金曜日, 4月 26, 2024

シェーキーズ20日閉店 つくばセンタービル 35年の歴史惜しみ行列

【橋立多美】つくばセンタービル(つくば市吾妻)1階のレストラン街、アイアイモールにあるピザチェーン店「シェーキーズ筑波学園店」が20日に閉店する。同センタービルがオープンした1983年に開店し、35年間市民に親しまれてきた。西武筑波店、イオンつくば駅前店に続いて中心地区のにぎわいがまた一つ消える。同店前では、閉店を惜しむ人たちが連日行列をつくっている。 シェーキーズは関東を中心に23店舗を展開するピザチェーン。運営本部のアールアンドケーフードサービス(東京都世田谷区)によると、2014年頃から売り上げが下降傾向となり、近隣の商業施設の撤退もあり、やむなく撤退を決めたという。 閉店まで残り3日となった17日の正午過ぎ、40人以上が店の前で行列をつくり順番を待った。市内在住の40代の母親と娘2人は「寂しいし名残り惜しい」。60代の男女5人は「みんなピザ好きで土浦から誘い合って来ていた。これからどうしよう」と話した。牛久在住の49歳の男性は「当時通っていた牛久高校の期末試験が終わると、友人と50ccのバイクで来るのが決まりだった。青春時代の1ページが終わる」。精算を済ませた40代の男性は「今日も変わらずおいしかった」と話した。 4割が空き店舗に 同店はアイアイモールの核店舗の一つ。同モールがあるセンタービルは、建築家、磯崎新の代表作として知られ、コンサートホールや交流センター、ホテルなどの都心機能を併せもつ施設として建設された。 つくばセンタービルを運営している筑波都市整備(同市竹園)によれば、同モールは12区画あるが、同店が閉店することで4割の5区画が空くことになるという。 センタービルオープンに次いで、科学万博が開かれた85年に大型商業施設クレオが誕生した当時は、同モールとクレオを結ぶ平坦な歩道があった。市内外から集まった多くの買い物客は回遊してショッピングを楽しむことができた。 その後94年に歩道がなくなり、クレオと分断された格好になった。さらに2009年に常陽銀行、翌年関東銀行(現筑波銀行)が撤退し、モールの活気が徐々に失われていったという。総務部長の糸賀徹さんは、2銀行が撤退した頃にはオープン当初の来館者数の半分以下になっていたと振り返る。 小林睦営業部長は「シェーキーズは固定客が多くモールの核だっただけに、撤退は痛手」と話す。つくばエクスプレス(TX)開業や周辺に大型商業施設ができたこと、市庁舎が研究学園地区にできたなど社会的背景が変わってセンター機能が失われたとした上で、「人気店の撤退を機に、文化と科学が集積するセンター地区で求められる機能は何かを追求していきたい」とした。 「中心地が疲弊し厳しい状況だと分かっている」と語ったのは、つくばセンター地区活性化協議会事務局長の稲葉祐樹さんだ。中央広場を囲むセンタービル1階のモールは階段で2階のペデストリアンデッキに通じるが、ベビーカーを押す人や高齢者などはビル内のエレベーターに乗るという動線上の問題がある。稲葉さんは「磯崎新の設計を変えず、どう使いやすい施設にするかが課題」と話した。

