火曜日, 3月 19, 2024

ナースの道へ決意新た 筑波学園看護学生38人が戴帽式

筑波学園看護専門学校(つくば市上横場)の第14回戴帽式が29日、つくばカピオのホールで開かれた。看護学生が病院での本格的実習を前に志を新たにするセレモニーで、4月に入学した38人が臨んだ。緊張した面持ちでナースキャップを頭に頂いた学生たちは手のひらにのせた灯を見つめて、決意を新たにした。 近年は医療現場でナースキャップがあまり見られないことから戴帽式は減少傾向にある。同校はナイチンゲールの唱えた看護の心を継承しようと毎年実施している。 厳かな雰囲気の中で行われた戴帽式には病院関係者や保護者、友人ら約150人が祝福に訪れた。学生たちは「同じ夢を抱く仲間との絆を大切に、看護師になるために努力します」との誓いを込めて「結―ゆい―」を手話と共に合唱した。 戴帽式を終えた看護学生、井崎遥さん(19)は、県立土浦湖北高校を卒業して迷わず看護師の道に進んだ。「看護師として働く母親を誇りに思っている」とし「この8カ月は学ぶことがたくさんあった。患者さんの環境を整えるためのベッドメーキングは何度も練習した。難しいと感じることでも『進む道に近づいている』という希望に満ちている。患者さんに寄り添うことを大切にする看護師になりたい」と話す。 千葉県から通学している小坂健さん(19)は、父親が運営するデイサービス施設で利用者に信頼されている看護師に影響を受けたという。「これからますます勉強も技術も難しくなり、乗り越えていかなければならないことがたくさんある。自分本位の考えで援助をすることは患者さんの援助ではないことを実習で学んだ。患者さんの立場に立って行動できる看護師になりたいので、日頃から意識し生活していきたい」と話した。(橋立多美)

イオンつくば駅前店が閉店 西武に続き、来年2月までに センター地区のさらなる空洞化懸念

西武筑波店が今年2月閉店したのに続き、つくば駅近くの大型商業施設、イオンつくば駅前店(つくば市吾妻)が来年2月末までに閉店する。同店は西武と共につくばセンター地区の振興を担ってきた。中心市街地へのさらなる影響が懸念される。 同店を運営するイオンリテール(本社・千葉市)は「開店から32年経ち、つくばエクスプレスが開通するなど総合的な周辺環境の変化を踏まえて閉店に踏み切る。2013年にイオンモールつくば(つくば市稲岡)などが開店し、駅前だけでなく郊外で買い物ができるようになったことも(要因の一つに)ある」と説明する。現在、同店の売上高はピーク時の約20年前と比べ半減するほどに落ち込んでいるという。 28日、同店1階西出入り口近くに設置された「ご意見・お返事公開ボード」には、閉店に関連した投稿がいくつか掲示されていた。「閉店しないでください。筑波大生のためにも(16日記入)」という投稿には、佐久間勇樹店長から「当店は開店後32年を経過し、新たなライフスタイルに応えるためには、必要な売り場面積の不足だけでなく、建物や各施設自体に老朽化が進んでおります。安全に、かつ快適な空間を提供し続けることは、非常に困難な状況にあることは否めません。そのような背景の元、2017年度中に閉店の運びとなりました(18日回答)」という回答が掲示されていた。 自転車で買い物に来た60代の主婦は「30年以上ずっと利用してきた。食品、家電、薬など何でもそろうのが魅力で、他の店に行っても、最終的にはここに寄った。西武の閉店後はいつ来ても空いていたが、なくなってしまうのは困る」と肩を落とした。徒歩5分のところに住む50代の主婦は「つくば駅からの帰りに買い物をするのに便利だったのに。車のないご近所さんはこれから困るのでは」と憂えた。 つくば市学園地区市街地振興室は「筑波研究学園都市が成長する中で、長い間市民に親しまれてきたイオン駅前店の撤退は残念。現在進めている中心市街地のまちづくりビジョンの策定の中で、中心市街地一帯としてどういう機能を持たせていくかを検討したい」と話した。 同店は西武筑波店と共に、つくば科学万博が開催された1985年3月、ジャスコつくば店としてオープンした。売り場面積は約6300㎡、1階は食品や化粧品、家電、日用雑貨など、2階は衣料品を中心に扱っている。2011年イオンつくば店に、翌12年同つくば駅前店に店名変更した。(大志万容子)

