学生が学外で活動して経験値を高める筑波学院大学(つくば市吾妻)の社会参加型教育プログラム(OCP/オフ・キャンパス・プログラム)で、中国・内モンゴル出身のレイギョウさんは「NPO法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク」に運営スタッフとして参加した。同大入学前、つくば国際ペット専門学校(同市沼田)で学び、入学後は動物愛護団体のシェルターでの実践を通して飼い主の責任に目覚めた。「OCP活動で成長できた」と話す。

レイギョウさん。いつも学習に利用している学院大附属図書館の前で=つくば市吾妻

経営情報学部 ビジネスデザイン学科 3年
 レイ ギョウ(冷凝)さん

―動物愛護活動に参加を決めたのはなぜ?

動物が好きで学院大に入学する前の2年間、つくば国際ペット専門学校のペット総合コースで勉強しました。この経験もあって、OCP活動を受け入れてくれる自治体や企業など多くの団体の中から、迷わず「動物愛護を考える茨城県民ネットワ-ク」に決めました。

―具体的な活動は?

里親募集をする犬猫の飼育と、里親探しに不適な犬や猫を保護して殺処分を避けるためのシェルター(土浦市)で、スタッフの皆さんと犬と猫の世話をしました。犬20頭と猫20匹がいて、餌やりと犬の散歩、室内の清掃を任されました。シニアの犬が多く、病気治療のために薬を飲ませるのも活動の一つでした。

―活動の中で印象に残っていることはありますか?

どの子も私を覚えてくれて、2日目には「遊ぼうよ」と近づいてきました。すっごくかわいかった。それと、雨の日も風の日もお正月も世話は休めません。活動中の8月に大型台風がきて、誰もシェルターに来られなかったら大変とこわごわ運転して行ったら、スタッフ全員がいました。動物たちへのやさしさと責任感に感激しました。

―活動を通じて学んだことは?

ペット専門学校で捕獲された犬や猫が殺処分されていることなど、ペットたちの状況を勉強しました。でも実感できなかった。シェルターで一緒に過ごすことで動物たちの命に対する認識が深まり、不妊手術をした猫の耳先をV字にカットすることを知りました。

今はペットを飼う人には「不妊手術をして一生面倒を見てあげて」と話します。活動で学んだことを活かすことで動物愛護に貢献できていると思います。ペット可の部屋で犬と猫と暮らしていますが、不妊手術をして猫にマイクロチップを埋め込んでいます。

―将来像はどう描いていますか?

グローバルコミュニケーションコースで学んでいて、日本語教師を目指しています。卒業後、都心でもっと日本語力をつけてから中国に帰り、日本語を学び人の役に立ちたい。

―大学生活はどうですか?

筑波学院大学は私のような外国籍の学生がいて、文化の違いを気にせず交流できて楽しく過ごしています。華道部で生け花を習得中ですが、長時間正座しても足はしびれず平気。静かな空間で日本の文化に浸っています。

(聞き手・橋立多美)

スタッフとシェルターの掃除をするレイギョウさん(左)