インドネシアのジョグジャカルタ市から研修で来日している中学生30人が15日、つくば市吾妻の筑波学院大学で着付けや茶道を体験した。色とりどりの着物を着付けてもらった生徒たちは、和室で正座して茶道の作法を教わるなど、日本の伝統文化を楽しんだ。

教室で行われた着付け体験では、つくば市の佐々木悠紀子さんらボランティアが、生徒たちに長襦袢(じゅばん)や着物を手際よく着付けていった。帯を整えた佐々木さんが「OK。かわいい」と指で丸を作ると、生徒らは鏡で自分の姿を見てにっこりとほほ笑んだ。

その後、和室で行われた茶道体験では、土浦市の宮本昌子さんが「茶碗は左へ2回まわします。(絵柄などのある)正面に口をつけて汚さないためです」などと作法を教えた。着物姿で正座した生徒たちは、神妙な面持ちで茶碗を回し、抹茶をゆっくり味わった。

紺地に小花模様の着物を着た女子生徒のアズキアさん(14)は「お茶は少し苦いけど、おいしかった。(着物は)インドネシアにはない柄でかわいい」と笑顔。紺の着物を着た男子生徒のアフリさん(13)は「着物を着ると背筋が伸びた。和室は素敵な空間で(茶道に)集中しなければと思った。エキサイティングな体験だった」と話した。

同大の金久保紀子准教授は「今回来た子たちは皆日本は初めて。自分の国と日本を比べるなどして、見聞を広めてほしい。将来彼らが日本との架け橋になるきっかけづくりになればいい」と語った。

研修は、同大と交流協定を結んでるインドネシアの日本語機関が企画し、同大が支援している。今年で5回目。日本人と交流し、多様な経験をしてもらうと共に、日本語学習に対する意欲を高めてもらい、将来日本へ留学を希望する若者を増やすことが狙い。

10日に来日した一行は、13日には常総市立石下中学校で授業を体験し日本の生徒と交流を深めた。20日まで日本に滞在し、ホームステイを楽しんだり、浅草やスカイツリーを見学したりする予定。(大志万容子)

着物を着付けてもらう生徒