人口減、空き店舗増 歯止めかからず 土浦市中心市街地

【鈴木宏子】5カ年計画で中心市街地の活性化に取り組んでいる土浦市は、事業4年目となる2017年度の事業効果の検証結果をまとめた。居住人口と空き店舗いずれも目標に届かず、中心市街地の人口減少と空き店舗数増加に歯止めがかけられてない実態が浮き彫りになった。 一方で、市内外から中心市街地を訪れる交流人口については、昨年11月、駅前に図書館などがオープンし、今年3月、土浦駅ビルにサイクリング施設がオープンした集客効果などから、歩行者数、観光施設利用者数いずれも目標達成可能と見込まれると強気の見方を示している。 14日開かれた市中心市街地活性化基本計画策定委員会(委員長・大沢義明筑波大教授)で市が報告した。 同活性化計画は、土浦駅周辺の中心市街地で、新庁舎や新図書館整備など78事業を展開し、ハード事業とソフト事業の両輪で活性化するとしている。事業効果については、12年度の実態を基準に、居住人口、空き店舗数、歩行者数、観光施設利用者数の四つの指標で毎年、検証している。 14年度のスタートから事業4年目となる17年度の中心市街地の居住人口は7496人と、基準年の12年度と比べて6%減少した。目標に届かないばかりか、当初、予測されていた人口減をさらに上回るスピードで人口が減少している実態が明らかになった。歯止めを掛ける施策として市は、新たに中心市街地に住もうとする人に、住宅建替え補助や家賃補助を実施している。市は「転入者は引き続き増加しているが、それ以上のスピードで自然減や社会減による人口減少が進行している」と分析している。一方、駅東口前と西口そばの2カ所でほぼ10年ぶりの新築分譲マンションの計画があることから、減少スピードが緩和されると期待している。 空き店舗数は、12年度に68店舗あった空き店舗を、18年度にほぼ半減させる目標を立てていたが、17年度は9店増え77店舗となった。 1日の歩行者数は、12年度と比べ、17年度は平日が約17%増の約2万9000人、休日が約16%減の約2万3000人、観光施設の来場者数は約14%増え約11万人となった。 最終年度の今年度は、新たに民間事業者が、中心市街地の空き地(桜町3丁目)に飲食店が集積する店舗を整備する計画があるという。市は今年度、これまでの計画を検証し、課題を整理した上で、新たに19年度から5カ年の第2期計画を策定する予定だ。

アジアの作家が描く「富士山」紹介 極美つくば展

【鈴木萬里子】新極美術協会の公募展「第11回極美つくば展」が15日から、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれている。「アジアは一つ 夢、未来を結ぶ」をテーマに、アジア各国の作家による「富士山アート」や、アジアの子供たちの作品も展示されている。 主催の同協会はプロと優れたアマチュア画家で構成される。一般からの出品も多く、今回は油彩画、日本画、水彩画、工芸作品など70人による98作品が展示されている。 同協会は芸術・文化の国際交流にも力を入れている。今回もバングラデシュを始めアジアの作家による「富士山アート」41作品が展示されている。富士山の写真を見て自由な発想で描いた作品で、富士山を背景にライオンやゾウが描かれている作品もあり、色彩や構図など興味深く描かれている。また「アジアは一つの世界」と題し、ミャンマー、ネパール、モンゴルなどと日本の子どもたちの作品61点も展示されている。 出品作品の最高賞「つくば美術館賞」は山田浩子さんのKISSと題したランプシェードの工芸作品が受賞した。深みのある赤色のバラが描かれ、やさしい光が注ぐ。 昨年から創設された「つくば市長賞」は細海哲也さんの、あでやかな色彩で表現した水彩画「湿原の秋」が受賞した。協会の副理事長で選者の一人、串田栄一さんは「将来を見据え頑張れる人を応援したい。良い意味で競い合える人を選んだ」と話してくれた。 筑波大生の横沢佳奈さんは、日本画を専攻していた友人の橋本茉季さんと来場した。「以前個展で見た作家の作品を観に来た。心に響く作品が多い」と話した。橋本さんは「アジアの国々の人が描く富士山は、日本人とはとらえ方が違ってとても面白い」と話していた。 ◆会期は20日(日)まで。入場無料。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時まで)。問い合わせは県つくば美術館(電話029・856・3711)。

