筑波学院大学附属図書館(つくば市吾妻)で4日開幕したメディアデザインコースの卒業制作展で、4年の小野映美さん(22)は「石岡のおまつり」(常陸国総社宮大祭)を紹介するリーフレットを作成した。石岡生まれ、石岡育ち。子どもの頃から祭りに参加し、祭りの担い手の視点から、ディープな楽しみ方を紹介する。指導する高嶋啓准教授は「内情に詳しく、丁寧な作りをしている」と評価する。

筑波学院大学経営情報学部
ビジネスデザイン学科メディアデザインコース4年
小野映美さん(22)

―石岡のおまつりの見どころを写真と短い文章で紹介し、裏には会場の地図を掲載したリーフレットが出来上がりました。

手に持ちながら見物できるようA2判を蛇腹折りにしてA4の3分の1の大きさにしたリーフレットを作りました。色の基調はネイビー(紺色)と白です。石岡のおまつりで着る半てんの色で、どことなく和っぽいので。おまつりをやっている目線で、皆が知らないことを書けたらいいと思いました。既存のパンフレットはおまつりの紹介とマップが別々に掲載されていたので一緒にしました。

石岡のおまつりと言えば、幌獅子と呼ばれる後ろに小屋が付いた獅子や豪華な山車など約40台が駅周辺を練り歩きます。リーフレットでは、例えば獅子は町内ごとに一体一体顔が違うことなどを紹介しています。黒い顔の獅子もあるんですよ。ご存知でしたか。

獅子や山車の綱を引き、止まっているときに「おっしゃい、おっしゃい、おっしゃいな」と掛け声をかけながら扇子やちょうちんを振って祭りを盛り上げる「おっしゃい隊」も紹介しています。掛け声は各町によって違っていて各町内をアピールする内容になっています。手話を交えた口上もあるんです。

10代から20代の女性がはんてん姿で口上を言うんですが、私は高校1年から若松町のおっしゃい隊に所属しています。石岡に生まれたからにはおまつりに参加しないと。

おまつりは9月中旬の3日間ですが、毎年7月ごろから2カ月間くらいは練習をします。総社宮と町内の山車の清掃も年間を通して実施しています。

―リーフレットを通して訴えたいことは何ですか。

町内それぞれの獅子の顔の違いや、山車の飾りの違い、おっしゃいの口上の違いなどを見つけてほしい。かんざしなど祭りの小物も紹介しました。かわいい小物がいっぱいあるので知ってほしいと思います。

―完成したものをまずだれに見せたいですか。

石岡市役所にお世話になりましたし、地元の友達に連絡して祭りの写真をもらったりしたので、石岡市役所と友達に届けたいです。

「石岡のおまつり」のリーフレット

―4年間を振り返って何が印象に残りましたか。

1年生のときから、地域に出てNPOや企業などと社会貢献活動をするOCP(オフ・キャンパス・プログラム)活動に参加し、報告会で発表させてもらいました。3年生のときは土浦青年会議所が主催したエアショーの運営スタッフとしてステージパネルのデザインをしました。学生食堂グルマンのロゴを作ったりもして、いろいろやらせてもらいました。小規模な大学だからこそ、チャレンジする機会をいっぱいもらえたんだと思います。

(聞き手・鈴木宏子)

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