木曜日, 3月 28, 2024
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筑波大学そばの「こおひいはうすらんぷ」 《ご飯は世界を救う》52

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【コラム・川浪せつ子】1978年の創業から、今年で44年になるお店「こおひいはうすらんぷ」さん(つくば市天久保)は、広大な敷地が広がる筑波大学の横にあります。以前から知ってはいましたが、なかなか行けなかったカフェです。

実はバブル経済のころ、らんぷさんから2分くらいの所にある不動産屋さんから、毎週のように、建築物の完成予想図を描く仕事をもらっていました。ですが、男の子3人を保育所に預けながらの子育て中の私は、喫茶店などで外食をする時間もありませんでした。横目で見て通り過ぎていました。

ほかの社からの仕事の依頼も多く、あまりの忙しさで、当時の子育ての思い出は記憶から吹っ飛んでいます。またバブル時代が過ぎたころには。実母のがんがわかり、都内の実家まで通わなくてはならなくなりました。

「おいしい」は、人を幸せにする

やっと最近、「あぁ~、あのカフェに行きたい」と。そのらんぷさんは、店内のインテリアとスィーツも想像以上でした。

あまりにうれしくて、うれしくて、すぐにまた訪問して、今度はランチ。何気ないミックスサンドなのですが、とてもおいしい。こんなに長いことやっていてくださって、ありがとうございます。

30数年間の、いろんなシンドかったことが、消えていくようなお味。「おいしい」は、人を幸せにするのね。(イラストレーター)

経験が生むいろいろな「工夫」 《写真だいすき》13

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高さ20数センチのこの像、地面にシートを敷き腹這いにならないと、撮影は難しい

【コラム・オダギ秀】足取りもおぼつかない先輩老写真家の撮影を見ていて、学んだことがある。彼は年を経て、経験はたっぷり身に付けているが、今の機材には疎(うと)過ぎる写真家だと思っていたから、彼から学ぶことなんてないと思っていた。彼は、生涯、野草や野の昆虫などを撮ることを専門にしていた。

そんな彼に学べたことがうれしい。

彼が野に撮影に出掛ける姿を見た。野の花を撮りに、ヨタヨタと。そんな彼が、手にしていたのはピッケルだ。どこかに登るわけでもない野原でする撮影に、なぜ、ピッケルが要るのだろうか。ボクは、不思議でならなかったが、すぐ、その理由がわかった。

彼は、撮影現場に着くと、いきなりピッケルを地面に突き立てた。雑草が繁茂して足場の悪い地面でも、ピッケルはしっかりと刺さり、立った。体を低くした彼は、そのピッケルを左手で握ると支えにし、その左手の腕に、右手に持ったカメラの重いレンズを載せて支え、撮影にかかったのだ。

これでブレないで撮影できる。こんなやり方は、どんな教科書にも出ていない。長い経験があったから生み出した知恵、工夫なのだ。なるほど、と思って学ばせてもらったが、写真の世界には、経験が教えてくれる工夫がよくある。

中腰にはスタンディングチェア

若い人には無縁なのかもしれないが、年をとると、中腰での撮影がきつくなる。あと10センチ低い位置でカメラを構えたいとか、だからといって座ってしまうと低過ぎるというようなことがあって、その中間の中腰でカメラを構えることが、少し長い時間になると、なんともきついのだ。

そんなときのために、ボクは、スタンディングチェアというのを見つけて使っている。ボクなりに知恵を絞った工夫のつもりだ。

欧米のビジネス会議は、どっかり椅子・テーブルに着いてではなく、少し高いテーブルを囲んで、腰掛けずに討議することが多くなっているそうだ。そんなとき、腰が弱い者はつらいので、スタンディングチェアを使ったりするらしい。

立った姿勢で座ってやれる。そうだ、こんなのがいい、とボクは、一本足で高さが調節できる、そんなスタンディングチェアという椅子を買った。これが、中腰撮影にはとてもいい。長時間、中腰でカメラを構えていても平気だ。椅子一つでいい工夫だ。

サーフボードの短いケース

さて、うんと背の低い被写体に対応するには、シート1枚が必需品だ。シートがあれば、寝転んで撮影できる、とボクは、写真教室などで言ってきた。「100均」のシートでいいから、と。これは、ウソではないが、工夫が必要だ。

確かに、地面に這いつくばって撮影することはよくある。そんなとき、シートが1枚あれば、大助かりだ。だが、地面が荒地だったりデコボコだったりすると、というより大抵は、肘や膝が痛いなど、快適ではない。

肘当てや膝当ては、とても面倒でイヤだ。ボクは、このために、サーフボードの短いケースを見つけた。防水も完璧だし、軽くてショックに強いから痛くない。大きさも適当なものを選べる。ものすごく使用頻度が多く、気に入っている工夫だ。

色々な工夫をすることは楽しいが、それらは大抵、経験が生み出す。やってみると、いろんなことができるようになって面白い。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

待ちわびた土浦の花火まで あと19日《見上げてごらん!》7

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土浦全国花火競技大会実行委員会提供

【コラム・小泉裕司】今回のコラムは、土浦全国花火競技大会実行委員会への取材を元に、煙火業者と出品作品の両面から、今大会(11月5日午後5時30分~8時)の注目ポイントにアプローチしてみた。

花火愛好者が今、最も注目する業者といえば、8月27日の全国花火競技大会(秋田県大仙市大曲)の部門別で優勝2、優秀賞1と圧倒的な成績で内閣総理大臣賞を受賞したマルゴー(山梨県)だろう。キレのよい色使いが持ち味。土浦では、2007年(第76回)、スターマインの部で優勝、同時に内閣総理大臣賞を受賞している。

土浦と大曲の両大会で同大臣賞を受賞したのは、マルゴーのほか、紅屋青木煙火店(長野県)、野村花火工業、山﨑煙火製造所(いずれも茨城県)の4社のみ。このビッグ4は、各競技大会で常に上位に名を連ねており、今大会もファンの期待を超える作品を打ち上げてくれるに違いない。

今年2月11日、霞ケ浦湖畔で開催した「2大花火競技大会『大曲』『土浦』夢の競演」(土浦全国花火競技大会実行委員会 YouTubeチャンネル)に、雪深い大曲から遠路駆けつけてくれた大曲の小松煙火、北日本花火興業、和火屋、そして10数年ぶりに出品する響屋大曲煙火の4社は、いずれも過去、土浦で部門優勝している強豪。こちらも要チェックだ。

ただし、煙火業者によっては、作品の製作担当がいつも同じとは限らず、社内コンペや順番で割り振られるケースもあるので、企業ブランドや過去の成績という先入観は、いったん脇に置いて、55社各社の得意玉を鑑賞してほしい。

土浦は種目別オープン選手権

花火競技は、10号玉の部、創造花火の部、スターマインの部の3部門に分かれる。10号玉の審査は、開花して4~8秒間の間に、形や色のコントラストの鮮明さなどを見極めて採点するのだが、「四重芯菊(よえしんぎく)」や「五重芯菊(いつえしんぎく)」ともなると、芯の数を数えているうちに花火は消え失せてしまう。

