インターンシップの実例 つくばの筑波学院大で研究会

パネルセッションの様子。左からカスミの川村昴弘さん、いばらきコープの黒岩賀津子さん、関彰商事の岡本俊一さん、金久保紀子教授、大島愼子学長=つくば市吾妻の筑波学院大学

【橋立多美】「地方都市の産業活性化とインターンシップ」をテーマにした、日本インターンシップ学会東日本支部の2018年度第1回研究会が8日、つくば市吾妻の筑波学院大学で開催された。

同支部は関東・中部・東北地区に在住する会員有志を中心に研究活動を展開している。同大の大島愼子学長が副支部長を努めている。参加者約30人の多くがインターンシップを実践している教育現場の教員で、活発な質疑応答が行われた。

古閑博美支部長のあいさつに続き、「留学生のインターンシップへの取り組み」と題して同大国際別科長の金久保紀子教授が基調講演を行った。

金久保教授は、留学生数は増える一方で近年は東南アジアからの留学生が多く、中でもベトナム出身者が突出しているとした上で、留学生は自国には戻らず、日本での将来を楽観的に考えている。しかし大半が18歳で出国しているため社会的経験と日本語力が不足しているなどと報告した。

一方、同大の社会参加型教育プログラム「オフ・キャンパス・プログラム(OCP)」で生活者としての力をつけた留学生の例を挙げた。OCP活動を通して地域社会に出る意識を醸成し、インターンシップにつなげたいと述べた。

受け入れ事例と採用

続いてインターンシップの受け入れ事例として、生活協同組合「いばらきコープ」とスーパー「カスミ」の取り組みが報告された。いばらきコープは店舗や移動店舗、宅配業務を体験。カスミはマーケット調査や売り場の組み立て、実際に販売するなど流通業を体験するインターンシップを展開している。

休憩後はパネルセッション「地域活性化におけるインターンシップの役割」が開かれた。パネラーとして登場した関彰商事の岡本俊一人事部長は「昨年1週間、当社でインターンシップを経験したベトナム留学生を2人採用した。公的な日本語能力試験に合格しても、イコール会話力ではないことが分かった」と話した。

参加者からインターンシップ体験と採用について質問があった。いばらきコープ採用教育担当の黒岩賀津子さんは「年間60人ほどを受け入れ、数人が入社している。入社してもらえなくても働く社員を見てもらい、将来の組合員候補」と話した。カスミ労務・採用担当の川村昴弘さんは「毎年200人を受け入れ、入社は1割の20人。会社は社会的責任を果たし、学生にはカスミに関心を持ってもらえる」と語った。

研究会の司会を務めた大島学長が「インターンシップは受入れ企業の認知度の向上につながることが分かった。地域企業への理解は産業活性化の一助になる」と総括した。

基調講演中の国際別科長の金久保紀子教授=同