《続・平熱日記》4 今年のクリスマス

斉藤裕之さんの作品

【コラム・斉藤裕之】牛久のアトリエカフェ・シシコで一足お先に開かれたクリスマス会。石窯ピザや手作りの料理が並びます。おじさんバンド、シシコカフェオーケストラの演奏に今年は女性フルート奏者とバイオリン女子高生も加わって格調やや高めで宴を盛り上げます。ちなみにこのカフェの名前は猪子(ししこ)町にあるのでSiSiCoと私が付けさせていただきました。

そしてこの会を最後にお別れするのがイメさん。コスタリカから筑波大学に留学しているべっぴんさん。縁あってこのカフェで数年間英語とスペイン語の先生をしてもらいました。とはいえレッスンの半分以上は日本語のおしゃべりでしたが。

実はイメさんは今年の3月に勉強を終えるはずだったのですが論文が間に合わず卒業式にも出られませんでした。カフェのオーナーであるクミさんは是非ともイメさんに袴をはかせてあげたいとご用意されていたのですがそれも叶わず。それでもイメさんは頑張って論文を書き上げて半年余り後に念願の学位を取得。晴れてイメ博士になりました。

そこでつい1週間ばかり前のことですが満を持してクミさんは袴を用意。着せてもらった袴姿のイメ博士、学位証を手に記念撮影。長身のイメさんのためにクミさんは丈を最大限に伸ばしたということ。妙にスタイルのいい袴姿のイメ博士はその後自身の研究の内容を我々に講義してくれました。

博士の専門は世界遺産。残念ながら母国では様々な事情からこの分野での就職は難しいとか。ともかく今年いっぱいで日本を去ることになったイメさんですが一旦コスタリカに戻りその後大学で数学を教える彼氏、ダビッドのいるアメリカに行くとのことでした。

さて宴もたけなわとなった頃イメさんから重大発表。「私、結婚します!」おめでとうイメさんそしてダビッド。現在はビザの申請中だそうですが時おりしもトランプ政権。中米出身の2人にとっては決して芳しい状況とはいえません。

そしてクリスマス当日はというと、子育ても終わった家の中はクリスマス感皆無。まして日本人のクリスマス文化に疑問を感じるひねくれものの私。それでも車の運転中にラジオから流れてくるクリスマスソングには無意識に反応して不覚にも口ずさんでしまいます。しかしながらケーキや鶏を夫婦で食べるのも滑稽なことで、定番の鍋物をいただき聖夜はまさに静夜として何事もなく過ぎていく。(画家)

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