特に五重芯は、私たちの動体視力の限界を超えたと言われているが、今大会45玉のうち史上初となる6玉がエントリーされている。過去4大会連続で五重芯が優勝していることからも、この中から優勝作品が選ばれる可能性は高いが、正円で明瞭な色彩の四重芯であれば高得点で優勝争いに加わることができるかもしれない。

創造花火は、その名のとおり、花火のクリエーティブさを競う競技種目。前もって作品タイトルとコメントを見ておくことで、感性豊かな製作者の人柄を想像しながら、作品をより深く味わうことができる。5号玉(直径15センチ)7発の組み合わせで表現する。

今大会は、四季折々の草花や輝く宝石を表現する作品が多いようだが、はやりのパステルカラーをこれでもかというほど仕込んだ花火が主流ではないかと、想像を膨らませている。

以前は速射連発と言われたスターマインは、時間制限2分30秒、4号玉(直径12センチ)から2.5号玉(同7.5センチ)400発以内と、玉数の多さからも土浦はスターマイン日本一を決める大会と言われている。

全作品音楽付は例年と変わらないが、英文字やカタカナだらけの曲名リスト、タイトルやコメントを読んでも、ストーリーは具体化しない。スターマインは、むしろ余計な先入観を排除した白紙の状態で、各社の「持ち味」を堪能するに限る。

「気象神社に行ってきました」。土浦全国花火競技大会実行委員会本部長を兼ねる土浦市産業経済部長の佐藤亨氏は、休暇を取ってJR高円寺駅近くの「高円寺氷川神社」境内に鎮座する「気象神社」を参拝。無事の開催祈願のお札とお守りを受けてきたとのこと。 日本で唯一のお天気にご利益のある神社として実績があるそうで、必ずや願いがかなうことを信じて、あと19日。本日はこの辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

見えなくなれば解決?《続・気軽にSOS》119

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【コラム・浅井和幸】「そんなこと言うもんじゃない」とか、「そんなこと考えちゃだめだよ」とアドバイスをされて苦しんでいる人が多くいます。

子どものころから、何度もこうしつけられ、それを真面目にとらえすぎると、ちょっとした悪いことを考えたり感じたりするだけで、自分は存在してはいけない人間なのだと責めるようなことが起こります。そして、それを押し殺して、誰にも見せないようにと苦しみます。

例えば、人に対して怒りを感じたり、気持ち悪いと感じたりすることは、多くの人に起こることでしょう。私たちは完璧な人間になれませんので当然です。ですが、このように感じただけで、即「悪い人」というわけではありません。怒りや気持ち悪いという感情を、相手に迷惑をかけるように行動化をしなければ、それほどの問題にはならないはずです。

そのように感じても、怒りなどを適切に伝え、コミュニケーションを繰り返せば、お互いの不理解を解消できます。そのためにも、自分の感情や感覚を押し込めるのではなく、まっすぐに受け止め、対応する練習をすることが大切です。

そのためにも、大人や支援者は、子どもや被支援者のネガティブな感情を受け止めることが必要です。人は、問題が目の前から見えないところに行くと、問題が解決したかのような錯覚を起こすものなので、気を付ける必要があります。

問題解決法を省みるとよい

子どもが変なことを言わなくなったのは、問題が解決したのではなく、感じたことを教えてくれなくなっただけかもしれません。リストカット(自傷行為)をしなくなったように見えるのは、見えないところを傷つけているからかもしれないのです。

不登校問題は、その子が卒業をして学校に所属していなければ、問題は消えるかもしれませんが、別の問題になっているかもしれません。A市からB市に移動した、問題を抱えた人は、A市では問題解決でも、B市では問題発生かもしれません。

強引な問題の解決方法が、もっと大きな問題をつくっていないか考えることをお勧めします。愛や正義で問題を無理にたたきつぶすことは、恨みを大きくしてしまうこともあります。戦いばかりを起こしたり、巻き込まれたりしやすい人は、問題解決法を省みるとよいでしょう。(精神保健福祉士)

泉秀樹研究① 泉秀樹とは誰なのか?《遊民通信》50

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小田原城

【コラム・田口哲郎】

前略

泉秀樹という人をご存知でしょうか? 数年前まで私も存じ上げなかったのです。泉氏を最初に知ったのは、J:COMの番組「泉秀樹の歴史を歩く」でした。メガネをかけ、ひげをたくわえた素敵な男性が、物静かなトーンで、歴史にゆかりのある場所を歩きながら、昔のロマンを語ります。

「歴史を歩く」シリーズはいくつかあるのですが、私が好きなのは、今月アーカイブ放送されている「江ノ電沿線史一駅一話」です。鎌倉と藤沢を結ぶ江ノ島電鉄の全駅にまつわる歴史秘話を、ひと駅ひと駅解説するというもの。ゆったりした番組の流れのなかで、江ノ電沿線の風景とともに泉氏の歴史解説が入ります。

視点がユニークなので、へえ!と納得することも多々あり、紹介された旧跡に行ってみたい気分にさせられます。歴史番組でもあり、旅番組でもあり、情報番組でもあるのです。

この泉秀樹という人は誰だろう?と興味がわき、グーグルで検索しました。ウィキペディアには、1943年生まれの作家・写真家とあります。「静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学文学部卒。新聞社勤務を経て、以後、作家・写真家として活動する。1973年、小説『剥製(はくせい)博物館』で第5回『新潮新人賞』受賞。歴史に関する著作が多い」

「泉秀樹の歴史を歩く」の ナビゲーター、慶應の文学部を出ているということで、なんとなく親近感がわきます。そして、小説も書いているのか、と人物に興味がわきました。

多彩な活動をする泉氏

検索していくと、2015年のプレジデント・オンラインの記事に行きつきました。「大事にすべきは学歴ではなく『職歴』です」というタイトルで、ご自分の半生について語っていらっしゃいます。

慶應を出てから、産経新聞の文芸部配属になり、遠藤周作を担当したこと。それが縁になって小説を書き始め、三田文学に投稿したりして、新潮新人賞を受賞したこと。その後、産経を退職して、フリーランスとなり、現在に至ること。遠藤周作、三田文学というワードが出たので、検索子を追加してみると、泉氏の多彩な活動歴が分かりました。

中でも目を引いたのは、「率直にきこう あなたはなぜ神など信ずるか」という1983年に女子パウロから出版された本です。この本を手に入れたら、共著者に加藤宗哉氏のお名前がありました。氏は遠藤周作の愛弟子で、三田文学の編集長も歴任されました。タイトルからして、何か刺激的なことが書いてありそうです。宗教がクローズアップされている昨今、得るものがあるに違いありません。

ひょんなことから知った泉秀樹氏について、何回かにわたって書いてみたいと思います。ごきげんよう。

草々(散歩好きの文明批評家)

これから大事な金融・投資教育 《地方創生を考える》25

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ダイヤモンド筑波(筑西市)

【コラム・中尾隆友】近年、20~30代の若い世代を中心に、投資を学ぶ人々が増えている。その背景には、主に二つの経済情勢の変化がある。

一つは、いわゆる「老後資金2000万円問題」だ。金融庁が2019年に公表した報告書では、老後資金が年金だけでは2000万円足りないという内容がセンセーショナルに報道され、若い世代の危機意識が高まるきっかけとなった。

