火曜日, 3月 19, 2024

人生の「旅の途中」切り取る オダギ秀さん写真展 つくばで3日まで

土浦市の写真家、オダギ秀さんの写真展「旅の途中」が、つくば市高野台のCafe&Galleryロダンで始まった。オダギさんが「人生という旅の途中で、目に触れたり、心に残ったりしたことをスケッチするように撮影した」という17点を展示している。 小さな頃からカメラに触れ、撮影歴は50年以上になるというオダギさん。2010年から開いている同展は13回目。日常の中で心に残ったことをスケッチするように切り取り、自身のホームページで公開してきた作品の中から、この半年内に撮影したものを中心に選んでいる。 こぢんまりとしたギャラリースペースに合わせて35×35㌢の額に統一して展示。水滴がついた網の上のクモ、いたずらっ子のような笑顔のお地蔵さま、枯れた曼珠沙華に横たわるアゲハチョウ‥見る人が心象風景を重ね、思わず語りかけたくなるモチーフが並ぶ。オダギさんが撮影した時の思いを綴った文章も添えられている。 訪れた人は、写真を先に見て回ってから文章をじっくり読んだり、写真と文章を交互に眺めたり、思い思いに鑑賞を楽しんでいた。昔からオダギさんのファンという、つくば市小田の飯塚睦子さん(78)は「写真からも文章からも、ほっとする優しい気持ちが感じられるのが素敵です」と話していた。 同展は11月3日まで。入場無料。(大志万容子)

巨匠モネ作品を特別展示 土浦新図書館・ギャラリー27日開館記念 41のイベントで盛り上げ

土浦市立図書館と市民ギャラリーを核にした再開発ビル「アルカス土浦」が11月27日、JR土浦駅前にオープンする。開館を記念して、印象派の巨匠モネの「ポール=ドモワの洞窟」が特別展示される。モネの出身地フランスにちなんで来年1月末まで毎週土・日曜に、フランスと土浦の食、アート、文化をテーマに41のイベントが催され、にぎわいを演出する。 10月30日、定例記者会見でオープニングイベントを発表した中川清市長は「(41のイベントで)駅前からまちなかへ、ぶらりと歩いてみたくなるような雰囲気づくりを進めていきたい」と話した。一方、市の財政事情から経費を抑えたイベントとなるという。 モネの作品は県近代美術館が所蔵し、同館の移動美術館として1階ギャラリーに展示される。併せて「茨城ゆかりの洋画家たち」と題して、明治から大正期の洋画家、中村彝(つね)のほか、土浦出身の鶴岡義雄、塙賢三らの油絵など計59点が展示される。期間は11月27日から来年1月14日まで。 フランスにちなんだイベントは「駅前ぶらりライブラリー」と題して、アルカス土浦や市役所前のウララ広場を中心に開催される。 市民らが撮影した風景や笑顔の写真でつくる「ポール=ドモアの洞窟」のモザイクアート、県立土浦工業高校の生徒がペットボトルで作るエッフェル塔が展示されるほか、シェフによるフランス料理講座、ワイン通に知られる同市田中、土浦鈴木屋のワイン講座、マルシェ(市場)、コンサート、ワークショップなどが催される。 12月9日には村上龍など著名な作家の本の装丁を数多く手掛ける装丁家、鈴木成一さんのトークライブが開催。クリスマスイブの12月24日は1階屋外広場から4階屋上公園までをつなぐ屋外階段で、新郎新婦の門出を祝う届け出挙式なども催され、駅前を盛り上げる。 アルカス土浦のアルカスは、アートとカルチャーのスペースの頭文字をつなげた造語。1階が同市初の市民ギャラリー、2~4階が新市立図書館になる。図書館の面積は約5120㎡と県内市町村で最大規模。土浦駅西口からペデストリアンデッキで直結し、中心市街地を活性化する交流拠点となることが期待されている。 図書館の開館時間は平日が午前10時から午後8時。土日・祝日は午後6時まで。休館は第1月曜日を除く毎週月曜日で、月曜が祝日の日は開館する。駐車料金は2時間まで無料の方向で現在検討中という。(鈴木宏子)

