため、筑波大の優勝が決まった。優勝は、前身の東京教育大、東京高等師範大を含め、2004年以来13年ぶり15度目。 筑波大は前半、流経大ゴールを攻めるも、GKオビ・パウエルオビンナ(2年)らの堅守を前になかなか得点が決まらずにいた。前半35分にFW中野誠也(4年)が先制点を決め、1―0で前半を折り返した。 勢いに乗る筑波大は、後半7分に中野が2点目を決めた。同29分にMF戸嶋祥郎主将(4年)がMF渡邊陽(1年)のアシストを受けて3点目のダメ押し。流経大も筑波大ゴールを攻めるも、筑波大のGK阿部航斗(2年)が一切の得点を許さず茨城ダービーを制した。 試合を終えた筑波大の小井土正亮監督は「今日はうまくいかない時間でも我慢していった。何よりも流経大に前期(直接対決の試合で)負けていたので、今日の試合で勝ってくれたのはうれしい」と喜びを見せた。その上で「リーグ戦は年間を通しての大会。選手たちに感謝したい」と選手らをねぎらった。 敗れた流経大の中野雄二監督は「スコアは0―3だけど悲観するほどでもない。先制点がどちらかに入るかでスコアがどちらかに偏る。筑波大は『勝てばリーグ優勝』というモチベーションがあった」と試合を分析し、筑波大の優勝について「一番身近にいるライバルが優勝して悔しいけど良かった」と余裕を見せた。その上で全日本大学サッカー選手権(インカレ)を念頭に「お互いに勝ち上がっていけばまた(筑波大と)当たる。どっちも日本一になる力を持っている。もう一回インカレの準決勝戦でやりたい」と筑波大との再戦を視野に入れていた。   第91回関東大学サッカーリーグ戦1部第21節 (11日、たつのこフィールド、2126人) 筑波大 3 1―0 0 流通経済大 2―0   筑波大の戸嶋祥郎主将がJ1新潟アルビレックス入り 11日の試合で3点目を決めた筑波大の戸嶋祥郎主将(4年)は、来シーズンからJリーグ1部の新潟アルビレックスへの入団が内定。戸嶋主将は「ひとまず進路が決まったのでほっとしている。本当に素晴らしいクラブに入れるので頑張っていきたい」と抱負を述べた。新潟には、同大OBで急性白血病で治療中の早川史哉元主将が在籍。戸嶋主将は「早川さんは本当に素晴らしいキャプテンだったので、また一緒にサッカーができるように頑張りたい」と語った。(崎山勝功)

関東リーグ優勝メンバーから4人がプロ入り 筑波大蹴球部

筑波大学蹴球部からプロ入りする4選手の合同記者会見が25日、つくば市天王台の同大大学会館特別会議室で開かれ、各人が抱負を語った。今季、関東大学サッカーリーグ1部で6年ぶり16回目の優勝、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)では7年ぶりのベスト4と輝かしい成績を残した選手たちの次のステージでの活躍が期待される。 J1のヴィッセル神戸に内定した山内翔選手は、ゲームコントロールに長けたボランチで「戦術やゲームを認知する能力が高い。一人だけ見えている世界が違う」と小井土正亮監督の評。 プロへの抱負としては「中高の6年間を過ごしたチームに戻れてうれしい。筑波大での4年間がなければ成長できなかった。大学で学んだことを生かし自分が活躍することで、いろんな方々への恩返しになるよう、また大学サッカーの発展につながるよう頑張りたい」と話した。 同じく神戸に内定した高山汐生選手は、身長190センチの恵まれた体格を生かしたダイナミックなプレーが持ち味のゴールキーパー。シュートストップのみならずハイボール処理やコーチングでも小井土監督の評価は高い。 「J1のチャンピオンチームに加入できることをうれしく思う。セットプレーでは自分が前に出て相手に触らせず、コーチングでは声でチームを動かしたり鼓舞し、後ろに自分がいることでチームを安心させられる選手になりたい」 J3カターレ富山に内定した瀬良俊太選手は、テクニックとポジショニングに優れたファンタジスタタイプのサイドハーフ。「意外性やアイデアあふれるプレーで見る人のツボを突く。自分も好きなタイプ」と小井土監督。 「以前は自分のプレーを出したい、見てほしいという意識が強かったが、大学でいろんな人に出会い、チームが勝つために自分に何ができるかを考えられるようになった。今季は相手のプレッシャーを外して展開するだけでなく、自ら前へ出て得点することも意識した。この部分をもっと伸ばしていきたい」 J3のFC大阪に内定した林田魁斗選手は高さ、強さ、速さを兼ね備え、ゴール前でのシュートブロックに優れたセンターバック。「気持ちで戦える男。けがで試合に出場できないときも立ち振る舞いで他のお手本となった真面目な選手」と小井土監督。 「生まれ育った関西でプロのキャリアをスタートできることがうれしい。自分もサッカーからたくさんの夢や感動をもらったので、多くの人に夢や感動を与えられるようになりたい。FC大阪に欠かせない選手になり、J3優勝とJ2昇格に貢献したい」 大学での思い出として最も心に残っているのは、11月4日の関東リーグ東京国際大学戦だったと各選手は語る。同リーグは今季、初めてホーム&アウェー方式で開催され、筑波大はホーム最終戦で2000人超の観客を前に、見事に優勝を飾った。「1グラ(筑波大学第一サッカー場)に多くの人が応援に来てくれて、支えてもらっていると感じた。プロへ行ってもファンやサポーターへの思いを大切にしながらやっていきたい」と高山選手。 一方、最も悔しい思いをしたのは12月21日、流通経済大学龍ケ崎フィールドで行われたインカレ準決勝、明治大に0-1で敗れた試合。「紙一重の差だった。あれほど勝ちたい、負けて悔しい試合はない。この悔しさをプロで晴らしたい」と瀬良選手。 プロの世界では、これまで以上に結果が求められる。山内選手は「プロは大学と違って結果が全て。勝つことでチームはもちろん自分自身の価値も高めていきたい」、林田選手は「選手の価値は結果でしか示せない。常に結果を目指して、必要なことを考えながら成長していきたい」と、来季を見据える。(池田充雄)