素案に評価と落胆 つくば市公共交通改編 茎崎地区で説明会

【橋立多美】つくば市が策定した、コミュニティーバス「つくバス」や路線バスなど公共交通改編素案の説明会が12日から市内7地区で始まった。このうち高齢化率が市内で最も高い茎崎地区では、参加者から「牛久駅行の新規バス路線を盛った案は一歩前進」と評価する声と、「要望がかなわなかった。高齢者は5年、10年先どうなるのか」と落胆する声の両方が出された。 同地区の説明会は13日、茎崎交流センターで行われた。改編素案は、昨年実施された地区別懇談会やアンケート調査で分かった利用者のニーズに沿い市が作成した。説明会には住民51人が参加し、5グループに分かれて素案の問題点を出し合った。グループワークで積極的に意見を述べる姿が見られた。 同地区では現在、下岩崎の茎崎老人福祉センターから牛久学園通りを走行してつくばセンターに至る「南部シャトル」と、牛久沼に突き出た南西部から商業施設アッセを経由してTXみどりの駅に至る「自由ケ丘シャトル」が運行されている。旧6町村中、高齢化率が36.7%と最も高い同地区の住民は、牛久市の病院やスーパーを利用する人が多く、市域を超えた生活圏が存在する。そのため牛久方面への公共交通の整備を要望する住民の声が絶えなかった。 改編素案では、牛久方面への直通バス路線のない南西部地域などに新規路線バスを運行するほか、牛久駅とを結ぶ既存の4路線バスへの運賃補助が盛り込まれた。補助額は、路線バス運賃をつくバス料金(200~400円、高齢者などは半額)と同等にする金額で検討されている。 グループワークでは素案に対し、「城山団地と桜が丘団地につくバスのルートをつくってほしい」「1時間に1本の自由ケ丘シャトルを30分間隔にしてほしい」「牛久の総合病院に乗り入れてほしい」「バスを待つバス停の環境を整えてほしい」などの意見が挙がった。 南西部・あしび野団地に住む稲川誠一さんは「この辺りの高齢者は1日かけて牛久の病院に通っている。路線バスでJR藤代駅まで行き、常磐線に乗り換えて牛久駅で降り、そこから病院の送迎バスを利用している。往復で1200円かかる。牛久駅行の新規バス路線を盛った案は一歩前進」と話した。 改編案に落胆した地区もある。つくバスの「南部シャトル」と「自由ケ丘シャトル」の中間に位置する桜が丘団地住民の交通手段は、マイカーか牛久駅とを結ぶ路線バス。落合正水区長は「つくばセンター方面に行きたい住民が多く、南部シャトルの昼間の時間帯で一本おきでもいいと要望したがかなわなかった。約500人の高齢者が住んでいる。5年、10年先はどうなるのか」と不安を隠さない。 約1300世帯が暮らす住宅団地、森の里の倉本茂樹自治会長は、つくバスのバス停の間隔を現在の約1㎞間隔から500m間隔を基準にするとの案を評価する一方、団地内にバス停が設置されないことに不満を募らせる。「バス停の間隔が狭くなると運行に時間が掛かるとの指摘があるが、体力のない高齢者が荷物を持って歩けるのは350mが精いっぱい」とした上で「団地面積は約25haで団地入り口のバス停まで最長1㎞の道のりがある。粘り強くバス停新設を要望していくしかない」と話していた。

地域でがんと向き合いたい 19、20日 つくばで「命のリレー」

【田中めぐみ】がん征圧・患者支援のためのチャリティーウォークイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2018茨城」が19、20日の2日間、つくば市研究学園駅前公園で開催される。2011年から17年まで同イベントの実行委員長で、今年、副委員長を務める、つくば市に住む県がん検診推進協議会委員の宮本恭子さん(59)に運動への思いを聞いた。 宮本さんが運動を始めたのは2006年のこと。知り合いからボランティアスタッフを頼まれたことがきっかけだった。宮本さんは20代の頃に祖母をがんで亡くした。祖母の介護を手伝い、見送った経験を通し、がんの辛さや苦しさを知ったという。祖母を思い出し、がん予防啓発の手伝いができればとボランティアを引き受けた。 患者の笑顔に衝撃 祖母のイメージから、がんは怖いもの、辛いものと思っていたが、イベントを通じて知り合ったがん患者の女性は、余命いくばくも無いことを笑顔で宮本さんに告白した。宮本さんは衝撃を受けたが、女性は「泣いても笑っても死ぬのなら、笑っていた方が周りのみんなを幸せにできる」と語ったという。 女性の人柄にひかれ、ブログやメールを通じてやり取りを続けるうち、ぜひイベントの実行委員をやってほしいと依頼された。しかし、がんと向き合って活動することに怖さもあり、自信が持てず、返事を濁したまま時は過ぎた。 その後、よく知っていた少年が白血病で亡くなった。若い命が尽きるのを目の当たりにしながら何もできず、やるせなさを覚えた。生前「僕を覚えていてほしい」と言われた言葉が胸に突き刺さり、微力でもいいからできることをしようと決意を固めた。 2009年、宮本さんを含む5人の女性ボランティアが集まり、本格的に「リレー・フォー・ライフ茨城」がスタートした。以来、2010年からは毎年欠かさずチャリティーイベントを行っている。 毎年必ず開催 決して順風満帆なわけではない。2011年には東日本大震災でイベント開催が危ぶまれたが、茨城の被災を心配する支援者の善意もあって、開催にこぎつけることができた。 毎年1度は必ず開催したいと思うのは、参加したがん患者の人たちから「来年も楽しみにしている」という声を聞くためだ。「来年も必ずここで会おう」などと互いに約束をして、それぞれの生活に戻る。闘病は辛く苦しいが「来年も必ず」という希望に応えて必ずイベントを開催しなければという思いがある。 イベントではがんの当事者らと一緒に公園内を歩きながらがんについて語り合うほか、セミナーや体験談を語る「サバイバートーク」に参加してがんの知識を深めることもできる。アーティストによるパフォーマンスもあり、子どもから大人まで楽しみながら学べる内容となっている。 会場となる公園の遊歩道には希望の光「ルミナリエ」が灯され、様々な立場の人からメッセージが寄せられる。当事者の声、家族や友人、医療従事者からのエール、亡くなった人への追悼など、多くの思いが沿道を照らす。イベントは、当事者のみならず、家族や友人、医療従事者などが共感し合い、情報交換する場になっている。 イベントを通して集まった寄付金は、患者支援やがん医療の発展、がん検診の啓発など、がんに負けないまちづくりに役立てられる。 つくば市は2006年に日本で初めてトライアルイベントが行われた地であり、「リレー・フォー・ライフの聖地」と呼ばれている。宮本さんは、運動の火を消さないように、今後も携わっていくつもりだ。2010年には来場者は300人ほどだったが、昨年は2日で延べ約1700人が来場するほど大きな運動の輪となったという。 ◆19日は正午から受付開始、20日正午までの開催。つくば市役所第3駐車場がイベント参加者のために開放される。詳しくは「RFLJ茨城」http://relayforlife.jp/ibaraki/ ※メモ 【リレー・フォー・ライフ】米国で始まった運動で、がん患者やその家族の支援のほか、がん予防の啓発、がんで亡くなった人の追悼を使命として活動している。