もう一つは、物価上昇だ。日本の物価上昇率は22年4月以降、2%を上回る状況が続いている。普通預金の金利がゼロに等しいことを考えると、預金の実質的な価値は物価上昇が進めば進むほど、目減りの度合いが大きくなっていく。

そういった情勢の変化があったせいか、20年3月の「コロナショック」と呼ばれる株価暴落時には、証券会社の新規口座開設者数が若い世代を中心に急激に増加し、その後も増加の一途をたどっている。

要するに、若い世代の多くは日本の脆弱(ぜいじゃく)な年金制度を信用していないため、個人個人が自己責任で資金を運用して、老後資金の不足分を補う必然性に迫られているのだ。

「資産所得倍増プラン」の問題点

その流れの中で、政府は『資産所得倍増プラン』を掲げた。金融庁はこの計画を実現させるために、少額投資非課税制度(NISA)の拡充を進めるとともに、国家戦略として金融教育の普及を目指すという。

しかし、このプランには最も大事な視点が欠けている。日本で圧倒的に足りないのは、ITやAI関連のスキルを持った人材だけではないからだ。本当の意味で、金融関連のスキルを持った人材(金融教育を担う人材)がはるかに足りていないのだ。

今年に入って、地方の金融機関で問題となっているのは「投資関連でプロと呼べる人材がいない」ということだ。外国債券の含み損に苦しむ金融機関が少なくなく、巨額の含み損から、公的資金注入の申請を検討するところも出てきているほどだ。

正直なところ、金融知識に関する資格を取るために学ぶ内容では、金融や投資の世界で通用しないことが多い。金融庁は金融教育の大部分を民間の金融機関に担わせようとしているが、それでよいのか、大いに疑問を感じる。

大学や高校に「金融学科」を

私は、大学はもちろんのこと、高校などでも金融学科があって然るべきだと考えている。そういった意味では、地方のリーダーを育てるためにも、茨城県の大学や高校でそういった取り組みが出てくることを期待したい。

実は、金融や投資に関するスキルは、起業して成功するためにも、会社を経営するためにも、必要不可欠な要素だ。先見性を鍛えるトレーニングになるのに加えて、情勢に応じて柔軟に対応できる能力が磨かれるからだ。(経営アドバイザー)

「消費生活アドバイザー」に慣れません 《ハチドリ暮らし》18

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【コラム・山口京子】消費者の1人として、日々、何かを購入して生活をしているわけですが、消費者という言葉がストンと落ちないというか、違和感を覚えながら、消費者という言葉を使っています。消費生活アドバイザーの資格を取りましたが、なかなか資格名に慣れません。

この社会に生まれると、物心つかないうちから消費者として登場させられます。子どもの関心を引く商品やサービスの開発が止めどない光景を見ていると、正直、怖くなります。人はどこに向かうのかしらと。

自分は消費者の1人であるけれど、同時に働く人であり、働くことを通じてお金を得て、そのお金を使って消費活動をしている。でも、働く場を失ったら、お金の源泉を失ったら、人はどうやって生きていくのかしら…。60歳を過ぎたあたりから、そんなことを思うようになりました。

自分が子どものころ、農村に生まれたためか、畑と田んぼを耕して、家族の食べる分くらいはつくっていました。また市場(いちば)出しもしていた記憶があります。すでに現金がないと生活はできませんでしたが、今ほどに何でもお金で買う生活ではありませんでした。

1950年ごろ、第1次産業従事者は50%ぐらいはいたのではないでしょうか。わが家の祖父母は専業農家でした。父はトラック運転者になり、農業は三ちゃん農業(じいちゃん・ばあちゃん・かあちゃん)。祖父母が働けなくなると、田んぼは他人に頼むようになっていきました。

「相続土地国庫帰属法」という制度

高度経済成長期は、日本農業の衰退期と重なっているように思えます。経済成長と第1次産業の充実は両立できなかったのでしょうか。広がり続ける耕作放棄地は、他人事ではありません。頼んで耕作してもらっている田んぼを返されたら、私は途方に暮れるばかりです。

農村の閉鎖的で男尊女卑的な環境を嫌って、東京に出てきました。今は茨城に住んでいますが、実家をどうするのか頭が痛い問題です。来年4月、「相続土地国庫帰属法」が施行されます。相続人が相続により望まずに取得した土地を国が引き取る制度です。国にお金を払って引き取ってもらうもので、土地の条件などがこれからはっきりしていくのでしょう。

その制度を利用するか、だれかが有効活用してくれることを願って呼びかけてみるのか。本当なら、自分の食べる分くらいは作る生活が望ましいのだろうとは思うのですが…。庭の一角を耕して畑にしています。大根と白菜の苗を植え替えました。人参の苗も育っています。(消費生活アドバイザー)

安倍さんの国葬、「感動」の弔辞だったのか《邑から日本を見る》121

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常陸秋そばが満開に(那珂市)

【コラム・先﨑千尋】「賛否交錯の中 安倍氏国葬。分断の責任、岸田首相に」。これは、安倍さんの国葬儀の翌日の「東京新聞」1面の見出しだ。

同じ紙面に、豊田洋一・論説主幹が「国葬とは国家として故人を葬送する儀式である。国家とは、領土や居住する国民、政治権力で構成され、国家意思を決定するのは主権の存する国民だ。国民が同意しない国葬はありえない。(中略)報道各社の世論調査によると、この国葬には半数以上が反対する。故人を静かに悼むはずが、首相の浅慮により、国民を分断し、儀式から静謐(せいひつ)を奪った。その責任は首相にある」と、厳しく岸田首相を糾弾する。

自民党の二階俊博元幹事長は「黙って手を合わせて見送ってあげたらいい。議論があっても控えるべきだ」と語っていたが、その後もメディアは黙ることなく、国葬の是非について多くの識者の声を載せている。

その1人、評論家の佐高信さんは毎日新聞の記者と国葬当日に現場を歩き、ルポしている。「閣議決定だけで何でもやろうと思ったら、戦争だってできるんです。国葬、誰が喜んでいるか。いうまでもなくそれは統一教会です。「死」は私事の最たるものであり、その私事を『公』に利用するのが国家だ。『公』が『私』のもとに無制限に入り込み、公私の区別がつかなくなる。国は異論を封じる道具に使われる」(9月30日「毎日新聞」夕刊)。至極まともな考えだと思う。

G7首脳は誰一人来なかった

国葬で菅前首相が読んだ「絶賛弔辞」も話題を集めている。立場の違う会葬者の心をつかみ、静かな拍手が広がったという。しかし、この弔辞にはウラがある。ニュースサイト「リテラ」は「菅義偉が国葬弔辞で美談に仕立てた『山縣有朋の歌』は使いまわしだった。当の安倍晋三がJR東海葛西敬之会長の追悼で使ったネタを」(10月1日配信)と報じている。

それによると、菅さんは弔辞の最後に「かたりあひて 尽しし人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」という山縣有朋の歌を引用した。朝鮮の民族主義活動家・安重根に暗殺された伊藤博文をしのんで、山縣が詠んだ歌だ。伊藤と山縣の関係を、自分と安倍との関係になぞらえたのだろうが、この歌は、安倍さんが6月、盟友の葛西会長の葬儀の弔辞の最後に入れたものとネタバレしてしまった。