「大学改革の旗手に」永田学長 筑波大が開学50周年記念式典

マハティール元首相が祝辞 筑波大学(つくば市天王台)が10月1日、開学50周年を迎えるのを記念した式典が30日、同市竹園、つくば国際会議場で催された。永田恭介学長は「世界中の大学との間で頭脳循環を加速させ、知の十字路としてのキャンパスを充実させていきたい。大学改革の旗手として、固定化された社会を再構築する原動力でありたい」などと、次の50年に向けた式辞を述べた。 式典には大学関係者のほか、つくば市長、県内選出の国会議員、協定などを締結している海外の大学学長など計約1200人が参加した。文科省の安江伸夫政務官のほか、マレーシアのマハティール元首相らが祝辞を述べた。 同大は来年10月、日本の大学で初めて日本の学位を授与する海外分校をマレーシアの首都クアラルンプールにあるマラヤ大学に開設する。2019年、安倍晋三首相とマハティール首相(当時)が取り決めをし海外分校を開設することから、今回来日に至ったという。 白川名誉教授が記念講演 続いて2000年にノーベル化学賞を受賞した同大の白川英樹名誉教授が「私の研究とつくばー東京工業大学・ペンシルベニア大学・筑波大学」と題して記念講演した。開学間もない筑波大に着任した当時の思い出について「つくばの街は発展途上で、息抜きをしたり、くつろいだりできる喫茶店や赤ちょうちんの店も無くて、過ごしづらいと感じた人が多かったが、私は酒も飲まなし、喫茶店に入ってコーヒーを飲みくつろぐという経験をしたことがないので、かえってすっきりして、いい街だなあと思った」などユーモアを交えながら振り返った。 国立大学が直面している課題についても触れ「2004年の国立大学法人化以降、政府から交付される国立大学への運営交付金は毎年1割削減され、2022年は87%まで減少している。不足分を補うため企業との共同研究や技術移転などで寄付を仰いで研究費などを調達しなければならないが、いきおい大学で研究は短期的に成果が上がる、役に立つ研究ばかりが目立っている」などと話し、現在の国の政策に苦言を呈した。 学生に向けては「体育専門学群の学生が国内外の競技やオリンピックで輝かしい成果を上げて、メディアが大きく取り上げて、筑波大学の名声を高めているが、それ以外の大部分の学生は、社会に向けて何ができるか」と切り出し、自身の助手時代の体験を振り返って「一コマの講義を託され、教えるということは、裾を広く学ばなければ教えることはできないということを痛感し、教えることは学ぶことだということを学んだ」と述べ「時に教える機会をつくってほしい、そういうことによって学ぶことの意義ができてくる」などと話した。 10月1日は大学で記念イベント 50周年記念イベントは10月1日も大学キャンパスで催され、2050年の生活と社会を考えるフォーラムや元Jリーガーがプレーするサッカーの記念試合など、さまざまなイベントが開催される。 筑波大学は1872(明治5)年に日本初の教員養成機関として創設された師範学校が始まり。1973年10月1日、東京教育大学を移転する形で筑波研究学園都市に開学した。同大は今年、開学50周年イヤーとして各種イベントを展開している。

筑波大が連覇 天皇杯県代表決定戦

第25回県サッカー選手権兼天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権県代表決定戦は7日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、筑波大蹴球部が流通経済大ドラゴンズ龍ケ崎を2-0で破り、昨年に引き続き天皇杯本戦への出場を決めた。 筑波大 2-0 流経大前半0-0後半2-0 強い雨風による難しいコンディションの中、筑波大が我慢の勝利を手にした。「相手の狙いははっきりしていたので、じれずに戦えるかがカギだった。出方を見極めながら柔軟に取り組み、選手たちが落ち着いてゲームを進めてくれた」と小井土正亮監督は評する。 筑波大は前半から圧倒的に攻めながら、流経大の堅い守りに阻まれ、時折鋭いカウンターを浴びるという展開。だがリスクマネジメントも怠りなく、前半は相手にシュートらしいシュートを打たせなかった。 攻撃の面では「風でしんどい部分もあったが、中途半端な攻め方よりも、やりきってクロスの方が相手は嫌がっていた」とボランチのMF山内翔主将がみたように、サイドのFW山崎太新やFW角昂志郎から押し込む形を多く使った。もう一人のボランチMF加藤玄は「相手の守備裏へのパスで、中央のFW内野航太郎へボールをしっかり届けようと意識した」という。またトップ下のMF瀬良俊太は「点が取れないと気持ちがマイナスな方向に行きがちだが、じれずにやればいつかは取れると、やることは変えずにとにかく継続した」と話す。 得点が生まれたのは後半6分。加藤の左サイドからのクロスが追い風に乗り、相手ゴールに突き刺さった。「ここも前に人がいるのは分かっていて、速いライナー性のボールを出すつもりで蹴った。前半よりも早いタイミングで、FWが抜け出す前にノールックで出そうと意識していた」との振り返り。 追加点は後半20分。コーナーキックのこぼれ球を瀬良が右足アウトサイドで蹴り込んだ。「こぼれて来るのを予想してニアサイドで待っていた。自分は左足より右足アウトの方が得意。いい感じで打てて、相手GKのすぐ左側を抜いた」 天皇杯本戦では、5月21日に市原市のゼットエーオリプリスタジアムで千葉県代表のブリオベッカ浦安と対戦する。昨年も1回戦で戦い、土壇場で追い付きPK戦で勝利した相手だ。2回戦に進むと6月7日、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場でJ1の横浜F・マリノスと対戦することになる。「ブリオベッカとは今年も難しい試合になると思う。マリノスはJクラブとの貴重な真剣勝負の機会。去年の柏レイソル戦と同様、戦って得られるものは大きいと思う」と山内主将は意気込む。(池田充雄)