「普段の交流が復旧のかぎ」 マンションの災害対応 つくばでセミナー

【富永みくに】分譲マンションの立地が進むつくば市で、マンションの地震被害と復旧をテーマにした一般公開セミナーが12日、同市役所で開かれた。NPO法人全国マンション管理組合連合会(全管連)の川上湛永会長が講師として招かれ、被災時にマンションをいち早く復旧させるポイントなどの説明があった。 「地震防災を考える―市の対応・住民の備え」と題して、マンション居住者や管理組合らで構成される「つくば市マンション連絡会」(つくば市吾妻)が主催した。セミナーは市が共催し毎年1回実施している。管理組合団体が市など公的機関と連携して開催するのは全国でもまれという。 川上会長は2016年4月の熊本地震の際、熊本市内で最も復旧が早かった中規模マンション「ビブレ本山」(1990年築・14階建て73戸)を例に挙げ、いち早く復旧したポイントを説明した。①普段から住民交流会、夏祭りなどの行事でコミュニティが形成されていた②他の子ども会や町内会との交流が活発だったことにより被災時に近隣の協力が得やすかった③マンション管理組合団体に所属していたため市や施工業者などから情報を得られた④マンションの玄関部に広めの集会所があり、緊急対策本部や一時避難所が設置できた―などにより住民の意見交流が活発に行われ、早急な復旧に結び付いたとした。 一方で、震災時に1階共有空間がつぶれて倒壊したマンションでは、一部入居者が解体に合意しなかったため復旧に時間が掛かり、今年4月にようやく解体が行われたとした。また管理費の長期滞納者があったマンションは、土地などを処分することができずに長期間にわたって塩漬けの状態が続いたと話した。 さらに川上会長は「マンション住民も罹災証明が取れることはあまり知られていない。役所の職員でさえ知らない自治体もある」とし、「取得することで税制優遇措置など最大350ほどの補助が得られる。とりあえず取っておいて損はない」と語った。 同市竹園の分譲マンションで管理組合の理事を務めているという男性(71)は「東日本大震災時は築年数が浅かったため塗装のはがれ程度で済んだが、今後は修繕しなければならない箇所が出てくるだろう。時間に余裕のある高齢者が中心となって、マンションを維持・管理していかなければならない。今日の講演は参考になった」と話した。 講演ではほかに、市危機管理課の登坂美彦係長が、震災後に見直された市の災害対応を説明した。普段から飲料水1日1人3㍑を3~7日分確保しておくべきと強調し、マンションの高層階に住む人はエレベーターが動いている今のうちに、水の確保をしておくよう勧めた。