では、その山縣有朋とはどのような人だったのか。明治政府の軍事拡大路線を指揮した日本軍閥の祖。治安警察法などの国民弾圧体制を確立し、教育勅語を作らせた。安倍さんが最後に読んだという『山県有朋』(岩波新書)の著者岡義武氏は、山縣を「閥族・官僚の総本山、軍国主義の権化、侵略主義の張本人」と見ている。

戦前の軍国主義に引き戻そうとした安倍さん。抵抗する官僚を干し上げてきた菅さん。2人の体質は似ているようだが、税金を使った国葬の弔辞で、軍国主義の権化のような人間の歌を、美談仕立てに紹介するというのはいかがなものか。

そういえば、国葬の前後に弔問外交を、と岸田首相は言っていたが、G7の首脳は誰一人来なかった。挨拶程度の弔問外交で、どのような成果があったのかも伝えられていない。統一教会の問題はさらに広がりを見せ、岸田さんは「運の尽き」か?(元瓜連町長)

土浦の花火から消える「風物詩」 《吾妻カガミ》143

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土浦の花火(土浦市提供)その1

【コラム・坂本栄】11月5日、桜川畔の「土浦の花火」大会が3年ぶりに開かれることになりました。コロナ禍がまだ残っていることもあり、実行委員長の安藤土浦市長はどうするか迷ったようですが、知恵を絞ったコロナ対策を立て、開催を決めました。そのメニューを聞くと、緊張感が伝わってきます。

河川敷の席取りがなくなる

人が密になるのを避けるため桟敷席の密度を減らすとか、観覧区画の入口で体温を計るとか、おしゃべりを減らすため飲酒はできるだけ控えてもらうとか、いろいろな手を組み合わせるそうです。具体的な対策は、記事「3年ぶり 11月5日開催決定 土浦全国花火競技大会」(9月5日掲載)をご覧ください。

記事には載っていませんが、花火の「風物詩」がいくつか消えるのは残念です。その一つは、有料桟敷席手前の河川敷に向かい、できるだけよい場所を押さえようと、陣取りに走る光景がなくなることです。これまで、パワフルな場所取りの話を聞くと、花火が近づいたことを感じたものですが…。

早い者勝ちだった河川敷の一画は、今年は有料の椅子席になります。密をつくらないようにする対策ですが、椅子席新設で収入を増やす狙いもあるようです。市も考えるものです。

市の大会補助は以前と同じ

土浦市花火対策室長の菊田雄彦さんによると、今年の大会予算は2億2000万円(収入は有料席販売が中心)。市財政からの補助は8500万円、警備要員(警察官と市職員は除く)は450人と、いずれも従来とほぼ同じということ。運営方法はいろいろ変えても、補助金と警備体制は維持されます。

無くなる「風物詩」のもう一つは、桟敷席券の販売風景が消えたことです。以前は、販売日の早朝、霞ケ浦総合公園内の体育館入口に設けられた販売所には、長蛇の列ができました。私は散歩を兼ねてその列を見に行き、桟敷席への思いを聞くのが楽しみでした。これも密を避けるという理由で、今はやりのネット販売に切り替わりました。

土浦の花火(土浦市提供)その2

土手の露店は2割減の800?

無くなりはしないものの、抑えられる「風物詩」もあります。催事を盛り上げる露店です。花火の帰り、値引きされた焼きソバや焼き鳥を買うのは楽しいものですが、これも密を減らすために、従来の約1000店から約800店になる可能性もあります。

菊田室長によると、土浦橋から桟敷席に向かう土手は露店ゼロになるそうです。桜の古木が連なるアクセス路のお祭りムードは抑えられます。打上げ区画前の桟敷席に向かうとき、気分を高めてくれる露店チェックができなくなるのは残念です。

コロナ禍はいろいろなことを変えました。仕事もパソコンを使い遠隔でやるのが当たり前になりました。花火大会の運営も変わり、「風物詩」が無くなるのは仕方ありません。災い転じて福となす。コロナ禍によって花火大会も洗練された形になります。(経済ジャーナリスト)

<参考>花火大会の安全対策については、コラム116「また中止された土浦の花火を考える」(2021年9月20日)で、打上げ場所の話などを取り上げました。

信州の山《続・平熱日記》119

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【コラム・斉藤裕之】初めて信州の山並みを見た時の感動を今も覚えている。生まれ育ったところの丘のような山とは全く違う。その手の届かないような高さや鋭角な形、色。それが幾重にも連なっている様(さま)は、「畏怖(いふ)」とか「崇高」とか普段あまり使わない言葉を想起させる。

信州上田に大学の後輩が住んでいる。作家でもあり、コーディネーターとしても活躍している彼が、上田のとあるパン屋さんで展覧会をやるから信州の山絵を描いてよこせ、と言う。題して「信州山景クラッシック」。なるほど。30年近く前に私の冗談から始まった、「富士山景クラッシック」という富士山をテーマにした展覧会の信州版ということか。

天気予報は晴れ。朝起きて信州行きを決める。5時出発。予定では3時間余で上田に着く。関東平野の終わりに妙義山が見えてくる。長いトンネルをいくつかくぐると、いよいよ信州。知識がないので何という山か知らないが、遠くに蒼(あお)い稜線(りょうせん)が見える。

「待てよ、このまま長野まで行ってみよう」ということで、朝早くに善光寺に参った。実は、初めて訪れた長野市と善光寺。短い時間だったが、山門の上に登って長野の街を眺める。

それから国道を通って上田に。実は娘の義理のお母さんのご実家は上田。かねがね、ゆっくりと訪ねてみたいと思っていたのだが、今回は時間の制限もあるので、とりあえずそのパン屋さんに向かう。店は歴史を感じる旧街道筋の一軒。知る人ぞ知る名店らしい。けれども、実に素直な造りで押しつけがましさがない。

食事のできる2階の窓から烏帽子岳が見えると聞いていたので、階段を上らせてもらうと、畳の上にご主人とおぼしき方がごろりと寝ておられる。なるほど、この風貌にこの店構えに納得。窓越しに山を見ようとするが、山頂に大きな雲がある。黙ってこっそりと引き上げようと思っていたのだけれど、体を起こされたので、「○○さんの友人で山を描きに来まして…」と事情を説明。

上田の空気が頭にあるうちに

折角なので、これぞ店名のルヴァン(酵母)そのもののクロワッサンとコーヒーをいただいていると、雲が取れてきて烏帽子が見えてきた。

しかし、簡単に山を描けると思ったら大きな間違い。まして数時間麓でうろうろしたところで、大した絵が描けるはずがない。それはわかっているのだが…。風景とはよく言ったもので、信州の風、空気を記憶するしかない。

「松本あたりに行くと、アルプスが見えていいけどねえ…」とご主人。脳裏にその風景が浮かぶ。地図を見ると、ここからそう遠くないが、残念ながらタイムリミット。

帰り道、高速道路沿いの満開の葛(くず)の花が気になってしょうがない。昨年はこの花をあまり見かけなかったので、今年こそ絵を描こうと思っていたからだ。大きな葉に隠れるように咲いているからだろうか。とても鮮やかな花なのにあまり人目につかない。