筑波大学開学50周年イヤー 室伏広治さん開幕告げる

筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の開学50周年イヤーが4日、金メダリストの講演で幕を開けた。記念事業シンポジウム「芸術×体育で未来を拓く」が同日、つくば国際会議場(同市竹園)で開催され、これを皮きりに10月1日の記念式典まで各種イベントが展開される。 シンポジウムで講演したのは、2004年アテネオリンピックのハンマー投げで金メダルの室伏広治さん(48)。日本記録保持者で日本選手権20連覇を遂げ、16年に引退、2年前からスポーツ庁長官に就任した。4日は「スポーツで未来を創る」のテーマで基調講演を行った。 室伏長官指揮下の同庁が昨年まとめた第3期スポーツ基本計画(2022-26年度)では、少子高齢化や地域間格差の広がりの中で、学校教育を中心にしたスポーツ振興からの脱却を意図した。性別や年齢、障害、経済事情などの違いによって、取り組みに差が生じない社会を実現し、機運を醸成するとしている。「健康増進の意味からも自治体や企業へ横展開していく地域の取り組みが重要になり、つくばでぜひ率先してほしい」とアピールした。 父親(重信さん)にはハンマー投げに進むこと、練習に励むことを一度も強制されたことがないと言い、それが充実した競技生活につながった。アスリートには幅広いスポーツ体験を積むこと、指導者には勝利至上主義からの転換を求めるなどした。 筑波大学は、国内初の官立高等教育機関として1872(明治5)年、創立された師範学校を礎としており、今年、創基151年となり開学50周年と合わせて記念事業を展開する。1872年は学制公布の年であることに触れた室伏さんは「当時、夏目漱石は日本の哲学は周囲にあるもの全て動かすべからず、心の修養を積んだ挙げ句の消極の極みに達する哲理と書いている。動的な西洋のスポーツ観とは違った見方があった」と紹介、未来を創るヒントがこの辺にありそうだと説いた。 講演を熱心に聴いていた体育学群4年、岸本洋汰さん(23)は英国プレミアリーグで今季大活躍の三苫薫さんの後輩にあたるサッカー部員。「競技生活を送る上での体づくりについて体験的に話してくれて、特に心の問題に触れてくれたことに感慨を覚えた。2年生のとき心理的問題を抱えた経験があるだけに聞き入ってしまった」と感激を語る。 筑波大には開学した73年に体育専門学群が、翌74年に芸術専門学群が設置され、教室のある学群棟は向かい合って配置されているが、「これまで積極的な交流はあまりなかった」と今回のシンポジウムを企画した水野裕史芸術系助教。「学際、国際化が言われる中で、いろんな組み合わせが試されるべきで、50周年記念のスタートにふさわしい内容になったと思う」という。 記念事業は4月から、つくばセンター周辺で「筑波芸術アート&デザイン・ストリート」の開催などが計画されている。(相澤冬樹)

公認更新へ危機脱する 筑波大陸上競技場(上)

