つくば市内のごみ収集業者が、事業系ごみの一部を家庭ごみに不正に積み替えて、市のごみ焼却施設に搬出していた問題(9月1日付)で、同市は18日、不適正な処理があったとして、つくば警察署に被害届を出したと発表した。併せて同日、市がこの業者に委託していた家庭ごみ収集委託契約を解除し、違約金として約850万円を請求した。
この業者は、つくば市谷田部の江原工業所で、市環境衛生課によると、市内外の飲食店や事務所などから料金をもらって収集した事業系ごみの一部を、自社の敷地内で、処理料が無料の家庭ごみ収集車に不正に積み替えて、10キロ当たり190円の処理料を市に支払わず、市のごみ焼却施設に搬出していたとされる。
同社は事業系ごみを収集・運搬する許可を同市から受けているほか、同市の委託を受け、谷田部地区の一部で家庭ごみを収集運搬しており、事業系ごみと家庭ごみの両方を収集運搬できる立場を利用したとみられる。
市によると、3月に元従業員から告発があり、4~6月に市ごみ焼却施設のごみ搬入データを分析、同社に立ち入り調査などを行った。同社は7月、市に不正を認める上申書を出したという。
同社がどのくらいの期間、どのくらいの量を不正に積み替えて、市にいくらの損害を与えたかについて市は、今後、警察の捜査に協力していきたいとしている。
一方、市は同社の不正を見抜けなかったことから、今後の再発防止策として、家庭ごみに事業系ごみが混じってないか、収集車を月数回、抜き打ちで調査するほか、ごみ収集委託業者を随時立ち入り調査するなどとしている。
五十嵐立青市長は「このような不正行為は許されないことであり、今後の捜査を見守ると共に、一般廃棄物収集運搬業許可に対する処分や、処理手数料の損害賠償請求についても、関係機関と協議しながら厳正に対処します」とし、さらに「(ごみ焼却施設の)サステナスクエアに搬入されるごみの監視の強化、全車両のチェック体制の構築、事業所への立ち入り調査など再発防止に取り組みます」とするコメントを発表した。