【鈴木宏子】少子高齢化が進み、地方の中小企業で人材不足への懸念が深刻になる中、筑波学院大学(つくば市吾妻)と県内企業、就職支援をするキャリアカウンセラーなどが連携して、県内企業の人材確保に取り組むNPO法人の設立準備を進めている。

NPO「タウン・アクティビティ・コモンズ(TAC)」(土浦市)で、東南アジアからの留学生を対象に、大学で学びながら県内企業で就労体験する機会を作ったり、県出身の学生に県内企業にUターン就職するための就職体験プログラムを提供したり、地元で活躍する意識を育てるなどの事業を計画している。

筑波大学(つくば市天王台)職員として長年、学生の就職支援に取り組んできたキャリアカウンセラーの久保田優さんが理事長、筑波学院大の大島慎子学長が副理事長を務める予定だ。

久保田さんが長年築いてきた人脈を生かして、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジアの大学生を対象に、県内企業と共に現地で留学説明会などを開催する計画だ。留学生には奨学金を得ながら筑波学院大で学び、県内企業で半年から1年間インターンシップを体験してもらった上で、県内企業への就職を支援する。

日本人学生は、都内などの大学で学ぶ県出身者を対象に、県内にUターン就職してもらうためのインターンシッププログラムを提供する方針だ。ほかに学生のキャリア形成のための授業プログラムを開講したり、企業の人事担当者向けにセミナーを開催したり、高校生や高校教員向けにキャリア形成の学習支援などを企画している。

21日、筑波学院大学で同NPOの設立総会が開かれ、今後の事業計画などを決めた。秋には設立の見込み。

久保田さんは「大学と連携して地域で活躍できる人材を育て、地域企業に定着を図りたい」と話し、大島学長は「留学生はここ最近、日本で就職したいという意向に変わっており、教育方法も変化している。県内に定着できるようになれば」と語っている。