【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)は25日、阿見町と連携協力協定を締結した。協定に基づいて同大は2019年度に「地域デザイン学芸員」を養成する授業を通して、阿見町の文化や資源を掘り起こし、付加価値を付けた商品やサービスを開発して、図書館や空き店舗などで発信することを目指す。

さらに同町の地域資源に付加価値を付けてビジネスを起こす同学芸員の育成を目指す。担当する同大の塚原正彦教授は、同町の地域資源について予科練平和記念館や、霞ケ浦のセーリングなどのスポーツ、医療用漢方製剤工場として世界一の規模のツムラ茨城工場の漢方記念館・薬草見本園などを例に挙げ、「食・健康・スポーツをテーマに今までにないものをつくることができれば」と話した。

同大は18年7月から文科省の職業力実践プログラムとして社会人や学生の人材養成に取り組んでいる。初年度は牛久市を舞台に授業を実施し、茶葉、イチゴなどに着目し、ブックレットを作成したりスイーツを作るなどした。現在、同大附属図書館で成果を発表している。2年目の19年度は阿見町を舞台にするという。

さらに19年度の成果を生かして同町は、未来ビジョンやアクションプログラムを策定し、具体的な動きをつくっていくという。

ほかに同大が14年前から実施している、学生が地域に出て企業や市民団体などと活動する「オフキャンパスプログラム」を、新たに阿見町の企業や地域団体でも展開するという。

同町の千葉繁町長は「阿見町はポテンシャルがあるが有効活用できなかった。町の宝探しをしてくれるということなので、宝物を学生に見つけていただき、阿見町が地域で抜きん出るようなまちづくりを進めたい」と話し、同大の大島慎子学長は「ヨーロッパでは学芸員が地域の観光資源を観光産業に変えていく活動をしている。ビジネス化して町のイメージを変えていけるようなものを育てたい」と話した。