募金に加え工事絞り込み 予算不足で4月から、日本陸上競技連盟(日本陸連)第3種公認の更新を受けられるか否か危ぶまれていた筑波大学陸上競技場(つくば市天王台)が、公認更新に必要な工事を実施できる見通しとなった。昨年11月5日から急ぎ募金活動を開始、12月12日までに約1370万円が集まり、これに大学の予算を加え、さらに改修項目を絞り込むことで危機を脱した。 レーン幅の修正必須 陸上競技場の公認制度は、日本陸連が競技規則に従い、公認競技会を開催するために適切な施設であることを認定するもの。第1種から第4種L(ライト)までの5種別があり、いずれも有効期間は5年間で、更新の際は再検定が必要となる。 筑波大の場合、第3種公認の有効期限が今年3月31日に迫っており、しかも今回の更新では、レーン(走路)幅の修正を含む大がかりな改修工事が必要となっていた。 従来、陸上競技のレーン幅は国内規格の1.25メートルと国際規格の1.22メートルが競技場ごとに混在していた。2019年度から国際基準への統一が図られ、旧レーン幅の競技場は次回の公認更新までに修正することになった。該当する競技場は全国で256ある。 2カ年に分けて工費分散 同大教育推進部教育推進課体育センター主幹の菊池文武さんによると、体育センターでは、今回の改修が厳しいものになると予想し、補修個所を必要最小限にとどめる一方、工事を2期に分けることで予算の分散化を図った。 2021年度の工事内容はトラック部分が中心で、レーン幅の修正とそれに伴うラインやマークの打ち直し、高圧洗浄などを行った。路面の傷みが激しいスタートライン付近などは、舗装を切りはがし、クッション材やエンボス材を再度吹き付ける「切削オーバーレイ」という工法により修復した。 22年度はフィールド部分で各種目のレーン幅修正と、踏み切り地点などの切削オーバーレイをする予定。加えてトラック部分の追加工事もある。8レーン中最内の第1レーンは、特に酷使され摩耗が著しく、切削オーバーレイが必要となった。ほかにも跳躍場の砂の補充や、インフィールドからはみ出した芝の刈り込みなど、こまごまとした補修も多い。これらは日本陸連の事前審査で指摘された部分だ。 物価高が大きなハードル 21年度の工事費約2860万円は大学の予算で賄うことができた。今年度分については、昨今の物価高、円安による資材費や物流費などの高騰、光熱費の高騰などに対応した学内全体の予算編成を行っていることを踏まえて、調整を行っているという。 不足分は寄付に頼るしかないと、昨年11月5日からメールやSNSなどを通じて寄付を募り始めた。当初は11月末だった期限を12月12日まで延長、陸上競技部の部員らも一部を負担することで、何とか学外からも寄付を募ることができた。なお寄付は現在も受け付けており、追加予算が取れれば、今回は断念した部分の修復に充てていくという。 支援金で予算不足を補う 予算不足には同大固有の事情もある。今年10月、開学から50年になり、多くの施設が一斉に改修時期を迎えている。他の施設・設備の老朽改善なども順次進めている。 総合大学として多様な施設・設備を有し、しかも国立大学では数少ない体育専門学群があるため体育施設は特に多く、一部施設に大きく予算を割くことは難しい。インカレなどの大舞台でしのぎを削る有力私大と比べると、収入や財源で差があり、同窓会の規模や年齢層の厚みも違うため、寄付金の額も大きく異なる。 そのような事情の中、いち早く活用してきたのがクラウドファンディングだ。陸上競技部の長距離パートでは、箱根駅伝復活プロジェクトの一環として2016年から取り組み、得られた支援金で強化費や遠征費などを捻出し、2020年の本戦出場を果たした。今年度は蹴球部が第1サッカー場の改修で約1820万円を集め、老朽化した人工芝の張り替えを実現できた。 大学としても今後、産学連携による企業からの資金導入や、文科省が創設した10兆円規模の大学ファンドの活用などにより、収入の改善を図るという。(池田充雄) 続く ◆筑波大学陸上競技場の改修寄付申し込みフォームはこちら

W杯応援に1000人 筑波大でパブリックビューイング

つくば市天久保の筑波大学サッカー場で27日、カタール・ワールドカップ(W杯)のパブリックビューイング(PV)が催され、コスタリカ代表と対戦した日本代表に声援を送った。日本は終盤の失点から0-1敗れ、1次リーグ突破は次のスペイン戦に持ち越された。 PVは筑波大学蹴球部と大学公認学生団体の「ワールドフットつくば」が主催した。事前申し込みで無料招待された地域住民と大学生の合わせて約1000人が試合を見守った。 三苫選手ら先輩に声援送る 筑波大は、代表メンバーの三苫薫(2019年度卒)と谷口彰悟(2013年度卒)両選手の母校。PV会場の第1サッカー場は、2人が学生時代に練習で汗を流した場所となる。 企画した山内健太朗さんは「サッカーによって生まれるつながりを大事にしたい。最近はコロナ禍で活動が限定されていたが、この機会を生かし、市民も巻き込んで、たくさんの人たちにサッカーの魅力を伝えたい」と意図を話す。大学との折衝では開催の意義は理解してもらえたが、感染対策などクリアすべきハードルは高かったという。放映権の購入費用にも大学OBなど大勢の人に協力を仰いだ。 蹴球部副務の林田伊吹さんは、第1サッカー場改修に向けて実施したクラウドファンディングの代表も務めている。「イベントを通じてつくばの街を盛り上げ、大学生や子どもたちが来てくれて一緒にサッカーを見ることにより、蹴球部がより大きく人の心を動かせる存在になりたい」と話す。改修は来年2月に完成予定、「改修前に有意義なイベントができた。新しい人工芝になったグラウンドに興味を持って、足を運んでくれる子どもたちも増えるのではないか」と期待している。 試合は、前半立ち上がりから日本が数多くチャンスを作り、その度に観客席からは拍手やどよめきが沸き起こった。だがコスタリカが守備を固めてくると日本の攻撃は鈍り始める。日本は後半16分に三苫選手を投入するなど攻撃のテコ入れを図る。だが後半36分、クリアミスのボールを奪ったコスタリカが先制し、そのまま逃げ切った。 観戦者の一人、津島陸人さん(牛久市・中根小5年)は「悔しい。クリアをもっとしっかりやればよかった。三苫選手はドリブルがすごかった」と振り返った。 三苫選手を学生時代から応援しているという藤浪莉子さん(つくば市)らのグループは「大舞台で活躍するところが見られて嬉しい。スペイン戦でも頑張ってもらって決勝トーナメントに進出してほしい」と話す。三苫選手の印象は「当時からずば抜けて上手で、すごく優しく、いつもチビっ子に囲まれていた」という。 「友達に教えてもらって来た」という大学生の岡田航平さん(千葉県八千代市)は「惜しい展開だったが決めきれなくて悔しい」との感想。スタンプラリーで谷口選手のサイン入りスパイクをもらい「まさか当たるとは思わなかった。家に飾りたい」と話した。(池田充雄)

