《宍塚の里》17 専門家に教わり 自然農田んぼ塾

古代米「神丹穂」

【コラム・及川ひろみ】今回もザクザク米を収穫する工夫についてです。私たちの「自然農田んぼ塾」では、まず田植え時に、苗を1本ずつ植えるか3本まとめて植えるか、稲の生育状況や収穫量を比較検討しました。その結果、1本植えは、収量が3本植えよりわずかに少ないものの、株によく日が当たるために分結数が多いことから、丈夫そうな株を選んで1本植えすることに決めました。3本植えは3倍の種もみが必要で、苗代の面積も3倍必要です。

田んぼ塾では、稲の品種・栽培方法ごとの分結数・収穫量について、経過や結果を数値化して検証しています。一昨年から、SRI(System of Rice Intensification)農法を田んぼの一部に取り入れたところ、収穫量が上がりました。SRI農法は7~10㎝の小さな苗の時期に田植えを行い、溝の水を定期的に減らしたり満水にしたりする栽培方法です。

世界の食糧事情悪化が予想される中、この農法はマダガスカルで開発され、アジア、アフリカ、中南米を中心に、50以上の国で導入されています。田んぼ塾では非SRIとSRIを比較しながら違いを確認していますが、SRIの分結数は非SRIの約2倍になります。また、分結しても結実しない「無効分結」が少ないことから、多収になると考えられ、1反当たり9俵収穫できたこともありました。

SRIは、雨量が少ない地域でも多収が望める農法と注目されています。田んぼ塾では、科学的な検証のために測定用機器を設置、東大の研究者が中心になって検証しています。昨年から、SRI農法田の面積を倍に広げました。

最近、安心安全な食べ物の自給自足を目指す人が増えています。野菜づくりはともかく、米づくりには灌漑が必要ですから、個人が米づくりを目指し、実現するのは難しいものがあります。

谷津田は比較的水が得やすい環境でありながら、耕作放棄地が広がっています。米づくりを目指す人にとって、谷津田での耕作方法が確立すれば、自給自足も夢でなくなります。もちろん地権者の了解が不可欠です。話し合いによって耕作の実現を目指してほしいものです。

田んぼ塾では米づくり手引書を作成しました。宍塚で行っているこの試みは、つくば市にある農研機構の上級研究員、嶺田卓也さんの指導を仰いでいます。土浦学園線・宍塚バス停から里山側に入ってすぐの谷津田、約2.5反が自然農法田んぼ塾の舞台です。どうぞ見学にお越しください。(宍塚の自然と歴史の会代表)