帰宅して、まだ頭の中に上田の空気が残っているうちに絵筆をとることにした。(画家)

大動脈解離 医療と運 《くずかごの唄》117

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イラストは筆者

【コラム・奥井登美子】夫が76歳のときだった。元気でジョギングが大好き。「東京で会議があるので、皇居のまわりを3周してから行く」といって出かけていった。

「モシモシ。奥井清さんのお宅ですか?」
「ハイ」
「こちら東京医科歯科大学病院の救急医のHと申します。奥井さんが救急搬送されました。検査をしたいのですが、家族のサインが必要です。15分以内に病院に来てもらいたいと思います」
「意識はありますか?」
「意識はありません。早くしないと呼吸が止まる可能性もあります」

病院は御茶ノ水駅の近くだ。空を飛んでいきたいが、それでも土浦から15分は無理。どうしよう。医者の兄は千葉で、1時間近くかかる。娘は世田谷。タクシーで30分はかかる。困った。

呼吸が止まるかもしれないと言われた。いったぃどうしたのだろう。タケちゃんしかいない。私は祈るような気持ちで、文京区白山の弟の加藤尚武に電話してみた。

「10分以内に行けるよ。大丈夫すぐ行く」

手早い技術と処置が命を救ってくれた

外科医の兄が次の日、動脈乖離(かいり)の国際的専門医、増田政久先生を千葉から連れてきてくれた。

「運がよかったですね。救急車がこの病院へ連れてきてくれたこと。血胸(けっきょう)を抜く技術が格段に優れています。家族がすぐに来てくれたこと。どうやら、動脈の中膜(ちゅうまく)が乖離して、肺にたまって、呼吸困難になり、まだわかりませんが、脳へ行く血管も保護されたようです」

大動脈の37センチ解離だった。肺にたまった血液が呼吸を止める寸前に、ドレーンを使って血胸を抜いてくれた。この病院ならではの、手早い技術と処置が命を救ってくれた。脳へ行く血管の1センチ下から乖離したおかげで、脳の機能も保存された。

人間の死と生が運で決まることもあるのだ。(随筆家、薬剤師)

「おみたまヨーグルト」 《日本一の湖のほとりにある街の話》4

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【コラム・若田部哲】夏。小美玉市の畑では「おみたまピラミッド」と呼ばれる、緑色の巨大な堤防のようなものが築かれます。その正体は、酪農家が育てた高さ4メートルにもなるトウモロコシを、刈り取り破砕して、ショベルカーやブルドーザーなどの重機でうず高く積み上げたもの。まるで土木工事のようですが、これを乳酸発酵させることで、乳牛のための良質な飼料となるのだそうです。

茨城県No.1の生乳生産地であり、2018年には「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」が開催され、2日間で約4万人を動員した酪農王国・小美玉市。今回は、同市で30年以上にわたり、良質な乳製品を作り続けてきた「小美玉ふるさと食品公社」の木村工場長に、同社のヨーグルトのおいしさの秘密について伺いました。

おいしさの下地として、まず木村さんが挙げたのが、同社の前身である堅倉(かたくら)村畜牛組合が掲げた「土づくり・草づくり・牛づくり・人づくり」というモットー。冒頭で紹介した「おみたまピラミッド」は、まさにその言葉の象徴となる風景なのです。

そして次の秘密が、小美玉市の酪農家の密度の高さ。「酪農」といえば、多くの方はまず北海道を連想するかと思いますが、北海道は広大なため、各酪農家の距離が離れています。それに対し、小美玉は日本一酪農家の密度が高いため、生乳を速やかに酪農家から加工場である公社まで運搬することが可能です。

ヨーグルトは生乳の鮮度が命

ヨーグルトの原料となる生乳は鮮度が命のため、このスピード感は製品の品質向上のための大きなメリット。毎朝新鮮な生乳を酪農家から集め、少しでも鮮度が落ちないうちに加工するという基本に忠実な作り方が、同社のヨーグルトのおいしさの何よりのポイントなのだそうです。

さらに、乳酸菌がいかに心地よく乳製品にしてくれるか、温度・時間の管理がキモであり、酸味・甘味・なめらかさ・もっちり感、そのどれを最大限引き出すかが腕の見せどころとのこと。同社はその確かな加工技術により、看板商品「おみたまヨーグルト」のほか、同市産のフルーツを用いた季節ごとの小ロット多品種展開を行っています。

酪農には、観光牧場的方向性と生産品質向上の方向性があるなかで、あくまで品質での勝負・食品加工での認知向上を図っていきたいとの木村さんのお話でした。

6月には、パッケージにもこだわった新商品「OMIYOG CRAFT」も発売され、さらに展開が拡大していく小美玉のヨーグルト。全国随一の酪農環境が生み出す味わいを、ぜひお楽しみください。(土浦市職員)

素人になり切れない世界の片隅で 《ことばのおはなし》50

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【コラム・山口絹記】ファインダー視野率、ダイナミックレンジ、開放描写、色収差。これらの単語、何の用語かわかるだろうか。

カメラとそのレンズに関するマニアックな専門用語である。あえてマニアックと書いたのは、こんな用語知らなくても写真は撮れるからだ。あえて言い切ってしまおうか。こんな用語知らなくていい。知らなくていい、のだけど、知らないでいる、ただそれだけのことが、私たちの生きるこの世界では、もはや難しくなってしまった。

例えばカメラが欲しいと思った時、まず何をするだろう。身近に写真をやっている知り合いがいなければ、きっとおすすめのカメラを見つけるためにネットで検索をするだろう。

おびただしい数のおすすめカメラが提示され、使用するレンズの大切さを一から教示してくれるはずだ。ついでにプロレベルの撮影技術から、あらゆる専門用語にまみれたレビュー情報を摂取できる。これらの知識を雑誌や専門書で手に入れようとしたら、なかなかの金額がかかるはずだ。しかし、ネットで閲覧している限り、全部無料である。ああ素晴らしい新世界。

とはいえ、ある程度の前提知識があればありがたい情報も、これから何かを始めようとしている者には過度な情報の激流に違いない。無料でいくらでも情報が手に入るこの世界線で手に入らないモノ。それは情報に対する適切なフィルターなのだ。

「いちいちうるせぇな」「これでいいのだ」

数多のサイトを巡礼して、やっと決めたカメラとレンズ。通販サイトの購入ページに進めばおのずと目に入るのはどこかの誰かが書き残したレビューだ。そこには「開放付近の軸上色収差が酷(ひど)くて使い物にならないレンズ。売りました」なんて書かれていたりする。まことに余計なお世話である。

そう、どんなものにも欠点はある。当然だ。だって完璧なものがあったら、世の中に同じような性能のカメラやレンズがこんなにたくさんあふれることはないのだから。その欠点を許容できるかどうかは、まずは自分で試してみない限り、わからない。