みんなのわが家に つくばFCがサッカーグラウンドお披露目

サッカークラブ、つくばFC(石川慎之助理事長)のホームグラウンド、つくばFC万博グラウンド(つくば市水堀)が約4カ月の改修期間を終え、10日にお披露目された。 新しいグラウンドは、ひざや腰の負担が少ないロングパイル人工芝を敷設したフルサイズのサッカーグラウンド1面と、ウォーミングアップ用のサブグラウンド、クラブハウスから成る。メーングラウンドはLEDの夜間照明付き。クラブハウスには公式戦開催にも対応できる個室シャワーや、食堂、屋内でのスポーツプログラムもできる軽運動室なども併設されている。 保護者は、子どもたちの練習を見守りながら、食事を楽しんだり、ダンスやヨガで汗を流したりし、子どもは送迎を待ちながら宿題や勉強もできるという。 万博グラウンドはつくばFC最初のホームグラウンドで、2006年に完成した。水堀地区の人々の協力を得て、選手や子どもたち、保護者らも参加し、みんなの手で作り上げた。16年を経て、クラブはJリーガーを輩出するまでに成長したが、グラウンドは日々の練習で消耗し、改修が必要な状態にまで追い込まれていた。 改修プロジェクトは、「グラウンドのあるわが家を作ろう」を合言葉に、4月下旬からスタートした。工事と並行してクラウドファンディングも行われ、9月末のプロジェクト終了時には、1027万3884円の協賛金が集まった。スタッフや選手総出のつくば駅前でのチラシ配りなど、地道な活動が実りをもたらしたという。 クラブハウスの内壁や、防球ネットの支柱などは、選手やスクール生、アカデミー生らがみんなで塗装した。つくばFCのチームカラーである白・青・赤の塗料を使い、多少塗りむらはあっても、自分たちで作ったという愛着の持てる仕上がりとなっている。 つくばFCは1976年に筑波大学蹴球部OBが中心となって発足し、「全ての人が素晴らしい環境でスポーツを楽しめるようにすること」を理念に、幼稚園生から社会人まで、誰もがいつでも帰って来られるクラブの運営を実践してきた。 石川理事長は新しい万博グラウンドについて「サッカーを楽しんで、学んで、成長していく子どもたち、それを見守るお父さんやお母さん、夢と笑顔があふれ、みんなが集う、わが家のようなグラウンドをイメージしている」とし「わが家とは、いつでも帰れて落ち着ける場所であり、ときに叱られながら、立ち直り、また次に向かってチャレンジする場所。新しい万博グラウンドを皆さんにとってのわが家にしたい。気軽に足を運んでいただいて、一緒にクラブづくりをし、叱咤激励もしていただければ」と話す。(池田充雄)

筑波大出身の代表監督 U-23アジア杯3位を報告

19日までウズベキスタンで開かれたサッカーのU-23「アジアカップ2022」(アジアサッカー連盟=AFC=主催)に出場していた21歳以下日本代表を率いた大岩剛監督(50)が27日、つくば市二の宮の関彰商事(関正樹社長)つくばオフィスを訪れ、3位入賞を報告した。大岩監督は同社スポーツアドバイザーを務めている。 次はパリ五輪予選 大会には16カ国が参加。23歳以下のチームが闘う大会で日本代表は、2024年に開催されるパリオリンピックを念頭に、21歳以下のチームで臨み、3位決定戦でオーストラリアに快勝した。日本代表は3位となったことで、パリ五輪予選となる次回大会で、グループリーグを分ける際に有利となる「ポット1」の獲得が確実となった。 大岩監督は大会を振り返り、「優勝を目指していたし、そのチャンスがあっただけに悔しいが、(オリンピック最終予選に向けて)最低限の結果を持ち帰ることができた」とした上で、「他国は23歳以下。その中で(21歳以下で)闘うことはタフだった。この結果は評価できると思う」と話した。オリンピック予選に向けた今後の強化ポイントについては、「アジアでは通用してもヨーロッパや世界で通じないことはある。全体的に個人の能力をあげていかなければ」とした。 静岡県出身の大岩監督は、1991年に入学した筑波大学で蹴球部主将を務めた。その後、名古屋グランパス、ジュビロ磐田でプレーし、2003年から鹿島アントラーズに移籍し、鹿島のリーグ三連覇に貢献するなど中心選手として活躍した。2011年に選手を引退後はアントラーズでコーチ、監督を歴任し、2021年4月U-21日本代表監督に就いた。関彰商事のスポーツアドバイザーには2020年就任し、同社のスポーツ支援活動や運動部活動などをサポートしている。 学生時代を過ごしたつくば市に対して「学生として暮らしていた街。愛着がある」と話す大岩監督。筑波大のOBが監督を務めるチームとして、U-21日本代表に「つくばや茨城のみなさんに関心を持ってもらい、応援していただけたらとてもうれしい」と語った。(柴田大輔)