鮮烈な色調「まっすぐ描き続けたい」 つくば市の金子安伸さん 洞峰公園記念館で作品展

高校生のときから絵筆を握ってきた金子安伸さん(75)=つくば市真瀬=の「絵が謳(うた)う」作品38点が、同市二の宮、洞峰公園の新都市記念館で展示されている。 金子さんは東京生まれ。日本画を描いた義兄の影響で絵画に興味を持ち、15歳から油彩の勉強を始めた。以来、仕事に従事し家庭を持っても絵画サークルなどで研鑽(けんさん)を積み、絵筆を離すことはなかった。 仲間や先輩たちの作品に学び、当初は柔らかな色彩で仕上げていたが、抑えた色では「絵が謳わない」と気づいた。それからは鮮明な色調にこだわり、各々が存在を主張する作品になったという。そんな金子さんが尊敬するのは「色彩の魔術師」と称されるフランスの画家アンリ・マティスだ。 「美しいものは光によって一瞬で変わる。それをすくい取って描きたい」という思いで仕上げた作品は油彩や水彩、デッサンまである。中でも、岩肌が際立つ妙義連山を題材にした油彩画は20年かけて描いてきた作品で、今展直前に最後の筆を入れた会心の作。 「人生100年の時代。次の個展を目指してまっすぐ描き続けたい」と話す。入場無料。会期は31日(火)まで。(橋立多美)

100人の筑波ジュニアオーケストラ 団員募集から1年 29日、ノバホールで第1回定期演奏会

オーディションで選ばれた、小学1年生から大学生まで約100人が参加する「筑波ジュニアオーケストラ」(団長・藤川雅海筑波銀行頭取)の第1回定期演奏会が10月29日、つくば市吾妻のノバホールで開催される。昨年秋から団員を募集し1年で第1回定期演奏会にこぎつけた。 昨年12月から今年にかけ4回のオーディションを行い、現在小学1年生から高校生まで80人と大学生20人の約100人が所属する。つくば市を中心とした県南地域には個人向けの音楽教室が多く、個々の発表会は多いが横のつながりは少ない。そこで運営委員長で飲食チェーン店を経営する飯泉智弥さん(43)を中心に10人の実行委員が、子どもたちが成長できる場にと設立した。地域で育った子どもたちが将来、ふるさとと感じられる場所にしたいという。 活動の柱は「地域の人々と親への感謝の気持ちを大切にする」「友達をたくさん作り友情を育む」「合奏を通じて成長する」の三つ。プロの音楽家を育てるのではないが音楽好きの人口を増やしたいという。飯泉さんは「音楽人口が多い県南の子どもたちに、スポーツと同様に光を当てたい」と話す。 今年3月26日の入団式を経て4月9日から練習が始まった。毎週日曜日の午前中に2時間30分みっちり練習する。夏休みには3日間の合宿も行った。合宿を機に団員同士の連帯感も生まれ、成長が見られたという。事務局長で地方公務員の大野初美さんは「始めはバラバラだった音も調和するようになり、講師の言うことをすぐ理解できるなど、子どもたちの吸収力は早い」と話した。 つくば市周辺だけではなく、東京や千葉などから参加する子どもたちもいる。埼玉県八潮市からバイオリンで参加している小学4年の安斉涼治さん(9)は「皆と合奏するといろんな音が混じって音色がきれいになる。ゲームをするより合奏する方が楽しい」と笑顔に。母親のアリーシャさんは「送迎は大変だが子どもが楽しいと思うことをやらせたい。このオケに入って鳥肌が立つほど上手になった」とうれしそうだ。 29日は午後2時開演。演奏曲はシベリウスの交響曲「フィンランディア」、バッハ「二つのヴァイオリンのための協奏曲」、パッヘルベル「カノン」、ビゼー「アルルの女第1組曲、第2組曲」。指揮者はNHK交響楽団チェロ奏者で筑波ジュニアオケの音楽アドバイザー、桑田歩さん。入場無料。 問い合わせは同運営委員会(メールアドレスinfo@tjo.jp)。 【記者のひとこと】大学生が入っているとはいえ小中高生が主体なので、そこそこかと高をくくっていた。練習を取材するため会場に入った途端、迫力ある音に驚いた。当日は大学生全員が都合により不参加と聞いて2度驚いた。個人レッスンを受けている子が多いとはいえ、小さい子もいるオケで、この迫力は高評価されて良いと心底思った。(鈴木萬里子)  