とはいえ、人様の意見というのはどうにも気になって仕方ないものだ。そんな時のためのとっておきの呪文がある。

「いちいちうるせぇな」「これでいいのだ」。私はいつもこう唱えて、一歩踏み出すことにしている。

なんて偉そうなことを書いているのだけど、実は最近、私自身、食わず嫌いで手を出していなかったモノに手をだして大きな発見があった。それについては次回の記事で書こうと思う。(言語研究者)

孤立し苦境に立つプーチン大統領 《雑記録》40

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【コラム・瀧田薫】ウクライナ軍が、9月中旬以降反転攻勢に出て、ロシア軍に占領された北東部の要衝を奪還しつつある。これに対し、プーチン大統領は、9月21日のロシア国内向けテレビ演説で、予備役に対する部分的動員令(30万人の徴兵)を発動すると宣言し、さらにウクライナ東部や南部のロシア軍占領地域において住民投票を実施し、その上でロシア領に併合する意向を示した。

この演説で特に注目されるのは、新しくロシア領(クリミア半島を含む)となった地域をウクライナ軍が奪還しようとすれば、「あらゆる手段でこれに対抗する」としたことである。この「あらゆる手段」とは、具体的には何を指しているのだろうか。ラブロフ外相が国連総会の一般演説で、ロシアに編入される地域を防衛するために核兵器を使用する可能性を示唆していることと重ね合わせれば、狙いの一つは「核兵器の使用」であり、もう一つは「ウクライナに対する宣戦布告」であろう。

プーチン大統領は、これまでロシア国民を報道管制下に置き、ウクライナ侵攻が国民生活とは遠い世界の出来事であるかのように伝えてきた。しかし、今回の演説のなりふり構わぬ内容は、ウクライナ侵攻当初の楽観が根底から崩れ、ロシア軍が苦戦している事実をプーチン大統領自らが告白したに等しい。

当然、国民一般の受けたショックは大きく、ロシア国内の複数の都市で市民による反戦デモが発生し、徴兵を恐れる市民やその家族が飛行機や車を利用してロシア国外に脱出し始めているとの情報も伝わってきている。当面、この混乱が政権の土台を揺さぶるほどに拡大することはないだろう。また、ロシア軍によるクーデターが起きる可能性もさほど大きなものではないだろう。

独裁者の妄想という不条理

しかし、ウクライナ侵攻の大義、すなわちロシアの過去の栄光を取り戻し、大国としてのパワーを維持し続けるための軍事力行使は、はっきり裏目に出たというのが軍事専門家大方の見方である。それでも、プーチン大統領は侵攻をやめないし、やめられない。

最低限、ロシア軍が占領した東部および南部の4つの州をロシア領として併合できれば、それを戦果としてウクライナとの停戦協議の席につくことはあり得るかも知れない。しかし、ウクライナ政府がそれに応じる可能性は限りなく低い。結局、戦争の膠着(こうちゃく)化、長期化の可能性が一段と高くなっている。

その場合、プーチン氏は政権の維持はできても、ロシアの衰退に歯止めをかけることは難しくなる。中国やインドなどロシアが頼りにしている国々も戦況を分析しつつ、それぞれ国益にかなうロシアとの距離の取り方を模索し始めている。

友邦との関係においてさえ孤立しつつあるプーチン大統領の焦燥やストレスが臨界に達すれば、一瞬の衝動によって核戦争のボタンが押される可能性を誰が否定できよう。独裁者の妄想が世界を破滅させる不条理に怯えながら生きる、それが今の時代のグローバル・コモンだとすれば、あまりに悲しく虚しい。(茨城キリスト教大学名誉教授)

人が不満を言うとき 《続・気軽にSOS》118

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【コラム・浅井和幸】自分が正当に評価されていないとき、不安が大きいとき、公平でないとき、何か問題があるとき、人は不満を口にします。人の生活も心も単純ではないですから、いろいろな理由が絡み合って不満は募るものです。

口を突いて出てくる不満は、正当性が前面に出ます。わがままではなく、自分の不満には正当性があると主張します。もっとわがままにふるまいたい、えこひいきされたい、褒められたい―なんていう願望は前面に出せませんし、本人も気づいていないことが多いものです。不満をまともに受けて解決しても、事態がさらに悪化することがあります。

長男「昨日の夜も、弟の方がハンバーグ大きかったじゃないか。ずるいよ。いつも自分ばっかりがまんしている。不公平だよ」

母親「ごめんね。気づかなかった。これからは同じ大きさにするから、いつまでも前のことばかり言わないで、そのときに言いなさい」

それほど不思議な会話ではないですよね。これで問題なく分かったと、お互いが気持ちよく過ごせていればよいのですが、それでは納得できないと、長男が暴れるようであれば、公平な解決を急がずに、長男が思っていること、聞いてほしいことに焦点を当てることが大切です。

長男は、昨夜のことやいつも(過去)のことを言っています。対する母親の回答は、今後のことです。長男はこれだけがまんしているのだから、偉い自分をほめてほしい、認めてほしい、という願望を持っているかもしれませんが、母親は解決方法の話をしています。

母親は、長男が嫌な思いをしているのだから、早く解決してあげたいという気持ちになります。この部分にずれが生じ、長男は自分の言っていることを無視されたという感覚になります。

その問題解決が不満を増やす?

この感覚のずれは、会話が成立していないことで判別します。もう一つが、長男が客観的な公平を求めているのであれば、自分の方が大きいときは、喜ばないで弟に分け与えているはずです。それが普段から見られないのであれば、自分が大きなハンバーグを食べたいという気持ちを伝えたいと捉えるべきでしょう。人は自分の得るものを小さく、他人が得るものを大きく感じてしまうものです。

同じことは、大人の会社内での場面でもよく見かけます。自分(A氏)の方が仕事をこなしているのに給料が低いとか、同じ職場のB氏がミスをするからいつも自分がフォローしていて迷惑だとか。問題解決をするには、A氏の仕事を減らす、あるいは給料を上げる、B氏と職場を離す、B氏のミスを別の人にフォローさせる、B氏がミスをしない対策をする―などが考えられます。

ですが、その対策を提案したところで、A氏が満足しないこともあるでしょう。さらにはA氏がミスをしたときに、周りもフォローしているから、お互い様だと説得をしたら逆効果でしょう。不満に対する問題解決自体が不満を増やすかもしれないことを、頭の片隅に入れておいて損はないですよ。(精神保健福祉士)

りんりんロードでシベリアを目指す《ポタリング日記》8

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「りんりんロード」虫掛休憩所=土浦市虫掛

【コラム・入沢弘子】「シベリア」がずっと気になっていました。ジブリ映画『風立ちぬ』で登場して、印象的だったからです。

映画の中の「シベリア」は竹皮と新聞紙に包まれた、黒い具材を挟んだ三角サンドのようなもの。映画は1920年代の激動の渦中にある日本を舞台に、航空技術者・堀越二郎の半生を主題にしたものですが、西洋の影響を受けた文化の描かれ方が、ノスタルジーを感じさせるものです。「シベリア」は今も売られていると知り、ポタリング散歩で買いに行くことにしました。

出発地点は、今年7月にリニューアルした「りんりんロード」虫掛休憩所。18台分の駐車場、テーブル付きベンチ、新しいトイレの壁面には空気入れも設置。トランクから出した愛車「BROMOTON」(ブロンプトン)を組み立てるスペースも広くて安心です。

初めて食べるのに懐かしい味

さあ「シベリア」目指してスタート!