筑波大、延長で逆転勝利 天皇杯本戦へ

第25回茨城県サッカー選手権大会兼天皇杯JFA第102回全日本サッカー選手権大会茨城県代表決定戦は8日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開催され、筑波大学蹴球部が流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎を3-1で破り、天皇杯本戦への出場を決めた。前半に1点を失い後半には退場者を出すという苦境を乗り越え、延長で逆転を果たした。 第25回茨城県サッカー選手権兼天皇杯県代表決定戦筑波大学蹴球部 3ー1 流通経済大学前半 0-1後半 1-0延長前半1-0延長後半1-0 筑波大は前半、4-5-1の布陣から中央のFW和田育、MF田村蒼生が核となって攻撃を展開。流経大はFW山本晃太朗、FW細野晃平の2トップによる4-4-2で、前から積極的にプレスをかける。次第に筑波大はMF山崎太新、MF角昂志郎らがワイドから仕掛け、それに対しドラゴンズがカウンターでチャンスをうかがうという流れに。 前半35分、ドラゴンズは山本が筑波大の守備ライン裏へ抜け出し、GKとの1対1から先制に成功。筑波大はパスがゴールに向かわない悪い流れに陥る。 後半、風上に立った筑波大はロングボールでの展開が増える。33分、右サイドにDF三浦雅人が入ってからは角の攻撃が活性化、2人で何度も相手ペナルティエリアを崩す。だが33分、筑波大はMF山内翔が2枚目のカードをもらい退場、残り時間も少なくなる中、厳しい戦いを強いられる。 43分、左ワイドにポジションを移していた田村がドリブルを仕掛け、PKを獲得。「これ以上失点したくないのでリスクは抑えつつ、意外とパスはつなげていた。相手も疲れてきて、外からの揺さぶりが効いていた」と田村。PKを蹴ったのは、後半途中から1トップに入っていた栗原秀輔主将。「プレッシャーがかかる中、自分のペースで蹴って入ってよかった。ベンチやスタンドの応援もパワーになり、みんな喜んでくれて一体感が持てた」と、逆転への気運が高まる。 延長に入って前半8分、中央から栗原が右へ展開、これを受けた角が左隅へシュートを放ち、ついに逆転に成功。「信じて中で待ち、カットしたところへ角がオーバーラップしてきたので信じて出した。ゴールにつながって良かった」と栗原。「絶対俺に出せと思いながら、栗原からいいタイミングでボールが来たので振り抜くだけだった。10人になってやっと目が覚め、チームが一つになって戦えた」と角。 延長後半終了間際には、交替で入ったFW庄司夢ノ介が倒されPKを獲得。これを自身で決め、うれしい公式戦初ゴール。「ここから点を決めていきたい」と希望を広げた。 勝った筑波大は22日の天皇杯本戦1回戦、同競技場で千葉県代表のブリオベッカ浦安と対戦する。勝者は6月1日の2回戦でJ1柏レイソルと戦う。加藤匠人や森海渡ら筑波大出身の選手が多く、井原正巳ヘッドコーチも筑波大OBだ。田村は「個人的には小中高とお世話になったチーム。自分としては戦いたい」と闘志を燃やす。(池田充雄)

パリ五輪へ意欲語る サッカーU-21日本代表 大岩剛監督

関彰商事仕事始めの会で つくば 関彰商事およびセキショウグループ(本社・筑西市、つくば市)の「仕事始めの会」が4日、つくば市内のホテルで開かれ、同グループのスポーツアドバイザーで、サッカー男子U-21日本代表の新監督に就任した大岩剛さんが、2024年パリ五輪出場に向けての抱負などを語った。 大岩監督は「大変な重責ではありますが、皆様の応援を背に力強く前進していく所存です。皆様の熱い応援よろしくお願いします」とあいさつ。チーム作りの方針としてはJ1鹿島時代と同じ「タフで強い結束力と、一体感のあるチーム」を掲げ、「本大会まで2年半と短期間。過密日程でレベルの高い戦いが待っている。その中でさまざまなプレッシャーに打ち勝てる、個人としてのタフさも求めていきたい」と語った。 大岩監督は静岡市出身、筑波大卒業後16年間プロ選手としてJ1の3クラブで活躍し、日本代表も経験した。鹿島には2003年から8年間在籍しリーグ3連覇などに貢献、その後コーチを経て、17年5月から20年1月まで監督を務め、18年のアジアチャンピオンズリーグで優勝した。退任後は日本サッカー協会S級インストラクターに就任、またセキショウグループスポーツアドバイザーとして同社のスポーツ支援活動や運動部活動などのサポートをしている。 仕事始めの会は、つくば市小野崎のホテルグランド東雲を主会場に、県内外の9拠点をオンラインで結んで開催され、関正樹社長による年頭訓示のほか、筑西市名誉市民に推挙された関正夫会長によるあいさつやだるまの目入れなどが行われた。 年頭訓示で関正樹社長は「エネルギーによるソリューションからトランスフォーメーションへ」を今年の合言葉に掲げ、「自立と交流によりお客様と協調し、共に変わっていけるような関係づくり」を謳った。関正夫会長は、初代関彰社長と共に2代続けての名誉市民受領について「皆様のおかげと強く感じている」と感謝の念を述べた。(池田充雄)

