《茨城の創生を考える》1 茨城県が魅力度で最下位を続けるわけ

霞ケ浦畔から筑波山を望む

中尾隆友さんのイラスト

【コラム・中尾隆友】ブランド総合研究所の「地域ブランド調査」における都道府県・魅力度ランキング(2017年)によれば、不名誉にも茨城県は5年連続の最下位となった。テレビなどのメディアは結果だけを伝えておしまいという報道をしているため、このランキングが本当は何を意味しているものなのか、きっと知らない方々も多いだろう。大雑把にいってしまえば、観光地として魅力があるかどうか、ということに尽きるのだ。

このランキングで下位が定着している北関東3県(2017年は茨城県47位・栃木県43位・群馬県41位)に共通しているのは、調査対象となる全国の人々にとって「イメージが湧かない」「知っている情報がない」といった点だ。イメージや情報というものは、認知度が高い観光名所やご当地の名産品などに左右されることが多いので、「魅力度ランキングが下位の県=観光地として魅力がない県」だといっても差し支えないだろう。

しかしながら、このランキングの落とし穴は、人々にとって「魅力を知らない」と「魅力がない」が同列に扱われてしまっているということだ。たとえば、北関東3県の中でも群馬県がその典型例であり、草津、伊香保、水上などの温泉地や富岡製糸場といった認知度が高い観光地があるにもかかわらず、ランキングは41位と下位に甘んじているのだ。どうしてこのような結果になるのかというと、全国の人々、とりわけ西日本の人々が総じて、これらの観光地が群馬にあるとは思っていないからだ。

要するに、北関東3県の魅力度が低いのは、行政も県民も全国に対して自らの県のPR活動を積極的にしてこなかったからなのだ。北関東3県の共通点として挙げられるのは、農業や工業が栄えていて、県民の生活水準が高いということだ。1人当たりの県民所得(最新の2014年度)は栃木県が全国で4位、群馬県が10位、茨城県が11位であり、神奈川県、埼玉県、千葉県といった南関東3県よりも高いのだ。さらには、北関東のほうが南関東よりも全般的に物価は安いので、所得の差以上に北関東の人々の生活は豊かであるはずだ。豊かな県は他の地域から観光客を呼び込む必然性を感じていないので、熱心に情報を発信することもしないというわけだ。

北関東は経済的に豊かな地域であるうえに、保守的で控えめな地域性があるために、各県民はあまり地元のアピールや自慢をしない傾向が強く、ランキングの結果もあまり気にしていないようだ。そうはいっても、地方創生の観点からすれば、ランキングが上位であることにこしたことはない。茨城県が効果的な情報発信をできていれば、魅力度ランキングは10位くらい簡単に上げることができるのだから、今後の茨城県の広報活動には期待したいところだ。(経営アドバイザー)

【なかお・たかとも】土浦一高卒、慶応義塾大文学部史学科卒。外資系金融機関、官公庁勤務を経て、現在、アセットベストパートナーズ株式会社の代表取締役。経営アドバイザーとして大企業・金融機関に助言・提案を行う。総合科学研究機構特任研究員。土浦市生まれ、つくば市在住。46歳。