県南の組織化に尽力 土浦ロータリークラブ 創立60周年祝う

【崎山勝功】土浦ロータリークラブ(RC)創立60周年記念式典が12日、土浦市城北町のホテルマロウド筑波で開かれた。つくばなど近隣のRC会員のほか、台湾のRC「台北陽明扶輪社」関係者など約140人が集まって創立60周年を祝った。 同RCは1958年2月に水戸RCをスポンサークラブとして創立会員33人で発足した。その後、龍ケ崎RC、水海道RC、土浦南RC、つくば学園RC、阿見RC、つくばサンライズRCのスポンサークラブとして県南地域のRC発足に尽力した。 小原芳道会長はあいさつで「青少年育成、留学生への援助、霞ケ浦総合公園や亀城公園の環境整備、清掃、各種ボランティア団体や障害者団体への援助、かすみがうらウォーキングへの協力など多くの活動を行ってきた」と、これまでの地域への奉仕活動を紹介した。その上で「創立会員世代を第1世代とすれば、現会員は第2世代となり、これから入会する世代は第3世代となる。我々第2、第3世代の会員はこの良き伝統を継承し、次の10年、20年へと発展させてまいりたい」と決意を示した。 60周年記念事業として、駅前に新築された市立図書館への電子案内板寄贈、1970年に設立されたが会員減少のため2014年6月末に解散した「土浦ローターアクトクラブ」(18歳から30歳まで対象)の活動再開、土浦RCのクラブソング「ともに歩もう」を制作したことなどが紹介された。 式典後の祝賀パーティーでは、作曲を担当した土浦市在住の作曲家・啼鵬さんの指揮のもと、土浦RC会員らが壇上でクラブソングを合唱し、交流を深めた。

途上国の研修員が指導 家族で田植え体験 JICA筑波

【鈴木萬里子】開発途上国から来日し国際協力機構筑波国際センター(JICA筑波、つくば市高野台)で日本の農業技術を学ぶ各国の研修員が指導員となって「JICA筑波田植祭り(さなぶり)」が12日、同センター内の水田で行われた。県内外から200人を超える家族連れなどが参加し、研修員と交流しながら田植えを体験した。 参加者は説明を受けた後、一斉に田んぼの中に入り、稲の品種「日本晴」の苗を手で植え付けていった。笠間市の鴻巣暢子さん(35)は長男楢大ちゃん(2)と参加。「自然に興味がある子なので、意外と出来たと思う。楽しかった」と話した。息子の悠太ちゃん(7)と参加したつくば市二の宮の永井静香さんは「世界にはいろいろな人種や言語があるのを息子に知ってほしい。田植えに来て研修員と触れ合うことができ国際交流になるのが良いですね」と話した。 研修員でパプアニューギニア出身のベン・ローヤルさんは「日本では田植えの経験がない若い人や子どもが多いのが面白い。今日は日本の人々とふれ合えて楽しかった」と話していた。 田植えの後は、アフリカ、ケニアの代表的な豆のシチュー「ギゼリ」の試食が行われた。本来は辛い料理だが子どもの参加者が多いため、だれでも食べやすい味にアレンジした。田植えで汗をかいた後に味わう異国の料理に「おいしい」を連発する参加者が多かった。 JICA筑波では毎年800人以上の研修員を受け入れ、その7割が農業技術を学んでいるという。

