《留学生エッセー》15 日本式サービスのホテルをネパールに

ダサイン祭りの日、つくばにいるネパール人が集まって額にティカを塗って祝った(右端がカトリさん)

経営情報学部グローバルコミュニケーション学科2年
カトリ サンブ

私は東ネパールのビラトナガルから来たカトリ サンブです。カトリは日本人の名前と似ているので、ハーフですか、とよく聞かれます。ネパールの大学では英語の他に最初は韓国語を勉強しました。でも文字や発音が難しくて3カ月であきらめて、日本語を選び直しました。日本語は大学のほかに日本滞在の経験があるネパール人の塾でも勉強しました。日本語は韓国語より早く覚えられました。

ネパールの民族衣装を着たカトリさん

ネパールは若い人の就職先がなくて就職できる人は1割です。大学を卒業すると海外へ出る人が多く、留学先の1番人気はオーストラリアで2番目が日本です。日本は卒業後の就職がスムーズで治安の良さが人気です。私も3年制の大学(今は4年制)を卒業後、大洗にある日本語学校へ入学しました。そして筑波学院大学でグローバルコミュニケーションを学んでいます。

お祭りは生活と結びついている

ネパールは北海道の約1.8倍しかない小さな国です。でもたくさんの民族(36族以上)が住んでいます、その民族の中に色々な祭りがあり、ネパールはお祭りが多いことで知られています。普通の日よりも祝祭日の方が多いと、ネパール人ですら冗談で言っているくらいです。しかし、それらすべてのお祭りには深い意味や目的があり、ネパール人の生活とは切り離せないものです。お祭りの規模は、個人や家庭、地域や国全体のものまでさまざまあり、また時代の変化とともに、その方式や形態、規模なども変わってきました。ネパールの大きなお祭りを2つ紹介したいと思います。

ダサイン祭りは豊穣と生命力を高める

ダサインは9月末から10月中旬まで続く、ネパールでは宗教的な国家最大の祭りです。学校は15日間休みになり、銀行や役所なども4日間休みます。海外にいるネパール系民族を始め、多くのヒンドゥー教の人々が毎年この祭りを様々な儀式や行事を行って世界中で祝います。

ダサイン祭りの供物=中央の赤いのがティカ。お札とコインは日本のお年玉のようなもので、子どもと年齢に関係なく女性だけがもらえる

ダサインは悪魔を叩きのめす強く美しい女神ドゥルガーにちなんで、豊穣(ほうじょう)と人々の生命力を高めることを祈願する祭とされています。祭の期間を家族皆で過ごすために帰省する人もいます。初日は、家の中で最も聖なる場所である台所に植えたトウモロコシに砂をかけ、大麦をまき、水をやり、お祈りをします。これが6日間続きます。7日目には神の力を受ける儀式、悪魔祓い(はらい)の儀式が行われます。8日目には家族が揃って祭のご馳走を食べます。9日目に女神ドゥルガーなどの神々に動物や鶏の生贄(いけにえ)を捧げます。10日目には女神からの祝福のティカ(額に付ける赤い印)を授けてもらい、祭は終了します。もとはヒンドゥ教の祭ですが、最近は仏教徒にも広がっています。

ティハール祭りは華やかな収穫祭

ティハールは「光の祭」として知られる華やかな収穫祭で、ラクシュミー女神を家に迎え、富と繁栄を祈る祭です。初日はカラスの日、2日目は犬の日、3日目はラクシュミー・プジャといわれ「吉祥天女の日」です。4日目は家族ひとりずつの長寿や無事を祈ります。5日目はバイティカと呼ばれ、姉が弟を閻魔大王から救い出すという物語を元に、女性の守護力を男性に与える日、兄弟に供養する日です。

私は筑波学院大学で日本の文化を勉強し、親切な日本人の先生たちと話すことで、日本のことが深く分かるようになりました。絶対日本へ行く、という夢を叶えて本当に良かったと思います。日本に来て故国では見られない、日本式のサービスの良さに気付きました。大学を卒業したら日本のホテルに就職したいと思っています。そして日本で学んだ「おもてなし」をネパールに持ち帰って、日本式のサービスを提供するホテルを経営したいです。(聞き手・鈴木萬里子)