今季はプロへ6選手 筑波大蹴球部が合同記者会見

筑波大学蹴球部からプロサッカーチームへ加入する6選手の合同記者会見が27日、つくば市天王台の同大学会館特別会議室で開かれ、各選手が来季への意気込みなどを語った。今年は6人中5人がJリーグ1部のチームに進むなど、日本のプロサッカー界における大卒選手の存在感がいっそう高まりそうだ。 プロに挑む6選手の抱負 清水エスパルスに内定した山原怜音選手は、大学ではサイドハーフやサイドバックとしてゴールやアシストを量産してきた。「清水では持ち味の攻撃力を生かして多くの試合にからみ、クラブの勝利のため日々努力したい」と語る。両足からの精度の高いキックが持ち味で「クロスやミドルシュートなど得点に直接結び付くプレーをしたい。どこで出てもチームの勝利に貢献できると思うが、一番強みがあるサイドバックで主にやりたい」と意気込む。 柏レイソルに加入内定の加藤匠人選手は「巧みな技術と鋭い観察力の頭脳派ボランチ」とのチーム評。今季は大学と並行し、柏の特別指定選手としても活動してきた。「柏は小5から高3まで7年間過ごした愛するクラブ。幼いころからのプロ選手への夢がかない、責任と覚悟が増してきている」。目標はクラブのレジェンドである大谷秀和主将を超えること。「大谷選手は小学生のときからのあこがれ。今の柏のボランチには球際に強い選手がそろっているが、その中でポジションを勝ち取りたい」 角田涼太朗選手は今年7月、横浜Fマリノスでプロ選手としてのキャリアをスタートさせている。「半年間マリノスでプレーし、自分の決断は間違ってなかったと胸を張れる。来年は勝負の年。自分のプレースタイルを順応させ、自分にしかできないプレーをしたい」武器は対人の強さと正確なキック。左利きでセンターバックとサイドバックの両方をできる希少な選手だ。「ビルドアップで相手がプレスをかけにくい利点を生かし、自分の持ち味である攻撃の起点となるパスを供給したい」 井川空選手は北海道コンサドーレ札幌に内定。「高い守備力と正確な技術で試合の流れを引き寄せる」とされるユーティリティープレーヤーで、大学ではボランチ、センターバック、サイドバックを務めた。「札幌ではボランチで勝負したいが、どのポジションで試合に出ても自分の力を100パーセント生かし、チームに勝利をもたらしたい。ピッチを広く使える展開力や運動量などダイナミックさが取り柄。チームのため献身的に戦い、ボールを刈り取る姿を見てほしい」 小林幹選手はシンガポールプレミアリーグのアルビレックス新潟シンガポールに内定。「U23のチームなので1年がリミット。その間にどれだけ成長できるかが試される。逆輸入され、この5人と同じJリーグのピッチに立つことが目標」。フォワードからボランチまで攻撃的ポジションは全部経験があるが、クラブからはボランチとして期待されているという。「全試合フルタイム出場し、攻守に圧倒的な存在感を放つことが必要。小林のチームと言われるくらいになりたい」 森海渡選手は柏レイソルに内定。今は大学3年だが角田選手同様、蹴球部を退部してのプロ入りとなる。「大学で4年間プレーする選択肢もあったが自分のキャリアを見据え、もっと上へ行きたいと決断した。この決断をして良かったと思えるようになりたい」。今季関東大学リーグ1部で14ゴールを挙げ、トップスコアラーに輝いたストライカー。「控え目だが来季目標は5ゴール。FWは結果が全ての世界。スピードや得点感覚では負けてなく、一年目から活躍したい」 卒業を待たないプロへの道筋 近年は角田選手や森選手のように、大学卒業を待たずしてプロ入りする例が増えている。筑波大蹴球部の小井土正亮監督は「一昨年の上田綺世選手(法大→鹿島)らが道筋を作ってくれ、大学生でもこれほどのプレーができるという見本となり、戦力として考えてオファーしてくれている」と分析する。だが、選手として評価されたから即プロになれるといった甘い考えではいけないと指摘する。「学生として学業も十分やっていることが大前提。大学にサッカーだけをしに来ているようではプロとして通用しない。所属する部の仲間を納得させ、快く送り出してもらえるような努力をしてきたのか。そうでなくてはプロへ行っても応援される選手にはなれない」 例えば角田選手は、傍目には一足飛びにプロ入りしたように見えても、本人としては満を持してという思いが強いそうだ。昨年10月に横浜Fマリノスに内定し、特別指定選手としてプレーも経験したが、今季前半は学業に専念。「筑波大に進んだ意味は人間的成長やセカンドキャリアを考えて。だから学業をおろそかにしたくなかった。教育実習はさまざまな経験ができるのでぜひ行きたかったし、そのタイミングが被ったので半年間の猶予をもらった」 森選手もまた入学時からプロキャリアを見据え、目標高く取り組んできた。1年次から積極的に授業に出て、3年で卒業に必要な単位はすべて取得。教育実習だけはあきらめたが、これは後から好きなタイミングで行くことができる。小井土監督も「選手として飛びぬけた能力を発揮し、大学ではやり残したことはないと思えるほどの活躍を見せたのだから、さらに上を目指したいという思いが芽生えるのは自然なこと。学生の本分とサッカー選手としてのキャリアとの間で何が大事か考えてあげ、できる状況にあるならトライするという選択も指導者として尊重したい」と巣立ちを温かく見守る。(池田充雄)