広島から5位ドラフト指名 霞ケ浦高、遠藤淳志選手「夢かなった」

プロ野球ドラフト会議が26日、東京都内で開かれ、5巡目で広島東洋カープが霞ケ浦高校の遠藤淳志投手(18)=土浦市出身=の交渉権を獲得した。26日夜の記者会見に応じた遠藤投手は「とりあえずホッとしている。2年後、3年後、自分がチームの一角として投げれるよう身体を作って頑張りたい」と抱負を述べた。 遠藤選手は「グローブの刺しゅうにも『夢実現』と入れていた。夢がかなってよかった。小学校に入学して野球を始めてから、ずっと(プロ野球選手になりたいと)思っていた」と述べ、プロ選手を目指す小学生たちに向けて「努力していけば夢はかなうことを小学生たちに伝えたい」と語った。 会見に同席した同校野球部の高橋祐二監督は「『早い指名はありえない』と思っていたが5位指名はビックリした。広島は12球団の中で一番練習するチーム。これから身体を作って、150㌔、155㌔を投げるピッチャーになると思う」と、今後への期待を寄せた。 元高校球児で父親の隆さん(64)は「小学6年のときから『プロ野球選手になりたい』と言っていた。その夢がかなった。これからは活躍してナンボ」と喜んだ。母親の遠藤美江さん(53)は「5巡目になっていきなりだったので、最初はびっくりした。感動で足が震えた。けがの無いように息の長い選手になってほしい」と語った。 遠藤投手は、身長184㎝、体重75㎏、右投げ右打ち。184㎝の身長から投げ下ろす角度のあるストレートと、縦に割れるカーブを投げ分けるのが武器。ストレートは最速142㎞を投げる。ほかにスライダー、フォークの球種がある。 市立斗利出小、新治中出身。少年野球チームの斗利出ベアーズ(当時)で小学1年から野球を始め、4年から投手として活躍。新治中軟式野球部を経て、霞ケ浦高校硬式野球部に入部。1年の夏には甲子園出場を果たしたものの、ベンチ入りできず、1年秋から念願のベンチ入りを果たした。 2年の夏の県大会4回戦では先発出場し完封する成績を挙げた。2年の秋からエースとして活躍が期待されたが、夏休み中に右手の甲を縫うけがを負ったため調整が遅れて登板できなかった。 悔しさをバネに、オフシーズンに練習を重ね、3年の春の関東大会ではベスト8進出の原動力となった。夏の県大会は2年ぶりに決勝戦進出を果たした。決勝戦では先発投手として200球を超える力投を見せ、延長15回の末、土浦日大に敗れ、惜しくも準優勝の成績を収めた。 会見後、同校野球部員たちに胴上げされ祝福された。県内では遠藤投手を含め4人の高校球児がプロ野球志望届を出したが、ドラフト会議でプロ野球球団に指名された県内の高校球児は遠藤投手のみだった。(崎山勝功)

男性不妊の専門外来2年、手術後妊娠54.4% 筑波学園病院「早めの受診を」

筑波学園病院(つくば市上横場、病床数331床)に男性不妊専門外来が設置されている。産婦人科が不妊治療に取り組み、高度な体外授精や顕微授精などを行う県内でも数少ない病院だ。同院の「男性」を冠にした不妊外来の専門医と、男性不妊治療をしたことで妊娠したカップルに話を聞いた。 これまで不妊は女性の問題とされてきたが、近年は男性側にも原因があることが解明され、男性に原因があるケースは半数近くに上る。不妊に悩むカップルは共に婦人科の門をくぐり、男性が不妊症の場合は泌尿器科で不妊治療を受けることになる。 婦人科を受診することをためらう男性は多い。実情に即し、同病院泌尿器科は2015年5月、一般外来の他に男性不妊専門外来を設置。男性不妊が専門の山崎一恭医長を中心に、専門外来診療と手術を行っている。山崎医長は「同性だから分かる。男のプライドと羞恥心が邪魔をする」と話す。 男性不妊の原因の多くが精巣(睾丸)の機能低下によるもので、乏精子症や精子無力症などが挙げられる。これらの疾患を引き起こす大きな原因となっているのが、睾丸周辺の静脈が太く腫れ、曲がりくねった状態になる精索静脈瘤。静脈を結び、血液の逆流をなくす手術によって検査結果や妊娠率の改善が見込まれるという。同病院は小さな傷口で迅速に治療できる手術用顕微鏡と腹腔鏡を導入。最新の治療法によって患者の負担は軽くなり、手術の件数が増えている。 山崎医長の着任から今年6月までに精索静脈瘤の手術を受けた患者79人中、妊娠したのは43人(妊娠率54.4%)に上る。山崎医長は妊娠率について「同時に女性側の治療も行われる事が多く、男性側の治療の結果なのか不明な点もある」と率直に語る。なお、妊娠の件数は自然妊娠の他に人工受精、体外授精、顕微授精を含む。 日本産科婦人科学会は1年以上妊娠しない場合を「不妊」または「不妊症」と定義しており、そこが治療を考えるタイミングか。山崎医長は「男女とも35歳を境に妊娠率は下降する。子どもが欲しいなら1年待たずに早めの検査と治療が望ましい」。 つくば市在住の男性(34)と妻(32)には小学1年の男児がいる。2人目が欲しかったが授からず、2人で検査を受けることにした。妻に不妊の症状はなかった。男性は昨年12月に同病院を受診して精索静脈瘤と診断された。3月上旬に山崎医長の執刀で手術を受けて5月末に妊娠が分かった。出産予定は来年1月中旬だという。 男性は「正直手術は怖かったし、男性機能が衰えるのではないかという不安もあった。ところが全身麻酔で目が覚めたら終わっていて、術後は痛みもないし平常通り。入院は1泊で医療保険の範囲内だったのも良かった。くよくよ悩むより一歩踏み出したほうがいい」。妻は「2人の問題だからと話し合って治療してきたことが良い結果を生んだと思う」と笑顔で語ってくれた。 男性不妊専門外来は山崎医長と泌尿器科の内田将央医師が担当し、診療は月曜と土曜日。完全予約制(予約センター029-836-6688)。