つくばナンバーの図柄決定 来年10月ごろから交付へ

つくば市など13市町が投票を実施していた自動車用ナンバープレートの図柄が28日、決定した。筑波山頂から太陽が昇るダイヤモンド筑波を鮮やかなグラデーションで表現したデザインが選ばれた。12月1日、国交省関東運輸局に提案する。来年10月ごろから交付が開始される予定という。 10月17日から11月15日まで、13市町のホームページや公共施設などで投票を実施していた。5930人から応募があり、3161票を獲得したダイヤモンド筑波の図柄が選ばれた。 併せてアンケート調査を実施したところ、53%の3140人から「(図柄入りを)付けたい」、30%の1772人から「まあ付けたい」との回答があり、8割が期待を寄せていることが分かった。寄付金の使途については「観光スポットの環境保全・美化活動に活用してほしい」が最も多く38%、続いて「広域観光パンフレットの作成」が24%だった。 カラーの図柄入りナンバープレートは、新車を購入する際などに、交付手数料に寄付金(金額は未定)を上乗せすれば取り付けができる。従来のモノトーンのナンバープレートも交付手数料のみで引き続き交付する。 つくばナンバーの交付地域はつくば市のほか、古河、結城、下妻、常総、守谷、筑西、坂東、桜川、つくばみらい市、八千代、五霞、境町の13市町。寄付金は交通安全啓発や広域観光キャンペーン、圏央道利用促進キャンペーンなどに活用する予定。(鈴木宏子)

新図書館のバリアフリー度を検証 電動車いすの今福義明さん 「市のセールスポイントになる」

市立図書館と市民ギャラリーを併設したアルカス土浦が27日、土浦駅西口前にオープンした。同日、市バリアフリー推進協議会委員を務める電動車いすの今福義明さん(58)と館内を回り、バリアフリー度をチェックした。今福さんは新図書館のデザインや配置に目を見張り「自治体のセールスポイントになるのではないか」などと話した。 今福さんは交通バリアフリーを求める市民団体「アクセスジャパン」代表で、全国各地を飛び回り、公共交通、公共施設などのバリアフリー度をチェックし提言している。土浦市の新図書館に対しては、市と障害者団体とのバリアフリー意見交換会などで、設計段階から当事者の立場で提言してきた。 同日、電動車いすで各階を回った今福さんは「デザインがすごくいい。どこにいても館内が見渡せ、堅苦しさがなくオープンな雰囲気」と高得点を付けた。「いろいろな高さやデザインのテーブルや椅子が配置されていて、余裕が感じられる。いろいろな視線が交差するデザインになっていて、ゆっくりできて落ち着く」と話し、「今風の図書館の機能とは何かということを再認識できる」と賛辞を贈った。 視覚障害者や聴覚障害者向けの読書機能が備えられているかを尋ねると、3階に案内された。点字図書コーナーはカウンター近くにあった。弱視者や色弱者向けの、本を読み取って文字を大きく映し出したり文字の背景の色を変える拡大読書器や、視覚障害者向けの対面朗読室を見せてもらった。拡大読書器や対面朗読室は今回、新たに導入されたという。今福さんは「バリアフリーの装置はそろっている」と納得していた。 課題も見つかった。1階と2階の多目的トイレは、出入口扉近くにオストメイト対応器具や洗面台が配置されているため、幅が狭い。トイレから出る際は開閉ボタンを押して扉を開けなくてはならないが、器具がじゃまになり、車いすではボタンに手が届かない。今福さんは常時携帯している自助具の棒で開閉ボタンを押し扉を開けることができた。「開閉ボタンの位置も少し高いのは」とも指摘した。 設計段階で開かれた意見交換会では、視覚障害者から、点字ブロックの動線や色について質問が出ていた。新図書館は点字ブロックや警告ブロックが館内をめぐっておらず、基本的に職員が案内する。今福さんは「使い勝手について、視覚障害者にも話を聞きたい」と話した。(鈴木宏子)