枯葉色に変化しつつあるハスの葉、黄金色の稲穂、青々としたひこばえ、白く広がるソバの花、色づき始めた桜の葉。秋色のグラデーションを楽しみながら行くと、武者塚古墳の標識。石室から古墳時代の人の結った頭髪・みずらが、日本で唯一、形を保ったまま発掘されたそうです。石室の展示施設があるそうなので、帰りに寄ってみましょう。

「かきぬま」のシベリア

筑波山が宝篋山(ほうきょうさん)に隠れた頃に藤沢休憩所。少し先を右手に曲がり一般道へ。高岡根の標識からは緩やかな上り坂。信号を渡ると、右手に菓子処「かきぬま」があります。「シベリア」は掌(てのひら)の半分ほどの大きさですが、ずっしりとした重み。映画で観たものと同じ形状です。

道路を土浦方面に少し戻り、新治ふるさとの森に入ります。公園内には「ひたちふじさわ」の駅名標が建っていました。土浦方面には「さかた」、筑波山方面には「たとべ」の印字。旧筑波鉄道の駅から移築したのでしょうか。

ベンチに座っておやつタイム。水ようかんが挟まれ、しっとりしたカステラ生地の「シベリア」は、初めて食べるのに懐かしい味がしました。(広報コンサルタント)

「NEWSつくば」は今日が5周年 《吾妻カガミ》142

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NEWSつくば活動拠点の筑波学院大学体育館㊧と、体育館入り口の看板

【コラム・坂本栄】旧常陽新聞の記者が中心になって立ち上げた「NEWSつくば」がスタートしたのは2017年10月1日。当初の月間閲覧数は数万でした。それから5年たった今、閲覧数は10倍以上に増え、つくば・土浦エリアの話題を伝えるネットメディアとして定着しつつあります。

新聞にしてもテレビにしても、多くのメディアは営利組織ですが、本サイトは非営利のNPO法人によって運営されています。私たちは、読者が減少する紙の新聞に代わり、地域の諸相を伝えられるメディアは何かを研究。運営費を地域有志(意識の高い個人や地域メディアが必要と思う法人)の寄付に頼る「ネット新聞」で行こうと、このサイトをつくりました。

ポスト新聞の地域メディアモデルに

この5年間、私たちは「ポスト新聞時代の地域メディアのモデル」になることを目指してきました。この試みを面白いと思ったのか、大手新聞や大学研究者から取材を受けました。

「NEWSつくば」の特徴は執筆陣です。記事のチェックは地域紙にいたベテラン記者が担当しますが、市民記者(大学教授、大学生、一般市民)、他メディアにも寄稿するフリー記者、一般紙や専門紙を退職した記者などで構成されています。一緒に活動をしたいと思っている方がおりましたら、大歓迎です。

また私たちは、本サイトを「踏み台」にして、より広い世界を目指そうとするライターも歓迎しています。本サイトの記事は、「Yahoo!ニュース」「Googleニュース」などにも転載されますから、他メディアの編集者の目に付くチャンスは大です。

コラムも本サイトの大事なメニュー

もう一つの特徴は、コラムが多いことです。現・元大学教授、現・元自治体関係者、弁護士・経済アドバイザー・精神カウンセラー、写真家・画家・イラストレーター、作家・脚本家・随筆家、言語研究者・広報専門家、障害者支援・自然環境の活動家、文明批評家―など、現在、24人のコラムニストが登録されています。

こういった方々は、ブログ、ツイッター、フェイスブックといったSNSでも、自分の意見や各種情報を発信できます。しかし、個人サイトの場合、どうしても来訪する読者数に限界があります。その点、地域紙を前身とする「NEWSつくば」をベースにすれば、発信力は格段に強まります。本サイトは「インフルエンサー」(影響力がある人)が集う場でもあるわけです。

コラムニストの身辺情報・雑記、地域行政所感、政治国際問題分析などは、本サイトの奥行きを深めます。その意味で、コラム群は「地域メディアのモデル」を目指す本サイトの必須メニューです。「コラム」をクリックすると、全寄稿者の全記事を読むことができます。

読者コメント欄は少し工夫が必要?

ネットメディアでは、読者に投稿してもらう双方向性も大切な機能です。本サイトでも「コメント」欄を設け、記事やコラムに意見を述べる場を提供しています。ただ、ニックネーム(事実上匿名)ということもあり、言い放題(無責任?)になる傾向があります。

「脱新聞」を図る大手新聞のサイトでは、実名識者のコメント欄を設け、記事を深掘りする工夫がされています。この試みも参考にしながら、①匿名維持②実名限定③両者並立のどれがよいか検討したいと思います。私たちは、記事・写真・動画コンテンツ(中味)を充実させながら、サイトの機能や使い勝手も改良していきます。ご期待ください。(NEWSつくば理事長)

ジョンの代わり《短いおはなし》7

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【ノベル・伊東葎花】

大好きだったジョンが死んだのは、寒い冬の夜だった。

僕はまだ9歳で、妹は7歳だった。

その夜は、何となく別れの予感がしたのだろう。

僕たち家族は、深夜を過ぎても誰も眠ろうとしなかった。

いつもだったら「早く寝なさい」という母も、眠い目をこする妹を抱きしめていた。

父はウイスキーを飲みながら、覚悟を決めたように何度か息を吐いた。

そしてジョンは、眠るように静かに逝った。

硬くなったジョンの感触は、今でも僕の胸に残っている。

その話をしたら、彼女は泣いてくれた。

「いい家族なのね」と言ってくれた。

「ジョンは、何歳だったの?」

「たぶん、15歳くらいじゃないかな。僕が生まれたときはすでに家にいたんだ。僕と妹が背中に乗っても、ちっとも嫌がらない優しい奴だったよ」

「素敵な思い出ね。でも、15歳なら長生きした方よ」

「そうかな。もっと生きてほしかったよ」

「きっとジョンは幸せだったわね。いいご家族に看取(みと)られて」

「うん。そうだといいね」

「あなたがもうペットを飼いたくないという気持ちは、よくわかったわ」

「でもね」と、彼女は分厚いカバンから、パンフレットを取り出した。

「こちらの商品をご覧ください。最新のペットロボット『愛犬3号』です。毛並みも吠(ほ)え方も肉球も、愛らしい目も、本物の犬とまったく変わりません。その上エサはいらないし、排泄(はいせつ)はしないし、なによりきちんとメンテナンスをすれば、一生あなたの傍らにいますよ。いかがですか? お試しもできますよ」

いろんな種類のロボット犬が、パンフレットの中から僕を見ている。

「どうです? 今なら本革の首輪をプレゼントしますよ」

「いや、でも」

「ジョンそっくりに造るオプションもありますよ。お写真があれば簡単です。ちょっとお値段は高くなりますけどね。まあ、あまりこだわらないのであれば、こちらのゴールデンレトリバーV36型がお勧めです」

