《邑から日本を見る》40 「全国首長9条の会交流会」に参加

飯野農夫也氏の版画「憩い」

【コラム・先﨑千尋】今月は、脱原発をめざす首長会議、全国首長9条の会交流会、環境自治体会議をはしごした。今回はそのうちの9条の会について報告する。

地方自治の最先端にいる市町村長が「平和憲法9条を守ろう」と立ち上がった。今年になって安倍首相が「地方自治体の自衛隊員募集業務への非協力」を理由に改憲を改めて打ち出した。わが国は明治以来、中央集権の名のもとに、国-都道府県-市町村と縦系列での支配構造が続いてきた。これを改めたのが1999年の地方分権一括法。この法律により「国と地方は対等・協力の関係」になった。

個人情報の保護を謳う行政執行に逆行する安倍首相の一方的な主張は、彼の無知・無法ぶりを示すものであり、国に楯(たて)突く自治体は容赦なく屈服させるという手法がこのところ目に余るようになった。沖縄・辺野古への新基地建設工事の強行や、ふるさと納税で国の言うことを聞かない4つの自治体への締め付け、地方創生事業の国から地方への押し付けなどは、憲法と地方自治を踏みにじる行為と言える。

自治体の長は選挙で選ばれ、住民の生命・財産を守ることを使命としている。憲法9条の改憲即ち戦争への道は、国民、住民の安全・安心を脅かす最たるもの。首長や首長経験者が声を大にすべき時という考えのもとに、全国の心ある者が18日、東京に集まった。

茨城では東海第2再稼働問題が最大の課題

「9条を守る首長の会」は2008年に宮城県で結成され、その動きが東北6県や茨城、新潟などに広がり、今回の全国レベルの取り組みに発展した。交流会には22人の元職が集まり、9条を守る必要性について熱い議論を交わし、首長が全国で力を合わせて「全国首長9条の会・結成準備会」を発足させ、会を早期に結成することを決めた。交流会には沖縄県の玉城デニー知事も賛同のメッセージを寄せた。

交流会の開催を呼びかけた宮城県白石市の川井貞一元市長は、自民党県連の青年部長を務めた、もともと保守陣営の人。「私たちは命を賭けて市民の安全と安心を守ってきた。絶対に9条を守り、安倍首相の暴走を止めるために首長9条の会を全国に広める」と述べた。また、経過報告をした宮城県旧鹿島台町の鹿野文永元町長は、安倍首相が改憲理由とした自衛隊員募集への非協力主張を「昔の徴兵制の復活。地方を隷従させるもので、地方自治への挑戦だ」と、力を込めた。

交流会では参加者全員が発言した。「秋田へのイージス・アショアの設置は許せない」「9条を自治体行政と住民の暮らしに活かすことが9条を守ることになる」「今度の参院選で安倍政権を倒すことが最重要」など。私は「茨城では東海第2原発の再稼働問題が最大の課題。この原発を止めることが9条を守ることにつながる」と発言した。

交流会では、9条の会の早期結成を呼びかけるアピールを採択し、全国の首長らに会への加入、賛同を呼び掛けていくことなどを決めた。事務局の話では、これまでに100人を超す現職・元職が加入を申し込んでいる。(元瓜連町長)

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