飲食店と高校生のコラボも 8000人の家族連れでにぎわう フェスティバル神立

今年で28回目を迎える毎年恒例の祭り、フェスティバル神立(神立商工振興会主催)が26日、土浦市中神立町、神立第3児童公園で開催された。41の飲食店や雑貨店、イベントブースなど多種多様なテントが並び、例年より多い約8000人の家族連れなどでにぎわった。市内の飲食店と高校がコラボしてオリジナル料理などを提供する企画「クッキング甲子園」も行われた。 同企画では、神立中央の精肉店、ミート今井と湖北高校家庭クラブがコラボして国産のレンコンを使った「湖北コロッケ」を販売。隣接のかすみがうら市のまちおこし会社、かすみがうら未来づくりカンパニーと霞ケ浦高校とのコラボ出店や、神立中央の洋食店、ひつじの小屋とつくば国際大学高校ファッション&クッキング部のコラボ出店もあった。 湖北高校家庭クラブの大久保綾香部長(17)は「今年で2回目の出店。クラブの活動を知ってもらいたいと出店に至ったが、仲間と協力する機会にもなって良かった。活動に特に力を入れてくれた1、2年生に感謝している」と話した。 神立高原スキー場をPRする黄色と黒の特徴的なデザインのテントも出店した。神立という地名は新潟県にもあり、今回、湯沢町神立から訪れた。湯沢町の田村さん(27)は「神立高原スキー場をもっと知ってもらいたい」と意気込みを語った。 フェスティバルは地域の活性化や住民同士の親睦を深めることなどを目的として始まった。実行委員長の八釼(やつるぎ)正樹(44)さんは「今年は例年に比べて来場者数が多く大盛況だった。神立地区総出で取り組んだことが影響したと思う」と話していた。 (枝川廉) 小学生が一日記者体験 会場回り各テントを取材 NEWSつくばはフェスティバル神立に出店し、子どもたちを対象に「1日記者体験」を催した。神立小学校3、4年の3人が参加し、会場を回って八釼正樹実行委員長にフェスティバルへの思いを聞いたり、各店に自慢の商品の作り方を聞くなどした。 3年の石原緑実(みみ)さん(9)は八釼実行委員長に「なんでフェスティバルをやっているんですか」などと質問。八釼委員長は「街の人が仲良くなるためです」などと答えた。4年の林山晃太朗さん(10)が「(会場の)どのお店に行きたいですか」と質問すると、委員長は「神立町内の店がたくさん出ているので、そこに行きたいです」などと応じていた。 会場内であいさつ回りをする地元の青山大人衆院議員に遭遇し、急きょインタビューする一幕もあった。3年の安斉良一さん(9)は「名刺はいつも何枚くらい持っているんですか」など質問していた。 一日記者を体験した林山さんは「いろんなことが分かって楽しかった。またやってみたい」などと感想を話した。 子どもたちを引率したNEWSつくばの大志万容子記者は「子どもたちが一生懸命やってくれて、お店の人も温かく対応してくれた。子どもたちにとって良い体験になったと思う」と話していた。(鈴木宏子)

小中学校芸術展でダブル受賞 手代木中から2人が市長賞 精細な描写、独特の世界表現

つくば市民文化祭小中学校芸術展が今月初旬、つくばカピオで開催され、絵画と書道部門各学年1人ずつに市長賞が贈られた。市立手代木中学校(土田十司作校長、477人)は、1年の池田琴葉さんの絵画作品「木もれ日の中で」と、3年の菅野華加さんの絵画作品「成長」が市長賞に輝いた。 池田さんは、中学校隣にある手代木公園の散歩道に陽が射しこむ静かな風景をアクリル絵の具で表現した。「葉っぱの1枚ずつを細かい点で描いて濃淡を出すのが大変だった」と話した。将来は、世界の子どもたちが直面している問題に取り組むユニセフの職員になりたいという池田さん。「絵画は趣味として続けていきたい」と話した。 菅野さんの作品は木の下に座る女の子の周りに多様な魚や街が描かれ、見る人の想像力をかき立てる。海に沈んでいる未熟な自分が成長し、やがて陸に上がることを想定したという。独自の世界を水彩とアクリル絵の具、マジックペンで絵にした。漫画家を目指したこともあったが、今は「自立できる安定した職業に就く」が目標だという。 同展への出展総数は市内52校から絵画が1523点、書道(書写含む)1444点。18人に市長賞、36人に教育長賞が贈られた。(橋立多美) ◆2人の作品は29日から水戸市の県民文化センター展示棟で始まる県小中学校芸術祭美術展覧会で展示される。12月3日まで。入場無料。    

