【崎山勝功】伝統文化の餅つきを学生たちに体験してもらおうと、筑波学院大学(つくば市吾妻)の学生食堂を運営するフランス料理店「カフェ・ド・グルマン」(内田十九二店長)で22日、杵(きね)と臼(うす)を使っての「餅つき」が催された。

学生たちが杵を持って、周囲からの「ヨイショ」の掛け声に合わせて、慣れない手つきながらも餅をついた。できあがった餅は約15㌔にのぼり、同大の卒業生らがきな粉、粒あん、大根おろしで味付けして、学生や教職員たちに提供した。つきたての餅を食べた学生たちからは「柔らかい」「お餅ってこんなに伸びるんだ」などの感想が聞かれた。

初めて餅をついたという、同大経営情報学部ビジネスデザイン学科2年の鈴木捷哉さん(21)は「やっぱり難しかった。杵が重くて実際にやってみると難しかった」と苦労した様子だった。

今年、新成人の仲間入りをした同学部の古矢淳博さん(20)はスーツ姿で参加。「思ったより気持ちがいい。これから餅をつく機会があるか分からないけど、スーツで餅をついたのは新鮮だった」と語った。

餅つき体験は、内田店長が「学生のためになることを何かしてあげたい」と考え、同大卒業生の後援会の協力を得て2018年1月から始まった。当初の構想では大学の成人式を兼ねて、「新成人の決意」を言ってから餅をついてもらう予定だったが、今回は新成人に限定せず実施した。来年以降も続けていく方針で、内田店長は「つきたてのお餅はめったに食べられない。おいしい物を食べた経験は残る」と語った。

杵と臼を用意し運営に協力した同市今鹿島の軽部勲夫さん(72)は「餅自体はいつでも食べられるが、餅になるプロセスを(学生たちが)体験するのが大事」と話した。

つきたての餅を食べる学生たち=同