研究学園の交通量急増に危惧 天馬ちゃん通園の保育園で交通安全教室 ひき逃げ死亡事故受け

つくば市研究学園の市道交差点で、ひき逃げ事故に遭い死亡した和田天馬ちゃん(3)が通ったラ・フェリーチェ保育園(同市研究学園、高橋晃雄園長)で25日、交通安全教室が開かれた。事故を受け同園が市に依頼した。高橋園長は「ここ2,3年、研究学園地区は交通量が急増している」として周辺環境の悪化に目を向ける。 同市防犯交通安全課、交通安全教室指導員の大川初江さんと佐々木信恵さんが同園を訪れ、絵本や手品、腹話術などを繰り出しながら、園児約30人に道路の歩き方や信号の渡り方を指導した。園児たちは童謡の替え歌を歌ったり、指導員の質問に答えたりしながら、横断歩道の渡り方などを学んだ。 同園には天馬ちゃんの今年6月の誕生日に撮った遺影が飾られ、仲良しの友だちや父母から贈られたおもちゃ、供花(くげ)が供えられている。事故後、夜になると泣き出したり、朝登園してきてお母さんから離れようとしないなど不安を抱える子が出ているという。 天馬ちゃんは20日午後6時30分過ぎ、保育園に迎えに来た母親のまりさんと歩いて自宅に帰る途中、横断歩道を渡っていたところ、直進してきた車にはねられた。まりさんも重傷を負った。当時雨が降っていたことから、天馬ちゃんは蛍光反射材が付いた青いかっぱを着て、青い長靴をはき、母親と手をつないで横断歩道を渡っていたという。犯人はまだつかまっていない。 天馬ちゃんは生後10カ月のとき保育園に入園した。高橋園長は、かけっこが速く、ご飯も残さず食べて、何でもきちんとできる子だったと話し「天馬君とお母さんには何の落ち度もない。無謀な運転によって大切な命が奪われたことに強い憤りを感じる」と語る。一方「周辺には新しい店が次々に出来、渋滞も発生している。事故が起こる要因が積み重なっている」と危惧を口にする。(鈴木宏子)    

「市負担軽い福祉有償サービス強化を」 高齢化進む茎崎から提言

つくば市で最も高齢化率が高い茎崎地区は、皆の困りごとを皆で支え合う活動への関心が高い。21日、茎崎交流センターで「茎崎の高齢者生活支援を考える集い」(市民団体「まちづくり研究会」主催)が開かれ、現在、各自治会などで取り組みが行われている支え合い活動が5例紹介された。市の負担が軽くなり、住民主体の福祉有償サービスを強化しながら支え合おうという新たなまちづくりへの提言もあった。集いには110人が詰めかけた。 支え合い活動を最初に紹介したのは区会連合会長の小原正彦さん。毎年秋に開催される「くきざき夢まつり」を例に挙げ、区会連合会が実行委員に加わって情報を集めたり資金集めに奔走している状況を報告。「茎崎には人と人がつながる土壌がある」と話した。 宝陽台の伊儀宜夫さんは、団地住民の半数を占める高齢者が相互に助け合う宝志(ほうし)会活動を報告した。電球の取り換えやごみ出し、送迎などの生活支援と、自治会行事などに参加するとポイントが貯まる健康維持活動が柱。「人と交わる環境づくりがテーマ」と語った。 桜が丘団地の落合正水自治会長は今年度立案した高齢者支援活動について述べた。庭木の手入れや草刈り、大工仕事、災害時の要援護者支援が主な活動内容で、送迎や介護の手伝いも視野に入れている。活動は自治会福祉部と登録制ボランティアとの協働で実施するという。 今年度から、ふれあい相談員(社協の地域見守り事業の一環)として森の里団地の見守り活動をしている倉本茂樹さんは、個人情報保護の壁があって支援が必要な高齢者にたどりつけない、また団地には約1400人の高齢者がいるが見守り登録者は3人と少なく、当事者が「自分は大丈夫」と登録を拒否する状況を報告した。 最後に登壇したのは、有償ボランティアによる外出支援を20年続けているNPO法人「友の会たすけあい」の佐藤文信事務局長。タクシーの半額程度の料金で利用者のニーズに応える福祉有償サービスが認知され、20年間で延べ5万人を送迎した。「市の乗り合いタクシー『つくタク』の茎崎地区運行に要する年間経費は推計で約2000万円、対して同会は290万円。つくタクの運行を見直し、福祉有償サービスを強化すれぱ市の負担を軽減できる」と訴えた。 途中から参加した五十嵐立青市長は「住民自身の支え合いが活発な茎崎は他の地区の手本」と話した。また「議会で反対されなければ」とした上で「来年度、友の会たすけあいへの予算を準備している」と明かした。 茎崎地区の高齢者にとって移動手段の確保は切実な問題。市の動向を注視していきたい。 旧茎崎町細見生まれで東京大学客員研究員の木村清一さんによる「高齢社会とコミュニティ」と題した講演もあった。木村さんは、人と人が交流し支え合う取り組みが多い地域の高齢者は、元気で健康寿命が長いと語りかけ、「孤独から悲劇が生まれる。1人にしない取り組みが必要」と結んだ。(橋立多美)  