風景描写に感嘆 朱青会が水彩画展 26日まで牛久で

牛久市の水彩画愛好者らによる「朱青会 水彩画展」が同市中央の三越牛久店2階アートギャラリーで開かれている。会員11人の25作品が会場いっぱいに展示されている。 会は2007年、同市成人教室の水彩画講座の受講生らが中心となって、講座終了後に立ち上げた。当初は講座講師の指導を受けていたが、会員だけで勉強するようになり、現在は会員の高橋忠さんが講師となり活動している。景色を描きたいという会員が多く、室内の静物画作品より風景画の方が多い。年2回写生会を行い、楽しみながら制作に励んでいる。 練習日は月2回あり、家で描いた作品を持ち寄り会員相互で意見を述べ合う。この意見がとても大切で手直しする際の指針となり、より良い作品に仕上げるのだという。練習日には高橋さんの水彩画制作の実演指導があり、会員らは技術向上を目指している。制作に真剣に取り組む会員だが、教室は和気あいあいとした雰囲気だ。 展示会場中央にはスケッチブックが置かれている。どれも見応えがある。添えられている盆栽は、会員の内田久寿さんが30年前に種から作り丹精込めて仕上げたもので、風景画に寄り添い風情を醸し出している。 つくばから来場した女性は「見応えのある作品ばかりですね。特に細密画には感心しました」と話していた。代表の永井健治さんは「来場者からは、平均的な絵画教室の作品よりレベルが高いとの評価をいただいています。それを励みに制作にも熱が入ります」と笑顔で話していた。(鈴木萬里子) ◆会期は26日(日)まで。開館時間は午前10時~午後5時(最終日は4時)。問い合わせは永井さん(電話090・5795・0511)。

山麓に滞在し筑波山の自然を作品に 10カ国14人のアーティスト ふれあいの里で野外展示 26日まで

国内外のアーティストが筑波山麓で制作した作品を展示する「つくば国際アーティスト・イン・レジデンス」が、筑波ふれあいの里(つくば市臼井)で開催中だ。5回目を迎えた今年は、フランス、スペイン、韓国など10カ国14名のアーティストによる個性豊かな作品が野外展示されている。最終日の26日には舞踏家の田仲ハルさんによる舞踏パフォーマンスも開かれる。 つくば市などで文化振興活動に取り組む「つくばアートセンター」が主催。10月下旬に来日したアーティストがつくば市小田の古民家に滞在しながら、筑波山麓の自然やそこで見聞きしたものから受けたインスピレーションを元に制作した作品を展示している。また市内の放課後等デイサービス「アライズたいよう」と「たいようの子」、障害者支援施設「ORION」の3団体がアーティストと合作した作品もある。 筑波山で拾った錆びついたトタン板を木立のようにした作品からは、静かな森の風景が浮かび上がるよう。また川に向けた竹筒からせせらぎの音を聞けるようにした一点や、輪切りにした竹を組み上げて立方体の草庵(そうあん)にしたものなど、個性あふれる作品が目を引きつける。 同展キュレーターの池澤孝さんは「(来場者には)自然とアートの関係性に気づいてほしい」と述べ、つくばアートセンター代表の篠原光子さん(54)は、「これだけ素晴らしいアーティストがいることを一人でも多くの人に知ってほしい。そして芸術が特別なものではなく、生活の中に色や形が自然にある環境をつくっていきたい」と話している。(大志万容子) ◆同展は26日まで。入場無料。最終日のクロージングパフォーマンス「 ― 羊飼いの歌 ― 」は、午後2時から筑波ふれあいの里で。