感覚過敏に対応 心地よく学び休める部屋 筑波大が公開

障害のある学生への修学支援組織、筑波大学(つくば市天王台)のダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター(DACセンター)が、試行運用中の「アクセシブルスタディルーム(ASルーム)」を公開した。同センターを利用する障害学生向けの学習・休憩スペースで、特に感覚過敏のある学生の使用に配慮した。多様な学生一人ひとりが自分の感覚に適した学び方、休み方を見つけられるという。 落ち着きと集中に配慮した2室 大きな音やまぶしい光、人混みなどが苦手な人にも安心して過ごせる環境を提供する「センサリールーム」の取り組みが国内外で始まっている。ASルームも、聴覚や視覚など感覚過敏のある人が落ち着いて快適に過ごせるよう企画・設計された。「アクセシブル」は近寄りやすさ、利用しやすさをいう。海外の大学で導入され、日本でもサッカースタジアムへの導入例などあるが、国内の大学では初めての設置、運用となった。 一人用の学習・休憩スペースと複数人で使用できる共同スペースの2室に分け、設けられた。個人で使用するスペースは自分の心地よさに合わせて空間をカスタマイズできる。照明の明暗や赤、青、緑など部屋の色調は調整可能だ。天井に設置されている無線通信のスピーカーから音楽や作業用BGMなど、自分がストレスに感じない音を流すことも出来る。 泡による視覚と音波の効果によって感覚を落ち着けられるバブルチューブ、狭くて暗い空間を作り出すための簡易式テントなど、落ち着いたり集中するための様々なグッズが配置された。障害学生は1人当たり1日3時間を上限に利用できる。 感覚過敏な人との相互理解 発達障害のある学生は近年、全国的に増加しており、筑波大でも障害学生全体のうち67%にあたる110人が発達・精神障害だという(12月1日現在)。発達障害のうちの一つが自閉スペクトラム症で、その69%~95%には感覚過敏という特性があるという。 感覚過敏は個人差が大きく、体調や不安の程度によっても変動することがある。しかし、大学の環境は感覚過敏の学生らに十分に対応しているとは言い難く、これまでは耳栓などの器具の利用許可を得るなど障害学生側が工夫する対策に留まっていた。さらにコロナ禍の昨今、オンライン授業により「目が疲れる」「集中力が続かない」と訴える障害学生は、発達障害に限らず全国的に増えている。 筑波大では2019年12月に、ASルームの企画・運営のため、教員・学生の共同プロジェクトチームがスタート、当事者目線での意見を共有するために障害学生も参画した。書店や図書館では周囲の目が気になってしまうという障害学生の指摘を受け、発達障害に関する書籍やリラックスするためのグッズを置いたり、注意が逸れないよう本棚に目隠し用のカーテンをつけるなど、意見の反映を図った。 8月の試行運用開始から障害学生16人が利用登録し、利用者からは「ルームでは靴を脱いでカーペットに座ったり、自分にあった聞き方で受講できるのが良かった」という声が上がった。 今回の公開を機に試行運用期間による利用学生の限定も拡大していく予定という。活用事例の蓄積による他大学や社会への情報発信、持ち運び可能な簡易型、貸出型のセンサリールームの検討も視野に入れ運用していく方針だ。 芸術系の小山慎一教授は、コロナ禍のマスク着用で感覚過敏の人々が感じている困難を例に「感覚過敏な人とそうでない人の相互理解が進むと良い」と語った。人間系の佐々木銀河准教授は「感覚過敏は外からは誰も分からないし、本人自身も気付いていないかもしれない」と述べ、ASルームが障害学生自らの感覚特性を知るための機能を担っていると位置づけた。(渡辺陽)

筑波大、流経大に完敗 2年ぶり茨城ダービー

第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節の筑波大―流通経済大(流経大)戦、通称「茨城ダービー」が15日、千葉県東金市の東金アリーナ陸上競技場で行われ、筑波大は1-3で流経大に敗れた。コロナ禍により茨城ダービーの開催は2019年以来2年ぶり。 第95回関東大学サッカーリーグ1部前期第6節 5月15日 東金アリーナ陸上競技場筑波大1ー3流経大前半0-2後半1ー1 両校は、今月9日にひたちなか総合運動公園陸上競技場(ひたちなか市)で行われた天皇杯県代表決定戦の決勝戦で対決し、延長戦の末、筑波大が流経大に2-3で惜敗した。筑波大は雪辱を期して臨んだが、流経大に返り討ちに遭った格好となった。 筑波大は、前半6分に流経大DF佐久間駿希(4年)にシュートを決められ失点を許した。同35分にも流経大FW満田誠(4年)にシュートを決められ2失点。巻き返しを図ろうとするも得点を決められず0-2と流経大優勢のまま前半を折り返した。 ハーフタイムに交代した筑波大MF田村蒼生(1年)が後半17分に1点を決めて1-2に持ち込み、流経大に一矢報いたが、同21分に流経大FW齊藤聖七(3年)に3点目を決められた。 筑波大は最後まで奮闘するも、放ったシュートが流経大ゴールポストの上をかすめるなどチャンスをものにできない場面が散見され、流経大優勢の流れを変えるには至らず試合終了となった。 流経大は2019年の茨城国体で県代表チームに選手14人が参加し茨城県の優勝に貢献。有力選手を国体に出した影響で同年の関東大学リーグ1部で最下位(12位)となり、2020年は2部に降格した。しかし同年のリーグ2部で優勝を果たし、わずか1年で1部に復帰した。 「実力通りの差が出た」 筑波大の小井土正亮監督は「先週9日も流経大と天皇杯(県代表決定戦決勝)で対戦して延長戦まで行って負けてしまっているので、選手の中ではかなりリベンジを期するものがあり、メンタルでもやる気があった、戦術的にも特に困っているところがあった訳ではない。その中で負けたのは、実力として完敗。実力通りの差が出た」と振り返った。 一方、流経大の中野雄二監督は「ウチの学生はのびのびしていたと思う。筑波大の方が上手くいってないというか、早いうちから失点してしまった。中6日で『(流経大に)リベンジしたい』という強い気持ちで臨んだとは思うけど、前半6分の先制点が筑波大の気持ちを沈めたと思う。それくらい貴重な先制点だった」と勝因を話した。(崎山勝功)

Most Popular