花火の仮設トイレ約70基流された 台風21号で桜川河川敷浸水、うち10基は不明に

超大型台風21号は23日朝、茨城県を通過した。土浦全国花火競技大会が催された土浦市、学園大橋付近の桜川河川敷は水位の上昇に伴って河川敷が浸水し、花火大会のため設置したものの、まだ撤去されていなかった仮設トイレ約70基が流された。 同市商工観光課によると、約60基は河川敷にとどまっているため撤去するが、約10基が下流に流されて行方不明になった。大会翌日に汲み取りをして清掃したため汚物が桜川や霞ケ浦に流れ込むことはないという。同課の担当者は、撤去の手配が遅れたことが原因と話している。 台風が過ぎた23日は、作業員が腰まで水に浸かり、流された仮設トイレを重機で懸命に引き揚げる作業に追われた。 一方、花火桟敷席も水に浸かった。撤去作業は例年、10月中旬ごろに完了するが、今年は大会後、長雨が続き作業が遅れていたという。 桟敷席の解体作業をしていた同市立田町、知久(ちきゅう)工務店、知久重巳社長(53)は「今年は雨が続き、桟敷席の材料に使っていた木材を乾かしていたため撤去が遅れていた。10月中には撤去したい」などと話していた。 台風21号による冠水のため、土浦市内では板谷7丁目から神立町まで市道約2㎞が22日正午から23日午前9時まで通行止めとなった。市道脇を通る都市下水路があふれたためという。 同市では新治地区公民館など3カ所に避難所を開設し、2人が避難した。 つくば市では同市北条、筑波交流センターなど3カ所を避難所として開設し、3世帯4人が一夜を明かした。(鈴木宏子)

被災地の種、小学生が咲かせる 「ど根性ひまわり写真展」龍ケ崎で22日まで

東日本大震災の被災地、宮城県石巻市門脇地区に咲いた「ど根性ひまわり」の種を取り寄せ、龍ケ崎市内の小学1年生たちが各家庭で咲かせた様子を写真に収めた写真展「ど根性ひまわり写真展」(龍ケ崎市民生委員児童委員連合協議会主催)が龍ケ崎市小柴、ショッピングセンターサプラ1階で開かれ、約110点が展示されている。22日まで。 主催者の民生委員児童委員連合協議会が、民生委員制度100周年記念事業の一環として市内の小学1年生の入学祝いに「ど根性ひまわりを育てようプロジェクト」を企画。石巻市から取り寄せた「ど根性ひまわり」の種を5粒ずつ渡し、各家庭で育ててもらい、成長した様子を写真に収めてもらった。 企画した同市大徳町の板倉正幸さん(72)は「震災を忘れず、被災地の皆さんを励ましたい」と話した。会場の一角では「ど根性ひまわり」の種数粒が入った小袋が無償で配布されている。 「ど根性ひまわり」 東日本大震災が起こった2011年夏に石巻市門脇地区のがれきの中に咲いたヒマワリ。震災直後、石巻市民が立てた「がんばろう石巻」の看板の後ろに一輪咲いたことから命名された。毎年「復興のシンボル」として地元住民に育てられ、7代目になる。(崎山勝功)

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