「交換留職」で組織活性化 つくばのベンチャー 札幌のゲストハウス運営会社と

つくば市天久保でコワーキングスペース「Tsukuba Place Lab」を運営する、株式会社しびっくぱわー(同市天久保)はこのほど、札幌でゲストハウスを運営する合同会社ToGo(札幌市)と、社員を一定期間交換する「交換留職」=メモ=に挑戦している。経営や組織づくりについて互いに学び合い、環境を変えることで社員の意識をリフレッシュすることが狙い。しびっくぱわー代表の堀下恭平さん(27)は「社員だけでなく、組織全体にもよい緊張感をもたらしている」と効果を実感する。 筑波大学在学中の2014年に起業した堀下さんは今年3月、ToGo代表の粕谷勇人さん(26)らと知り合い、経営や社員教育について意見を交わす中で「それぞれ社員を交換したら面白いよね」と意気投合した。 粕谷さんはゲストハウスの業務全般に携わるが「今後の事業拡大を考え、この機に現場をスタッフに任せたいと思い」自分が交換メンバーとして出向くことに。10月25日から1カ月間の予定で、同Labのスタッフとして業務に当たっている。 驚いたのは「ミーティングの違い」と粕谷さん。スタッフ個人が自己実現できているかどうかに焦点を当てる内容に刺激を受け、取り入れたいと考える。 一方、筑波大4年で現在しびっくぱわーのインターン社員、嶋田優奈さん(22)は10月25日から1週間、札幌市のゲストハウス「Wagayado 晴-HaLe-」に行き、掃除や受付に携わった。 「コワーキングスペースと業種は違うが、人のつながりを求めてくる人が多いのは同じ。自分がやったことがゲストに喜んでもらえて、Labでの経験が自分の中にあることを確認できた」と振り返る。数値目標を立てるミーティングの手法もLabで生かしたいと意欲を語る。 現在、Labで働く粕谷さんは札幌から戻った嶋田さんと、それぞれ吸収したことを共有し、お互いの場のクオリティ向上にどう生かすかに知恵を絞る。「残りの日々、ゲストハウスで培ってきたノウハウを生かして、掃除の効率化などLabのオペレーション改善に取り組みたい」と粕谷さんは話す。 堀下さんは「例えば室内のゴミひとつとっても、粕谷さんはゴミ箱までの動線を含めて考えるなど気づく能力がずば抜けており、それがLabのスタッフにもよい緊張感となっている」と効果を実感する。 交換留職について「他の企業からも一緒にやりたいという依頼を受けており、これは地域で(ビジネスの)場を持つ人たちとなら業種を問わずにできると思う。今後、互いに信頼し合える人たちと一緒に取り組み、それにともなって仕事を作り合うことも見込んでいきたい」と堀下さんは展望を語る。 2人の人件費はそれぞれ受け入れ先が負担。粕谷さんはつくば滞在中はしびっくぱわーの社宅に、札幌に実家がある嶋田さんは、自宅から受け入れ先に通った。 同Labは「人と人とを繋ぎ、やりたいことを実現していくための場をつくりたい」と、堀下さんが昨年12月にクラウドファンディングで資金を募り、ボランティアによるDIYで築約40年のビルの2階の一室約63㎡を改修しオープンした。現在、午前7時~午後11時に営業、社会人や学生らが仕事や勉強、打ち合わせなどに利用している。利用料金は学生1日300円、一般500円など。(大志万容子)   【メモ】交換留職=学校間の交換留学のように、自社の社員と他社の社員を一定期間入れ替え、交換先企業で実際に業務を経験させる人事研修制度のこと。個人と組織の成長を促し、企業間交流を深める新しい試みとして注目を集めている。

ボルダリングウォール設置 筑波技術大 地域の障害者スポーツの拠点に

視覚障害者と聴覚障害者が学ぶ筑波技術大学(つくば市天久保)体育館にボルダリング競技用のボルダリングウォールが設置され、21日、オープニングセレモニーが行われた。 高さ4m、幅6m。傾斜角は90度と103度の2種類。壁の色を黒くしてコントラストを強調するなど、視覚障害者への配慮をしている。 同大では、授業でフリークライミングを取り入れている。年1回、一般公開で開催されるスポーツ教室でも、その都度ボルダリングウォールを設置してきた。今回、恒常的に使える人工壁を設置し、地域の障害者スポーツの拠点として寄与するのが狙い。 セレモニーでは、同大情報科学部でフリークライミングの指導をしているNPO法人「モンキーマジック」の小林幸一郎代表と、同大の学生4人がボルダリングに挑んだ。 視覚障害者のボルダリングは、1人が壁に上り、アシスト役のもう1人が「〇時方向」と時計の針の向きで方向を指示。ただし「手を使って」などの具体的な指示は出さず、登る人間の意志に任せる。 ボルダリングを披露した、同大3年の會田祥さん(21)は、パラクライミング日本選手権2017で優勝するほどの腕前。會田さんは「今までは市内の別の場所や東京などに遠征合宿していたので、学内で練習できるのがありがたい」と話した。會田さんのアシスト役を務める、同大3年の星野隼人さん(21)は「(會田さんは)長年の勘があって、次のホールド先をしゃべる前に手が出る。その体制でキープしてくれて指示を待ってくれているので、さすがだなと思う」と、會田さんの実力を高く評価した。 同じくボルダリングを披露した、同大3年の朝田佑太さん(21)は「他のボルダリングジムと同じ高さ。身近で、手ごたえもある。つかむところの距離感が多彩」と感想を語った。アシスト役の泉隼樹さんは「アシストを的確に出すのは難しい。しっかり的確に出せたときのうれしさはある」とやりがいを説いた。 小林代表は「学生さんがボルダリングに出合う確率は飛躍的に増える」と、障害者スポーツの発展に期待を寄せた。(崎山勝功)

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