アマチュア写真家、飯田淳一さんの個展「ヒコーキ写真に魅せられて2021」が19日まで、つくば市吾妻のつくば市民ギャラリーで開催中だ。空港周辺の風景や気象現象などの中に飛行機を置いた情景的な写真がテーマで、北海道から沖縄まで全国を撮り歩いた16万点の中から約60点を選んで展示している。
情景的なヒコーキ写真の魅力について飯田さんは「飛行機の哀愁を感じる。着陸や飛び立つところなどを周りの風景とからめ、その空港らしさを開拓したい。自分がプロの写真を見ていいなと思ったのと同じように、自分の写真を誰かにいいなと思ってもらえたらうれしい」と話す。
中学生のとき写真を始め、キャリアは36年。風景や鉄道、自動車レースのラリーなどを撮っていたが4年前から飛行機に魅了された。羽田や成田から始まり今では年に数回、遠征してレンタカーなどで現地を数日間回る。「飛行機は簡単に撮らせてくれない。風向きや機体の重量でも飛ぶコースや高さが変わってしまったり、待って待ってやっと来たと思ったら太陽が隠れたりなど、狙った通りに撮れない難しさがある」
コロナ禍にシャッターチャンスも減便
昨年からはコロナ禍の影響も大きい。「旅客便が激減し、貨物便ばかりの時期もあった。成田でも以前は5分に1本とか山手線並みに来ていたのが、今は1時間に数本程度になってしまった」
そのような中で撮れた会心の一枚もある。今年11月、沖縄県の宮古列島にある下地島空港での写真だ。滑走路に向かう飛行機を、サンゴ礁に伸びる赤い進入灯とエメラルドグリーンの海面にからめて撮ることができた。
地元からは今年10月、今年度の茨城空港フォトコンテストで優秀賞を獲得した作品。これもコロナ禍で便数が少ない中、珍しいチャーター便が夕方に上空を旋回し、茨城空港へ向かうところをとらえた。「筑波山と霞ケ浦を入れたいと思い、フライトレーダーでルートを調べ、グーグルマップで目星を付け、現地を回ってポイントを決めた。初めての場所でどう飛んでくるか予想がつかず一発勝負。意外と高度があったが雲の色や形も良く、締まった写真になった」
今後は国内の未開拓の空港や、同じ場所でも季節や時候などを変えながら回ってみたいという。飯田さんは土浦市出身(土浦三中、常総学院高)、つくば市竹園在住。専門学校を卒業後、電子機器の工場勤務を経て昨年独立し、ハウスクリーニング専門店「おそうじ革命茨城つくば竹園店」を経営。顧客も写真や飛行機が好きな人が多いそうだ。個人のインスタグラムはiidacchi777。(池田充雄)
◆飯田淳一写真展「ヒコーキ写真に魅せられて2021」
12月11日~19日(日)午前9時30分~午後4時30分(最終日は午後3時まで)、つくば市民ギャラリー(つくば市吾妻2-7-5)。入場無料。会場ではオリジナルカレンダーも販売中