《学生インタビュー》2 ジャム缶のデザイン、挑戦と試行錯誤と喜びと

インタビューに答える大久保駿さん

経営情報学部ビジネスデザイン学科3年
大久保 駿さん
県立土浦第二高校出身

 

――昨年夏、県立水戸農業高校の生徒が授業で作るいちごジャムの缶のラベルをデザインしました。どうしてこの取り組みを選びましたか。

私はイラストやアニメの制作が好きです。この大学に入ったのは、学生が手がけた味噌のラベルデザインや企業のロゴデザインを見て、発信力のある大学だと思ったことがきっかけでした。ですから入学したら私もやりたいと思っていました。

――こちらがデザインしたジャムの缶ですね。全面にジャムの写真が使われていて、商品名も分かりやすいです。どのようなイメージで制作しましたか。

いちごジャムの瓶にラベルを張ったようなイメージでつくりました。
もともとジャムは水戸農業高校の生徒全員が実習で作るもので、学園祭の目玉商品だそうです。ところが何の商品か文字を見ないと分かりにくいという問題がありました。

左が大久保さんがデザインしたいちごジャムの缶、右が以前の缶

――このデザインを思いついたきっかけは何でしょう。

ジャムの缶は見るのも初めてで、最初はどのように制作すればよいか悩みました。そこでスーパーに何度も足を運び、販売されている缶のデザインを見比べました。すると気がついたことが2つあります。1つは缶のラベルには必ず中身の写真が使われていること。瓶なら中身が見えますが、缶は中身が見えません。「ああ、これか」と思いました。もう1つは、缶に載せる情報は、全体の3分の1で区切ると見やすいことです。スーパーで買った缶のラベルを切り開いて研究し、発見しました。
そこで全面にいちごジャムの写真を載せ、商品名と原材料などの詳細、同校のエンブレムをそれぞれ3分の1になるようにデザインしました。さらに自分ならではの工夫として、商品名の横にいちごのイラストを入れました。

―― 取り掛かってから完成までどれぐらいかかりましたか。

夏休みの終わりから本格的に取り掛かって3ヶ月ぐらい。メディアデザイン系の高嶋啓准教授にデザインのアドバイスをいただきました。いちごのイラストは高嶋先生に「イラストが得意なんだから描いてみたら」と言われ、本物のいちごを見ながら描いたものです。依頼主の水戸農業高校の先生にも何パターンかのデザインについて意見を聞き、反映させました。

――でき上がったラベルについて、水戸農業高校の先生の感想はどのようなものでしたか。

おいしそうなデザインと言っていただけました。特に工夫して描いたいちごのイラストを気に入っていただけたことがうれしかったです。文化祭での売上もかなり伸びたと後で聞きました。

――この経験を通じて得たこと、変わったことはありますか。

自分なりに頑張ったと手応えを感じたのはスーパーでのリサーチですね。写真を入れることや3分の1の法則を見つけたときは、すごく楽しかったです。
変わったことは、分からないことがあれば、自分だけで考えるのではなく、誰かに相談するということです。また難しい依頼があっても、真っ向から無理ですと断らず、折衷案を出して双方納得できるように物事を進められるようになりました。今取り組んでいる映像制作は、カメラマンやキャスト、監督と多くの人で取り組むので、その経験が生かせていると思います。
それから何かに取り組むときは、自分の得意分野をどこかに出すようになりました。今取り組んでいるCM制作の課題では、登場する商品パッケージも自分で作ったりしています。ふつうなら他の人に任せることも自分で作ることを通じて、オリジナリティーを出せるようになりました。

――残りの学生生活は、どのようなことに取り組みたいですか。

最初はデザインがやりたくて入学しましたが、今は映像制作など大勢の人の中でのものづくりに興味があります。映像系の仲間とつくった「チーム猫の手」では、11月に県主催の「いばらき結婚・子育てポジティブ動画コンテスト」でグランプリを受賞しました。造形美術にも興味があり、特撮のコスチュームを作っています。

結局、新しいことに挑戦し、試行錯誤しながら何かを作るのが好きなんですね。どうすれば良いものが作れるかを考えているときが一番ワクワクします。その意味で、ジャムのラベルデザインの取り組みはとても楽しかったです。

私にとって筑波学院大学の先生はとても相談しやすい存在です。休日でも電話をかけて「こういうのを作ったけどどうでしょう」と言うと、すぐに見ていただけます。コスチュームを制作するときも、機材や塗料を貸してくださったり、制作の場所を提供してくださったりします。やりたいことがしっかりしている人にとって大学の環境はとても恵まれていると思います。

(インタビュアー:大志万容子)