「つくバス」など公共交通改編へ 12日から素案説明会 つくば市

【鈴木宏子】コミュニティーバス「つくバス」など公共交通体系の改編を進めているつくば市はこのほど改編素案をまとめた。つくバスは、朝夕の混雑時間などに一部で折り返し便を運行したり枝線を運行する、路線バスは既存路線を維持するため茎崎地区などで運賃補助を実施し、人口が急増している研究学園駅周辺に路線バスの新設を検討する―などが主な柱。12日から22日まで7地区で計14回の地区別説明会を開き住民の意見や要望を聞く。 つくバスの主な改編内容は、つくば駅から大穂、筑波地区を結ぶ「北部シャトル」は、つくばセンター~大穂窓口センター間の折り返し便を導入する。一方、大穂より北の筑波地区は運行便数が減少する。 つくば駅から桜、筑波地区を結ぶ「小田シャトル」は、日中の時間帯に小田地区~大穂窓口センターや松栄団地への枝線を新設する。 研究学園駅から豊里、筑波地区を結ぶ「作岡シャトル」は、現在の大穂窓口センター経由から、今鹿島、豊里の杜経由にルートを変更し、吉沼シャトルとの重複ルートを解消する。 つくば駅から市役所、豊里地区を結ぶ「吉沼シャトル」は、現在の上郷、東光台経由から、大穂窓口センター、学園の森経由にルートを変更する。 「上郷シャトル」を新設し、現在の吉沼シャトルの折り返し便である上郷便を同シャトルとして、学園の森経由から東光台経由にルート変更する。 つくば駅から谷田部、茎崎地区を結ぶ「南部シャトル」は、つくばセンター~理化学研究所間に折り返し便を導入する。一方、折り返し区間以外の茎崎地区は運行便数が減少したり乗り換えが必要になったりする。 研究学園駅から谷田部地区を結ぶ「谷田部シャトル」は、みどりの中央~つくば工科高校間について、みどりの東(TXみどりの駅近く)を経由するルートに変更する。 みどりの駅から茎崎地区を結ぶ「自由ケ丘シャトル」は、緑が丘~アッセ入り口間について、観音台、谷田部車庫を経由するルートに変更する。一方、路線が長くなるため運行便数が減少したり運行時間が増加する。 ほかに、新規路線として、市西部と万博記念公園駅やみどりの駅を結ぶ「西部シャトル」(仮称)を新設する。 改編により、つくバスは現在の7路線から9路線になる。バス停の間隔についても現在の約1㎞間隔から、500m間隔を基準にするとの案を示している。一方、間隔が狭くなると時間が掛かり、運行便数が減少する。 茎崎に牛久への路線バス新設を検討 路線バスについては、茎崎地区などと牛久駅を結ぶ既存の路線バスに運賃補助を導入する。補助額は、路線バス運賃をつくバスと同等にする金額で検討している。ほかに、現在バスの乗り入れがない茎崎地区の富士見台方面から牛久駅方面への新規路線バスの運行を検討する。 さらに、宅地開発が進む研究学園駅周辺に民間路線バスの新設を検討する―など。 改編時期については、今年10月からと来年4月からの2段階で実施するとしている。 つくバスの2017年度の利用者は年間約104万人。運行経費は年約4億4600万円、運賃収入は約2億600万円で、5割超の約2億4000円を市が負担している。改編案を素案通り実施した場合の運行経費がどうなるかについて市はまだ公表していない。 地区別説明会の日程は▷筑波交流センター=12日(土)と21日(月)午前10時から▷大穂交流センター=12日(土)午後2時からと17日(木)午前10時から▷豊里交流センター=16日(水)と19日(土)いずれも午前10時から▷桜総合体育館=19日(土)午後2時からと22日(火)午前10時から▷市民ホールやたべ=13日(日)と15日(火)いずれも午前10時から▷茎崎交流センター=13日(日)午後2時からと14日(月)午前10時から▷市役所=18日(金)と20日(日)いずれも午前10時から。

元デザイナー町田保さん つくばで個展 「美を追求」

【鈴木萬里子】つくば市在住の画家、町田保さんの個展「第6回町田保絵画展―美しさに恋して」が10日から同市二の宮の洞峰公園内筑波新都市記念館展示ホールで開かれている。町田さんは服飾デザイナーとして10年間ファッションの仕事に携わった。その経験から「ファッションと芸術は美の追求。バランスも大切で美しさを出すにはどうしたら良いか模索しながら描いている」という。書家でもある。 作品は水彩画風に描いたアクリル画、色鉛筆画など全39点。入口正面には昨年の第10回極美つくば展で初めて創設された、つくば市長賞受賞作品「感動」が展示されている。雲中にそびえ立つ遠景の筑波山上空に、太陽が厚い雲の中から光を放つ。この情景を激しい色調で描き切った作品だ。町田さんは「勢いのある画に仕上がったと思う。初めて賞を受賞できたことは名誉でありうれしかった。この賞に恥じないような絵を今後も描いていきたい」と話した。この作品の前で立ち止まり熱心に見入る来場者が多かった。 昨年の個展の激しい色調から一転、今年は細かく、丁寧にを意識して描いたという。龍ケ崎市から来場した50代の徳田ゆき子さんは「昨年初めて見て良い印象だったので、初日に来た。昨年は強い絵という印象があったが、今年はやさしい感じがする。自然な空気感が出ていて良いですね」と話した。 ◆16日(水)まで。入場無料。開館時間は午前9時~午後5時(最終日は3時まで)。問い合わせは町田さん(電話090・8046・7445)まで。

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