日本一のハクサイ産地として知られる八千代町の活性化に、筑波学院大(つくば市吾妻)の学生らが挑戦する。第一弾として1日、学生約20人と高藤清美学部長らが同町をバスで訪れ、ハクサイの収獲作業や露天風呂などがある八千代グリーンビレッジを見学した。今後さらに意見交換会などを開いて町おこしのアイデアを提案していくという。

同大と町商工会が9月に町活性化を目指す協定を締結。協定に基づき1日、町商工会地域活性化推進委員会(高塚幹夫委員長)の案内で、町役場、町歴史民俗資料館、平将門ゆかりの山川不動尊(結城市)などを回った。ベトナムやモンゴルからの留学生も参加した。

役場では町まちづくり推進課の馬場俊明参事が町の強みと弱みを説明。強みはハクサイのほかキャベツ、レタス、ナスなどが全国屈指の生産量を誇るほか、家族1世帯当たりの人数が3・14人と県内1位(県平均は2.56人)だと話した。弱みは、公共交通が少ない、病院が少ない、雇用の場が少ないなどと説明した。

ハクサイ畑では、根元を包丁で切って外側の葉を取り除く収獲の様子を見学。約10haの畑で栽培する大久保真宏さん(45)は「今年は(秋冬ハクサイの出荷の)出だしが1箱(6~8個入り)200円にしかならなかった。収入が不安定」などと課題を話した。特産のハクサイと県産の豚肉を使った町オリジナルのキムチ鍋なども味わった。

参加した3年の鈴木光介さん(21)は「町の弱みとして若い女性の転出が多いと聞いたので、八千代町ならではの若い女性が働きやすい環境づくりを提案できれば」などと話した。

商工会活性化推進委の高塚委員長は「これからの社会を担う若者たちに、地域の経済やこれからのビジネスの在り方を勉強してもらえれば」と期待を話し、高藤学部長は「交流しながら活性化の提案をし、未来志向の産業創生に貢献する人材を育てていければ」と語っていた。(鈴木宏子)

山川不動尊で商工会活性化推進委副委員長の安田忠司(右端)から将門にまつわるいわれを聞く学生たち