やり手のセールスレディは、よどみなく早口で話す。

セールストークのお手本みたいだ。

彼女は、もはや僕とジョンの想い出に興味はない。

頭の中は、一件でも多くの契約を取ることで一杯だ。

僕は丁重にお断りして帰ってもらった。

彼女は、「泣いて損した」と言わんばかりに、僕をにらんで帰って行った。

ちょっと美人だったけど、ペットの押し売りなんてごめんだよ。

そもそもジョンが犬だなんて、僕はひとことも言っていない。

大好きだった亀のジョンは、たった15年で死んでしまった。

一万年生きると信じていたのにさ。(作家)

茨城ロボッツを応援しよう!《令和楽学ラボ》20

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茨城ロボッツ

【コラム・川上美智子】スポーツには疎い方ですが、小学3年生の孫に誘われて「茨城ロボッツ」を応援するようになりました。保育園のころにサッカーでつまずいた孫が、小学生になってから茨城ロボッツのスクールに通うようになり、すっかりバスケットファンになってしまいました。

昨シーズンも、アダストリア水戸で行われたホーム試合は全て応援に行き、さらにYouTubeでそれぞれの試合を何度も何度も観戦して、試合運びを分析するほどの熱の入れようです。休みの日には、敷地内の小さな中庭のバスケットゴールで腕をみがいています。

そのような折、ロボッツから試合後の選手に提供するリカバリー弁当の話が舞い込みました。私がオープニングでプロデュースのお手伝いをした「レストランAOYAMA」(水戸市赤塚)のオーナーシェフ青山雅樹さんから、メニュー作成と監修の依頼がきたのです。そんな形でお役に立てればうれしい話と、早速、前職場の茨城キリスト教大学の教員に声をかけ、ロボッツの西村大介社長と詰めに入りました。

昨シーズンが始まり、ロボッツがなかなか勝てなかった時期の話で、昨年12月に6者協定の話がまとまり、年明けから「茨城ロボッツ・スポーツニュートリション 6者連携プロジェクト」がスタートしました。この取り組みが功を奏したのか、この後は、ロボッツが勝利する試合が多くなりました。

「食」の応援プロジェクトは3本柱

このプロジェクトの内容は、以下のようなものです。

1つは、選手に対して月1回栄養カウンセリングを行うもので、茨キリ大学・生活科学部食物健康科学科の目黒周作講師と田井勇毅講師が担当しています。選手それぞれが日ごろより食生活を改善して、強い体、ケガをしない体を作るためのものです。

2つ目は、ホームゲーム後の速やかな体のリカバリーを目指した補食弁当の提供です。メニュー監修は、当方を中心に茨キリ大学が行い、弁当の調理はレストランAOYAMAが担当します。

さらに食材提供として、JAグループ茨城、県酪農業協同組合連合会、県畜産農業協同組合連合会が加わり、安全やおいしさにこだわった茨城県産食材の弁当が誕生することになりました。YouTube で、JAのクオリティLabでの対談「茨城ロボッツ:アスリートと食」が配信されています。

3つ目は、ここで蓄積したスポーツ栄養のノウハウを茨城県の子どもたちの食育やスポーツ選手育成に生かしていく意義あるものです。

このプロジェクトに関わっている全員がボランティアで臨んでおり、今年はさらに、選手が食するロボッツ弁当をアダストリア水戸で何回か一般向けに販売し、選手の弁当の食材費に充てたいと考えています。

10月1日、いよいよ新シーズンが開幕します。選手の強化により、先に開催されたプレシーズン戦は、B1「富山グラウジーズ」と、B2「アルティ-リ千葉」に快勝しました。次年度B1リーグ生き残りの条件、観客数平均4000人以上―などをクリアするため、「GEAR UP 4000 PROJECT」も始まっています。県全体で応援する態勢ができればと強く願っています。(茨城キリスト教大学名誉教授)

かすむ? 安倍氏国葬《邑から日本を見る》120

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谷津田で進む稲刈り

【コラム・先﨑千尋】去る19日、「ホンモノの国葬」をテレビで見た。イギリスのエリザベス女王の国葬だ。聖歌が響き渡る中、王室旗がかぶせられ、王冠を載せた女王の棺(ひつぎ)がゆっくりと教会の回廊を回る。壮大で厳粛な儀式だった。イギリスの王室制度をどう評価するかはさておき、世界史の中でのイギリスの栄光を見せつけられた思いだ。

翻ってこの日本。明日27日、7月8日に凶弾に倒れた安倍元首相の「国葬儀」が東京の日本武道館で行われる。こちらは賛否両論どころか、反対の声が日増しに強くなり、報道機関の世論調査ではダブルスコアで反対、評価しないという結果になっている。国会議員では、野党第一党の立憲民主党党首だけでなく、自民党からも村上誠一郎元行革相が欠席、と伝えられている。

強い反対の声を押し切っての国葬。当事者の安倍さん、遺族の昭恵さんや国葬を決めた岸田総理の心中は分からないが、おそらくこんなはずではなかった、と考えているのではないか。イギリスのすぐあとということもあって、二番煎じの感がする。

法的根拠がない

私は今度の安倍さんの国葬に反対だが、その理由は二つある。

一つは、法的根拠がないということだ。内閣法制局の見解では「国葬とは、国の意思により、国費をもって、国の事務として行う葬儀をいう」だ。では、国の意思とは何か。

国会、行政、司法の三権のうち、「国権の最高機関」であり「全国民を代表」するのが国会だ。意思決定過程に国会が関与することが求められるというのが、衆院法制局の見解。岸田さんは内閣府設置法をもとに、国葬は「その都度、政府が総合的に判断するのがあるべき姿だ」と言っているが、詭弁(きべん)でしかない。

国葬が「国の意思」によって行われるものだとすれば、内閣(行政府)の一存では決められない。現憲法下では、国民が主権者であり、内閣は主権者ではない。国会が決めたことを執行するのが内閣なので、国葬にすることを国会での議論を経ずに閣議で決めることはできない。

岸田さんは、民主主義のプロセスを無視してきた安倍首相のやり方を踏襲した、と考えているのだろうか。山崎拓・元自民党副総裁ですら「安倍元首相国葬決定はあまりに拙速すぎた。国会に諮るべきだった」と批判している(「NEWSポストセブン」8月29日)。

「業績」も?

反対するもう一つは、安倍さんの「業績」のことだ。私はこれまで、このコラムでかなりしつこく安倍政治を批判してきた。特定秘密保護法や集団的自衛権を認めた戦争法の制定や憲法解釈の変更、共謀罪の創設、東京電力福島第1原発の事故を忘れさせるための東京オリンピック誘致(安倍さんが亡くなった途端、膿が一気に噴き出してきた)、憲法改悪の準備―などなど。また、国会で平気で嘘をつき、ごまかした。

新基地反対の声を上げ続ける沖縄や安倍政治に抗議する人たちには居丈高になり、強大なアメリカに対しては卑屈になる。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と言いながら、北朝鮮の拉致問題は置き去りにし、プーチンと何十回も会ったと言いながら、北方領土問題は1ミリも動かなかった。

仮に国葬を認めるにしても、以上の理由で、安倍さんはその対象にはならない。内閣葬か、「お別れの会」なら仕方がないが。(元瓜連町長)